108 / 383
第3章 ダーコラ国国境紛争
第3章第025話 戦後処理
しおりを挟む
第3章第025話 戦後処理
・Side:ツキシマ・レイコ
もう来週は新年祭!というころ。再度伯爵邸にお呼ばれしました。
伯爵邸で待っていたのは、カステラード殿下、ネタリア外相、マラート内相の三人連れでした。…この国の上層部なのに、フットワーク軽いですね。いいんですか?
「レイコ殿、申し訳ない!」
いきなりカステラード殿下に謝られました。控えている侍従の人たちも驚いています。
「母上にも叱られたよ。あのバッセンベルの五百人が北の位置で"止っている"という時点で、対抗策を出して置くべきだったとね。しごくもっともだ」
ネタリア外相が話を引き継ぎ、淡々と続けます。
「ダーコラ国とのその後について簡単に。本来はあのカプチャという軍監がやらかしたことで、その後の交渉も有利になるところでしたが。停戦後の略奪を不問にすることで相殺されました。ただ、街の方には賠償として金銭と食料などの物資を送ってあります。これで、街の復興と来年の秋までの生活には、問題ないでしょう」
「…ありがとうございます」
まぁ、私が謝られることでも感謝することでも本来無いのでしょうけど。
「カプチャはダーコラ国で爵位剥奪…というよりは放逐ですな。本当は一族郎党諸共処刑という話もあったのですが、オルモック将軍が話を付けてくれたようで、妻子は実家に戻ったそうです。本人がその後どうなるかは知ったこっちゃ無いですが」
はい。連座でないのならかまいません。あとは本人の責任です。
「ダーコラ国では、オルモック将軍の評価が急上昇のようで。当初は一戦も交えず逃げ帰ってきたと言われてましたが。カプチャの失態を相殺した上で、赤竜神の巫女様と誼を繋げた功績…というところですな」
「お互いに馬鹿には苦労させられるな…的なことをちょっと話しただけですよ。ただまぁ、信用できる人物だなとは思いました」
「ふむ。向こうの立場に影響ない程度で、多少なりとも繋ぎをつけておいた方が良さそうですな。」
確かに、オルモック将軍なら話が通じそうですので、損は無いでしょう。
マラート内相が話を引き継ぎます。
「バッセンベル関係ですが。アトラコムは、来年春に処刑となります。まぁダーコラ国との内通もですが、カステラード殿下を狙っていたってのは、もう言い訳のしようが無いですな」
モンテスの方は、結局ネイルコード国には帰って来れないようです。支払う身代金を用意しようにも、全財産が差し押さえですしね。
「さらに、襲撃した部隊のやつらがですな、これがバッセンベル領の貴族の次男三男の集団でして。こやつらも同罪となります。彼らの家は、爵位剥奪となり、妻子は実家に戻されます。レイコ様の恩赦で連座は無し…と伝えております」
「私の恩赦ですか?」
「連座で無くても、単に処罰しただけでは妻子の怨嗟がレイコ殿に向く可能性がありますからな。本来は連座で処刑というところを、レイコ様たってのお願いで恩赦となった…ということにしております」
襲撃に参加しなかった人たちは、比較的まともな貴族に率いられていた…ってことらしいですが。ただ、停戦後の越境は安易に無罪には出来ないとのことです。
「船乗り病の対策の話、覚えておられますかな? 現在、対策に使えそうな保存食をいろいろ作らせておりましてな。その実験に参加することを持って、赦免ということとなりました」
エイゼル市の沖のボルト島。この西端の海軍基地…の沖の草木もない島。ここに兵舎を建てて。通常の船員食だけ、陸上の兵員食だけ、対策に効くのではと試作された保存食を追加、等の条件を変えて、五十人ずつ位を班分けして四ヶ月の隔離実験を一年かけて三回することになったそうです。
人体実験?と言われそうですが。海の上と違って壊血病の症状が出たらすぐに治療して貰えます。地上で過ごせば治ることは分っているのですから、さほど問題にはならないでしょう。
こういう大規模な比較実験は前例がないそうで。王都の賢者院…まぁアカデミーみたいなもんですが、そこも興味を持っているそうです。
…実は賢者院の人たちが私の所に来たがっているようですが。王命でもって必死に抑えているようです。ただ、来年には一度会ってみていただきたいと言われました。…どんな人たちでしょうね? 私も一応科学者の端くれです。話が合えば良いのですが…
「バッセンベル辺境候ジートミル・バッセンベル・ガランツは、先週亡くなりました。もともと病床にあったとのことですが、今回の件で精根尽き果てたようで。…報告を色々付き合わせると、毒ではないか?とも考えられています。ほら、アイズン伯爵が毒を盛られたことがあったでしょ? おそらく似たような物かと」
あれをずっと盛られていたら、確かに長生きは出来ないでしょうね。
「今回の件、トラーリ嬢の後見として専横していたアトラコムらの独断あることは明白ではありますが。事が反逆罪なだけに、領として監督責任が皆無とは見なされないのですが…」
カステラード殿下が引き継ぎます。
「レイコ殿。連座とかではなく、本来はバッセンベル領主としてトラーリ嬢も処刑…というところなのだ。ただ、私は彼女にはまだ見込みがあると思っている。彼女にもレイコ殿の名において恩赦を与えることを許して欲しい」
カステラード殿下にお願いされました。
ことがことなだけに、部下の不始末とか秘書がやったでは済まされないってことですね。彼女を許すには、やはり特別な配慮が必要なんだそうです。
「はい。特に依存はありません」
「…感謝する」
カステラード殿下、トラーリさんを気に入ったようですね。
トラーリさん。一度会った程度ですが、悪い人には見えませんでした。カステラード殿下が見込みがあるというのなら、私には異議はありません。…むしろ彼女死なせたら、連座とみなしますよ?
「ガランツ辺境候家は伯爵に降爵。バッセンベルの領地もだいぶ減らされます。今回の紛争でネイルコード国側の街があったでしょ?あの辺がとりあえず、アイズン伯爵管轄となります。まぁ、今回の件で結構な数の貴族がバッセンベル領から消えることになりましたからな。調度良い所領の広さかなと」
私が許すことは、もう織り込み済みなんですね、マラート内相。
「トラーリ嬢ですが。使える人間をバッセンベル領の代官にして、喪が明ける来年春には、エイゼル市に来ることになりました。アイズン伯爵に為政を学ぶためというのと、バッセンベル領に残った貴族に対する牽制ですな。アイズン伯爵、鍛えてやってください」
「ふふふ。こき使ってやるわい」
アイズン伯爵が、怖い顔でニヤッとしますね。現国王も、いちどエイゼル市に文官として勤めていた時期があったとか。王族だろうが関係なくこき使ったんだろうなぁ…
さらに。今回の件に関する報償の話になったのですが。私は大使として動いたに過ぎず、ネイルコード国から報償をもらうことは出来ない…ということで、辞退しました。どうしてもと言うのなら、国境の町やバッセンベル領への街道整備にでも使ってくださいと言っておきました。
一通り、今回の国境紛争の事後の確認が済んだところで。
「ところでレイコ様。レイコ様の宿泊されているファルリード亭ですか。帰りに寄ってもよろしいですかな? 庶民向けながら、なかなか美味しい食事の出来るところだと伺ってましてな。是非一度行ってみたいと…」
…いきなり食い気のマラート内相に、周囲もちょっと退き気味です。いいんですか?
ファルリード亭では、新年祭の飾り付けがされていて、なんとも賑やかな感じですが。
皆さん、いきなりやってきた高位貴族に戸惑い気味ではありますが。
「…俺、なんかけっこう慣れてきた。そもそも巫女様の定宿だしな」
とはカヤンさんの言。
何をお出しすれば…と戸惑っていたカヤンさんですが。お昼の煩雑な時間も過ぎた程度の時間で夕食の時間にも早いので。とりあえず、新年祭に供する予定の料理と、開発中の料理を試食していただくことになりました。
押し出し機を使ったパスタとトマトソースを使ったミートソーススパゲッティ。冬で脂が乗っているぶりっぽい白身魚の照り焼き。挽肉多めのコロッケ。マグロそっくりでおなじみのクローマの油漬けを使ったツナマヨサラダ。
…マラート内相、料理中に厨房にまで入ってきて、色々質問していますよ?
「どれも素晴らしいですな!。ここから奉納に出すのは、このパスタとやらを作る機械だけで?」
「まぁ特に難しい料理でもないですし、工夫もアレンジも各人いろいろ工夫してもらいたいと思っています。美味しいものは皆が食べられるようになる方が良いでしょ?」
「ふーむ。実は王都の屋敷の方で行なう新年の宴の料理に、これらを是非使わせていただきたいのだが。レシピを教えていただけないだろうか? もちろん、権利とは関係なくご教示しただいた報酬はお支払いいたしますぞ」
と、カヤンさんに持ちかれますが。肝心のカヤンさんは困ったように私の方を見ます。
この街で手に入る材料でここまでレシピを仕上げたのはカヤンさんです。カヤンさんの好きにしてくださいな。
さて。来週はもう新年です。
・Side:ツキシマ・レイコ
もう来週は新年祭!というころ。再度伯爵邸にお呼ばれしました。
伯爵邸で待っていたのは、カステラード殿下、ネタリア外相、マラート内相の三人連れでした。…この国の上層部なのに、フットワーク軽いですね。いいんですか?
「レイコ殿、申し訳ない!」
いきなりカステラード殿下に謝られました。控えている侍従の人たちも驚いています。
「母上にも叱られたよ。あのバッセンベルの五百人が北の位置で"止っている"という時点で、対抗策を出して置くべきだったとね。しごくもっともだ」
ネタリア外相が話を引き継ぎ、淡々と続けます。
「ダーコラ国とのその後について簡単に。本来はあのカプチャという軍監がやらかしたことで、その後の交渉も有利になるところでしたが。停戦後の略奪を不問にすることで相殺されました。ただ、街の方には賠償として金銭と食料などの物資を送ってあります。これで、街の復興と来年の秋までの生活には、問題ないでしょう」
「…ありがとうございます」
まぁ、私が謝られることでも感謝することでも本来無いのでしょうけど。
「カプチャはダーコラ国で爵位剥奪…というよりは放逐ですな。本当は一族郎党諸共処刑という話もあったのですが、オルモック将軍が話を付けてくれたようで、妻子は実家に戻ったそうです。本人がその後どうなるかは知ったこっちゃ無いですが」
はい。連座でないのならかまいません。あとは本人の責任です。
「ダーコラ国では、オルモック将軍の評価が急上昇のようで。当初は一戦も交えず逃げ帰ってきたと言われてましたが。カプチャの失態を相殺した上で、赤竜神の巫女様と誼を繋げた功績…というところですな」
「お互いに馬鹿には苦労させられるな…的なことをちょっと話しただけですよ。ただまぁ、信用できる人物だなとは思いました」
「ふむ。向こうの立場に影響ない程度で、多少なりとも繋ぎをつけておいた方が良さそうですな。」
確かに、オルモック将軍なら話が通じそうですので、損は無いでしょう。
マラート内相が話を引き継ぎます。
「バッセンベル関係ですが。アトラコムは、来年春に処刑となります。まぁダーコラ国との内通もですが、カステラード殿下を狙っていたってのは、もう言い訳のしようが無いですな」
モンテスの方は、結局ネイルコード国には帰って来れないようです。支払う身代金を用意しようにも、全財産が差し押さえですしね。
「さらに、襲撃した部隊のやつらがですな、これがバッセンベル領の貴族の次男三男の集団でして。こやつらも同罪となります。彼らの家は、爵位剥奪となり、妻子は実家に戻されます。レイコ様の恩赦で連座は無し…と伝えております」
「私の恩赦ですか?」
「連座で無くても、単に処罰しただけでは妻子の怨嗟がレイコ殿に向く可能性がありますからな。本来は連座で処刑というところを、レイコ様たってのお願いで恩赦となった…ということにしております」
襲撃に参加しなかった人たちは、比較的まともな貴族に率いられていた…ってことらしいですが。ただ、停戦後の越境は安易に無罪には出来ないとのことです。
「船乗り病の対策の話、覚えておられますかな? 現在、対策に使えそうな保存食をいろいろ作らせておりましてな。その実験に参加することを持って、赦免ということとなりました」
エイゼル市の沖のボルト島。この西端の海軍基地…の沖の草木もない島。ここに兵舎を建てて。通常の船員食だけ、陸上の兵員食だけ、対策に効くのではと試作された保存食を追加、等の条件を変えて、五十人ずつ位を班分けして四ヶ月の隔離実験を一年かけて三回することになったそうです。
人体実験?と言われそうですが。海の上と違って壊血病の症状が出たらすぐに治療して貰えます。地上で過ごせば治ることは分っているのですから、さほど問題にはならないでしょう。
こういう大規模な比較実験は前例がないそうで。王都の賢者院…まぁアカデミーみたいなもんですが、そこも興味を持っているそうです。
…実は賢者院の人たちが私の所に来たがっているようですが。王命でもって必死に抑えているようです。ただ、来年には一度会ってみていただきたいと言われました。…どんな人たちでしょうね? 私も一応科学者の端くれです。話が合えば良いのですが…
「バッセンベル辺境候ジートミル・バッセンベル・ガランツは、先週亡くなりました。もともと病床にあったとのことですが、今回の件で精根尽き果てたようで。…報告を色々付き合わせると、毒ではないか?とも考えられています。ほら、アイズン伯爵が毒を盛られたことがあったでしょ? おそらく似たような物かと」
あれをずっと盛られていたら、確かに長生きは出来ないでしょうね。
「今回の件、トラーリ嬢の後見として専横していたアトラコムらの独断あることは明白ではありますが。事が反逆罪なだけに、領として監督責任が皆無とは見なされないのですが…」
カステラード殿下が引き継ぎます。
「レイコ殿。連座とかではなく、本来はバッセンベル領主としてトラーリ嬢も処刑…というところなのだ。ただ、私は彼女にはまだ見込みがあると思っている。彼女にもレイコ殿の名において恩赦を与えることを許して欲しい」
カステラード殿下にお願いされました。
ことがことなだけに、部下の不始末とか秘書がやったでは済まされないってことですね。彼女を許すには、やはり特別な配慮が必要なんだそうです。
「はい。特に依存はありません」
「…感謝する」
カステラード殿下、トラーリさんを気に入ったようですね。
トラーリさん。一度会った程度ですが、悪い人には見えませんでした。カステラード殿下が見込みがあるというのなら、私には異議はありません。…むしろ彼女死なせたら、連座とみなしますよ?
「ガランツ辺境候家は伯爵に降爵。バッセンベルの領地もだいぶ減らされます。今回の紛争でネイルコード国側の街があったでしょ?あの辺がとりあえず、アイズン伯爵管轄となります。まぁ、今回の件で結構な数の貴族がバッセンベル領から消えることになりましたからな。調度良い所領の広さかなと」
私が許すことは、もう織り込み済みなんですね、マラート内相。
「トラーリ嬢ですが。使える人間をバッセンベル領の代官にして、喪が明ける来年春には、エイゼル市に来ることになりました。アイズン伯爵に為政を学ぶためというのと、バッセンベル領に残った貴族に対する牽制ですな。アイズン伯爵、鍛えてやってください」
「ふふふ。こき使ってやるわい」
アイズン伯爵が、怖い顔でニヤッとしますね。現国王も、いちどエイゼル市に文官として勤めていた時期があったとか。王族だろうが関係なくこき使ったんだろうなぁ…
さらに。今回の件に関する報償の話になったのですが。私は大使として動いたに過ぎず、ネイルコード国から報償をもらうことは出来ない…ということで、辞退しました。どうしてもと言うのなら、国境の町やバッセンベル領への街道整備にでも使ってくださいと言っておきました。
一通り、今回の国境紛争の事後の確認が済んだところで。
「ところでレイコ様。レイコ様の宿泊されているファルリード亭ですか。帰りに寄ってもよろしいですかな? 庶民向けながら、なかなか美味しい食事の出来るところだと伺ってましてな。是非一度行ってみたいと…」
…いきなり食い気のマラート内相に、周囲もちょっと退き気味です。いいんですか?
ファルリード亭では、新年祭の飾り付けがされていて、なんとも賑やかな感じですが。
皆さん、いきなりやってきた高位貴族に戸惑い気味ではありますが。
「…俺、なんかけっこう慣れてきた。そもそも巫女様の定宿だしな」
とはカヤンさんの言。
何をお出しすれば…と戸惑っていたカヤンさんですが。お昼の煩雑な時間も過ぎた程度の時間で夕食の時間にも早いので。とりあえず、新年祭に供する予定の料理と、開発中の料理を試食していただくことになりました。
押し出し機を使ったパスタとトマトソースを使ったミートソーススパゲッティ。冬で脂が乗っているぶりっぽい白身魚の照り焼き。挽肉多めのコロッケ。マグロそっくりでおなじみのクローマの油漬けを使ったツナマヨサラダ。
…マラート内相、料理中に厨房にまで入ってきて、色々質問していますよ?
「どれも素晴らしいですな!。ここから奉納に出すのは、このパスタとやらを作る機械だけで?」
「まぁ特に難しい料理でもないですし、工夫もアレンジも各人いろいろ工夫してもらいたいと思っています。美味しいものは皆が食べられるようになる方が良いでしょ?」
「ふーむ。実は王都の屋敷の方で行なう新年の宴の料理に、これらを是非使わせていただきたいのだが。レシピを教えていただけないだろうか? もちろん、権利とは関係なくご教示しただいた報酬はお支払いいたしますぞ」
と、カヤンさんに持ちかれますが。肝心のカヤンさんは困ったように私の方を見ます。
この街で手に入る材料でここまでレシピを仕上げたのはカヤンさんです。カヤンさんの好きにしてくださいな。
さて。来週はもう新年です。
42
あなたにおすすめの小説
【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
寿明結未(旧・うどん五段)
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
建国のアルトラ ~魔界の天使 (?)の国造り奮闘譚~
ヒロノF
ファンタジー
死後に転生した魔界にて突然無敵の身体を与えられた地野改(ちの かい)。
その身体は物理的な攻撃に対して金属音がするほど硬く、マグマや高電圧、零度以下の寒さ、猛毒や強酸、腐食ガスにも耐え得る超高スペックの肉体。
その上で与えられたのはイメージ次第で命以外は何でも作り出せるという『創成魔法』という特異な能力。しかし、『イメージ次第で作り出せる』というのが落とし穴! それはイメージ出来なければ作れないのと同義! 生前職人や技師というわけでもなかった彼女には機械など生活を豊かにするものは作ることができない! 中々に持て余す能力だったが、周囲の協力を得つつその力を上手く使って魔界を住み心地良くしようと画策する。
近隣の村を拠点と定め、光の無かった世界に疑似太陽を作り、川を作り、生活基盤を整え、家を建て、魔道具による害獣対策や収穫方法を考案。
更には他国の手を借りて、水道を整備し、銀行・通貨制度を作り、発電施設を作り、村は町へと徐々に発展、ついには大国に国として認められることに!?
何でもできるけど何度も失敗する。
成り行きで居ついてしまったケルベロス、レッドドラゴン、クラーケン、歩く大根もどき、元・書物の自動人形らと共に送る失敗と試行錯誤だらけの魔界ライフ。
様々な物を創り出しては実験実験また実験。果たして住み心地は改善できるのか?
誤字脱字衍字の指摘、矛盾の指摘大歓迎です! 見つけたらご報告ください!
2024/05/02改題しました。旧タイトル
『魔界の天使 (?)アルトラの国造り奮闘譚』
2023/07/22改題しました。旧々タイトル
『天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭な肉体と便利スキル『創成魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~』
この作品は以下の投稿サイトにも掲載しています。
『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n4480hc/)』
『ノベルバ(https://novelba.com/indies/works/929419)』
『アルファポリス(https://www.alphapolis.co.jp/novel/64078938/329538044)』
『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093076594693131)』
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
魔王から学ぶ魔王の倒し方
唯野bitter
ファンタジー
世界に突然、魔王が表れた!だったら魔王を倒すべく勇者を召喚するしかない!丁度いい奴がいたし、魔王を倒して……あ、間違えて呪われた木刀を渡しちゃった。まあ、彼ならなんとかしてくれ……なんで魔王と一緒にいるの!?なんで国から追われているの!?なんで追われているのに海水浴とかギャンブルしてるの!?なんで魔王を倒す旅で裁判してるの!?この物語は、チートなんて持っていない主人公が好き勝手しながら世界最強の魔王を倒すまでの物語である。
※いただいたコメントに関しましてはなるべく返信します。
※茶番は作者がやりたい放題書いているだけですので、本編のみご覧になりたい方はとばしてください
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
転生女神さまは異世界に現代を持ち込みたいようです。 〜ポンコツ女神の現代布教活動〜
れおぽん
ファンタジー
いつも現代人を異世界に連れていく女神さまはついに現代の道具を直接異世界に投じて文明の発展を試みるが…
勘違いから生まれる異世界物語を毎日更新ですので隙間時間にどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる