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辺境の村の神子
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「こ……この子の加護は創造神の加護だ!神子が!神子が現れた!」
ある日の朝、村にある神殿で一番偉い神官のじーちゃんが叫び、周りの神官達が祈りを捧げ、村人達は喜び騒ぐ。
そんな混沌とした中、当事者である俺は……。
(あ、これあのゲームのオープニングじゃん)
なんて、ぼんやり思ったのだった。
なんてことがあったその数時間後……。俺は、一人綺麗な部屋でベッドの上に寝転んでいた。
まだまだ混乱しているがとりあえず自分の事を思い返してみよう。俺の名前は、ルカ。住んでいた王国の端の端の村で暮らしていた孤児だ。
この度、前世で崇めていたBLゲームの主人公として転生した事を思い出したのだが……。
解釈違いだこのやろおおおおおおおお!!!!!
いや、嬉しい。嬉しいけど違う!推しに会える事は嬉しいけど、それはそれ!これはこれ!
前世では社畜の腐男子だったのだけど、連日の出勤続きでとち狂った結果、なぜかBLゲーにドハマりし、買いあさり、ゲームだけには飽き足らずスピンオフ漫画やボイスドラマにまで手を出した俺だが、自分が主人公になるのは違う!
俺は、自分と主人公君を投影して萌えるタイプではなく、主人公君は主人公君として推しつつ、各攻略キャラクターと幸せになっていく過程を尊いと愛でるタイプだった。
だからこそ、俺は叫ぶ。俺が主人公君になったら違うんだよぉおおおおおおお!!!!!
ベッドの上でジタバタ、ビチビチする十歳。きっと神官が見たらビックリするだろう。誰もいなくてよかった。
神子と発覚してから神殿の奥へと通され、神官数人がかりで風呂に入れられてピッカピカに磨かれた。この世界で生まれて初めて見た鏡の中には、やせ細ってはいるが素材は抜群の黒髪黒目の美少年が佇んでいた。さすが、BLゲー主人公。痩せていても抜群に可愛い。解釈違いだけど。
俺の事をせっせと世話し、傷んだ髪に香油を塗ったり、傷だらけの指先に薬を塗っていく神官たちに五年前両親が流行り病で死んで、親戚の家で労働力として飼われていた孤児相手によくやるなー。と、思ったけど、彼らからしたら何よりも尊い神子だしな。そりゃ、丁寧に扱うだろう。
この国の国教の中で最も尊い存在。出現するだけで、国は富、大地は潤うとか言われている存在である。そして、その血を残せば緩やかに途切れることなく繁栄が続く。
ここまではよくある異世界系乙女ゲーとか、SNSの広告で見る漫画っぽい設定だけど、俺が転生したのはBLゲーム。世界観とかは前述に変わらないので乙女ゲーからの流用かよ!とか言われそうだけど、それがいいのだ。
男しかいない世界。あぶれる女性のいない実にシンプルに男同士でイチャイチャさせるのが目的の世界。妊娠だって魔法で出来ちゃうわかりやすい世界。
すっごいいい!俺が受けちゃん主人公君になるのは解釈違いだけど!
ストーリーとしては、神子になった主人公君が王都の神殿で育てられ、王侯貴族の通う学園に入学して、様々なイケメン攻略キャラとイチャラブして三年間過ごすっていう鉄板中の鉄板である。
神子でありながら孤児で、貴族達からの偏見や差別に苦しみながらも攻略キャラ達に支えられながら卒業式寸前で誰かと結ばれ、卒業式で婚約発表。そして、愛する人を得た神子は与えられた創造神の加護と共に長きにわたり国に繁栄をもたらす的なやつだ。
何から何まで王道中の王道を行く本作は、王道だからこその安定感があると好まれ、俺もそれだからこそ好きだった。
そして、主人公が受け固定というのも、それなり安定感がありよかったのだろう。受け攻めリバだと解釈違いです!って嘆く人もいるのがこの界隈。二次ではよく見かけるし、一次でもこの自カプの左右は固定!って言うのもSNSでよく見た。
俺もわからなくはない。主人公は受け。これは初めて手にした別のBLゲームからの刷り込みだが、主人公は受けがいい。もちろん、異論は受け付ける。でも、俺の性癖は変わらない。
主人公は受け。と言う事は、俺も受け。解釈違いなんだなぁあああああっ!
前世では腐男子という業の深い生物になっていたが、恋愛対象は多分女性だった。でも、正直抱くなら主人公君くらい可愛い男の子もいけるなと思っていた。
そう、俺は抱く側……というか、モブならたぶん……この世界での転生を大いに喜べた。でも、主人公。揺るがない事実。と言う事は受け。違うんだなぁあああ!
現実と理想の狭間でビタンビタンしてる俺。かれこれ五時間ぐらいこれを繰り返している。
朝に加護の儀をして、昼飯食べさせてもらった後からこうしてるし、窓の外はもう夕方だし。……元気だな俺。
でもまー、せっかく好きな世界に転生したんだし、堪能しても悪くはないよなぁ……。
どの攻略キャラもイケメンだし、別に誰とも結ばれないノーマルエンドでも大神殿に戻るだけで国はそこそこ繁栄する。バッドエンドらしいバッドエンドもない比較的平和なゲームだったし、推しを眺めるだけ眺めて楽しめばいい。
解釈違いでも楽しめるのは楽しんだ方が得だよな!なんて、持ち前の楽観的な考えで気持ちを切り替える。……切り替えられるまでに五時間ほどかかった事は気にしない。
物語の舞台となる学園に入学するまであと五年。一週間後には大神殿からの迎えも来る。それまではこの部屋に缶詰だろうけど、ご飯は食べれるし、朝から晩まで働き通しだった親戚の家に比べれば天国だ。
前世を思い出した時、前世も働きづめの社畜な事に笑いたくなったが、きっとそういう星に生まれていたのだろう。
ま、これからも神子として勉強とか儀式とかしなきゃいけないけど、ちゃんと食べれて休めるはずだから十分だろう。神子が過労死とか罰当たりすぎるし。
管理され続ける生活はちょっとなぁ……と思うけど、そのご褒美が推しを眺められる三年間というのなら頑張れる。
あー、早く学園に入学したい……そして、推しを眺めたい……。そんなことを考えながら、俺は扉の外から聞こえた夕飯を知らせる神官の声に返事を返したのだった。
ある日の朝、村にある神殿で一番偉い神官のじーちゃんが叫び、周りの神官達が祈りを捧げ、村人達は喜び騒ぐ。
そんな混沌とした中、当事者である俺は……。
(あ、これあのゲームのオープニングじゃん)
なんて、ぼんやり思ったのだった。
なんてことがあったその数時間後……。俺は、一人綺麗な部屋でベッドの上に寝転んでいた。
まだまだ混乱しているがとりあえず自分の事を思い返してみよう。俺の名前は、ルカ。住んでいた王国の端の端の村で暮らしていた孤児だ。
この度、前世で崇めていたBLゲームの主人公として転生した事を思い出したのだが……。
解釈違いだこのやろおおおおおおおお!!!!!
いや、嬉しい。嬉しいけど違う!推しに会える事は嬉しいけど、それはそれ!これはこれ!
前世では社畜の腐男子だったのだけど、連日の出勤続きでとち狂った結果、なぜかBLゲーにドハマりし、買いあさり、ゲームだけには飽き足らずスピンオフ漫画やボイスドラマにまで手を出した俺だが、自分が主人公になるのは違う!
俺は、自分と主人公君を投影して萌えるタイプではなく、主人公君は主人公君として推しつつ、各攻略キャラクターと幸せになっていく過程を尊いと愛でるタイプだった。
だからこそ、俺は叫ぶ。俺が主人公君になったら違うんだよぉおおおおおおお!!!!!
ベッドの上でジタバタ、ビチビチする十歳。きっと神官が見たらビックリするだろう。誰もいなくてよかった。
神子と発覚してから神殿の奥へと通され、神官数人がかりで風呂に入れられてピッカピカに磨かれた。この世界で生まれて初めて見た鏡の中には、やせ細ってはいるが素材は抜群の黒髪黒目の美少年が佇んでいた。さすが、BLゲー主人公。痩せていても抜群に可愛い。解釈違いだけど。
俺の事をせっせと世話し、傷んだ髪に香油を塗ったり、傷だらけの指先に薬を塗っていく神官たちに五年前両親が流行り病で死んで、親戚の家で労働力として飼われていた孤児相手によくやるなー。と、思ったけど、彼らからしたら何よりも尊い神子だしな。そりゃ、丁寧に扱うだろう。
この国の国教の中で最も尊い存在。出現するだけで、国は富、大地は潤うとか言われている存在である。そして、その血を残せば緩やかに途切れることなく繁栄が続く。
ここまではよくある異世界系乙女ゲーとか、SNSの広告で見る漫画っぽい設定だけど、俺が転生したのはBLゲーム。世界観とかは前述に変わらないので乙女ゲーからの流用かよ!とか言われそうだけど、それがいいのだ。
男しかいない世界。あぶれる女性のいない実にシンプルに男同士でイチャイチャさせるのが目的の世界。妊娠だって魔法で出来ちゃうわかりやすい世界。
すっごいいい!俺が受けちゃん主人公君になるのは解釈違いだけど!
ストーリーとしては、神子になった主人公君が王都の神殿で育てられ、王侯貴族の通う学園に入学して、様々なイケメン攻略キャラとイチャラブして三年間過ごすっていう鉄板中の鉄板である。
神子でありながら孤児で、貴族達からの偏見や差別に苦しみながらも攻略キャラ達に支えられながら卒業式寸前で誰かと結ばれ、卒業式で婚約発表。そして、愛する人を得た神子は与えられた創造神の加護と共に長きにわたり国に繁栄をもたらす的なやつだ。
何から何まで王道中の王道を行く本作は、王道だからこその安定感があると好まれ、俺もそれだからこそ好きだった。
そして、主人公が受け固定というのも、それなり安定感がありよかったのだろう。受け攻めリバだと解釈違いです!って嘆く人もいるのがこの界隈。二次ではよく見かけるし、一次でもこの自カプの左右は固定!って言うのもSNSでよく見た。
俺もわからなくはない。主人公は受け。これは初めて手にした別のBLゲームからの刷り込みだが、主人公は受けがいい。もちろん、異論は受け付ける。でも、俺の性癖は変わらない。
主人公は受け。と言う事は、俺も受け。解釈違いなんだなぁあああああっ!
前世では腐男子という業の深い生物になっていたが、恋愛対象は多分女性だった。でも、正直抱くなら主人公君くらい可愛い男の子もいけるなと思っていた。
そう、俺は抱く側……というか、モブならたぶん……この世界での転生を大いに喜べた。でも、主人公。揺るがない事実。と言う事は受け。違うんだなぁあああ!
現実と理想の狭間でビタンビタンしてる俺。かれこれ五時間ぐらいこれを繰り返している。
朝に加護の儀をして、昼飯食べさせてもらった後からこうしてるし、窓の外はもう夕方だし。……元気だな俺。
でもまー、せっかく好きな世界に転生したんだし、堪能しても悪くはないよなぁ……。
どの攻略キャラもイケメンだし、別に誰とも結ばれないノーマルエンドでも大神殿に戻るだけで国はそこそこ繁栄する。バッドエンドらしいバッドエンドもない比較的平和なゲームだったし、推しを眺めるだけ眺めて楽しめばいい。
解釈違いでも楽しめるのは楽しんだ方が得だよな!なんて、持ち前の楽観的な考えで気持ちを切り替える。……切り替えられるまでに五時間ほどかかった事は気にしない。
物語の舞台となる学園に入学するまであと五年。一週間後には大神殿からの迎えも来る。それまではこの部屋に缶詰だろうけど、ご飯は食べれるし、朝から晩まで働き通しだった親戚の家に比べれば天国だ。
前世を思い出した時、前世も働きづめの社畜な事に笑いたくなったが、きっとそういう星に生まれていたのだろう。
ま、これからも神子として勉強とか儀式とかしなきゃいけないけど、ちゃんと食べれて休めるはずだから十分だろう。神子が過労死とか罰当たりすぎるし。
管理され続ける生活はちょっとなぁ……と思うけど、そのご褒美が推しを眺められる三年間というのなら頑張れる。
あー、早く学園に入学したい……そして、推しを眺めたい……。そんなことを考えながら、俺は扉の外から聞こえた夕飯を知らせる神官の声に返事を返したのだった。
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