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第3章 ダーコラ国国境紛争
第3章第023話 …ただいま
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第3章第023話 …ただいま
・Side:ツキシマ・レイコ
国境からエイゼルまで二百キロメートルないくらいかな。ゆっくり目に走り続けても、明け方には着く。
関所には申し訳ないが、どのみち夜中には開いていないので、ちょっと横にそれて山の中を突っ切ってしまった。頭の上でレッドさんがナビゲートしてくれるので、獣道でも十分走れるが、何度か枝にぶつかりました。やはり暗闇の山中だと速度が出せないですね。
エイゼルの街並みが見えてきました。もう東の空が白くなって来ています。
目を覚ます人、朝食の準備をする人。早くも出立の準備に入る荷馬車。街が起き始める時間です。
山道から街道に戻り、道なりに駆けていきます。
ファルリード亭が見えてきました。
入り口を開けると、料理をしているカヤンさん、宿泊客の相手をしているミオンさん、料理を運んでいるモーラちゃん、カウンターで出立客に発破をかけているカーラさん。
こういう平和な日常の一助になるならと国境に行ったのですが。結果として一つの街が酷い目に遭ってしまいました。
…まぁ悪いのはバッセンベルのやつらだし。オルモック将軍の言うとおり、私が行かなければ、もっとたくさんの人たちが戦闘で死ぬことになったのでしょう。
ただ、自分の選択によって死ぬ人が出たという結末は、重たいです。重たすぎます。
地球では、荒事に無縁な生活でした。そりゃまぁ、平和な国の一市民でしたからね。悲惨な事件とかの報道はままありましたが。ああいう現場を経験する人なんて、むしろ少数派でしょう。
赤井さんから超常な力をもらっているとはいえ、こんなことに関わりたくなかったです。
今後も、こういうことがあるのでしょうか?
赤井さんが、人の形を捨ててドラゴンになってしまったのが、理由が分るような気がすします。人から外れれば、こういう気持ちから煩わされなくて済むのでしょうか?
ファルリード亭の入り口に立っていると、ミオンさんが気がついてくれました。
ミオンさんは、にっこり笑って、言ってくれました。
「お帰りなさい、レイコちゃんっ!」
・Side:ミオン・キック
東のダーコラ国との国境での紛争を回避すべく、レイコちゃんが出立して五日目の朝。
レイコちゃんが店の前に立っていた。
ほら、死んだ人が親しかった人のところに姿を現わすなんてよく聞く話だろ? なんかレイコちゃんの気配が薄かったもんだから、ドキッとしてしまったんだけど。
「お帰りなさい、レイコちゃんっ!」
レイコちゃんは、泣きそうな顔をしてタタッと駆け寄ってきて、私に抱きついてきた。
「レイコちゃん? …どうしたんだい?レイコちゃん?」
抱きしめ返してあげていると。えらく体が冷えてんじゃないか。
レッドさんも、レイコちゃんの頭の上で静かだ。
「ん~? …向こうで何か嫌な事があったのかい?」
ん?この匂い? レイコちゃんの服に着いているこの黒いのは、乾いた血じゃないのか?
「レイコちゃんっ! ケガしてんのかい?」
慌てて確認するが。
「ああ、ミオンさん、私の血じゃないから大丈夫です。ケガした人を介抱したから…」
慌てて彼女の体を確認する。本当に怪我はないようだけど…服のシミは全部血かい?
それにしても、これだけ手足出して寒空にいたのなら、そりゃ冷えるさ。
「レイコちゃん戻ってきたんだって?」
モーラがやってきたが。レイコの様子に気がついたのか、びっくりしている。
とりあえず、モーラに頼んで、レイコちゃんを洗い場に連れてってもらおう。
「レッドさんは、おばあちゃんのところでお帰りなさいしようね」
とレッドさんを連れてった後は。お湯を洗い場に届けて、彼女の着替えになりそうなものを探してこようかね。
旦那に朝食セットを頼むと、レイコちゃんを席に連れてって座らせた。
「…何があったのか、話せるのなら話してごらん。楽になるかもよ」
…ぽつぽつとレイコちゃんが話してくれたことは。要は、ダーコラ国の馬鹿な貴族をボコったことで戦争そのものは回避できたが。そのせいでバッセンベル領の馬鹿な貴族が馬鹿やって、ダーコラ国側の街に犠牲が出てしまったと…
なにやってんだろうね、バッセンベル領の貴族は…
「まぁ起きてしまったことだからもうどうしようもないけど。レイコちゃんのおかげで戦争が回避されて兵の犠牲が出なかったんだし。もしレイコちゃんが駆けつけなければ、その街はもっと酷いことになっていたんだろ? だったらレイコちゃんに悪いところなんて何一つ無いじゃ無いか」
人を助けたことで別の悪いことが起きてしまう。まぁたしかにやるせないだろうけど。
「戦争を回避したという善行の結果でそれが起きたのだとしても。神様じゃないんだから、何でもかんでも助けられるってもんじゃないだろ? レイコちゃんは最善を尽くした。うん、それは多分皆が分っているから」
赤竜神の巫女様と呼ばれて、頭も力も人並み以上なんだろうけど。打たれ弱さはほんと人並みだね。
「…心が納得していないんだね。悩めるだけ悩むしか無いかな」
旦那が朝食を持ってきてくれた。
レイコちゃんと協力して作ったポタージュスープの定食だ。牛乳とバターを使うのでちょっと高めだが、コクのあるホッとする味は、寒くなってきたこの時期に人気になりつつある。
「…まぁ、長い人生そんなこともあるさ」
旦那もこれで結構波瀾万丈だったからね。この人が言うと、妙に含蓄があるね。
困ったような笑みを旦那に返して、レイコちゃんとレッドさんは、朝食を食べ始めた。
・Side:ツキシマ・レイコ
国境からエイゼルまで二百キロメートルないくらいかな。ゆっくり目に走り続けても、明け方には着く。
関所には申し訳ないが、どのみち夜中には開いていないので、ちょっと横にそれて山の中を突っ切ってしまった。頭の上でレッドさんがナビゲートしてくれるので、獣道でも十分走れるが、何度か枝にぶつかりました。やはり暗闇の山中だと速度が出せないですね。
エイゼルの街並みが見えてきました。もう東の空が白くなって来ています。
目を覚ます人、朝食の準備をする人。早くも出立の準備に入る荷馬車。街が起き始める時間です。
山道から街道に戻り、道なりに駆けていきます。
ファルリード亭が見えてきました。
入り口を開けると、料理をしているカヤンさん、宿泊客の相手をしているミオンさん、料理を運んでいるモーラちゃん、カウンターで出立客に発破をかけているカーラさん。
こういう平和な日常の一助になるならと国境に行ったのですが。結果として一つの街が酷い目に遭ってしまいました。
…まぁ悪いのはバッセンベルのやつらだし。オルモック将軍の言うとおり、私が行かなければ、もっとたくさんの人たちが戦闘で死ぬことになったのでしょう。
ただ、自分の選択によって死ぬ人が出たという結末は、重たいです。重たすぎます。
地球では、荒事に無縁な生活でした。そりゃまぁ、平和な国の一市民でしたからね。悲惨な事件とかの報道はままありましたが。ああいう現場を経験する人なんて、むしろ少数派でしょう。
赤井さんから超常な力をもらっているとはいえ、こんなことに関わりたくなかったです。
今後も、こういうことがあるのでしょうか?
赤井さんが、人の形を捨ててドラゴンになってしまったのが、理由が分るような気がすします。人から外れれば、こういう気持ちから煩わされなくて済むのでしょうか?
ファルリード亭の入り口に立っていると、ミオンさんが気がついてくれました。
ミオンさんは、にっこり笑って、言ってくれました。
「お帰りなさい、レイコちゃんっ!」
・Side:ミオン・キック
東のダーコラ国との国境での紛争を回避すべく、レイコちゃんが出立して五日目の朝。
レイコちゃんが店の前に立っていた。
ほら、死んだ人が親しかった人のところに姿を現わすなんてよく聞く話だろ? なんかレイコちゃんの気配が薄かったもんだから、ドキッとしてしまったんだけど。
「お帰りなさい、レイコちゃんっ!」
レイコちゃんは、泣きそうな顔をしてタタッと駆け寄ってきて、私に抱きついてきた。
「レイコちゃん? …どうしたんだい?レイコちゃん?」
抱きしめ返してあげていると。えらく体が冷えてんじゃないか。
レッドさんも、レイコちゃんの頭の上で静かだ。
「ん~? …向こうで何か嫌な事があったのかい?」
ん?この匂い? レイコちゃんの服に着いているこの黒いのは、乾いた血じゃないのか?
「レイコちゃんっ! ケガしてんのかい?」
慌てて確認するが。
「ああ、ミオンさん、私の血じゃないから大丈夫です。ケガした人を介抱したから…」
慌てて彼女の体を確認する。本当に怪我はないようだけど…服のシミは全部血かい?
それにしても、これだけ手足出して寒空にいたのなら、そりゃ冷えるさ。
「レイコちゃん戻ってきたんだって?」
モーラがやってきたが。レイコの様子に気がついたのか、びっくりしている。
とりあえず、モーラに頼んで、レイコちゃんを洗い場に連れてってもらおう。
「レッドさんは、おばあちゃんのところでお帰りなさいしようね」
とレッドさんを連れてった後は。お湯を洗い場に届けて、彼女の着替えになりそうなものを探してこようかね。
旦那に朝食セットを頼むと、レイコちゃんを席に連れてって座らせた。
「…何があったのか、話せるのなら話してごらん。楽になるかもよ」
…ぽつぽつとレイコちゃんが話してくれたことは。要は、ダーコラ国の馬鹿な貴族をボコったことで戦争そのものは回避できたが。そのせいでバッセンベル領の馬鹿な貴族が馬鹿やって、ダーコラ国側の街に犠牲が出てしまったと…
なにやってんだろうね、バッセンベル領の貴族は…
「まぁ起きてしまったことだからもうどうしようもないけど。レイコちゃんのおかげで戦争が回避されて兵の犠牲が出なかったんだし。もしレイコちゃんが駆けつけなければ、その街はもっと酷いことになっていたんだろ? だったらレイコちゃんに悪いところなんて何一つ無いじゃ無いか」
人を助けたことで別の悪いことが起きてしまう。まぁたしかにやるせないだろうけど。
「戦争を回避したという善行の結果でそれが起きたのだとしても。神様じゃないんだから、何でもかんでも助けられるってもんじゃないだろ? レイコちゃんは最善を尽くした。うん、それは多分皆が分っているから」
赤竜神の巫女様と呼ばれて、頭も力も人並み以上なんだろうけど。打たれ弱さはほんと人並みだね。
「…心が納得していないんだね。悩めるだけ悩むしか無いかな」
旦那が朝食を持ってきてくれた。
レイコちゃんと協力して作ったポタージュスープの定食だ。牛乳とバターを使うのでちょっと高めだが、コクのあるホッとする味は、寒くなってきたこの時期に人気になりつつある。
「…まぁ、長い人生そんなこともあるさ」
旦那もこれで結構波瀾万丈だったからね。この人が言うと、妙に含蓄があるね。
困ったような笑みを旦那に返して、レイコちゃんとレッドさんは、朝食を食べ始めた。
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