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第107話 努力は人それぞれ
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フィオはデンバーから繰り出される斬撃を籠手で受け止め、カウンターで腹に一発入れる。
拳はみぞおちに深くめり込み、デンバーの体を後方へと吹き飛ばす。
苦しそうに呼吸をしながらその場にうずくまるデンバーに、フィオは追い討ちをかけようと走り出す。
しかし、フィオの動きが突然止まって地面に膝をつく。
その様子を見たデンバーはみぞおちを押さえながらニヤける。
「はあ、はあ……くくっ、浅かったようだがジワジワ効いてきたようだな」
「な、なんなの? 体がいうこと効かない……」
「教えてやろうか? この剣にはなあ! たっぷりと毒が仕込んであるんだよ!」
フィオは先程切った頬の血を拭って剣を見る。
「さっきの不意討ちはこのためだったんだ……。確かにセコい人の考えそうなことだね」
「合理的と言ってもらおうか。俺はこうやって冒険者ギルドのランクを上げてきたんだ。頭の悪い連中みたいにキレイ事ばかり言ったところで、金も名声も手に入らん!」
「そうだね。実力がないからこういう方法でしか周りに認めてもらえないもんね」
「これも実力の内だ。次生まれ変わった覚えておくんだな。世の中はなあ! 勝ったやつが正しいってことを!」
デンバーがフィオの頭に向かって剣を振り下ろす。
それとほぼ同時にフィオが回転の加わった拳を繰り出す。
「【烈千衝】!」
フィオの拳からキイーン! と鳴り、目には見えない波動でデンバーをぶっ飛ばす。
波動が直撃したデンバーは、服をズタズタに切り裂かれながら宙を舞って地面に落ちる。
フィオはピクリとも動かなくなったデンバーに声を掛ける。
「ごめんね。実はそんなに毒は回ってなかったんだよ。でも……勝った方が正しいんだよね?」
それでも多少は体に毒が回っていたらしく、フィオは少しその場に座って休む。
ソウタとラルフォードはお互いに激しく斬り合っていて、周囲に金属同士がぶつかる音が鳴り響く。
くっ! こいつ小悪党のくせに意外と強いぞ。
「中々やるじゃないか! ラルフォード!」
「バカが! 強者揃いの冒険者達を黙らせたのは誰だと思ってるんだ? お前ごときに負けるわけないだろう!」
「これだけの力があるのにどうしてこんなことする!?」
「はん! 俺はもっと上に立つべき人間なんだ! お前みたいな凡人と一緒にするな!」
「お前が上に立つべき人間だと? 人を誘拐して金を稼いでるような小者が言うことか!」
「うるさい! こんなものはただの足掛かりにしかすぎん! 俺は金だけではなく、これを機にもっと大きな力を手にいれるんだ!」
「お前のようなやつはどうやったって大物にはなれない! 失踪した人達はどこにやった?!」
「自分で探すことだな! もっとも、ここから生きて帰れたらの話だがな」
ラルフォードは俺への攻撃を止めて後ろに下り、ポケットから瓶を取り出してそれを飲む。
「この後ももう一仕事残ってるからな。早めに片付けないとせっかくの金づるから逃げられちまう」
見た目に変化はないけど何を飲んだんだ?
迂闊に近寄るのは危険だと判断して出方を窺う。
すると、ラルフォードは先程よりも速いスピードで一気に間合いを詰めてきて、鋭い連撃を繰り出してくる。
くっ! 受け止めるので精一杯で反撃が出来ない!? さっきのは身体強化の薬か!
それでもなんとか捌いていたら、ラルフォードは懐からなにかを取り出して俺の顔に投げつけてくる。
ばら蒔かれた砂みたいなものが片目に入り、激しい痛みに襲われてしまう。
「目潰しか! 流石にやることがセコいなラルフォード!」
「こんな古典的な攻撃に引っ掛かるやつがマヌケなんだよ! 【ギルハーツ】!」
ラルフォードから繰り出される高速の突きが俺の心臓を正確に狙ってくる。
片目でそれを確認した俺は貰ったスキルを発動する。
「【ブレイズスラッシュ】!」
剣が火を噴いた次の瞬間、俺の放った袈裟斬りの一撃ラルフォードに入る。
肩から腰辺りまで斜めに斬られたラルフォードは、血を流しながら後ろに倒れる。
「く……そ。俺がこんな子供に負けるなて……」
「俺が目潰しで怯んだあの瞬間隙が生まれたな。いつも後ろから不意討ちしたり卑怯なことばかりしてるからだ。まともに勝負をしてこなかったのが仇となったな」
「俺は……こんなところで……終わる人間……じゃない」
ラルフォードはそれを最後に意識を失う。
「サーシャに治してもらうまで死ぬんじゃないぞ。お前には厳正な処罰が待っているんだからな」
持ってきていたロープでラルフォードを縛り、リネット達の助けに向かう。
アリシアと対峙したマリィは先手を取って一発の銃弾を放つ。
「ワンちゃんパラダイス!」
撃たれる寸前にそう叫んだアリシアの周囲に、四つの丸い小さな珠が現れる。
その丸い珠がアリシアを守るように弾丸を打ち落とす。
「残念だったわね。 あんたの銃は私の可愛いワンちゃん達には通じないのよ」
「なるほど……主人と違って中々賢いようだな」
「私のことをただの筋肉おバカだと思ってるのじゃないでしょうね? だとしたらお仕置きだけすまないわよ」
「事実を言ったまでだ。まあ、お前が現場に証拠を残してくれたおかげで犯人はすんなり判ったわけだし、おまけに香水の匂いまでつけてくれていたんだから感謝はするがな」
「さっきリードの話をしてたのはそういうことだったのね……。いいわ、全員ぶちのめしてその責任を取ってあげるから!」
アリシアがメリケンサックでマリィに殴り掛かる。
マリィはそのパンチをすんでのところで避けるが、アリシアはそれに構うことなく後ろにあった木を殴る。
一撃で粉砕された木はパキパキと音を立てて倒木する。
マリィは粉々になった木を見て驚愕する。
「な、なんて威力なんだ……。こんなもの食らったらひとたまりもないないぞ……」
「木を破壊するつもりはなかったんだけど、きっと恋愛と同じで一度走り出したら止まらないのね、私」
自分の言葉に酔っているらしく、うっとりとした表情を浮かべて再びマリィに襲いかかる。
マリィは木の影に身を隠しながら距離を取ろうとするも、ことごとく木は粉砕されていく。
その攻防が何度も繰り返し行われ、周囲にある木がどんどん倒されていく。
「はあ、はあ……ちょっとあんた……。 いい加減逃げ回るのやめなさいよ。流石に疲れてきたわよ」
「ああ、すまない。周りの木が邪魔で射線が通らなかったもんでな。おかげで視界が良くなった」
「あんた、わざと木の影に隠れて私に壊させたんじゃないでしょうね!?」
「お前がどんどん木を破壊していくので、どこまで続けるのか気になったのはあるな。ついでに体力を消耗させることも出来たようだ」
「私を疲れさせたところであんたの銃は私には通じないんだから諦めてなさいよ」
「そういえば前にあった筋肉の男も同じことを言っていたな。お前達はよほど自信があるんだな」
「あんたのその余裕な態度もイラつくわ。その顔をぶん殴ってやりたいけど、可哀想だからお腹にしてあげる」
拳を振り上げて向かってくるアリシアに対し、今度は逃げることなくマリィは銃を構えて引き金を引く。
「吠えろ! ハウンドバーク!」
銃口から爆弾が爆発したときのような爆裂音が辺りに鳴り響く。
その音の影響なのか、アリシアの周囲にあった珠とメリケンサックが、光の粒子を放出しながらブレスレットに戻っていく。
アリシアは自分の持っていたメリケンサックが無くなり呆然とする。
「え? あら? みんなどこにいったの? まだ帰っていいって言ってないわよ」
「大方今の音に臆して逃げ帰ったんだろう。さて、覚悟はいいか?」
マリィは銃のトリガーガードを前に倒し弾を装填する。
「そういうことね……いいわ来なさい。飼い犬を守るのは主人の役目よ。それに全力でぶつかってもダメだったときは、恋愛でも諦めることにしてるの」
アリシアは両手を大きく広げてマリィにそう告げる。
「お前賢くはないかもしれないがその潔さは嫌いではない。さらばだ……」
マリィが引き金を引いて決着をつける。
拳はみぞおちに深くめり込み、デンバーの体を後方へと吹き飛ばす。
苦しそうに呼吸をしながらその場にうずくまるデンバーに、フィオは追い討ちをかけようと走り出す。
しかし、フィオの動きが突然止まって地面に膝をつく。
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それとほぼ同時にフィオが回転の加わった拳を繰り出す。
「【烈千衝】!」
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フィオはピクリとも動かなくなったデンバーに声を掛ける。
「ごめんね。実はそんなに毒は回ってなかったんだよ。でも……勝った方が正しいんだよね?」
それでも多少は体に毒が回っていたらしく、フィオは少しその場に座って休む。
ソウタとラルフォードはお互いに激しく斬り合っていて、周囲に金属同士がぶつかる音が鳴り響く。
くっ! こいつ小悪党のくせに意外と強いぞ。
「中々やるじゃないか! ラルフォード!」
「バカが! 強者揃いの冒険者達を黙らせたのは誰だと思ってるんだ? お前ごときに負けるわけないだろう!」
「これだけの力があるのにどうしてこんなことする!?」
「はん! 俺はもっと上に立つべき人間なんだ! お前みたいな凡人と一緒にするな!」
「お前が上に立つべき人間だと? 人を誘拐して金を稼いでるような小者が言うことか!」
「うるさい! こんなものはただの足掛かりにしかすぎん! 俺は金だけではなく、これを機にもっと大きな力を手にいれるんだ!」
「お前のようなやつはどうやったって大物にはなれない! 失踪した人達はどこにやった?!」
「自分で探すことだな! もっとも、ここから生きて帰れたらの話だがな」
ラルフォードは俺への攻撃を止めて後ろに下り、ポケットから瓶を取り出してそれを飲む。
「この後ももう一仕事残ってるからな。早めに片付けないとせっかくの金づるから逃げられちまう」
見た目に変化はないけど何を飲んだんだ?
迂闊に近寄るのは危険だと判断して出方を窺う。
すると、ラルフォードは先程よりも速いスピードで一気に間合いを詰めてきて、鋭い連撃を繰り出してくる。
くっ! 受け止めるので精一杯で反撃が出来ない!? さっきのは身体強化の薬か!
それでもなんとか捌いていたら、ラルフォードは懐からなにかを取り出して俺の顔に投げつけてくる。
ばら蒔かれた砂みたいなものが片目に入り、激しい痛みに襲われてしまう。
「目潰しか! 流石にやることがセコいなラルフォード!」
「こんな古典的な攻撃に引っ掛かるやつがマヌケなんだよ! 【ギルハーツ】!」
ラルフォードから繰り出される高速の突きが俺の心臓を正確に狙ってくる。
片目でそれを確認した俺は貰ったスキルを発動する。
「【ブレイズスラッシュ】!」
剣が火を噴いた次の瞬間、俺の放った袈裟斬りの一撃ラルフォードに入る。
肩から腰辺りまで斜めに斬られたラルフォードは、血を流しながら後ろに倒れる。
「く……そ。俺がこんな子供に負けるなて……」
「俺が目潰しで怯んだあの瞬間隙が生まれたな。いつも後ろから不意討ちしたり卑怯なことばかりしてるからだ。まともに勝負をしてこなかったのが仇となったな」
「俺は……こんなところで……終わる人間……じゃない」
ラルフォードはそれを最後に意識を失う。
「サーシャに治してもらうまで死ぬんじゃないぞ。お前には厳正な処罰が待っているんだからな」
持ってきていたロープでラルフォードを縛り、リネット達の助けに向かう。
アリシアと対峙したマリィは先手を取って一発の銃弾を放つ。
「ワンちゃんパラダイス!」
撃たれる寸前にそう叫んだアリシアの周囲に、四つの丸い小さな珠が現れる。
その丸い珠がアリシアを守るように弾丸を打ち落とす。
「残念だったわね。 あんたの銃は私の可愛いワンちゃん達には通じないのよ」
「なるほど……主人と違って中々賢いようだな」
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「ああ、すまない。周りの木が邪魔で射線が通らなかったもんでな。おかげで視界が良くなった」
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「お前がどんどん木を破壊していくので、どこまで続けるのか気になったのはあるな。ついでに体力を消耗させることも出来たようだ」
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「あんたのその余裕な態度もイラつくわ。その顔をぶん殴ってやりたいけど、可哀想だからお腹にしてあげる」
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「吠えろ! ハウンドバーク!」
銃口から爆弾が爆発したときのような爆裂音が辺りに鳴り響く。
その音の影響なのか、アリシアの周囲にあった珠とメリケンサックが、光の粒子を放出しながらブレスレットに戻っていく。
アリシアは自分の持っていたメリケンサックが無くなり呆然とする。
「え? あら? みんなどこにいったの? まだ帰っていいって言ってないわよ」
「大方今の音に臆して逃げ帰ったんだろう。さて、覚悟はいいか?」
マリィは銃のトリガーガードを前に倒し弾を装填する。
「そういうことね……いいわ来なさい。飼い犬を守るのは主人の役目よ。それに全力でぶつかってもダメだったときは、恋愛でも諦めることにしてるの」
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