無気力少女と魔王の日常

ここあ

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エリーside


「やっと見つけた。行くよ」優しい声と表情に、私は固まった。人に優しくされたのはいつぶりだっけ。こんなに優しい目で見てくれたのは。


「だれなの?」何かに興味を持ったのは本当に久しぶりの事だった。それに、彼はまるで私を探していたかのような口ぶりだ。


「僕は魔王ロイズ。ここには番を探しに来たんだ。本当に、本当にやっとだ。やっと見つけた、僕の唯一。さあ、僕と一緒に帰ろう」


「どこに?私の家はここにあるのに」


「君の家が恋しいなら、それを運んだっていいよ。でも君の大切な人、その、恋人、とかは連れていけない。僕は嫉妬で殺してしまうだろうから。君には、いるの?」


とても不安そうな顔をしているけど、いない。そもそも知り合いさえ居ないし。家と言ってもほんとーにボロ屋敷だ。この町に私を知ってる、いや覚えている人は3人くらいだろう。


その人達にだって、余り物を取って行くやつくらいの認識しかないのだろうし。とかなんとか考えていたら、答えるのが遅くなってしまった。


「質問に、答えて。」一瞬で私の目の前に来ると、顔をぐいっとされて、目線を合わせられた。わあ、近くで見ると本当に綺麗ね。


とゆーか、こんな事初めてされた。触れられたのも久しぶりだし、異性とこんなに距離が近いのもあり得なかったから。


「答えてって、言ってるの」さっきよりも、ずっと低い声だった。流石にちょっと答えるのが遅すぎたかな…





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