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飛鳥告白編
19話 勇太から逃げろ!!
しおりを挟む「…まぁ、本当にずっと話していたかはわかんないから───お兄ちゃんの身体に聞こうかな?」
にこにこ笑いながら勇太はあははっと笑った。
「─────てめぇっ」
飛鳥君がギロッと勇太を睨みつけた。
亮『…黎、体に聞くってなにされるんだ?』
黎『…うーん、おれもわからなくてな…』
亮『飛鳥君、勇太に睨んでたよな…。おれ、なにされんの?』
黎『…良いことではなさそうだな…』
亮『まじか…黎、今日黎の家へ泊まっていい?』
黎『あぁ。よくはわからないが嫌な予感がする。来てくれ。』
その間おれたちはテレパシーで会話する。
なんだ、この状況は…
「ねぇ、お兄ちゃん返して?僕のだから。」
「てめぇのじゃねぇんだよ。」
「なら…」
はぁっと勇太は息を吐くと飛鳥君ににかっと笑って言った。
「────力ずくで奪うしかねぇな!」
そういうと勇太は飛鳥君に飛びかかり顔面に殴りかかった。
「ぐっ…!!」
飛鳥君は勇太に殴られ顔を手で抑えた。
「─────っ、勇太っ!!お前、何やって…!!」
おれは勇太の手を止めようとした。
すると───
「逃げろ!!亮君!!早くっ…!逃げて…!!」
飛鳥君がそう叫ぶ。逃げる?なんで…?
「どうして…」
「速くっ…!!」
そういうと飛鳥君は勇太にめがけて何か粉のようなものをかけた。
「ぐっ…!」
勇太はそれをくらい、そのままその場に倒れてしまった。
「ゆ、勇太っ!?」
おれはびっくりして勇太の元へ駆けつける。
「大丈夫、ただのしびれ薬だから。」
…いや、大丈夫ではない気がする。
「───黎君。」
飛鳥君は黎を呼ぶと頭を下げた。
「──亮君を連れて逃げてくれ。」
「え…?」
黎はそう声をあげる。
「おれが勇太を止めてる間に…逃げてっ。」
「…なぜ、逃げる必要があるんだ?」
「逃げないと、亮君は勇太に監禁されるから。」
「…え?」
飛鳥君の言ってることがわからない。なんで、勇太に捕まると監禁されるんだ?黎も同じことを思ったようで固まっていた。
「か、監禁…?なぜ?」
「理由は話してる時間はない。お願いだ、亮君を守ってくれ。もう、あんな思いはしたくない…。」
飛鳥君はカタカタと身体を震えて黎の肩を掴んだ。
「────お願いだ。」
黎は飛鳥君の肩をポンッと叩いた。
「─────なんで、飛鳥君はそんな悲しそうな顔をしてるんだ。」
黎はそう飛鳥君に問いかけた。
「それは…君にはわからないっ…」
「そうか。」
おれはそういうと
「わかった。おれが亮を守るからな。」
といっておれの手を引いた。
「亮、逃げるぞ。」
「え、黎!?」
黎に手を引っ張られおれは逃げ出した。
「──────ボソッありがとう。」
飛鳥君の小さな声がおれと黎の耳にかすかに聞こえたのだ。
「黎っ…待っ…本当に逃げるのか!?てか、勇太から逃げるって…よくわからないんだけど…」
「おれだって全然わからない。
おれが一番今の状況を理解出来てないとは思ってる。」
黎はおれの手を掴んで走り出す。
「ならっ…!」
「飛鳥君の言っていたことが本当だったらって考えたら…勝手に体が動いたんだ…。
飛鳥君がおれはともかく亮に嘘をつくなんてことも考えられない…!どうなっているのか理解してかい…けど、おれも思ったんだ!」
「思ったって…?」
「亮の弟は───危険だと、思った。」
危険、飛鳥君も黎も勇太のことを危険だという。どうして?なんで…?
「なんで、」
「それは、わからないっ!けど…まずはおれの家に行こう!着いたらまた話し合おう!」
おれは黎に手を惹かれながら思っていた。
どうして、勇太は、危ないなんて言われてるんだ?
───おれが気づいてないだけなのだろうか?
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