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「メアモリ・フォン・バレン! 貴様との婚約を、この場をもって破棄する!」
王宮の大広間。
シャンデリアの光が降り注ぐ華やかな夜会の最中、その叫び声は雷鳴のように轟いた。
音楽が止まる。
グラスを傾けていた貴族たちの手が止まる。
数百人の視線が一点に集中する中、壇上に立つこの国の第一王子、クラーク・アルガンは、まるで舞台役者のように高らかに腕を掲げていた。
その隣には、彼にしなだれかかるようにして怯える、小柄な男爵令嬢リリィの姿がある。
絵に描いたような断罪劇。
もはや社交界のテンプレートと言っても過言ではない光景だ。
そして、その指先が突きつけられた先にいるのが、私ことメアモリ・フォン・バレン公爵令嬢である。
周囲の令嬢たちが扇子で口元を隠し、ひそひそと囁き合う声が聞こえる。
「まあ、可哀想に……」
「ついに捨てられたのね、氷の令嬢」
「あまりに愛想がないから、殿下も愛想を尽かしたのでしょう」
侮蔑、嘲笑、そして少しの同情。
針のような視線が私に突き刺さる。
普通の令嬢であれば、ここで顔面蒼白になり、その場に崩れ落ちるか、あるいは涙ながらに無実を訴えるところだろう。
だが。
私は、ゆっくりと瞬きを一つした。
そして、固く閉ざしていた口を開く。
「――殿下。確認ですが、今『婚約破棄』と仰いましたか?」
私の声は、驚くほど冷静で、低く、よく通った。
クラーク殿下がふん、と鼻を鳴らす。
「そうだ! 何度でも言ってやる! 私は真実の愛を見つけたのだ! ここにいるリリィこそが、私の魂の伴侶! 冷酷で無慈悲、まるで能面のような貴様など願い下げだ!」
「つまり、私は明日から王城に登城しなくてもよろしい、と?」
「は?」
殿下が眉をひそめた。
私は構わずに続ける。
「毎朝四時の起床も、五時からの王妃教育も、七時からの公務補佐も、終わりの見えない晩餐会の準備も、山のように積まれた決裁書類の処理も。それら全てから、解放されるということでしょうか?」
「な、何を言っている……? 当然だろう! 婚約者でなくなるのだから、貴様にその資格はない!」
資格はない。
その言葉を聞いた瞬間。
私の脳裏に、天使のファンファーレが鳴り響いた。
(やったあああああああああああ!!)
内心で、私はガッツポーズを決めていた。
表情筋はピクリとも動かさない。
鉄壁の無表情を崩さないまま、しかし私の心は歓喜のサンバを踊っていた。
ああ、長かった。本当に長かった。
六歳で王太子の婚約者に指名されてから十二年。
私の人生は、まさに「労働」の一文字だった。
王妃になるための教育は苛烈を極め、完璧主義の現王妃様からは「笑い方がなっていない」「歩き方が二ミリずれている」と叱責され続ける日々。
それに加えて、このクラーク殿下がまた手のかかるお方だった。
「メアモリ、この書類読んでおいて」
「メアモリ、予算案の計算が合わないんだが」
「メアモリ、僕の代わりに式典に出てくれ」
彼は面倒な仕事を全て私に丸投げし、自分はリリィ嬢と優雅にティータイムを楽しんでいたのだ。
私は文句一つ言わずにそれらをこなしてきた。
なぜなら、一度口を開けば「仕事が増えるだけ」だと学習していたからだ。
だが、それも今日で終わり。
婚約破棄。
その響きは、私にとって「絶望」ではなく「無期限の有給休暇」と同義だった。
「……ふっ、ショックで言葉も出ないか」
黙り込んだ私を見て、殿下は勝手に解釈し、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「貴様のその、人を人とも思わぬ冷徹な態度! リリィへの数々の嫌がらせ! もはや我慢の限界だ!」
嫌がらせ?
記憶にない。
そもそも、私は忙しすぎてリリィ嬢の顔を見るのさえ、これが三回目くらいだ。
「殿下、恐れながら発言をお許しください」
「なんだ、今さら謝罪しても遅いぞ!」
「いえ、謝罪ではありません。確認です。私の追放先はどこになりますか?」
私の問いに、会場がざわついた。
自ら追放先を尋ねる悪役令嬢など、前代未聞だろう。
殿下も予想外だったのか、一瞬言葉に詰まったが、すぐに意地悪く口角を上げた。
「……ふん、殊勝な心がけだ。貴様のような冷血女には、人の住まぬ地がお似合いだ! 北の果て、『帰らずの森』を領地に持つ、ドラグニル公爵領へ行くがいい!」
ドラグニル公爵領。
会場から悲鳴に近い声が上がる。
そこは、国境付近に位置する未開の地。
さらに、そこを治めるギルバート・ドラグニル公爵は、強大すぎる魔力を制御できず、近づく者を不幸にする「呪われ公爵」として恐れられている人物だ。
「魔物が跋扈し、呪いに満ちた土地だ! 貴様はそこで、己の罪を悔い改めながら、惨めに暮らすといい!」
殿下が高笑いする。
リリィ嬢が「まあ、かわいそう……」と涙ぐむふりをしている。
しかし。
私の頭の中では、高速で計算が行われていた。
(ドラグニル公爵領……王都から馬車で一週間。社交界からは完全に隔絶されている。つまり、面倒な夜会に出なくていい)
(魔物が出る……ということは、人が寄り付かない。つまり、不要な来客対応をしなくていい)
(呪われ公爵……噂では引きこもりの変わり者。つまり、最低限の接触で済むなら、人間関係のストレスもフリー)
結論。
(最高じゃないですか)
私は、こみ上げる笑いを必死で噛み殺した。
表情筋が死んでいて本当によかった。
もし私が表情豊かなら、今頃満面の笑みで殿下にハグをしていただろう。
「……承知いたしました」
私は深く、優雅にカーテシー(礼)をした。
その動作は完璧で、洗練されており、指先ひとつ震えていない。
「殿下のご温情、感謝いたします。このメアモリ、直ちにその命に従い、王都を去る所存です」
「う、うむ? わ、わかればいいのだ」
殿下が拍子抜けしたように瞬きをする。
もっと泣き叫び、縋り付いてくると思っていたのだろう。
残念ながら、私にそんな無駄なカロリーを消費する気はない。
私はすっと顔を上げ、殿下と、その隣のリリィ嬢を見据えた。
「では、リリィ様」
「は、はい……!」
びくり、とリリィ嬢が肩を震わせる。
「殿下の補佐は大変激務です。朝は四時起き、睡眠時間は平均三時間。王妃教育の課題は分厚い本を一週間で十冊暗記。決裁書類は一日平均五百枚。……どうぞ、お体に気をつけて頑張ってくださいね」
「え?」
リリィ嬢の顔が引きつる。
「それでは、皆様。ごきげんよう」
私は踵を返した。
ドレスの裾を翻し、一度も振り返ることなく、大広間の出口へと歩き出す。
背後から「あれは強がりよ」「きっと馬車の中で泣くのね」という声が聞こえてくるが、どうでもいい。
重厚な扉を開け、夜風を浴びる。
そこには、私が事前に待機させておいた公爵家の馬車があった。
「お嬢様、早かったですね」
御じい(御者)が心配そうに私を見る。
「はい。予定通り、クビになりました」
「……左様でございますか」
長年仕えている御じいは、多くを語らない。
ただ、静かに馬車のドアを開けてくれた。
私はふかふかのシートに身を沈める。
ああ、このクッションの感触。
最高だ。
「行き先は?」
「ドラグニル公爵領へ。最短ルートでお願いします」
「承知しました。……お嬢様、お疲れのようですが」
「ええ、とても」
私は靴を脱ぎ捨て、足を伸ばした。
そして、御じいに向かって、人生で一番明るい声で告げた。
「起こさないでくださいね。着くまで、絶対に」
「……へい」
馬車が動き出す。
王城の明かりが遠ざかっていく。
さようなら、過労の日々。
さようなら、理不尽な上司(元婚約者)。
これからの私を待っているのは、呪われた土地でのスローライフ。
魔物が何だ。呪いが何だ。
明日、目覚まし時計をかけずに眠れること以上に、素晴らしいことなどこの世にあるものか。
私は目を閉じ、数秒後には泥のような深い眠りに落ちていた。
これが、私、メアモリ・フォン・バレンの、新しい人生の始まりだった。
王宮の大広間。
シャンデリアの光が降り注ぐ華やかな夜会の最中、その叫び声は雷鳴のように轟いた。
音楽が止まる。
グラスを傾けていた貴族たちの手が止まる。
数百人の視線が一点に集中する中、壇上に立つこの国の第一王子、クラーク・アルガンは、まるで舞台役者のように高らかに腕を掲げていた。
その隣には、彼にしなだれかかるようにして怯える、小柄な男爵令嬢リリィの姿がある。
絵に描いたような断罪劇。
もはや社交界のテンプレートと言っても過言ではない光景だ。
そして、その指先が突きつけられた先にいるのが、私ことメアモリ・フォン・バレン公爵令嬢である。
周囲の令嬢たちが扇子で口元を隠し、ひそひそと囁き合う声が聞こえる。
「まあ、可哀想に……」
「ついに捨てられたのね、氷の令嬢」
「あまりに愛想がないから、殿下も愛想を尽かしたのでしょう」
侮蔑、嘲笑、そして少しの同情。
針のような視線が私に突き刺さる。
普通の令嬢であれば、ここで顔面蒼白になり、その場に崩れ落ちるか、あるいは涙ながらに無実を訴えるところだろう。
だが。
私は、ゆっくりと瞬きを一つした。
そして、固く閉ざしていた口を開く。
「――殿下。確認ですが、今『婚約破棄』と仰いましたか?」
私の声は、驚くほど冷静で、低く、よく通った。
クラーク殿下がふん、と鼻を鳴らす。
「そうだ! 何度でも言ってやる! 私は真実の愛を見つけたのだ! ここにいるリリィこそが、私の魂の伴侶! 冷酷で無慈悲、まるで能面のような貴様など願い下げだ!」
「つまり、私は明日から王城に登城しなくてもよろしい、と?」
「は?」
殿下が眉をひそめた。
私は構わずに続ける。
「毎朝四時の起床も、五時からの王妃教育も、七時からの公務補佐も、終わりの見えない晩餐会の準備も、山のように積まれた決裁書類の処理も。それら全てから、解放されるということでしょうか?」
「な、何を言っている……? 当然だろう! 婚約者でなくなるのだから、貴様にその資格はない!」
資格はない。
その言葉を聞いた瞬間。
私の脳裏に、天使のファンファーレが鳴り響いた。
(やったあああああああああああ!!)
内心で、私はガッツポーズを決めていた。
表情筋はピクリとも動かさない。
鉄壁の無表情を崩さないまま、しかし私の心は歓喜のサンバを踊っていた。
ああ、長かった。本当に長かった。
六歳で王太子の婚約者に指名されてから十二年。
私の人生は、まさに「労働」の一文字だった。
王妃になるための教育は苛烈を極め、完璧主義の現王妃様からは「笑い方がなっていない」「歩き方が二ミリずれている」と叱責され続ける日々。
それに加えて、このクラーク殿下がまた手のかかるお方だった。
「メアモリ、この書類読んでおいて」
「メアモリ、予算案の計算が合わないんだが」
「メアモリ、僕の代わりに式典に出てくれ」
彼は面倒な仕事を全て私に丸投げし、自分はリリィ嬢と優雅にティータイムを楽しんでいたのだ。
私は文句一つ言わずにそれらをこなしてきた。
なぜなら、一度口を開けば「仕事が増えるだけ」だと学習していたからだ。
だが、それも今日で終わり。
婚約破棄。
その響きは、私にとって「絶望」ではなく「無期限の有給休暇」と同義だった。
「……ふっ、ショックで言葉も出ないか」
黙り込んだ私を見て、殿下は勝手に解釈し、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「貴様のその、人を人とも思わぬ冷徹な態度! リリィへの数々の嫌がらせ! もはや我慢の限界だ!」
嫌がらせ?
記憶にない。
そもそも、私は忙しすぎてリリィ嬢の顔を見るのさえ、これが三回目くらいだ。
「殿下、恐れながら発言をお許しください」
「なんだ、今さら謝罪しても遅いぞ!」
「いえ、謝罪ではありません。確認です。私の追放先はどこになりますか?」
私の問いに、会場がざわついた。
自ら追放先を尋ねる悪役令嬢など、前代未聞だろう。
殿下も予想外だったのか、一瞬言葉に詰まったが、すぐに意地悪く口角を上げた。
「……ふん、殊勝な心がけだ。貴様のような冷血女には、人の住まぬ地がお似合いだ! 北の果て、『帰らずの森』を領地に持つ、ドラグニル公爵領へ行くがいい!」
ドラグニル公爵領。
会場から悲鳴に近い声が上がる。
そこは、国境付近に位置する未開の地。
さらに、そこを治めるギルバート・ドラグニル公爵は、強大すぎる魔力を制御できず、近づく者を不幸にする「呪われ公爵」として恐れられている人物だ。
「魔物が跋扈し、呪いに満ちた土地だ! 貴様はそこで、己の罪を悔い改めながら、惨めに暮らすといい!」
殿下が高笑いする。
リリィ嬢が「まあ、かわいそう……」と涙ぐむふりをしている。
しかし。
私の頭の中では、高速で計算が行われていた。
(ドラグニル公爵領……王都から馬車で一週間。社交界からは完全に隔絶されている。つまり、面倒な夜会に出なくていい)
(魔物が出る……ということは、人が寄り付かない。つまり、不要な来客対応をしなくていい)
(呪われ公爵……噂では引きこもりの変わり者。つまり、最低限の接触で済むなら、人間関係のストレスもフリー)
結論。
(最高じゃないですか)
私は、こみ上げる笑いを必死で噛み殺した。
表情筋が死んでいて本当によかった。
もし私が表情豊かなら、今頃満面の笑みで殿下にハグをしていただろう。
「……承知いたしました」
私は深く、優雅にカーテシー(礼)をした。
その動作は完璧で、洗練されており、指先ひとつ震えていない。
「殿下のご温情、感謝いたします。このメアモリ、直ちにその命に従い、王都を去る所存です」
「う、うむ? わ、わかればいいのだ」
殿下が拍子抜けしたように瞬きをする。
もっと泣き叫び、縋り付いてくると思っていたのだろう。
残念ながら、私にそんな無駄なカロリーを消費する気はない。
私はすっと顔を上げ、殿下と、その隣のリリィ嬢を見据えた。
「では、リリィ様」
「は、はい……!」
びくり、とリリィ嬢が肩を震わせる。
「殿下の補佐は大変激務です。朝は四時起き、睡眠時間は平均三時間。王妃教育の課題は分厚い本を一週間で十冊暗記。決裁書類は一日平均五百枚。……どうぞ、お体に気をつけて頑張ってくださいね」
「え?」
リリィ嬢の顔が引きつる。
「それでは、皆様。ごきげんよう」
私は踵を返した。
ドレスの裾を翻し、一度も振り返ることなく、大広間の出口へと歩き出す。
背後から「あれは強がりよ」「きっと馬車の中で泣くのね」という声が聞こえてくるが、どうでもいい。
重厚な扉を開け、夜風を浴びる。
そこには、私が事前に待機させておいた公爵家の馬車があった。
「お嬢様、早かったですね」
御じい(御者)が心配そうに私を見る。
「はい。予定通り、クビになりました」
「……左様でございますか」
長年仕えている御じいは、多くを語らない。
ただ、静かに馬車のドアを開けてくれた。
私はふかふかのシートに身を沈める。
ああ、このクッションの感触。
最高だ。
「行き先は?」
「ドラグニル公爵領へ。最短ルートでお願いします」
「承知しました。……お嬢様、お疲れのようですが」
「ええ、とても」
私は靴を脱ぎ捨て、足を伸ばした。
そして、御じいに向かって、人生で一番明るい声で告げた。
「起こさないでくださいね。着くまで、絶対に」
「……へい」
馬車が動き出す。
王城の明かりが遠ざかっていく。
さようなら、過労の日々。
さようなら、理不尽な上司(元婚約者)。
これからの私を待っているのは、呪われた土地でのスローライフ。
魔物が何だ。呪いが何だ。
明日、目覚まし時計をかけずに眠れること以上に、素晴らしいことなどこの世にあるものか。
私は目を閉じ、数秒後には泥のような深い眠りに落ちていた。
これが、私、メアモリ・フォン・バレンの、新しい人生の始まりだった。
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