転生腐男子、BLゲー主人公となり解釈違いだと叫ぶ。

海野璃音

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神子の大神殿での日々

十八話

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 俺がシオンと文通するようになってから半年が経った。時間の流れというのは早いものである。

 手紙の内容は、互いの趣味とか、好きな物とかプライベートなものになり、シオンのオススメする王都の菓子店のお菓子とかをたまに送ってもらえるようになった。

 そのどれもが美味しく、美味しかった感想とかを手紙に書くと手紙の向こうで自慢に胸を張っているような文が返ってくるので実に微笑ましい。

 俺からも何かオススメできるものがあればいいんだけど、残念ながら元々田舎者であり、現引きこもり神殿生活なので流行りの物には疎い。

 せいぜいできるのはシオンが健やかな生活を送れるように祈りを捧げるくらいだ。

 毎日祈っていると手紙に書いたら、家の領の農作物が豊作なのはお前のせいかと言う手紙が届いた。

 悪い事ではないと思うのだがあんまり一つの領に祝福が偏ると他の領から印象が良くないらしい。

 なので、元々王国の平穏を祈ってはいたが、食料や災害に困る事のない生活が送れるようにと均等に祈るようにしている。まあ、それでもリヴァレ領の収穫は他の領より豊作らしいが。

 でも、王国自体の収穫量が全体的に増えた事については王宮からもお褒めの言葉を頂いている。

 そして、やはり同年代との交流は神子による祝福が強くなると言う事で改めて同年代の子息達との交流をと言われてしまった。

 今のところシオンだけだし、王国としてはより多く交流を持って欲しいと言うのが本音だろう。

 だが、シオンとの顔合わせで五分も持たずにぶっ倒れた実績のある俺である。交流に関しては文通で良好な関係を築いているとはいえ、大神殿としてはまだまだ慎重にしたいらしい。

 まあ、ぶっ倒れて怪我されたりしたら祝福とかそんなこと言ってられないからな。仕方ない事だろう。……俺の事なんだけど。

 そんなわけで、新しい交流関係を増やすのは今のところ保留と言う事になっている。

 だけど、次に交流を持つとしたらシオンと一緒に候補にあげられていた宰相子息のジェレミアだろう。

 銀髪赤目で長髪クールビューティー美人の少年時代とかぶっ倒れる自信がある。

 ちなみに、俺としては彼自身は受け攻めどちらもいけると思っている。主人公君とではなく、他の攻略キャラとのカップリングも最高なのだ。

 第一王子レックスとのカップリングでは正統派王子様×クールビューティー宰相子息という、公私ともに支え合う二次創作が主流だった。

 騎士団長子息のリッドとは、やや脳筋気味な体育会系×冷静な頭脳派という、互いの欠点を補うようなブロマンス寄りな関係が好まれていた。

 魔術師団長子息のエレノアとは、同じ頭脳派同士……秀才なジェレミア×魔術の天才だけど自身のないエレノアのカップリングが人気だった。天才なエレノアに嫉妬したり、逆にその自信のなさが愛おしく溺愛したりと結構な幅があったのも美味しいポイントだろう。

 ただ、シオンに関しては、シオン自身がレックス一筋な為か、こう……ヤンデレ的な二次創作もよく見られた。レックス×主人公のEND後とかの設定で特に。というか、シオン受けだと相手側のヤンデレ傾向がよくあったんだよなぁ……。レックスであった場合も。

 二次創作では、監禁される事の多かったシオンを思いながら、この現実では絶対幸せにしようと心に決める。おもにレックスと。

 レックス×シオン推奨派だからな俺は。公式が推してるんだから公式設定を推す。二人の結婚式で俺が神官として祝福するんだ絶対。

 そして、他の三人の結婚式でも俺が祝福したい。推しの!幸せを!最前列で祝福するんだ!

 ……まあ、その為には、推しを目の前にしても倒れない耐性を付けなきゃいけないんだけど。

 あー、でも推しの結婚式参加して正気でいられるかわかんねぇな。婚礼衣装見ただけで卒倒する自信がある。

 だって、ゲームのエンドロールのラストで主人公と攻略キャラとの結婚式のスチルがあるんだけど、美麗イラスト過ぎたんだ。

 それを、リアルで見る。……おれ、召されるかもしれない。

 そんな事を考えながらたそがれていたら、自室の扉が叩かれる。

「失礼いたします。ルカ様、シオン様からお手紙が届いておりますよ」

 扉を叩いたのはリアンで、その言葉の通り、手には手紙を持っていた。

「ありがとうリアン」

 シオンからの手紙を受け取り、ソファーに座り直して封を開ける。一度、手紙の尊さでよろめいた事があってからは、絶対に座りながら読んでと言いつけられているんだよな……。

 やらかしすぎである俺。

 自分の過去のやらかしに苦笑しながら、俺はシオンからの手紙を開いたのだった。
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