生意気な弟がいきなりキャラを変えてきて困っています!

あああ

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黎編

3話 何があったんだろう…?

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その行為におれも先生もクラスメート達もびっくりしていた。

けど…ナイフを向けられたであろう正先生は何も驚いてなどいなかった。
それどころか…にこにこと笑顔で笑っていた。

「れーくん、ちょっと危ないですよ。それに…そんな投げ方では人に当たりません。落ち着いて…ね?」
「…黙れっ。」

黎はかたかたと体を震えながら正先生を睨んでいた。それは…びっくりする光景だった。

それはそうだ。だって…今まで黎に何を頼もうが黎は何も怒らなかった。

クラスメートの誰もが黎の怒る姿を見たこともないし、見ることはないと思っていた。

そのくらい…黎は温厚で誰にでも優しかった。
 なのに…黎は怒った。
しかも、突然の出来事だった。

「あのっ…黎!?どうした、落ち着きなさいっ!まず、その持ってるナイフを床に起きなさいっ…!」

教師はあわあわと黎に刺激させないように声をかける。

黎をみると片手に二本ずつナイフを持っていた。

先生は慌てた様子で黎の様子を伺っていた。
 …それは黎の構えが人に投げる体制だったからだ。

黎の体はカタカタと震え、今にも人に投げそうな様子だ。


「れーくん、担任の先生がそういってるんだから置かないとダメですよ。先生のことが大好きなれーくんならわかることでしょう?」
「っ─誰がっ…!」
「れーくん、言ったはずです。ちょっと油断が…人の認識を変えてしまうのですよ?」

正先生がそういうとはっと黎が周りを見渡した。
そして教室の様子を確認する。

するとはぁっと息を吐き

「…すみません。」

そういって黎は自分の席に座った。
けど…手に持っていたナイフは持ったままだった。

「先生、話を進めましょう。」
「あっ…いやっ…だが、」
「れーくんと僕は兄弟なんです。」
「え?」
「だからよく歯止めの聞かないくらいのやんちゃな喧嘩をしてしまうんですよっ。僕たち──仲がいいですから。」
「いや…だが…」
「…あとで、状況等、お話しさせていただく形でよろしいでしょうか?
もう、一時間目の授業が始まってしまいますので…」
「あ、…そ、そうだな。」

担任の先生はそういうと朝の会を始めた。

黎は朝の会が終わっても落ち着かない様子でずっと身体をカタカタと震わせていた。

一時間目の授業が終わった。おれは…黎に話しかけようとした。が…もしかしたらほっといてほしいのかもと思い話しかけようか迷っていた。

そしたら黎がこっちへ近づいてきた。

「あ、黎っ…「すまないっ!!」…え?」

いきなり黎に謝れておれはびっくりしてしまった。

「え、…なんで謝るの?」
「驚かせてしまっただろう…?」

黎はそういうと顔を真っ青にして身体が震えていた。

「まぁ…びっくりはしたけど…」
「すまないっ…!先生にもクラスメートにも…驚かせてしまった…!あんなこと…するつもりなんてなかったんだ…!!」

黎はそのまま土下座をしそうな体制に入りそうになる。
ぎょっとしておれは黎を止めた。

「黎、待って!!落ち着いてって!」


とりあえずおれは一旦黎を落ち着かせた。

「あの人が…黎のお兄さん…?」
「あぁ。殺したい…。、」
「ころっ!?」

黎は物騒なナイフを構えてプルプルと震えていた。

「なんで…あいつが、先生なんて…!死ねばいいのにな…」
「…。」

本当に黎はお兄さんのことが嫌いらしい。
というか黎が誰かを嫌うことが珍しいのだ。

「…そっか。お兄さんか。」
おれがそう呟くと黎はため息をついた。

「あぁ…。すまないな。…おれも本当は、こんなこと思いたくなどないんだ。」
「え…?」
「醜い相手だとはいえ、俺たちの副担任だ…。授業をする立場であるのだから感謝するべきなんだ。だが…、」

黎はそういうとはぁっと息を吐いた。

「でも…できない。」
「黎…。」

黎はそういうとおれの顔をじっとみた。

「亮、頼みがある。」
「え?なに?」

そうおれが答えると───黎がおれにナイフを差し出した。

「えっ…!?」

いきなり渡されたナイフにおれは戸惑いを隠せなかった。
だって…、いきなりだぞ?

「もし、おれに何か被害があったら────これで、あいつを殺してほしい。」

黎は真剣な表情でおれにナイフを渡す。
「な、被害って…!?」
「おれが…絶望に陥ったとき、これで亮に道を切り開いてほしい。俺の変わりに…あいつを…、殺して。」

あはっと笑って誤魔化そうと思った。なにいってんだよ、黎は~、なんて言って笑って。でも、出来なかった。だって…黎がとても真剣な顔をしていたから。

「う…うん。」

おれは黎のその固い意志を拒否することが出来なかった。

結局、おれは黎からナイフを一本貰った。友達からもらった初めての物がナイフになるとは…誰が想像しただろうか…。

「ありがとう、亮。」

黎はそういってにこっと笑顔を見せた。
けど、その笑顔が作ったものだということをおれはわかっていた。

黎はそのあとの授業も落ち着かない様子でナイフを持ちながらブルブルと震えていた。

とても…心配だ。

黎は───────お兄さんに何をされたのだろう?
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