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五章:恋心と葛藤と
53:自覚 ★
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七月も後半に近づき、夏真っ盛りを迎えた頃。渉には悩みができていた。
渉がバイトから帰って来た深夜。疲れからか緩く立ち上がった股間を慰めようとしたのだが……。
(……抜けねぇ)
若い大学生男子。渉自身の欲求が少ない方とはいえ溜まる物は溜まる。
処理する回数は多いほうではないものの、スッキリしようと思えばスッキリできる健全な男子であった。
しかし、最近はお供であったアダルトビデオを見てもいまいち反応しない。
もちろん視線は画面内で淫らに踊る女優に向くが、なんとなく今までとは違うような気がしたのだ。
(……なんでだ?)
下半身をまろび出しながら、首を傾げる渉。緩く立ち上がった雄芯は頼りなく、精を放つほどの硬さには達していない。
(この歳でインポ?いやいや、まさか)
若さゆえに、思い浮かんだ考えを散らし、原因を考える。
(抜いてないのいつからだ……?)
そういえば、最近自身を慰めることがなかったと、はたと気づき、記憶を思い起こす。
(……そうだ。あの手に襲われてからだ)
知らぬ怪異に嬲られ、陵辱された記憶を思い出し、それ以降そういった欲求がさらに薄くなっていた事に気づく。
最初は、あれだけ嬲られたゆえにしばらくはいいかと考えていたのだが、気がつけばあれから一ヶ月もの月日が流れていた。
(全然、抜いてないから気づいてなかった……ま、まさかチンコだけじゃイけなくなってるとか?)
想像したくもない空想に渉は青ざめる。
(いやいやいやいや……そんなことねぇって!実際女の子には視線いくし……)
視線を流したままのアダルトビデオへと向ける。
可哀想なものは、以前の自分を思い出すので純愛ものを選んだ。それゆえに、恋人に愛される設定の女の子が幸福そうによがる姿は、気持ち良さそうでとても目を惹かれた。
(……いいな。……?いいって……なにが?)
女優が良いというより、愛される女の子が羨ましい。と、いうような感情に渉は戸惑う。
(いや、いいって……羨ましい?……は?俺が?)
混乱しながらも、今一度愛される女の子へと視線を向ける。
やはり、愛され、満たされた表情の女優は幸せそうだ。
女優を愛撫する男優の動きを……優しく、壊れ物を扱うかのように愛撫するその手の動きを……真似するように自身の体に手を這わせた。
「んっ……」
優しく左手で肌を撫で、緩く立ち上がった雄芯を右手で愛撫する。
「っ……あ」
今までとは違う甘い快楽が背筋を伝い、脳へと届く。画面の中で女優が快楽に踊り、渉もその姿に自分を重ね合わせた。
「あぁ……」
先ほどまでは、ただただ処理するだけの義務的な快楽だったにもかかわらず、画面の女の子と自身を重ね合わせたと同時に、渉の体は甘く反応をし始める。
「っ、あ……んんっ……な……なんで……」
自分の体が理解できないと思いながらも渉の手は動く。画面の男優を真似した左手はシャツのうちへと滑り込み、優しく胸の粒を潰した。
「ぁ……やだ……」
胸から広がる微かな快楽。同時に白い手に嬲られた事を思い出し、否定的な声が上がるがそれでも渉は自身の胸の粒を指先で転がした。
「ぁ……あぁ……っ!」
胸で快楽を拾い、雄芯を擦りあげて快楽に酔う。その姿は、まるで画面に移る恋人に愛される女の子のようだった。
「っあああ!」
やがて、一際大きな快楽が弾け、渉は絶頂へと至る。白濁を右手に散らし、くったりと力を抜いた渉は小さく呟く。
「……最悪だ、俺」
渉は、画面に映る女の子と自分を重ねた。そして、渉を愛する恋人の姿は……恋人役の男優ではなく、輝かしい金髪を揺らした穂だったのだ。
「こんな事して、自覚するなんて……」
穂に愛される妄想で欲を放ち、その事を後悔する。それと同時に自覚した恋心が何よりも汚い物のように思えた。
渉がバイトから帰って来た深夜。疲れからか緩く立ち上がった股間を慰めようとしたのだが……。
(……抜けねぇ)
若い大学生男子。渉自身の欲求が少ない方とはいえ溜まる物は溜まる。
処理する回数は多いほうではないものの、スッキリしようと思えばスッキリできる健全な男子であった。
しかし、最近はお供であったアダルトビデオを見てもいまいち反応しない。
もちろん視線は画面内で淫らに踊る女優に向くが、なんとなく今までとは違うような気がしたのだ。
(……なんでだ?)
下半身をまろび出しながら、首を傾げる渉。緩く立ち上がった雄芯は頼りなく、精を放つほどの硬さには達していない。
(この歳でインポ?いやいや、まさか)
若さゆえに、思い浮かんだ考えを散らし、原因を考える。
(抜いてないのいつからだ……?)
そういえば、最近自身を慰めることがなかったと、はたと気づき、記憶を思い起こす。
(……そうだ。あの手に襲われてからだ)
知らぬ怪異に嬲られ、陵辱された記憶を思い出し、それ以降そういった欲求がさらに薄くなっていた事に気づく。
最初は、あれだけ嬲られたゆえにしばらくはいいかと考えていたのだが、気がつけばあれから一ヶ月もの月日が流れていた。
(全然、抜いてないから気づいてなかった……ま、まさかチンコだけじゃイけなくなってるとか?)
想像したくもない空想に渉は青ざめる。
(いやいやいやいや……そんなことねぇって!実際女の子には視線いくし……)
視線を流したままのアダルトビデオへと向ける。
可哀想なものは、以前の自分を思い出すので純愛ものを選んだ。それゆえに、恋人に愛される設定の女の子が幸福そうによがる姿は、気持ち良さそうでとても目を惹かれた。
(……いいな。……?いいって……なにが?)
女優が良いというより、愛される女の子が羨ましい。と、いうような感情に渉は戸惑う。
(いや、いいって……羨ましい?……は?俺が?)
混乱しながらも、今一度愛される女の子へと視線を向ける。
やはり、愛され、満たされた表情の女優は幸せそうだ。
女優を愛撫する男優の動きを……優しく、壊れ物を扱うかのように愛撫するその手の動きを……真似するように自身の体に手を這わせた。
「んっ……」
優しく左手で肌を撫で、緩く立ち上がった雄芯を右手で愛撫する。
「っ……あ」
今までとは違う甘い快楽が背筋を伝い、脳へと届く。画面の中で女優が快楽に踊り、渉もその姿に自分を重ね合わせた。
「あぁ……」
先ほどまでは、ただただ処理するだけの義務的な快楽だったにもかかわらず、画面の女の子と自身を重ね合わせたと同時に、渉の体は甘く反応をし始める。
「っ、あ……んんっ……な……なんで……」
自分の体が理解できないと思いながらも渉の手は動く。画面の男優を真似した左手はシャツのうちへと滑り込み、優しく胸の粒を潰した。
「ぁ……やだ……」
胸から広がる微かな快楽。同時に白い手に嬲られた事を思い出し、否定的な声が上がるがそれでも渉は自身の胸の粒を指先で転がした。
「ぁ……あぁ……っ!」
胸で快楽を拾い、雄芯を擦りあげて快楽に酔う。その姿は、まるで画面に移る恋人に愛される女の子のようだった。
「っあああ!」
やがて、一際大きな快楽が弾け、渉は絶頂へと至る。白濁を右手に散らし、くったりと力を抜いた渉は小さく呟く。
「……最悪だ、俺」
渉は、画面に映る女の子と自分を重ねた。そして、渉を愛する恋人の姿は……恋人役の男優ではなく、輝かしい金髪を揺らした穂だったのだ。
「こんな事して、自覚するなんて……」
穂に愛される妄想で欲を放ち、その事を後悔する。それと同時に自覚した恋心が何よりも汚い物のように思えた。
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