助けてお狐様!~大学デビューと共に幽世の戸を越えました~

海野璃音

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六章:夏休みとキャンプ

68:BBQ準備

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「渉」
「ん」

 レジャー施設もあるからか、人気のない遊歩道を二人はのんびりと歩く。段差の大きなところは、穂が先導するように渉の手を引いてくれる事が渉には嬉しかった。

(女扱いって言うよりは……大切に扱われている感じがするんだよな)

 渉も自分が男だというプライドはある。それゆえに穂が過保護だと思う事はあるが、渉が差し出されたた手を取ると嬉しそうに笑う穂が可愛く思えて、ついつい受け入れてしまっていた。

 人気がないゆえに二人っきりの時間を堪能していた二人だが、木々がざわめく中。穂が足を止めた。

「穂?」
「いや……なんでもない。人の声が聞こえたような気がしたのだが……気のせいだったようだ」

 渉が立ち止まった穂へと声をかければ、穂は何でもないと首を振る。渉は、そう言う事もあるよな。と、思い穂の様子を気にすることは無かった。

 その後は、何事もなく二人は遊歩道を標準タイムで抜け、テントを張ったサイトへと戻る。

「お、戻って来たのか渉」

 時間的に早かったのか、サイトにはまだ人が少なく、代表の森と他に数人がいるくらいでバーベキューの準備も始まっていなかった。

「はい。まだ準備始めてないんですか?」
「んー、そうだなぁ。そろそろ始めるか」
「じゃあ、炭おこし始めますね」
「頼むわー」

 渉の問いに森は、時計を見てから準備を始める事を決める。渉は自ら炭をおこす事を告げ、バーベキューコンロの近くに置かれたダンボールから炭を取り出すと、バーベキューコンロの中へと並べていった。

「結構な量用意するのだな」
「今回は、人多いからなー。一つ二つじゃ足りねぇよ」

 渉が炭を準備するのを穂は横から眺めながら呟き、渉はその呟きに応えながら、火がつきやすいように組み上げた炭に着火剤も混ぜつつ火をつける。

 最初はなかなか火のつかない炭も着火剤から上がる炎と団扇で送り込んだ空気により少しづつ火がつき、どんどんと温度を上げていった。

 火のついた炭を別のバーベキューコンロにいくつか分け、そこにまた炭を追加し、火力を上げる。

 そうやって火の準備をしているうちに、野菜の仕込みを終えた人達が洗い場から戻ってきたり、遊びに行っていた人達が戻ってきたりと渉達のサイトは賑わいだしていた。
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