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一章 中間管理職と”しごでき”の部下
(3)しごでき部下と泥酔と私
しおりを挟む会社からほど近い繁華街に向かい宛を探すと、運よく個室居酒屋に入ることができた。混み合う店内を案内され、掘り炬燵形式の小さなスペースに久世と向かい合って座る。格子戸で仕切られるから一応個室という感はある場所だ。
「ここ、よく来るんですか?」
「何回か来た事あるよ。結構おいしいし、値段も手ごろだし。この前の同期会もここだったかな」
お絞りで手を拭いている間に、久世が早速生ビールをふたつといくつかおすすめの料理を注文してくれた。店員が手元の端末ではなく久世を食い入るように見つめている。
「──羽多野さんの同期って言えば、喜田川さんとかですか?」
「そうそう。私、今年で八年目なんだけど、節目節目で退職転職は当たり前になるから、この会社での生き残りも少なくてさ。久世くんは? 同期会とかする?」
「あるみたいですけど、僕はあんまり。僕が参加すると揉めることも多くて」
「アッ」
察するに余りあるな。
「ごめんね、余計なこと言ったわ……」
「いえ……むしろ面倒な奴で羽多野さんには申し訳ないです……」
微妙な空気の中、よく冷えたジョッキに注がれた生ビールがやってきた。久世はジョッキを手に取ると居住まいを正して改めて私へ目を向ける。
「あの、僕をチームに迎えてくださって、本当にありがとうございます。精一杯やって羽多野さんに一生ついていくつもりですので、どうぞよろしくお願いします!」
「一生って。こちらこそ。久世くんしっかりしてるし、期待してる。まずは初契約おめでとう」
乾杯を交わして、きりりとした刺激を喉で味わうと、久世は安堵と共に長々息を吐き出して柔らかく笑う。相変わらず眩しいほどの顔のよさだったが、穏やかでどこか照れたような笑顔に私は不思議と緊張は覚えず、むしろ温かな気持ちを抱いた。
なんとかうまくやっていけるかも──そんなことさえ私は思い、久世は普段よりはしゃいだ様子で料理に舌鼓を打ち、話も弾んでグラスを重ね、そして……
「はたのさぁん、あのねえ、ぼくも、きたがわさんみたいに名前でよんでいーですか? 真咲しゃん。アハァ、いっちゃったぁ!」
久世は私の腕をとってべっだりと体にもたれ、私の頭に恍惚とした表情を摺り寄せた。
「あ、あの、どう呼んでもらってもいいんだけど、まず離れてもらっていいですか……」
「えへっ、めぇっちゃいいにおいしますぅ」
距離をとろうとしても恐ろしい力で引き寄せてくるし、何より席が狭くてすぐ横は壁といつの間にか追い込まれていた。
別にそこまで酒を煽ったつもりもないし、何だったらこの前の課の歓迎会でのほうが久世は呑んでいたようにも思えるのだが、グラスを終えるたび目つきが変わり、こうしてえらい勢いで別人のごとく甘えてきた。
「久世くん、ちょ、ちょっと、というかだいぶ? 近い、かなぁ」
「あ……真咲しゃん、やっぱりぼくのかお、いやですか……? め、すぐそらしますよねぇ、うざいです?」
「そりゃ逸らすだろ。久世くん、お酒じゃないの飲もうか。ね」
ソフトドリンクを注文しようとタッチパネルに手を伸ばしたところで、久世は私の手を取って阻止した。こいつ。
「うざい? うざいんだぁ……おれだって、好きでこんな顔してるわけじゃないのに」
「うざいなマジで」
「ましゃきしゃあ!」
「わぁーかったわかった! 大丈夫落ち着いて。うざくないから。安心して、自信もって、しゃきっとしよう」
言われるがまま赤ら顔で背筋を伸ばした久世に、私は大げさなほど頷く。
「いいねぇ、かっこいいよ久世。世界で一番かっこいい。それじゃそのまま横に四回くらいお尻動かして離れよう」
「よんかい?」
「三回でもいいわ。とりあえず、ね」
「じゃもっかい、くぜってよんでください。呼び捨て、すっげいいです。ささった」
「離れて、久世」
久世は途端またべったりとしなだれかかってきた。
「なんでくっつくんだよ! 離れろバカか!」
「真咲さん口悪いんだぁ。かっこいいぃ、好きぃ」
「ちょ、離れろマジで」
まさぐるんじゃなぁい!
「あんたこういうことするからどこ行ってもトラブル起きるんじゃないの!? それなら自業自得だろ!」
「おれ、こんなこと他のだーれにもしません。真咲さんだから! 真咲さんだと、なんでか甘えたくなんの! ずうっと我慢してました。すきっ!」
「はぁ!?」
やおら私の前にあったレモンサワーのグラスに手を付けようとした久世を制し、べたべたすり寄ってくる久世の顔を押しのける。
解散だ! もはや解散するしか道はない。カードで即行支払いをすませ、私は半分寝たような久世を引き摺って通りでタクシーを捕まえると彼を押し込めた。
「久世、ひとりで帰れるよね」
「むりぃ」
「家どこ?」
「さいきんー、ぼく、ひっこいたんですよ。だからぁ……いま、ちょっとわかんないです」
ダメだこいつ──!
運転手の舌打ちが聞こえ、私は頭を抱えながらも後部座席に乗り込んだ。
「久世、定期どこ? 鞄漁るよ」
「えっちぃ」
「言ってろ」
凭れ掛かってくるでかい男を無視して彼の薄い通勤バッグを開くと、すぐに電車の通勤定期が入ったカードケースを探り当てた。印字された駅名を見れば、私の自宅の最寄り駅のひとつとなりだ。
とりあえず運転手には自宅方向に進んでもらい、その間に久世を何とかするしかない。
「久世、家ってマンションかアパートでしょ? 名前わかる?」
「にーまる、ごです」
「それは部屋番号なんだよなぁ」
「たしかぁ……カタカナっす!」
「大抵そうだろ。こらこらこら、匂い嗅ぐな!」
「はじめてあったときから、真咲さんいい匂いすんなぁっておもってて。しあわせ」
にへら、とした緩んだ顔でさえも顔面が整っているとそれなりの威力を持っているものなのだと初めて知った。
「あんた、酔っぱらうとほんとめんどくさいね……」
「こんなよったの、はじめて」
「あっそ」
「──好きです」
息をするように口説いてくる。あまりに自然な告白に、どきりとしたのは事実だ。だが、囁く吐息の酒臭さに酔っ払いの戯言である現実が付きつけられる。もはや三十路を前にした私は、残念ながらそんな簡単にときめいたりできないくらいには世慣れし、擦れてしまっていた。
こいつは自覚がないだけで相当なトラブルメーカーだ。
これまで引き起こしてきたであろう彼を取り巻くいざこざも、もしかしたら彼がささやかな種をまいてきたのかもしれない。
やべぇ奴が来てしまった……。
深いため息と共に窓の外に流れる景色は、いつの間にか見覚えのあるものになっている。こいつどうしよう。家もわからないのにこのままタクシーに乗せておくわけにもいかないし。
近所のコンビニで水飲ませて様子みるか。
「真咲さん……」
「なに? 言っとくけど、私いま、あんまり機嫌よくな……い、どした? 顔色悪いな」
「きもちわるい。はきそう」
「えっ!?」
動揺したのは運転手も同じだった。自宅のあるマンションもすぐそこだったため、タクシーを停めてもらって支払いを済ませるや、私は久世を追い立てる。
「まだだよ、頑張って。もう少しだから!」
青白い顔で懸命にこらえる男を、鍵を開けた玄関に押し込めた。
「靴脱いで! トイレ曲がってすぐそこ、えっ何?」
久世は仕草で懸命にネクタイを示す。これを緩めろということか。バタバタやって靴を脱ぐ間、私はとりあえずトイレのドアを開け、四苦八苦して久世のネクタイを解くとジャケットを脱がせた。
「どう? いける? 間に合──」
便器は目の前だった。だが、あえなく堰き止められていた久世ダムは決壊した。
「……すいませ」
「いいから……ここは私が片付けるから、久世はシャワー浴びてきな」
「……え……えっち、する?」
「するかボケェ! あんたのゲロにまみれた服を洗うんだよ!」
取り急ぎ久世のシャツの汚れを拭き取り、風呂場の給湯とシャワーをつけてから脱衣所に押し込めた。
途方に暮れつつ床を掃除して、一応アルコールスプレーで消毒もした。ビニール手袋を外したところでふと耳に何かが呻くような音を聞き、嫌な予感に襲われながら私は脱衣所に続く引き戸に耳を澄ませる。
シャワーの水音とともに微かに、しかし確かに、戸を爪で引っ掻くような不穏な音がした。
「……嘘でしょ」
大丈夫かと声をかけながら恐る恐る戸を開けると、脱衣所には久世の抜け殻が残され、その横の浴室に目を移せば曇り戸の低い位置にべたりと張り付いた男の手があった。
「げぇっ! 久世!」
慌てて戸を開けると全裸の、そりゃ当然なのだが全裸の男がシャワーの水に叩きつけられながら風呂場の床に倒れ込んでいた。
「大丈夫?!」
「……おき、あがれ、ない……」
急ぎシャワーを止めて、脱衣所の籠の中のからバスタオルを数枚掴んでとって返す。うちにバスローブなんて洒落たものはないから久世に出来るだけ大きめのタオルをかけて、私は久世を抱き起こした。
重い身体に背を入れて肩を貸しながら、呻くばかりの久世を引き摺りリビングのソファに寝かせる。
「ほら、クッションのほうに頭預けて、右側下にして横になって、水持ってくるから」
「すいませ……」
「いいよ、もう。こうなったらどうしようもないでしょ。大人しく介護されとけ」
水と胃薬を飲ませ、彼の尊厳を極力目にしないように濡れた体を拭く。腹筋割れてるとか鍛えてあるとか、余計なことはできるだけ考えない。
「久世、とりあえずこれ着て。うちにあるやつでサイズ大きいのこれしかなくて」
「ああ、はい……」
抱き起こしながら苦心してシャツを着せ、パンツを履かせることは断念してスウェットに抱えた脚を突っ込む。マジで介護だな。
「まさきさん……」
仕方なし、久世の上に跨りズボンを引っ張り上げる私に彼は頬を染めて言う。
「すみません、おれ、いまちんちん……うまく、たたなくて」
「勃てなくていいです。どうぞご心配なく。それより頑張って少しだけ腰浮かすことできる? ズボン上げる」
背中に腕が回され、私にしがみつくような格好で久世は腰を浮かせ、あろうことか股ぐらのふにゃふにゃを押し付けてきた。
「余計なことせんでいい!」
*
──すごい疲れる……。
息切れする思いで私はドライヤーを手に久世の髪を大雑把に乾かした。
今更駅まで戻しても終電もないし、そもそも動けそうにもないし、今日はうちに泊めるしかない。これで毛布を掛けておけば、とりあえずは風邪をひくことはないだろう。
「はぁ……」
立ち上がろうとしたところで、ふいに久世が伸ばした手に手首を取られた。
「あの、真咲さん……」
「どした? まだ気分悪い?」
「いえ、だいぶおちつきました……あたま、きもちかったです。ほんと、ごめんなさい」
「しんどそうだし、このまま寝ていいよ」
目を閉じたまま、すこしだけ顔を顰めて久世は頷く。彼は私の腕を引くと、手のひらに頬を擦り寄せた。
「真咲さん、やさしくて、あまえたくなる」
「ほんと、私がやさしい上司でよかったね」
「……げんめつ、しました、よね」
「幻滅っていうか、まぁびっくりしたけど、超人かと思ってたやつが普通のバカ男だとわかってむしろ安心したわ。それより寝な。説教は明日」
手を解こうとしたはずが、久世は目を見開いて私を抱え込んだ。
「結婚して!」
「け、……はぁ?」
「すきです、すきすぎる……おれ、真咲さんと、けっこん、したい!」
振りほどこうにも久世はぐいぐいと腕を手繰り寄せ、離そうとしない。
「ちょ、久世、ふざけんのもいい加減に」
「がんばって、しあわせにしますから。おれのことも、しあわせにして、くらさ──」
言葉の途中で久世の意識は途絶え、あとは穏やかな深い寝息が聞こえるばかりだった。
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