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第9章 帝国の魔女
第9章第014話 大人レイコの懐古
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第9章第014話 大人レイコの懐古
Side:ツキシマ・レイコ
「あなたが伯爵に会えたのも運が良かったけど。私も最初に出会った貴族が夫で良かったわよ。当時は男爵だったんだけどね」
次の日。
昼食の時間を見計らって前日と同じ建物の居間にお邪魔してます。
「同じくらいの歳でね、なかなかイケメンだったわよ。こちらの人は、皆けっこう良い顔しているけど、その中でもね。精悍というのかしら。伯爵家の三男がお情けで男爵位もらって田舎にいたとか言っていたけど、偉ぶったところが少なくて…」
大人のレイコは、先日簡単に聞いた、この大陸に降り立った後の話を語り始めました。
「まぁ私なら土木工事はお手の物よ。領地開発や知識チートで農業やら産物やら、しばらく彼の内政の手助けとかして、領地も発展を始めたと思ったところでね。彼の叔父に当たる筋なんだけどね。彼の親の家だった燐領の伯爵ちょっかいかけてきて…」
ちと肌寒い日ですが。庭では、アライさんの指導でさっそく綿飴を作っています。ヒーターを使うのと、回転で砂糖が散らばったりしたら後が大変ですから、室内から出されました。
パンタ陛下の子供達は王妃と共にそちらに行っています。
「とまぁ、こちらに圧力かけたつもりなんだろうけど、商人を味方にしてしまえばこちらのもんで、最終的には向こうが降参。伯爵領の領境の街や村をいくつか併合できたんだけど。次に出てきたのがその国の王子でね」
…昨日の終盤は、メンタル的に落ち込んでいたように見えた大人のレイコですが。今日はいまのところそのそぶりはありませんね。赤井さんがなにかしたのかな? 単に躁鬱が激しいのかもしれませんが。
「私の愛人に任命するので、王都に来てその才能を生かすべし! レッドさんも珍しいからペットにしてやる!…なんて抜かしやがって」
うーん。ザマァ系の小説みたいな展開ですね。
「当然拒否したら、いきなり軍を差し向けてきやがって。普通は先に使節が来て交渉なり要求なりするもんでしょ? ところがいきなり進軍してきて端の村で略奪しやがってね。ああ、あなたも同じような経験があるのね。私も、略奪に関わった当事者を全員殴った上に、レッドさんの偵察で王子の位置を突き止めて、本陣まで突貫してね。その場で王子ボコ撲りよ。そこを夫の軍が急襲、一気に王都まで侵攻して、他の軍が戻ってくるまでに占拠。成り行きで革命成功」
『甘~い』
『あっという間に消えちゃう。ほんとうに雲みたい』
庭では、子供達がさっそく綿飴を食べています。見たことの無い甘いお菓子に、大喜びですね。洗っちゃだめですよ。あ、セレブロさんにはあげないでね。アライさんが止めています。
今日は、マーリアちゃんがセレブロさんも連れてきています。ロトリーの衛兵らは最初、すわハーティーか!と緊張したのですが。立派なゴルゲッドを付けている上に、アライさんが乗っての登場ですからね。女神の許可もあると言われては、通さざるを得ません。
今日くらいの陽気なら、外の方が気持ちいいとかで。綿飴機の甘い匂いを嗅ぎながら、庭でのんびりしています。
…連れてきた最初、そのモフモフを堪能するのに大人のレイコはしばらく離れませんでした。
「今まで、王国軍とそれに従う周辺貴族軍という構造で、辺境貴族を押さえつけていたところにこの惨敗だからね。夫には、たまたま遡った血縁に王族がいたりしたのと。私も女神とか持ち上げられてね。パワーバランスが逆転して一気に下剋上よ」
一人で軍と戦うには、レイコバスターで一掃するしかなくなりますからね。戦争を止めるには、頭を取るのが手っ取り早いわけで。
進めてきた経済改革を飴に。経済制裁と大人レイコの武威を鞭に。さらに旦那さんの血縁をうまく利用して、大義名分の範疇で王位に就いたそうです。
「一気にと言っても、安定するまで五年くらいかかったし。上位の貴族を従えるのは面倒だったけどね。ほんと、戦闘より政治の方が時間かかるわ。結婚したのはこのころね。忙しい中、なんとか式まで上げたわ。もちろん、子供が出来ないことは彼にも伝えていたけどね。それでも是非って言われて。結構熱烈だったわよ」
微笑みながら懐かしそうに語る大人レイコ。
「とりあえず政情が落ち着いたら、孤児やスラムの対策がてら、子供の教育を進めてね。貴族孤児こだわらず、特に優秀な子を将来の政府要員候補として何人も養子にしたわ。王の後継は、その子らで自分で決めさせたわよ。…王座を押しつけ合っていたのは面白かったけどね」
王様になりたくないとというよりは。下手な権力争いは勘弁、これからは内政面で文官を続けた方が面白いという理由だそうです。らしいですね。
もし私が、ダーコラ国とかバッセンベル領の方に降りていたらどうなったのか…なんて想像もしたことはありましたが。彼女の話した成り行きは、まさにそんな感じです。
大人のレイコは、"再生"してからの比較的楽しかったころの話で弾んでます。
ネタリア外相はもう、メモ魔になっていますね。マーリアちゃんも興味深そうに聞いています。
二人のレッドさんは、外でセレブロさんと一緒にのんびりしています。
赤井さんは、お茶飲みながら静かに聞いています。
などとしているところに。
パンタ陛下のお子さんたち…幼名だけどランランカンカンだって。もちろん命名は大人のレイコですが。子供達が奥さんのシュアン・ロトリー王妃殿下に連れられて、居間組に綿飴を持ってきてくれました。
『僕たちが作りました』
『女神様、食べて食べて』
王子とお姫様の二人。アライさんに教えてもらって作ったようです。両手に綿菓子を持ったラクーンの子供。もう破壊的にかわいいですね。
相好を崩した大人のレイコが、綿飴配った二人を膝に乗せて、綿飴を頂きます。いえ、お姫様に食べさせてもらっています。
ちなみにこの子達の上には、立太子している王子をはじめとして五人の兄姉がいるそうです。…セレブロさんに興味津々しているあそこのラクーンがお姉さんの一人だそうで。失礼ですが、付き人かと思ってました。
「うーん、おいしー。ありがとねっ」
私たちが受け取った綿菓子を食べると、きゃっきゃっと喜ぶ子供達。
一通り食べた後。食べ終わった子達は、アライさんがセレブロさんと一緒にいるところを見て駆け寄っていきます。子供慣れしているセレブロさんとアライさんですからね。王子達ともすぐ打ち解けています。
こんな子供達を見ながら、
「にしても、モーターまで作れるとは。体内のマナを扱える人はそこそこいるけど。板状に加工したマナに回路を書くとはね。恐れ入ったわ」
「こちらのマーリアちゃんの国の人たちが頑張ってくれてました」
大人のレイコも、もちろん綿飴機の構造は知っています。
マナ回路は、エルセニム人のマナ師の功績です。エルセニムの城で見た点滅するマナ灯。あそこであれを見れたのはラッキーでした。
「先天的にマナを扱うのに長けた人種というわけね。人も面白い変わり方をする生き物なのね」
と、近くでお茶を飲んでいる赤井さんをチラ見します。
「僕は、生物の進化には基本的には干渉していないよ。彼らの場合、マナの多い環境での生存に適した集団が増えたというだけだね。短い期間であれだけマナに適応できたってのはすごいことだよ」
生物種としての進化というよりは、マナに適応する品種改良の範疇ということですかね? …正教国のマナ研でやっていたようなことが、生存競争の中で起きたということのようです。
「僕が干渉したのは、体内のマナで暴走死しないようにしたくらいかな。体内のマナがギリギリまで振り切ってしまってマナに意思を取られたのが魔獣だけども。意識が強い分、エルセニム人は理性が留まっているみたいだね。それでも、普通の生物以上にマナが扱えるから、身体の方にはいろいろ無理が来ているみたいだけど。そこの子はさらに人為的にいじられているからね。後で体内マナを調節してあげよう」
」
「え? あ? はい? えっと、よろしくお願いします?」
赤井さん、マーリアちゃんの身体のことは把握しているようです。
エルセニムの人達は、身体能力は確かに高いですが、走り続けていると身体がオーバーヒートしたり、無制限に使えるものでもありません。マーリアちゃんも瞬発力はさらに高いですが。その状態での持久力という面では一般騎士より見劣りします。この辺が、エルセニム国が正教国にあらがえなかった原因のようです。
「マーリアちゃんのマナによる強化を、まぁ普通の人…騎士くらいにまで意識して落とせるようにするってことよ。」
とは大人のレイコ。この辺は私の記憶からでしょうか。
「マーリアちゃん、やっぱ無理してきた?」
「うーん。小さい頃からこんな感じだったから、無理してきたって自覚は無いんだけどね」
正教国のマナ研で、マナの過剰摂取をさせられたマーリアちゃん。引き換えにそこらの騎士が束になっても叶わない体術と腕力を得ているわけですが。やはり無償というわけでは無いようです。
「マナによって身体の代謝が過剰になっているからね。普通のエルセニム人くらいならともかく、あなたくらいともなると、そろそろ骨格や筋肉に異常が出てしまうわよ。確実に寿命を縮めるわね。あなたほどではないけど、私のところにも、ごく希にマナが多い子がいたわ」
「たまに使う程度なら良いんだけど。君ほどとなると逆に普段から押さえ込まないと行けないわけだし。そういった苦労をしなくなるようにしてあげよう。健康や寿命も人並みになるよ」
綿飴食べながら赤井さんが説明します。
「弱くなる…わけでは無いんですね?」
「普段は弱い状態でいられるってことだね。まぁマナ関係の操作は、もろもろまとめて後で行うから」
大人のレイコと目配せする赤井さんでした。
Side:ツキシマ・レイコ
「あなたが伯爵に会えたのも運が良かったけど。私も最初に出会った貴族が夫で良かったわよ。当時は男爵だったんだけどね」
次の日。
昼食の時間を見計らって前日と同じ建物の居間にお邪魔してます。
「同じくらいの歳でね、なかなかイケメンだったわよ。こちらの人は、皆けっこう良い顔しているけど、その中でもね。精悍というのかしら。伯爵家の三男がお情けで男爵位もらって田舎にいたとか言っていたけど、偉ぶったところが少なくて…」
大人のレイコは、先日簡単に聞いた、この大陸に降り立った後の話を語り始めました。
「まぁ私なら土木工事はお手の物よ。領地開発や知識チートで農業やら産物やら、しばらく彼の内政の手助けとかして、領地も発展を始めたと思ったところでね。彼の叔父に当たる筋なんだけどね。彼の親の家だった燐領の伯爵ちょっかいかけてきて…」
ちと肌寒い日ですが。庭では、アライさんの指導でさっそく綿飴を作っています。ヒーターを使うのと、回転で砂糖が散らばったりしたら後が大変ですから、室内から出されました。
パンタ陛下の子供達は王妃と共にそちらに行っています。
「とまぁ、こちらに圧力かけたつもりなんだろうけど、商人を味方にしてしまえばこちらのもんで、最終的には向こうが降参。伯爵領の領境の街や村をいくつか併合できたんだけど。次に出てきたのがその国の王子でね」
…昨日の終盤は、メンタル的に落ち込んでいたように見えた大人のレイコですが。今日はいまのところそのそぶりはありませんね。赤井さんがなにかしたのかな? 単に躁鬱が激しいのかもしれませんが。
「私の愛人に任命するので、王都に来てその才能を生かすべし! レッドさんも珍しいからペットにしてやる!…なんて抜かしやがって」
うーん。ザマァ系の小説みたいな展開ですね。
「当然拒否したら、いきなり軍を差し向けてきやがって。普通は先に使節が来て交渉なり要求なりするもんでしょ? ところがいきなり進軍してきて端の村で略奪しやがってね。ああ、あなたも同じような経験があるのね。私も、略奪に関わった当事者を全員殴った上に、レッドさんの偵察で王子の位置を突き止めて、本陣まで突貫してね。その場で王子ボコ撲りよ。そこを夫の軍が急襲、一気に王都まで侵攻して、他の軍が戻ってくるまでに占拠。成り行きで革命成功」
『甘~い』
『あっという間に消えちゃう。ほんとうに雲みたい』
庭では、子供達がさっそく綿飴を食べています。見たことの無い甘いお菓子に、大喜びですね。洗っちゃだめですよ。あ、セレブロさんにはあげないでね。アライさんが止めています。
今日は、マーリアちゃんがセレブロさんも連れてきています。ロトリーの衛兵らは最初、すわハーティーか!と緊張したのですが。立派なゴルゲッドを付けている上に、アライさんが乗っての登場ですからね。女神の許可もあると言われては、通さざるを得ません。
今日くらいの陽気なら、外の方が気持ちいいとかで。綿飴機の甘い匂いを嗅ぎながら、庭でのんびりしています。
…連れてきた最初、そのモフモフを堪能するのに大人のレイコはしばらく離れませんでした。
「今まで、王国軍とそれに従う周辺貴族軍という構造で、辺境貴族を押さえつけていたところにこの惨敗だからね。夫には、たまたま遡った血縁に王族がいたりしたのと。私も女神とか持ち上げられてね。パワーバランスが逆転して一気に下剋上よ」
一人で軍と戦うには、レイコバスターで一掃するしかなくなりますからね。戦争を止めるには、頭を取るのが手っ取り早いわけで。
進めてきた経済改革を飴に。経済制裁と大人レイコの武威を鞭に。さらに旦那さんの血縁をうまく利用して、大義名分の範疇で王位に就いたそうです。
「一気にと言っても、安定するまで五年くらいかかったし。上位の貴族を従えるのは面倒だったけどね。ほんと、戦闘より政治の方が時間かかるわ。結婚したのはこのころね。忙しい中、なんとか式まで上げたわ。もちろん、子供が出来ないことは彼にも伝えていたけどね。それでも是非って言われて。結構熱烈だったわよ」
微笑みながら懐かしそうに語る大人レイコ。
「とりあえず政情が落ち着いたら、孤児やスラムの対策がてら、子供の教育を進めてね。貴族孤児こだわらず、特に優秀な子を将来の政府要員候補として何人も養子にしたわ。王の後継は、その子らで自分で決めさせたわよ。…王座を押しつけ合っていたのは面白かったけどね」
王様になりたくないとというよりは。下手な権力争いは勘弁、これからは内政面で文官を続けた方が面白いという理由だそうです。らしいですね。
もし私が、ダーコラ国とかバッセンベル領の方に降りていたらどうなったのか…なんて想像もしたことはありましたが。彼女の話した成り行きは、まさにそんな感じです。
大人のレイコは、"再生"してからの比較的楽しかったころの話で弾んでます。
ネタリア外相はもう、メモ魔になっていますね。マーリアちゃんも興味深そうに聞いています。
二人のレッドさんは、外でセレブロさんと一緒にのんびりしています。
赤井さんは、お茶飲みながら静かに聞いています。
などとしているところに。
パンタ陛下のお子さんたち…幼名だけどランランカンカンだって。もちろん命名は大人のレイコですが。子供達が奥さんのシュアン・ロトリー王妃殿下に連れられて、居間組に綿飴を持ってきてくれました。
『僕たちが作りました』
『女神様、食べて食べて』
王子とお姫様の二人。アライさんに教えてもらって作ったようです。両手に綿菓子を持ったラクーンの子供。もう破壊的にかわいいですね。
相好を崩した大人のレイコが、綿飴配った二人を膝に乗せて、綿飴を頂きます。いえ、お姫様に食べさせてもらっています。
ちなみにこの子達の上には、立太子している王子をはじめとして五人の兄姉がいるそうです。…セレブロさんに興味津々しているあそこのラクーンがお姉さんの一人だそうで。失礼ですが、付き人かと思ってました。
「うーん、おいしー。ありがとねっ」
私たちが受け取った綿菓子を食べると、きゃっきゃっと喜ぶ子供達。
一通り食べた後。食べ終わった子達は、アライさんがセレブロさんと一緒にいるところを見て駆け寄っていきます。子供慣れしているセレブロさんとアライさんですからね。王子達ともすぐ打ち解けています。
こんな子供達を見ながら、
「にしても、モーターまで作れるとは。体内のマナを扱える人はそこそこいるけど。板状に加工したマナに回路を書くとはね。恐れ入ったわ」
「こちらのマーリアちゃんの国の人たちが頑張ってくれてました」
大人のレイコも、もちろん綿飴機の構造は知っています。
マナ回路は、エルセニム人のマナ師の功績です。エルセニムの城で見た点滅するマナ灯。あそこであれを見れたのはラッキーでした。
「先天的にマナを扱うのに長けた人種というわけね。人も面白い変わり方をする生き物なのね」
と、近くでお茶を飲んでいる赤井さんをチラ見します。
「僕は、生物の進化には基本的には干渉していないよ。彼らの場合、マナの多い環境での生存に適した集団が増えたというだけだね。短い期間であれだけマナに適応できたってのはすごいことだよ」
生物種としての進化というよりは、マナに適応する品種改良の範疇ということですかね? …正教国のマナ研でやっていたようなことが、生存競争の中で起きたということのようです。
「僕が干渉したのは、体内のマナで暴走死しないようにしたくらいかな。体内のマナがギリギリまで振り切ってしまってマナに意思を取られたのが魔獣だけども。意識が強い分、エルセニム人は理性が留まっているみたいだね。それでも、普通の生物以上にマナが扱えるから、身体の方にはいろいろ無理が来ているみたいだけど。そこの子はさらに人為的にいじられているからね。後で体内マナを調節してあげよう」
」
「え? あ? はい? えっと、よろしくお願いします?」
赤井さん、マーリアちゃんの身体のことは把握しているようです。
エルセニムの人達は、身体能力は確かに高いですが、走り続けていると身体がオーバーヒートしたり、無制限に使えるものでもありません。マーリアちゃんも瞬発力はさらに高いですが。その状態での持久力という面では一般騎士より見劣りします。この辺が、エルセニム国が正教国にあらがえなかった原因のようです。
「マーリアちゃんのマナによる強化を、まぁ普通の人…騎士くらいにまで意識して落とせるようにするってことよ。」
とは大人のレイコ。この辺は私の記憶からでしょうか。
「マーリアちゃん、やっぱ無理してきた?」
「うーん。小さい頃からこんな感じだったから、無理してきたって自覚は無いんだけどね」
正教国のマナ研で、マナの過剰摂取をさせられたマーリアちゃん。引き換えにそこらの騎士が束になっても叶わない体術と腕力を得ているわけですが。やはり無償というわけでは無いようです。
「マナによって身体の代謝が過剰になっているからね。普通のエルセニム人くらいならともかく、あなたくらいともなると、そろそろ骨格や筋肉に異常が出てしまうわよ。確実に寿命を縮めるわね。あなたほどではないけど、私のところにも、ごく希にマナが多い子がいたわ」
「たまに使う程度なら良いんだけど。君ほどとなると逆に普段から押さえ込まないと行けないわけだし。そういった苦労をしなくなるようにしてあげよう。健康や寿命も人並みになるよ」
綿飴食べながら赤井さんが説明します。
「弱くなる…わけでは無いんですね?」
「普段は弱い状態でいられるってことだね。まぁマナ関係の操作は、もろもろまとめて後で行うから」
大人のレイコと目配せする赤井さんでした。
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