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第10章 レイコさんは自重しない
第10章第021話 教都到着と、モフモフ外交
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第10章第021話 教都到着と、モフモフ外交
Side:ツキシマ・レイコ
馬車列は無事教都に着き、宿泊先の迎賓館街へ向かいます。
もともと衛星国からの賓客が多いためか。便の良い郊外に、屋敷が並んでいる一角が整備されています。
高い塀と一部は掘りまで掘られていて。掘りは河に繋がっているようですが、これは防衛用と言うより、資材の運搬やいざというときの脱出用かも?
石が敷かれた通りに、何棟もの屋敷。迎賓館というよりは貴族街ですね。中央には、ここに泊まっている人たち向けでしょぅか、礼拝堂が建っています。
ネイルコードには、二棟が割り当てられました。
私とマーリアちゃんとロトリー国の使節と…観光に同行していてる貴婦人と執事さんとで、陛下達とは別の隣の一棟使うことになりました。
ラコールさん曰く、これで護衛の密度が上がる…だそうです。私"が"護衛ですねわかります。いいですよ、はい。私とレッドさんとマーリアちゃんとセレブロさん、万全ですね。
館の側には兵舎もありまして。護衛騎士さん達はそちらに詰めることになります。
「あっ、バールくんだっ!」
屋敷前の通り向かい、別の一棟の前で止まった馬車から降りた子供が走り寄ってきました。
芝生に足を取られて直前で躓きそうになりますが、そのままバール君に飛びつき、モフモフ体勢へ。
「シャールっ。走ると危ないですよ~っ」
「だってバールくんが~っ!」
慌てつつも歩いて来る貴族風のご婦人。子供ならともかく、大人が走り寄ってきては護衛を刺激します。その辺が分かっている歩き方です。
「クラウヤート様、失礼しました。シャール、いつもいきなりはダメだって言っているでしょ? 最初にご挨拶」
「はーい。ごきげんようクラウヤートさまっ」
「はい。ごきげんようシャールストラ様」
クラウヤート様と知り合いのようですね。
まだ拙いカテーシーが可愛い五歳くらいの女の子。上等な服と身だしなみ。ここにいるからにはどこかの国の使節の関係者なのでしょう。
追いかけてきたご婦人は、母親のようですね。その後に侍女と護衛が付いてきます。
「あのクラウヤート様…もしかしてこちらの方々は…」
「エルセニム国第一王女、マーリア・エルセニム・ハイザート殿下と…地球大使レイコ・ツキシマ様…赤竜神の巫女にございます」
クラウヤート様が紹介してくれます。
「それはまぁっ!」
「ちょっ!!」
驚いたご婦人が、膝を付こうとします。外ですよ!ドレスですよね?! やーめーてーっ!。
「カランカ婦人。レイコ殿はそういう儀礼を苦手としております。普通の挨拶の範疇で。レイコ殿、こちらはアクスン公国の大使であるカランカ子爵のご夫人とご令嬢です」
「はじめまして、カランカ夫人。シャールちゃんはバール君と仲良しなのね」
「シャールストラ様は、お茶会でバール君を気に入ったようで」
「最初は恐くて大泣きしていたのにね」
「お母様!それは内緒にっ」
うん。お茶会で何が起きたのか分かります。
スッとした大きいモサエドといった感じのバール君。子供の全身の好き表現を受け止めて、まんざらではない感じです。
「あっ!! …もっとでっかいバール君? …と赤い子?…それと…熊さん?」
もう一台の馬車の向こうにいたセレブロさんに気がつきました。それに乗ったレッドさんも。そして、ロトリー国の面々にも気がついたようです。
「バール君よりおおきい… 上に載っているのは赤い…犬? あと、小熊さんたちと大熊さん?」
大熊さんはコークルさんですね。まぁ彼は熊さんとしか形容がないでしょう。アライさん達ラクーンは初見ですね。 シャールさんが駆けていきます。
「シャールちょっとまちなさいっ! その赤いの…赤い方?は…もしかして!」
さらなるモフモフの出現に駆け寄るシャール様。停めようとするカランカ夫人。
コークルさんが、ネイト殿下の護衛しているのが目線で分かりますが。近づいてくるのが子供だと分かって思案しているようです。ここでアライさんが前に出ます。
「はしめまして。アライと申します はしると危ないてすよ?」
「っ! 熊さん喋った!」
子供の相手なら、アライさんの得意分野です。
突如繰り広げられるモフモフ大会。クリステーナ姫、思い出しますね。
「ロトリー国の方々ですよね? 遙か東にある人とは違う者達の国…噂には聞いていたのですが… ここまで人と同じように…」
レッドさんとネイト殿下達の説明をされたカランカ夫人がちょっとびびっています。小竜神と王太子ですからね。それにしてもこのご夫人、けっこう勉強されているようですね。
セレブロさんのモフモフを泳ぐシャール様。あ、ネイト殿下に抱っこしてもらっています。
まぁこの光景をみてラクーン達に驚異を感じるのは難しいでしょう。こういうところから始まる外交、いいんじゃないですかね?
「シャール。みなさん着いたばかりでお疲れのようですし。また今度お願いしなさい」
「はーいお母様。バール君っ、皆さんっ、またねっ!」
しばらくモフモフを堪能したシャール様。
皆さんで手を振って向かいの屋敷に帰って行くカランカ一行です。
「クラウヤート様、お仕事順調そうね」
「お茶会とか会議とか、いろいろ連れ回されているからね、大変だけど。貴族や大使に商会とのやりとりは、いろいろ勉強になるよ」
クラウヤート様を労うマーリアちゃん。クラウヤート様も嬉しそうですね。
「クラウヤート様。あの子、バール君を欲しがらなかった?」
「はい、欲しがりましたね~。ガン泣きして欲しがりましたし、他にも欲しいという方が出ましたけど。レイコ殿が書かれた犬の十戒、あれが効きましたね」
ちょっと懐かしい。セレブロさんの子供達の里親希望の方に配ったやつですね。
「あとこれですね。バール、威嚇!」
前足を踏ん張り、牙を剥き、うなり声を上げます。おお、セレブロさん達の得意技。バール君もマスターしていますね。
地球の大型犬よりでかい犬の攻撃態勢です。けっこうな迫力です。大人でも命の危険を感じるでしょう。
「動物を飼う覚悟と野生動物を飼う危険性も含めて説得しましたところ。皆頭の良い子達でしたね、きちんと理解してくれましたよ」
ふむ。その辺の物わかりの良さを、大人達も発揮してくれると良いのですが…
Side:ツキシマ・レイコ
馬車列は無事教都に着き、宿泊先の迎賓館街へ向かいます。
もともと衛星国からの賓客が多いためか。便の良い郊外に、屋敷が並んでいる一角が整備されています。
高い塀と一部は掘りまで掘られていて。掘りは河に繋がっているようですが、これは防衛用と言うより、資材の運搬やいざというときの脱出用かも?
石が敷かれた通りに、何棟もの屋敷。迎賓館というよりは貴族街ですね。中央には、ここに泊まっている人たち向けでしょぅか、礼拝堂が建っています。
ネイルコードには、二棟が割り当てられました。
私とマーリアちゃんとロトリー国の使節と…観光に同行していてる貴婦人と執事さんとで、陛下達とは別の隣の一棟使うことになりました。
ラコールさん曰く、これで護衛の密度が上がる…だそうです。私"が"護衛ですねわかります。いいですよ、はい。私とレッドさんとマーリアちゃんとセレブロさん、万全ですね。
館の側には兵舎もありまして。護衛騎士さん達はそちらに詰めることになります。
「あっ、バールくんだっ!」
屋敷前の通り向かい、別の一棟の前で止まった馬車から降りた子供が走り寄ってきました。
芝生に足を取られて直前で躓きそうになりますが、そのままバール君に飛びつき、モフモフ体勢へ。
「シャールっ。走ると危ないですよ~っ」
「だってバールくんが~っ!」
慌てつつも歩いて来る貴族風のご婦人。子供ならともかく、大人が走り寄ってきては護衛を刺激します。その辺が分かっている歩き方です。
「クラウヤート様、失礼しました。シャール、いつもいきなりはダメだって言っているでしょ? 最初にご挨拶」
「はーい。ごきげんようクラウヤートさまっ」
「はい。ごきげんようシャールストラ様」
クラウヤート様と知り合いのようですね。
まだ拙いカテーシーが可愛い五歳くらいの女の子。上等な服と身だしなみ。ここにいるからにはどこかの国の使節の関係者なのでしょう。
追いかけてきたご婦人は、母親のようですね。その後に侍女と護衛が付いてきます。
「あのクラウヤート様…もしかしてこちらの方々は…」
「エルセニム国第一王女、マーリア・エルセニム・ハイザート殿下と…地球大使レイコ・ツキシマ様…赤竜神の巫女にございます」
クラウヤート様が紹介してくれます。
「それはまぁっ!」
「ちょっ!!」
驚いたご婦人が、膝を付こうとします。外ですよ!ドレスですよね?! やーめーてーっ!。
「カランカ婦人。レイコ殿はそういう儀礼を苦手としております。普通の挨拶の範疇で。レイコ殿、こちらはアクスン公国の大使であるカランカ子爵のご夫人とご令嬢です」
「はじめまして、カランカ夫人。シャールちゃんはバール君と仲良しなのね」
「シャールストラ様は、お茶会でバール君を気に入ったようで」
「最初は恐くて大泣きしていたのにね」
「お母様!それは内緒にっ」
うん。お茶会で何が起きたのか分かります。
スッとした大きいモサエドといった感じのバール君。子供の全身の好き表現を受け止めて、まんざらではない感じです。
「あっ!! …もっとでっかいバール君? …と赤い子?…それと…熊さん?」
もう一台の馬車の向こうにいたセレブロさんに気がつきました。それに乗ったレッドさんも。そして、ロトリー国の面々にも気がついたようです。
「バール君よりおおきい… 上に載っているのは赤い…犬? あと、小熊さんたちと大熊さん?」
大熊さんはコークルさんですね。まぁ彼は熊さんとしか形容がないでしょう。アライさん達ラクーンは初見ですね。 シャールさんが駆けていきます。
「シャールちょっとまちなさいっ! その赤いの…赤い方?は…もしかして!」
さらなるモフモフの出現に駆け寄るシャール様。停めようとするカランカ夫人。
コークルさんが、ネイト殿下の護衛しているのが目線で分かりますが。近づいてくるのが子供だと分かって思案しているようです。ここでアライさんが前に出ます。
「はしめまして。アライと申します はしると危ないてすよ?」
「っ! 熊さん喋った!」
子供の相手なら、アライさんの得意分野です。
突如繰り広げられるモフモフ大会。クリステーナ姫、思い出しますね。
「ロトリー国の方々ですよね? 遙か東にある人とは違う者達の国…噂には聞いていたのですが… ここまで人と同じように…」
レッドさんとネイト殿下達の説明をされたカランカ夫人がちょっとびびっています。小竜神と王太子ですからね。それにしてもこのご夫人、けっこう勉強されているようですね。
セレブロさんのモフモフを泳ぐシャール様。あ、ネイト殿下に抱っこしてもらっています。
まぁこの光景をみてラクーン達に驚異を感じるのは難しいでしょう。こういうところから始まる外交、いいんじゃないですかね?
「シャール。みなさん着いたばかりでお疲れのようですし。また今度お願いしなさい」
「はーいお母様。バール君っ、皆さんっ、またねっ!」
しばらくモフモフを堪能したシャール様。
皆さんで手を振って向かいの屋敷に帰って行くカランカ一行です。
「クラウヤート様、お仕事順調そうね」
「お茶会とか会議とか、いろいろ連れ回されているからね、大変だけど。貴族や大使に商会とのやりとりは、いろいろ勉強になるよ」
クラウヤート様を労うマーリアちゃん。クラウヤート様も嬉しそうですね。
「クラウヤート様。あの子、バール君を欲しがらなかった?」
「はい、欲しがりましたね~。ガン泣きして欲しがりましたし、他にも欲しいという方が出ましたけど。レイコ殿が書かれた犬の十戒、あれが効きましたね」
ちょっと懐かしい。セレブロさんの子供達の里親希望の方に配ったやつですね。
「あとこれですね。バール、威嚇!」
前足を踏ん張り、牙を剥き、うなり声を上げます。おお、セレブロさん達の得意技。バール君もマスターしていますね。
地球の大型犬よりでかい犬の攻撃態勢です。けっこうな迫力です。大人でも命の危険を感じるでしょう。
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