俺と魔王の恋愛事情~召喚勇者ですが、触手な魔王に一目惚れしました!~

海野璃音

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本編

22:欲求不満?

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「そ、そんな思わせぶりな振りをするんじゃない! 我が堪えきれなくなったらどうするつもりだ! 我も触手なのだぞ!」

 うごうごと慌てる様子のヒルドが可愛い。紳士的であろうとしている姿が崩れるのはなんとなくいたずら心が湧く。

「俺……お前にだったらいいよ?」

 接触過剰でぶっ倒れるヤツが何を言っているのか。と言った感じではあるが……。

「駄目だ駄目だ駄目だ! 婚前での必要以上の接触はならん!」

 流し目でチラリと見上げたせいかヒルドは、俺からもビャッ! と距離を取ってしまう。

 大柄で厳つい外見のヒルドがするには可愛すぎる行動だが、その内に触手としての本能を理性で押さえつけていると思うと、大切にしてくれているのだなと感じる。

「そ、それより、そこまで回復したのであるならもう見守る必要もないな! 我は部屋に戻る! だが、何かあったら呼ぶのだぞ!」

 ただ、やりすぎたのか俺の求める答えを答える前に部屋へと戻ってしまった。

 ……ちょっと反省。

 ヒルドの部屋に続く扉が閉まり、一人ベッドに倒れる。

 ヒルドが居ない部屋は広い。だからか、ちょっと寂しい。

 ベッドは柔らかいし、シーツも上質だし、空調も整ってる感じがするし……快適なんだけど、満たされない。

 ヒルド……何してるんだろ。

 さっき、部屋に戻ったばかりのヒルドの事を考えるくらいにはヒルドを意識している。

 うん、これは重症だ。

 さっきので意識してくれただろうか?

 俺の事を考えていてくれるだろうか?

 そんな事を考えながらベッドの上でゴロゴロする。

 互いに意識しているのなら交際ゼロ日婚とかも良くないかなー。

 とか考えつつ、気が早いかなー。とも思う。

 俺が堪えられるかわかんないけど、もっと触れてほしいし、もっと一緒にいたい。

 恋というものは意外と厄介なのだと気づいた。

 恋愛マンガとかよくあんなにキラキラ描けるものだ。

 こんなにもどかしくて苦しいのに。

 頭の中がヒルドでいっぱいになっていくのを感じながら、毛布を抱き枕代わりに抱き締める。

 これがヒルドの腕だったら……。

 ヒルドの腕にすると柔らかく頼りない毛布だが、あの太くたくましい腕を想像するとなんとなく心が騒ぐ。

 あ、これヤバイ。ちょっとムラムラするかもしれない。

 ここ数年勇者活動でご無沙汰というか、欲求も枯れていたにも関わらず、腹の底から沸き上がるというか……なんというか……チンチンがイライラするというのを実感する。

 こんな欲求残ってたんだな。って、気持ちとヒルドに対する申し訳なさもちょっと浮かぶ。

 というか、毛布に抱きつきながらヒルドの腕を想像してムラムラするとか……! どれだけ欲求不満なんだよ俺!
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