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第52話 あの、ちょっといいですか
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数日が経過しアステンダルにあるトレインの家に着く。
この数日ですっかり元気を取り戻し、時折フィオに体術を教えてもらっていたので以前より体が動くようになった感じがする。
最初はマリィの忠告に従ったものの、道中暇なこともありフィオにお願いすることにしたのだ。
基本的には「ここを、こうして、こう!」みたいにして、体を使って見本は見せてくれるが、具体的には教えてくれない……。
何を言ってるのか理解出来ないことも多いので、そんなときは目で盗むようにしている。
それにしても、ここに来るのも久しぶりだな。トレインも元気にしてるだろうか。
路地裏にある一軒の家に着くとサーシャが合鍵を使って玄関の扉を開ける。
「トレイン? 居るかしら?」と声を掛けながら部屋の中に入っていく。
俺達も大量の荷物を抱えて家の中に入り、トレインを呼んでみるも返事はない。
「あれ? トレインは居ないのか?」
「そうみたいですね。でも、私達がここに寄ることは伝えてあるので大丈夫でしょう」
リネットとフィオは馬車の移動で疲れたみたいで、倒れこむようにその辺に寝そべる。
「ようやくここまで着いたわね。この後どうする? このままグラヴェールに行くか、それともトレインと一緒にノーマ達を探しにいく?」
「トレインは引き続きノーマ達を探しながら、ムングスルドに行って情報を集めるらしいわ。トレインも私達の話を聞いて驚いていたけど、『今は仲間を信じて任務を全うする』と言ってたわ」
サーシャがトレインの意向をみんなに伝えるとマリィが心配そうに口を開く。
「ノーマ達のことも心配だがトレインも一人にしておくと危険だろうな……」
「どうしましょうか? 私としてはこのまま、グラヴェールに様子を見に行った後にでもトレインと合流したいのですが」
「うむ、危険性の高いギフトを強奪した人間が、グラヴェールに進行してるかもしれないしな。リネットが言うように、この世界に危機が迫ってるのなら、それを救うことこそが本来の任務だしな」
「ええ。一応話では私達の世界でもかなりの被害が出るようですし、それが本当なら見過ごせません」
「強奪した人間とフレッド達が繋がってる可能性も考えられるが、その線は薄いと思われる。どのみち、元の世界に戻るにはイストウィアと連絡が取れないと無理だし、自力で帰るなら奴等の転移方法を調べる必要がある」
「三人ともそれでいいかしら? とりあえずグラヴェールで様子を見てから、次にムングスルドに向かう方向で。その後のことはまた決めましょう」
俺達三人もそれに同意して次の目的地が決まり、リネットはおかれた現状の打開策を話す。
「でも、早いとこ今後どうするか決めないとね? 一番いいのはこの世界を助けた後、あいつ等をやっつけて転移した方法を聞くことよね」
「今の私達にやれることは最初に命じられた任務くらいだろうな。奴等の素性が判ったところで、この世界にいる限り何も対処出来ないし、フレッド以上の敵がいるかもしれないことを考えると迂闊には手が出せん」
元の世界に戻りさえすれば誰かに相談も出来るんだろうな。
俺の考えてたことを四人に聞いてみるか。
「なぁ? 俺から一つ聞きたいんだけどさ。みんなが異世界から来たことをこの世界の人間にバレたら絶対ダメなのか?」
俺からの唐突の質問に四人は首を捻り、リネットが聞き返してくる。
「突然どうしたのよ? まあ、バレないようとは言われてるけど絶対じゃないわ。特に今回みたいな戦闘があれば、必然的に隠すのが難しいしね」
「それだったらさ。俺を召喚してくれた人に頼んでみるのはどうかな? 俺を元の世界に戻してくれるみたいだし、もしかしたらリネット達を元の世界返すことも可能なんじゃないかと思ってさ」
一瞬時が止まり、四人は顔を見合せる。
しかし、悩むまでもなくすぐに結論が出たようである。
「そっかあ! その手があったわね! どうなるか判らないけど試してみる価値はありそうね」
「そうですね。この世界で知り合いを作るという発想は私達にはなかったことです。是非その方に頼んでもらえますか?」
「ああ、勿論だ! みんながこの世界のために戦ってくれてることを知れば協力してくるだろ。俺も隠し事をしなくて済むしな」
フィオとマリィからも笑みが溢れる。
「なら手土産にグラヴェールにジュラールとやらが現れたら捕まえてやろう。それで私達も帰ることが出来れば一旦は一安心だ」
「そうだね。嫌なことは早く終わらせて帰ろうよ!」
言ってみて良かったな。セレーナだったら四人のことを話せば解ってくれるだろうし、悪いようにはしないだろう。
マリィが明日からのスケジュールを発表する。
「では、明日グラヴェールに行き。その後にサルブレム国へと向かう。そして、イストウィアに戻れそうなら一旦戻って、再度この世界を救いに来ることにしよう」
「あいつ等が襲って来る前に戻りたいから早めに行動しましょう。ソウタの知り合いの人頼みになるわね」
「たとえ帰れなくてもフレッド達とムングスルドのことが判明すれば、この世界の人間を味方に付けられるんじゃないか? それだけでも随分違ってくるはずだ」
「証拠さえ掴めれば、私達もコソコソせずにすむから最高なんだけどね。でもとりあえずソウタのおかげで希望が持てたわ」
「どうなるかは分からないけどな。聞くだけ聞いてみようぜ」
「馬車の中で憂鬱な気分だったけど、少し前が明るくなった気がするわ。希望があるってだけでこうも違うのね!」
リネットは旅の疲れを癒すために軽やかな足取りでバスルームへと向かう。
現状は何も変わってないのに現金なやつだな……。俺もあんな思考だったら楽なんだろうか。
この数日ですっかり元気を取り戻し、時折フィオに体術を教えてもらっていたので以前より体が動くようになった感じがする。
最初はマリィの忠告に従ったものの、道中暇なこともありフィオにお願いすることにしたのだ。
基本的には「ここを、こうして、こう!」みたいにして、体を使って見本は見せてくれるが、具体的には教えてくれない……。
何を言ってるのか理解出来ないことも多いので、そんなときは目で盗むようにしている。
それにしても、ここに来るのも久しぶりだな。トレインも元気にしてるだろうか。
路地裏にある一軒の家に着くとサーシャが合鍵を使って玄関の扉を開ける。
「トレイン? 居るかしら?」と声を掛けながら部屋の中に入っていく。
俺達も大量の荷物を抱えて家の中に入り、トレインを呼んでみるも返事はない。
「あれ? トレインは居ないのか?」
「そうみたいですね。でも、私達がここに寄ることは伝えてあるので大丈夫でしょう」
リネットとフィオは馬車の移動で疲れたみたいで、倒れこむようにその辺に寝そべる。
「ようやくここまで着いたわね。この後どうする? このままグラヴェールに行くか、それともトレインと一緒にノーマ達を探しにいく?」
「トレインは引き続きノーマ達を探しながら、ムングスルドに行って情報を集めるらしいわ。トレインも私達の話を聞いて驚いていたけど、『今は仲間を信じて任務を全うする』と言ってたわ」
サーシャがトレインの意向をみんなに伝えるとマリィが心配そうに口を開く。
「ノーマ達のことも心配だがトレインも一人にしておくと危険だろうな……」
「どうしましょうか? 私としてはこのまま、グラヴェールに様子を見に行った後にでもトレインと合流したいのですが」
「うむ、危険性の高いギフトを強奪した人間が、グラヴェールに進行してるかもしれないしな。リネットが言うように、この世界に危機が迫ってるのなら、それを救うことこそが本来の任務だしな」
「ええ。一応話では私達の世界でもかなりの被害が出るようですし、それが本当なら見過ごせません」
「強奪した人間とフレッド達が繋がってる可能性も考えられるが、その線は薄いと思われる。どのみち、元の世界に戻るにはイストウィアと連絡が取れないと無理だし、自力で帰るなら奴等の転移方法を調べる必要がある」
「三人ともそれでいいかしら? とりあえずグラヴェールで様子を見てから、次にムングスルドに向かう方向で。その後のことはまた決めましょう」
俺達三人もそれに同意して次の目的地が決まり、リネットはおかれた現状の打開策を話す。
「でも、早いとこ今後どうするか決めないとね? 一番いいのはこの世界を助けた後、あいつ等をやっつけて転移した方法を聞くことよね」
「今の私達にやれることは最初に命じられた任務くらいだろうな。奴等の素性が判ったところで、この世界にいる限り何も対処出来ないし、フレッド以上の敵がいるかもしれないことを考えると迂闊には手が出せん」
元の世界に戻りさえすれば誰かに相談も出来るんだろうな。
俺の考えてたことを四人に聞いてみるか。
「なぁ? 俺から一つ聞きたいんだけどさ。みんなが異世界から来たことをこの世界の人間にバレたら絶対ダメなのか?」
俺からの唐突の質問に四人は首を捻り、リネットが聞き返してくる。
「突然どうしたのよ? まあ、バレないようとは言われてるけど絶対じゃないわ。特に今回みたいな戦闘があれば、必然的に隠すのが難しいしね」
「それだったらさ。俺を召喚してくれた人に頼んでみるのはどうかな? 俺を元の世界に戻してくれるみたいだし、もしかしたらリネット達を元の世界返すことも可能なんじゃないかと思ってさ」
一瞬時が止まり、四人は顔を見合せる。
しかし、悩むまでもなくすぐに結論が出たようである。
「そっかあ! その手があったわね! どうなるか判らないけど試してみる価値はありそうね」
「そうですね。この世界で知り合いを作るという発想は私達にはなかったことです。是非その方に頼んでもらえますか?」
「ああ、勿論だ! みんながこの世界のために戦ってくれてることを知れば協力してくるだろ。俺も隠し事をしなくて済むしな」
フィオとマリィからも笑みが溢れる。
「なら手土産にグラヴェールにジュラールとやらが現れたら捕まえてやろう。それで私達も帰ることが出来れば一旦は一安心だ」
「そうだね。嫌なことは早く終わらせて帰ろうよ!」
言ってみて良かったな。セレーナだったら四人のことを話せば解ってくれるだろうし、悪いようにはしないだろう。
マリィが明日からのスケジュールを発表する。
「では、明日グラヴェールに行き。その後にサルブレム国へと向かう。そして、イストウィアに戻れそうなら一旦戻って、再度この世界を救いに来ることにしよう」
「あいつ等が襲って来る前に戻りたいから早めに行動しましょう。ソウタの知り合いの人頼みになるわね」
「たとえ帰れなくてもフレッド達とムングスルドのことが判明すれば、この世界の人間を味方に付けられるんじゃないか? それだけでも随分違ってくるはずだ」
「証拠さえ掴めれば、私達もコソコソせずにすむから最高なんだけどね。でもとりあえずソウタのおかげで希望が持てたわ」
「どうなるかは分からないけどな。聞くだけ聞いてみようぜ」
「馬車の中で憂鬱な気分だったけど、少し前が明るくなった気がするわ。希望があるってだけでこうも違うのね!」
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