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第62話 お前等また来たのか
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数時間が経ち未だに動きはないようだが、早めに家を出てギフトがある建物に向かうことする。
兵士達に見つからないよう遠回りして行ってるけど、時間的には余裕で間に合いそうだな。
そう思っていた矢先サーシャが大きな声を上げる。
「来ました! 今オウルの目を借りて見ていましたが、アークの人達がギフトのある建物の方に向かって行ってます!」
続けざまにノルデも戻ってきて城の様子を報告する。
「た、大変ですよ! 城の兵士達が武器を構えて迎え撃つ準備をしてます!」
「そうか……。ということはサルブレムは戦闘する決断を下したってことか。始まってからじゃ遅い。俺達も急ごう!」
少し走りながら道を進んでいたら、一人の少女がヌイグルミを持って泣いているのが目についてくる。
どうしてこんな人が居ないところに? 逃げ遅れて道に迷ったのか?
「どうしたんだい? お父さんとお母さんは?」
「グスッグスッ。どこかはぐれちゃったみたい……」
参ったなあ、今から引き返すと間に合わないぞ。
「悪いみんな。先に行っててくれないか? この子を人がいるところまで送ってくよ」
「分かったわ。こんなとこに居ちゃあ危ないものね」
リネットがしょうがないわねといった顔で了承する。
俺はその子の手を取って来た道を引き返そうと後ろを向いた途端、何かが飛び付いてきて肩に激しい痛みが襲う!
「ぐぅ! なんだ?!」
見るとヌイグルミが鉄のような鋭い歯で肩を噛みついている。
ヌイグルミはどこからかは分からないが、ケタケタと声を出して笑っている。
「くっ! なんだこいつ! 気味悪いぞ!」
引き剥がそうとするがなかなか取れないので、頭を力一杯掴んで引っ張り地面に叩きつける。
女の子は落ちたヌイグルミを拾い上げて、嬉しそうに笑いながら自分頭をコツンと叩く。
「キャハハハッ! 残念! 首を狙ったのに外しちゃった! 私ったらドジね」
突然の出来事にみんなも唖然として動きが止まっていたが、マリィがすぐにこの異変を感じとる。
「みんな気を付けろ! こいつはフレッドの仲間だぞ!」
その言葉でみんなハッと我に返り女の子と距離を取る。
一人ではないはずなので周囲を警戒していたら、女の子の背後から三人の男女が姿を現す。
こんなときに限って来やがったか!
ヌイグルミを持った女の子は後ろにいる仲間に軽く謝る。
「ごめんねえ。一人でも殺れれば良かったんだけど、殺れなかったわ。でもまあ、気にしないで!」
「何が『気にしないで』だ! お前が少し気にしろよ。ったく、仕事を増やすんじゃねえよ」
「まあまあ、ジンバそんなに怒らないで。リリカに期待するもんじゃないわよ」
仲間と思われる背の高い筋肉質の男が女の子に向かって怒鳴り、もう一人の女がそれをなだめる。
「ちょっとあんた達! また私達を襲いに来たの?! 今忙しいから後にしてくれないかしら!」
リネットが三人のやり取りに割って入り文句を言うと、筋肉質の男がニヤリと笑う。
「だから来たんだよ。悪いけどここから先に通すわけにはいかねえ」
「んもう! いいわ! 時間も無いし、さっさと終わらせてそこを通させてもらいましょうか!」
「よく言った! 俺を倒して通ってみろ! 見せつけろや! 粉骨犀身!」
筋肉質の男ジンバのブレスレットが光を放ち、その光の粒子が徐々に武器の形へと変わっていく。
ジンバの手に巨大な角の骨が出現し、それを大きな剣ように握りしめる。
「やはりエスプリマの使い手か……ならば! 勇敢なる黒き猟犬よ! 我が敵の喉笛を食いちぎれ!」
マリィも応戦するためエスプリマを発動させ、いつもの使いなれた黒いライフルが彼女の手に納まる。
「……お前達はどうやって私達の居場所を特定しているんだ? そろそろ教えてくれてもいいんじゃないか?」
「問答無用!」
ジンバはマリィの頭上目掛けて縦に振り下ろした一撃を叩きつける。
マリィはその攻撃を素早くかわし、態勢を整えてすぐさま反撃に出る。
「威力は高そうだが私には当たらんよ。これで終わりだ!」
マリィは隙だらけのジンバにライフルを撃つが、弾はジンバの身体を貫通することなく弾かれる。
「なに!?」とマリィは一瞬驚くもすぐにいつもの真顔に戻る。
「なるほど。その筋肉はただの見せ物というわけでは無さそうだな」
「見せ物さ。俺達の戦いはつまるところ魂のぶつかり合いだろ? だから見た目なんて関係ない」
「フッ、それもそうか。ならば私が放った魂の一撃はお前の魂を打ち砕けなかったようだな」
「そういうことだ。そして武器の大きさは自身の魂の大きさよ! シャンティ! マグナ! お前達も行くぞ!」
ジンバにそう言われた女が面倒臭そうに、二枚のカードを取り出して投げる。
ドスッドスッ! とカードは音を立て地面に刺さり、女は文句を言いながら何かを発動させる。
「暑苦しいのよあんた達。スクレットシムチエール」
女が投げたカードから光の線が放出して地面に四角い枠が作りあげられる。
すると、その枠の中から剣を持った無数の骸骨達が地面からゾロゾロと湧いてくる。
なんだこれ!
あの光った四角の枠からタケノコみたいに骸骨が生えてきたぞ!
出現した骸骨の群れにリネットとフィオは武器を出して骸骨を倒していく。
俺も剣を抜いて応戦するが、次から次への湧いてくる骸骨に押され気味になり腕を切られてしまう。
「くそっ! これじゃあ、きりがない!」
「倒しても倒してもあの四角い枠から現れるから、こっちの体力だけが消耗されるわ」
こんな骸骨の群れに俺達は負けるのかよ?! 何か良い手はないのか?
「賢者の瞳よ! 我らに真実の姿を写し出せ!」
後ろにいるサーシャの声が周囲に響き渡り、地面に光の波紋が現れる。
光の波紋に触れた骸骨達は次々と消滅していき、地面に刺さったカードもボロボロと灰のよう崩れていく。
「それは幻覚です! 以前森で同じところを何度も歩かせたのは彼女の仕業でしょう。それから、木人を操って私達に攻撃してきたのはあの女の子だと思います」
サーシャは二人を睨み付けながら言うと、二人はそれを素直に認める。
「そうよ。あれは私が仕掛けたの。迷宮に入ったみたいで中々楽しかったでしょ? 」
「キャハッ! バレちゃったみたいね。『今のは良い攻撃だったわ』なんて言ってみたりして楽しめたわ! でもさ……それで勝ったつもりになってるんじゃないでしょうね?」
「そんなことはありませんが、出来ればもう止めて欲しいですね。やはり目的は私ですか?」
「そうよ。あなたに恨みはないけどこっちもやるしかないのよ」
森で襲ってきた奴等の正体はこいつ等だったのか。
あの木人を操ってたのがあんな小さい女の子だとは思わなかったな……。
「これ以上敵と話すな。殺りづらくなるぞ」
「そんなことは無いわ。これは決めたことだし、私達のためにも死んでもらうわ」
ジンバの言葉を否定したシャンティは、更に大きなカードを取り出す。
兵士達に見つからないよう遠回りして行ってるけど、時間的には余裕で間に合いそうだな。
そう思っていた矢先サーシャが大きな声を上げる。
「来ました! 今オウルの目を借りて見ていましたが、アークの人達がギフトのある建物の方に向かって行ってます!」
続けざまにノルデも戻ってきて城の様子を報告する。
「た、大変ですよ! 城の兵士達が武器を構えて迎え撃つ準備をしてます!」
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少し走りながら道を進んでいたら、一人の少女がヌイグルミを持って泣いているのが目についてくる。
どうしてこんな人が居ないところに? 逃げ遅れて道に迷ったのか?
「どうしたんだい? お父さんとお母さんは?」
「グスッグスッ。どこかはぐれちゃったみたい……」
参ったなあ、今から引き返すと間に合わないぞ。
「悪いみんな。先に行っててくれないか? この子を人がいるところまで送ってくよ」
「分かったわ。こんなとこに居ちゃあ危ないものね」
リネットがしょうがないわねといった顔で了承する。
俺はその子の手を取って来た道を引き返そうと後ろを向いた途端、何かが飛び付いてきて肩に激しい痛みが襲う!
「ぐぅ! なんだ?!」
見るとヌイグルミが鉄のような鋭い歯で肩を噛みついている。
ヌイグルミはどこからかは分からないが、ケタケタと声を出して笑っている。
「くっ! なんだこいつ! 気味悪いぞ!」
引き剥がそうとするがなかなか取れないので、頭を力一杯掴んで引っ張り地面に叩きつける。
女の子は落ちたヌイグルミを拾い上げて、嬉しそうに笑いながら自分頭をコツンと叩く。
「キャハハハッ! 残念! 首を狙ったのに外しちゃった! 私ったらドジね」
突然の出来事にみんなも唖然として動きが止まっていたが、マリィがすぐにこの異変を感じとる。
「みんな気を付けろ! こいつはフレッドの仲間だぞ!」
その言葉でみんなハッと我に返り女の子と距離を取る。
一人ではないはずなので周囲を警戒していたら、女の子の背後から三人の男女が姿を現す。
こんなときに限って来やがったか!
ヌイグルミを持った女の子は後ろにいる仲間に軽く謝る。
「ごめんねえ。一人でも殺れれば良かったんだけど、殺れなかったわ。でもまあ、気にしないで!」
「何が『気にしないで』だ! お前が少し気にしろよ。ったく、仕事を増やすんじゃねえよ」
「まあまあ、ジンバそんなに怒らないで。リリカに期待するもんじゃないわよ」
仲間と思われる背の高い筋肉質の男が女の子に向かって怒鳴り、もう一人の女がそれをなだめる。
「ちょっとあんた達! また私達を襲いに来たの?! 今忙しいから後にしてくれないかしら!」
リネットが三人のやり取りに割って入り文句を言うと、筋肉質の男がニヤリと笑う。
「だから来たんだよ。悪いけどここから先に通すわけにはいかねえ」
「んもう! いいわ! 時間も無いし、さっさと終わらせてそこを通させてもらいましょうか!」
「よく言った! 俺を倒して通ってみろ! 見せつけろや! 粉骨犀身!」
筋肉質の男ジンバのブレスレットが光を放ち、その光の粒子が徐々に武器の形へと変わっていく。
ジンバの手に巨大な角の骨が出現し、それを大きな剣ように握りしめる。
「やはりエスプリマの使い手か……ならば! 勇敢なる黒き猟犬よ! 我が敵の喉笛を食いちぎれ!」
マリィも応戦するためエスプリマを発動させ、いつもの使いなれた黒いライフルが彼女の手に納まる。
「……お前達はどうやって私達の居場所を特定しているんだ? そろそろ教えてくれてもいいんじゃないか?」
「問答無用!」
ジンバはマリィの頭上目掛けて縦に振り下ろした一撃を叩きつける。
マリィはその攻撃を素早くかわし、態勢を整えてすぐさま反撃に出る。
「威力は高そうだが私には当たらんよ。これで終わりだ!」
マリィは隙だらけのジンバにライフルを撃つが、弾はジンバの身体を貫通することなく弾かれる。
「なに!?」とマリィは一瞬驚くもすぐにいつもの真顔に戻る。
「なるほど。その筋肉はただの見せ物というわけでは無さそうだな」
「見せ物さ。俺達の戦いはつまるところ魂のぶつかり合いだろ? だから見た目なんて関係ない」
「フッ、それもそうか。ならば私が放った魂の一撃はお前の魂を打ち砕けなかったようだな」
「そういうことだ。そして武器の大きさは自身の魂の大きさよ! シャンティ! マグナ! お前達も行くぞ!」
ジンバにそう言われた女が面倒臭そうに、二枚のカードを取り出して投げる。
ドスッドスッ! とカードは音を立て地面に刺さり、女は文句を言いながら何かを発動させる。
「暑苦しいのよあんた達。スクレットシムチエール」
女が投げたカードから光の線が放出して地面に四角い枠が作りあげられる。
すると、その枠の中から剣を持った無数の骸骨達が地面からゾロゾロと湧いてくる。
なんだこれ!
あの光った四角の枠からタケノコみたいに骸骨が生えてきたぞ!
出現した骸骨の群れにリネットとフィオは武器を出して骸骨を倒していく。
俺も剣を抜いて応戦するが、次から次への湧いてくる骸骨に押され気味になり腕を切られてしまう。
「くそっ! これじゃあ、きりがない!」
「倒しても倒してもあの四角い枠から現れるから、こっちの体力だけが消耗されるわ」
こんな骸骨の群れに俺達は負けるのかよ?! 何か良い手はないのか?
「賢者の瞳よ! 我らに真実の姿を写し出せ!」
後ろにいるサーシャの声が周囲に響き渡り、地面に光の波紋が現れる。
光の波紋に触れた骸骨達は次々と消滅していき、地面に刺さったカードもボロボロと灰のよう崩れていく。
「それは幻覚です! 以前森で同じところを何度も歩かせたのは彼女の仕業でしょう。それから、木人を操って私達に攻撃してきたのはあの女の子だと思います」
サーシャは二人を睨み付けながら言うと、二人はそれを素直に認める。
「そうよ。あれは私が仕掛けたの。迷宮に入ったみたいで中々楽しかったでしょ? 」
「キャハッ! バレちゃったみたいね。『今のは良い攻撃だったわ』なんて言ってみたりして楽しめたわ! でもさ……それで勝ったつもりになってるんじゃないでしょうね?」
「そんなことはありませんが、出来ればもう止めて欲しいですね。やはり目的は私ですか?」
「そうよ。あなたに恨みはないけどこっちもやるしかないのよ」
森で襲ってきた奴等の正体はこいつ等だったのか。
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