201 / 384
第6章 エイゼル市に響くウェディングベル
第6章第015話 カレーもあるよっ!
しおりを挟む
第6章第016話 カレーもあるよっ!
・Side:ツキシマ・レイコ
カルマ商会経営の食堂をお借りしての、リラック商会が航海先で手に入れてきた輸入食品のお披露目はまだ続きます。
「甘い香りって、例えのようなものだと思っていたけど。本当に香りが甘いわ… 変な感覚ね」
なんとバニラも見つかりましたよ。っても、私が知っているバニラビーンズではなく、正確にはバニラに似た香料の元ですね。
地球のバニラビーンズも、一見ただの植物の種を発酵やら乾燥といった工程を経てやっとあの香りが出るそうですが。「甘い香り」ってだけで、むしろよく見つけて来れたもんです。
ガロウ会頭が出してきたのは、ぱっと見た目は紅茶の葉みたいです。バニラの香りに、お茶っぽいちょっと香ばしい感じの匂いが混ざっていますが、これならプリンに使っても問題はないでしょう。十分甘い香りが立ってます。
「これをプリンに使うのね。…にしても凄く高くなりそうる」
ただしかしおかし。正教国より陸続きで南西の方向にかなり進んだところにある国の産物で、こちらもお値段にびっくり。まぁ地球でも胡椒は金と同じ値段で…なんて言われてましたからね、それに比べればまだ安いですが。
うん。プリンに限らず、文字通りのバニラアイスとか、色々捗りそうですが。市販するには砂糖以上に値段が怖いですけど。
続いて次の目玉商品です。
南方というより南西方の暖かい国で使われている香辛料が並べられました。まぁそのまま囓るわけにもいきませんので、ちょっと簡単に調理に使ってみましょうか。
「いかにもスパイスって香りだな」
タロウさんが値段と品名を確認しながら並べていきます。
一つは、色はオレンジですが、風味はマスタードといった感じですね。このマスタードもどき、良いですね。マヨネーズと合わせてお肉のソースに。うん、パンに挟んで下さいってお味です。
こちらも値段は気軽に使えるほど安くないですが、大量に買い付けるのならもっと安くなるだろう…と言ってました。送料込みならたくさん買った方が…ってやつですね。使い道があってこその食材です、レシピが広まれば今後の交易も広がるとドウム会頭も算盤弾いているようです。
もう一つは、こちらもオレンジに近い感じの色の香辛料の粉末で、匂いにカレーの雰囲気がありますし、けっこう辛いそうで、向こうではスープに沢山入れて食べているそうです。うむ、これはゴールが近いかも?
粉にする前の状態のものを見せて貰いました。見た目は柿色の朝顔の種…ですかね?。ただ、まだ匂いが足りないですね。
粉末を少量いただいて、ちょっと鍋で炒めてみます。
「おっ? おっ!! カレーの匂いキターっ!」
「香辛料を炒めるという発想はなかったな。にしても食欲をそそる凄い香りだな」
料理長さんが感心しています。粉にしてスープに溶いただけでは、あまり香りは立ちませんからね。
私が使うかも?とバターまで用意してくれていましたので。それと小麦粉を投入してルーを作り、厨房でスープをもらって溶いてみて。具はないけどカレーっぽいとろみのあるスープ? 色はオレンジですけど、匂いはなかなかにいいですよ。
ご飯がまだ残っていたので、小鉢によそってカレーをかけてみます。
早速一口いただきます。 ……ああ、これはカレーライスですよ。うんうん。
「レイコちゃん、泣きそうになるほど美味しいの?」
「このカレーライスってのは、私のいたところでは国民食なんて呼ばれてましたし。これを嫌いな人を探す方が難しいくらい人気のメニューでしたから」
なんかいろんな感慨が昇ってきて、ちょっとうるってしまいました。
「香辛料のスープか…これもまた発想に無かったな。大抵は焼いた肉に使うばかりだったからな。にしても飲む香辛料か…値段を考えるとちょっとおそろしいな。あとはこれに合う具材と…塩加減が肝心だな」
お借りしている食堂の料理長さんが、うんうん唸っていますね。
厳密に言えばまだ食べ慣れたカレーとはまだちょっと違います。変な色のレトルトカレーを買ってみて食べたら、いつものカレーだとはちょっと言い難いけどカレーと言われればカレーの範疇に入れてもいいかな別にまずくはないよ…って感じのカレーですね。
他の香辛料とか、エイゼル市でおなじみのニンニク風味の玉ねぎとか芋とか。このへんを使ってアレンジすれば良い感じになりそうです。
ちなみに、これに使われている基本の香辛料はカレーの実一種類だけでOKという便利香辛料です。カレーの実と今名付けました。後は塩気と辛さの調節ですね。
ほんとにあったカレーの実! ありがとう赤井さんっ!
「この料理、すっごく美味しいけど…なんかすっごく高そうな味がする…」
アイリさんも試食しましたけど。頭はもう奉納モードですね。原価計算始めてます。
原産地では当たり前に使われている香辛料でも、長い距離を時間かけて帆船で輸送されてきた一品です。これもなかなかなお値段となりそうです。
「ガロウ会頭。素晴らしくはあるんですけど… やっぱコストがえらいことになりますね」
「まぁ、帆船一隻と乗組員を確保して安全率も計算してそれで利益が出るようにする必要がありますからな… 一応、ネイルコード国内で栽培できないか試してみることにはなりますが。気候がかなり違うので難儀しそうです」
気温が足りないのなら…温室? いけるかな?
「タロウさん、ガラス板って量産の状況はどうなんですか?」
「ん? レイコちゃんの家で使っているサイズは王城へ既に献上されていて、陛下の執務室に使われているっていうし。中央通りの一部商店では、商品の展示に使ったりしているね。作っただけ売れるのは確実だから、次は戸くらいのサイズの板ガラスが作れるように挑戦するって報告には書いてあったよ」
「それなら温室が作れるかも」
「温室?」
簡単に構造を説明します。
「なるほど。お日様は通すけど、冷気は通さないか。確かに中は暖まりそうだな …でも、結構お金かかりそうだし、となると中で作る物も値段にも被さってきそうだな…」
なるほど。ビニールハウスの値段で…とは行きませんよね。
「でもまぁ、研究のために試してみる価値はあるし。高くても売れる物は作れるだろうし。船での交易と一度コストの計算してみる価値はあると思うよ」
「南の方のフルーツとか、季節外れの野菜とか、売れると思いますよ」
「そこはガラスの値段次第だね。ただ、一度建てれば維持コストはさほどでもないだろうし…」
うーん。ユルガルム領で、酸化鉛をガラスに混ぜると透明度が上がる…なんて話はしましたが。強度や耐久性を考えると、プラスチックとかポリエステルとか石油化学が必要になってきた? まだ先になるとは思いますが、このへんも後で聞いてみますか。
こういう集まりは、なんかどんどん知識が派生していって、キリが無いですね。ともかく今は、美味しいものが食べられるように尽力しましょう。
…コンピューターとかが発明されるのはまだかなり先でしょうから。知識チートできる娯楽って食べものくらいなんですよね。
数日後。アイズン伯爵との昼食会を兼ねて今回の輸入食材のデモンストレーションをしてきました。
ご飯自体はまだちょっと米の質に不満がありますが。ご飯物は行けますよということで。炒飯とカレーライスでドンです。丼物もいいですね、米が普及したら広めましょう。
今回のカレーは、具材もちゃんと揃えた物です。カルマ商会の食堂の料理長が頑張ってくれました。辛さは中辛ってところですね。ただまぁ、メニューの価格を試算したところ、プリンを凌駕する価格に…。これは滅多に食べられませんね。
アイリさんにタロウさんも同席していますが。アイリさん値段聞いて残念そうです。さすがにファルリード亭でランチには出せません。まぁ米自体も今時点では結構な値段がしますが。
「チャーハン作るよっ!」
五目炒飯…本来は庶民の料理ですが、お米の値段からしても高級料理になってしまいます。これくらい美味しく出来れば中央通りの高級レストランでは出せるかな? ほんと、醤油が使えるのがラッキーでした。エビ炒飯もイケますよ。
ただ問題が一つ。中華は火力です。マナコンロでは、火力がちょっと足りない。炭…ではマナコンロと大差ないし。薪では煙が出ます。
炭を不完全燃焼させて一酸化炭素を発生させて、それをガスとして使ってガスコンロを作るとな? レッドさんからの知識ですが、危なくないですかね?
より高温が出せるのなら、職人街のいろんな加工の熱源としてもいろいろ使えそうですので。検討はしてみる価値はありそうです。メモメモ。
一通り召し上がったアイズン伯爵。
「なるほど、こういう穀物か。焼くのではなく煮るだけと言うのが面白いな。小麦粉からパンを作るよりは、手間がかからないのなら、行軍の糧食向きか?」
「調理するまでに必要な処理は脱穀と精米と言いますけど、これはそこそこ手間がかかりますけどね。あと水田を作るのは麦畑より大変です」
当たり前ですが、傾いた畑には水は溜まりませんからね。真っ平らにというか、段々に整地する必要があります。もちろん水路も必須。
「概要は聞いておる。水を張る畑というのもおもしろい。水が常に入れ替わることで毎年連続して植えることが出来るのじゃな?。収穫後に水を抜けば冬麦も作れるか。同じ畑を毎年使えることを考えると、水田を造成する手間も報われるのではないか?」
アイズン伯爵も頭がフル回転です。
後日、三角州にて試験田の造成が決定しました。米の試作ではなく田んぼその物からの試作ってところが稲作ですね。
とりあえず、25メートルプール3つ分くらいの土地をテスト用に造成するそうです。一反くらいの広さですね。江戸時代ならこれで米一石の収穫です。私が生きていたころにはさらに十倍近くの収穫があったそうですが。米の品種改良とか化学肥料とか農薬とか、この辺が揃わないことにはどうにも。
それでも。ダーコラとの国境の要所となったサルハラの街、三角州の開拓も始まっていろいろ試験栽培のメッカになりそうです。
塩水による種籾の選別は麦でも同様なことをやっているそうで、それを真似して貰います。また、田んぼに直接種を蒔くのではなく、苗を作ってから規則正しく植えるという方法も試して貰います。稲の間隔が空くと、雑草取りが楽になるとか陽射しが入りやすくなるとかメリットがあるそうですからね。
田んぼの造成からとなると、植え付けは来年の春、収穫はその年の秋となります。まだ結構先となりますが、ネイルコード産米、今から楽しみですね。
「お米文化、根付くと良いな」
・Side:ツキシマ・レイコ
カルマ商会経営の食堂をお借りしての、リラック商会が航海先で手に入れてきた輸入食品のお披露目はまだ続きます。
「甘い香りって、例えのようなものだと思っていたけど。本当に香りが甘いわ… 変な感覚ね」
なんとバニラも見つかりましたよ。っても、私が知っているバニラビーンズではなく、正確にはバニラに似た香料の元ですね。
地球のバニラビーンズも、一見ただの植物の種を発酵やら乾燥といった工程を経てやっとあの香りが出るそうですが。「甘い香り」ってだけで、むしろよく見つけて来れたもんです。
ガロウ会頭が出してきたのは、ぱっと見た目は紅茶の葉みたいです。バニラの香りに、お茶っぽいちょっと香ばしい感じの匂いが混ざっていますが、これならプリンに使っても問題はないでしょう。十分甘い香りが立ってます。
「これをプリンに使うのね。…にしても凄く高くなりそうる」
ただしかしおかし。正教国より陸続きで南西の方向にかなり進んだところにある国の産物で、こちらもお値段にびっくり。まぁ地球でも胡椒は金と同じ値段で…なんて言われてましたからね、それに比べればまだ安いですが。
うん。プリンに限らず、文字通りのバニラアイスとか、色々捗りそうですが。市販するには砂糖以上に値段が怖いですけど。
続いて次の目玉商品です。
南方というより南西方の暖かい国で使われている香辛料が並べられました。まぁそのまま囓るわけにもいきませんので、ちょっと簡単に調理に使ってみましょうか。
「いかにもスパイスって香りだな」
タロウさんが値段と品名を確認しながら並べていきます。
一つは、色はオレンジですが、風味はマスタードといった感じですね。このマスタードもどき、良いですね。マヨネーズと合わせてお肉のソースに。うん、パンに挟んで下さいってお味です。
こちらも値段は気軽に使えるほど安くないですが、大量に買い付けるのならもっと安くなるだろう…と言ってました。送料込みならたくさん買った方が…ってやつですね。使い道があってこその食材です、レシピが広まれば今後の交易も広がるとドウム会頭も算盤弾いているようです。
もう一つは、こちらもオレンジに近い感じの色の香辛料の粉末で、匂いにカレーの雰囲気がありますし、けっこう辛いそうで、向こうではスープに沢山入れて食べているそうです。うむ、これはゴールが近いかも?
粉にする前の状態のものを見せて貰いました。見た目は柿色の朝顔の種…ですかね?。ただ、まだ匂いが足りないですね。
粉末を少量いただいて、ちょっと鍋で炒めてみます。
「おっ? おっ!! カレーの匂いキターっ!」
「香辛料を炒めるという発想はなかったな。にしても食欲をそそる凄い香りだな」
料理長さんが感心しています。粉にしてスープに溶いただけでは、あまり香りは立ちませんからね。
私が使うかも?とバターまで用意してくれていましたので。それと小麦粉を投入してルーを作り、厨房でスープをもらって溶いてみて。具はないけどカレーっぽいとろみのあるスープ? 色はオレンジですけど、匂いはなかなかにいいですよ。
ご飯がまだ残っていたので、小鉢によそってカレーをかけてみます。
早速一口いただきます。 ……ああ、これはカレーライスですよ。うんうん。
「レイコちゃん、泣きそうになるほど美味しいの?」
「このカレーライスってのは、私のいたところでは国民食なんて呼ばれてましたし。これを嫌いな人を探す方が難しいくらい人気のメニューでしたから」
なんかいろんな感慨が昇ってきて、ちょっとうるってしまいました。
「香辛料のスープか…これもまた発想に無かったな。大抵は焼いた肉に使うばかりだったからな。にしても飲む香辛料か…値段を考えるとちょっとおそろしいな。あとはこれに合う具材と…塩加減が肝心だな」
お借りしている食堂の料理長さんが、うんうん唸っていますね。
厳密に言えばまだ食べ慣れたカレーとはまだちょっと違います。変な色のレトルトカレーを買ってみて食べたら、いつものカレーだとはちょっと言い難いけどカレーと言われればカレーの範疇に入れてもいいかな別にまずくはないよ…って感じのカレーですね。
他の香辛料とか、エイゼル市でおなじみのニンニク風味の玉ねぎとか芋とか。このへんを使ってアレンジすれば良い感じになりそうです。
ちなみに、これに使われている基本の香辛料はカレーの実一種類だけでOKという便利香辛料です。カレーの実と今名付けました。後は塩気と辛さの調節ですね。
ほんとにあったカレーの実! ありがとう赤井さんっ!
「この料理、すっごく美味しいけど…なんかすっごく高そうな味がする…」
アイリさんも試食しましたけど。頭はもう奉納モードですね。原価計算始めてます。
原産地では当たり前に使われている香辛料でも、長い距離を時間かけて帆船で輸送されてきた一品です。これもなかなかなお値段となりそうです。
「ガロウ会頭。素晴らしくはあるんですけど… やっぱコストがえらいことになりますね」
「まぁ、帆船一隻と乗組員を確保して安全率も計算してそれで利益が出るようにする必要がありますからな… 一応、ネイルコード国内で栽培できないか試してみることにはなりますが。気候がかなり違うので難儀しそうです」
気温が足りないのなら…温室? いけるかな?
「タロウさん、ガラス板って量産の状況はどうなんですか?」
「ん? レイコちゃんの家で使っているサイズは王城へ既に献上されていて、陛下の執務室に使われているっていうし。中央通りの一部商店では、商品の展示に使ったりしているね。作っただけ売れるのは確実だから、次は戸くらいのサイズの板ガラスが作れるように挑戦するって報告には書いてあったよ」
「それなら温室が作れるかも」
「温室?」
簡単に構造を説明します。
「なるほど。お日様は通すけど、冷気は通さないか。確かに中は暖まりそうだな …でも、結構お金かかりそうだし、となると中で作る物も値段にも被さってきそうだな…」
なるほど。ビニールハウスの値段で…とは行きませんよね。
「でもまぁ、研究のために試してみる価値はあるし。高くても売れる物は作れるだろうし。船での交易と一度コストの計算してみる価値はあると思うよ」
「南の方のフルーツとか、季節外れの野菜とか、売れると思いますよ」
「そこはガラスの値段次第だね。ただ、一度建てれば維持コストはさほどでもないだろうし…」
うーん。ユルガルム領で、酸化鉛をガラスに混ぜると透明度が上がる…なんて話はしましたが。強度や耐久性を考えると、プラスチックとかポリエステルとか石油化学が必要になってきた? まだ先になるとは思いますが、このへんも後で聞いてみますか。
こういう集まりは、なんかどんどん知識が派生していって、キリが無いですね。ともかく今は、美味しいものが食べられるように尽力しましょう。
…コンピューターとかが発明されるのはまだかなり先でしょうから。知識チートできる娯楽って食べものくらいなんですよね。
数日後。アイズン伯爵との昼食会を兼ねて今回の輸入食材のデモンストレーションをしてきました。
ご飯自体はまだちょっと米の質に不満がありますが。ご飯物は行けますよということで。炒飯とカレーライスでドンです。丼物もいいですね、米が普及したら広めましょう。
今回のカレーは、具材もちゃんと揃えた物です。カルマ商会の食堂の料理長が頑張ってくれました。辛さは中辛ってところですね。ただまぁ、メニューの価格を試算したところ、プリンを凌駕する価格に…。これは滅多に食べられませんね。
アイリさんにタロウさんも同席していますが。アイリさん値段聞いて残念そうです。さすがにファルリード亭でランチには出せません。まぁ米自体も今時点では結構な値段がしますが。
「チャーハン作るよっ!」
五目炒飯…本来は庶民の料理ですが、お米の値段からしても高級料理になってしまいます。これくらい美味しく出来れば中央通りの高級レストランでは出せるかな? ほんと、醤油が使えるのがラッキーでした。エビ炒飯もイケますよ。
ただ問題が一つ。中華は火力です。マナコンロでは、火力がちょっと足りない。炭…ではマナコンロと大差ないし。薪では煙が出ます。
炭を不完全燃焼させて一酸化炭素を発生させて、それをガスとして使ってガスコンロを作るとな? レッドさんからの知識ですが、危なくないですかね?
より高温が出せるのなら、職人街のいろんな加工の熱源としてもいろいろ使えそうですので。検討はしてみる価値はありそうです。メモメモ。
一通り召し上がったアイズン伯爵。
「なるほど、こういう穀物か。焼くのではなく煮るだけと言うのが面白いな。小麦粉からパンを作るよりは、手間がかからないのなら、行軍の糧食向きか?」
「調理するまでに必要な処理は脱穀と精米と言いますけど、これはそこそこ手間がかかりますけどね。あと水田を作るのは麦畑より大変です」
当たり前ですが、傾いた畑には水は溜まりませんからね。真っ平らにというか、段々に整地する必要があります。もちろん水路も必須。
「概要は聞いておる。水を張る畑というのもおもしろい。水が常に入れ替わることで毎年連続して植えることが出来るのじゃな?。収穫後に水を抜けば冬麦も作れるか。同じ畑を毎年使えることを考えると、水田を造成する手間も報われるのではないか?」
アイズン伯爵も頭がフル回転です。
後日、三角州にて試験田の造成が決定しました。米の試作ではなく田んぼその物からの試作ってところが稲作ですね。
とりあえず、25メートルプール3つ分くらいの土地をテスト用に造成するそうです。一反くらいの広さですね。江戸時代ならこれで米一石の収穫です。私が生きていたころにはさらに十倍近くの収穫があったそうですが。米の品種改良とか化学肥料とか農薬とか、この辺が揃わないことにはどうにも。
それでも。ダーコラとの国境の要所となったサルハラの街、三角州の開拓も始まっていろいろ試験栽培のメッカになりそうです。
塩水による種籾の選別は麦でも同様なことをやっているそうで、それを真似して貰います。また、田んぼに直接種を蒔くのではなく、苗を作ってから規則正しく植えるという方法も試して貰います。稲の間隔が空くと、雑草取りが楽になるとか陽射しが入りやすくなるとかメリットがあるそうですからね。
田んぼの造成からとなると、植え付けは来年の春、収穫はその年の秋となります。まだ結構先となりますが、ネイルコード産米、今から楽しみですね。
「お米文化、根付くと良いな」
38
あなたにおすすめの小説
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい
あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。
誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。
それが私の最後の記憶。
※わかっている、これはご都合主義!
※設定はゆるんゆるん
※実在しない
※全五話
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
ペットになった
ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。
言葉も常識も通用しない世界。
それでも、特に不便は感じない。
あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。
「クロ」
笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。
※視点コロコロ
※更新ノロノロ
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる