俺の脱ヲタ計画を彼女らは放っておいてはくれない

俺乃妹子

文字の大きさ
5 / 12
我らアニメ部へようこそ

1-1

しおりを挟む
 
「じぁ、また明日から頑張りましょうねぇ~さよなら~」

 担任の日暮里にっぽり先生が言うと、クラスメイト達は皆、席を離れガヤガヤとし始める。
 今日は入学式メインの初日のため、授業などの類は一切ない。これで放課後だ。

 教室を見渡すと、なんとも青春らしい光景が広げられていた。
 友達と行き先を決めるグループや互いのことを話すグループ、カラオケやらゲーセン、ファミレスやらそんな会話が多く聞こえた。
 そんな中で俺はと言うと、黙ってリュックを背負い、教室を後にしていた。

 ん?何か違くないか?
 おかしいよな。俺の青春どこいっの?
 今までの努力は?
 俺は今日一日の出来事を振り返る……うん。失敗だな
 仕方ない、明日から頑張るか。だが、一つだけ過去の俺と決定的に違うことがある。それは俺はこれから家へ帰るわけではないというところだ。
 何をするのかと聞かれれば、俺も分からない。
 ただ、恐怖の美少女、上野凛に呼び出された俺は空き教室へと向かっているのだ。
 ていうか、上野のやつも入学初日からよく空き教室なんて見つけたよな…
 ちなみに、拒否権はなく、ここで逆らえば即ヲタクバレらしい。

 俺は生徒手帳に書かれている学校案内図を見ながら、校内を進んでいった。
 スロープを通り、部活練1階へと進む。
 部活練もさすがに今日は静かである。普段なら先輩が部活などしているのだろうが、さすがに入学式の日にはどこの部活も動いていない
 俺の足音がうるさいくらい静かな廊下を生徒手帳を眺めながらすすむと部活練一番端の空き教室にたどり着いた。
 ここはどうやら荷物おきになっているらしく、すりガラスからみえるシルエットはダンボールなどばかりだ。

 俺は一応ノックをしてから静かにドアを開けた。

「失礼しまーす…」

 教室のドアをあけるとホコリ臭さが鼻腔を襲った。長年放置されてたであろうこの教室はかなりの破壊力をほこっていた。
 全く、この古さ溢れる空き教室で上野は何をしようって言うんだ…
 ため息を吐いてから、ダンボールのアーチを進むと教室の中心部に出た

「あら、遅かったわね。まことくん」

 日が差し込む教室の真ん中に、開けられた窓から吹き込む風で髪を揺らしながら微笑む美少女、言うまでもない。上野凛だ。
 悔しいがこいつの美少女っぷりはこの空き教室でさえも輝かしい空間としてしまうらしい。
 不覚にも上野に見とれてしまっていた自分を殺してやりたい。

「お前が早いだけだよ。それと俺の名前はせい

 前言撤回。やはりこいつは可愛くない。

「んで、こんなところに呼び出して何すんの?告白?」

「な、何言い出すのよ!気持ち悪い。違うわよ」

 気持ち悪いって言われました…冗談通じないヤツめ

「気持ち悪いのはわかったから、何すんの?」

 今思うと、全てはここから始まったんだろうと思う。
この時帰っておけばよかったと本当に思う。
だが、この時は引き返したりなんて考えもしなかったんだ……

上野は笑いながら言う。

「ふふふ、決まっているじゃない。部活を作るのよ!」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...