甲虫転生〜only oneなんて最硬じゃねぇか!〜

Mr,Queen

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異世界の魔獣

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敵の調査を始めて早一週間が経とうとしていた。
「ウェル、なんか掴めた?」
『そうだな、相手の種族はシィーザシィー・クティノス、通称【合成魔獣】だ。敵の血肉を喰らい敵の特徴を取り込み習得する。奴一体だけで、生態系の著しい崩壊を招くと言う、遥か昔に地獄界から這い出てきたと言う噂も持ち合わせている、正真正銘の怪物だな。』
「ウェルは勝てると思う?その伝説上の怪物に。」
『はっきり言って、容易に勝てるだろう。それにこの森には多くの結界が重ねられているため中々すんなり進化できていないようだったしな。』
「それなら攻めるとしたら、今日の夜かな?」
「嗚呼、それがベストだろう。だがな、俺の経験上、俺たちだけで済ますと後にこの種族が危機に迫った時に対応ができなくなってしまい、全滅。なんてこともあった。ならどうするか、俺はこの種族との共闘が一番のベストだと思う。後の判断はカンに任せる。幸い、今の時刻はまだ朝の7時だ。』
「おっけ、それじゃあ話しますか、里長に。」

それから俺は、里長へとその事を伝えた。里長は考えたいと言っていたが、頭では分かっているのであろう、そうしなければそう遠くない未来に全滅するとこを。
しかし、里長としてそのような事を考えてはいけない。どうすれば里のみんなが協力してくれるかとか、悩んでるんだろうなぁ。まぁ、その心配はないと思うんだけどな、だってここの里のみんなは里長が里長だからこそ、ここにいるって言ってたしな。
まあ、選択は間違えないだろう、あの里長なら。

数時間後、太陽が沈黙し、月が現れその存在を示す時。
里長は里の意見をまとめて、俺の元にやってきた。結果は言うまでもなく。
共闘の申し入れだった。それを聞き俺とウェルは、誰にも気づかれぬように、薄く静かに笑った。
遂にきた、決戦の夜。月の光も届かぬ森の奥深くにて俺たちは数時間で準備を終わし、奴を呼び寄せた。
最初の勢いは良かった。しかし、計算外での問題が起こった。それは、相手の体力だった。
奴はずっと、進化を止められているのを感じ、進化に力を回すのだはなく、進化のエネルギーを肉体の内なる強化に使っていた。そのため、奴の毛皮までもが強靭な鎧、凶悪な武器にへと、静かに進化していたのだった。
まぁ、そんな事ウェルが気付かぬはずもなくこれはある計画の一つ。
ウェルが最初に言ったのは、魔物を倒したところでこちらにメリットはない。しかし、デメリットもない。なら、メリットを作れば良いのではないかと言う事だ。
そのメリットとは、仲間だ。仲間、すなわち友。数というのはそれだけで脅威である。それに、今現在俺らの戦闘能力は高いが、数で来られれば全てを守れるわけではない。
そういうわけで、行ったのは、わざとピンチにさせたプテロン・レーテー達を救い、仲間を作るという事だ。
さあ、いよいよピンチになってきたかな?
「負傷者はこっちに、絶対に死者は出すな!」
「こっちだ!」「こいつを誰でも良いから助けてくれぇ!」「あっちに重傷者がいる!直ぐに行ってやってくれ!」「こっちもだ!」「こっちも助けてくれ!」
すると、ある男がこちらに寄ってきた。
「もうこれ以上は限界です!死者が出てしまいます!お願いです、助けてください!」
「里長………わかりました。でも、此処から全員を助けるのは私達でも至難の業です。それを、なんのメリットも無しに出来るわけないでしょう?」
「わ、分かりました!何でも、聞きます!だから、皆んなを里の皆んなを助けてやってください!」
「その言葉を待ってました。ウェル!いけるか?」
『これくらいなら問題無い。でもそうすると、俺の力の2割は割くことになるぞ?』
「大丈夫、俺たちは最強のコンビなんだから!」
『そりゃあ、そうだな。よし!いっちょやるか。【大地に住まう神々よあの者達に大地の抱擁をー大地の揺籠】!【自然の慈悲深き癒しであの者達をお救いくださいー自然の芽吹き】』
すると、大地の抱擁で土の中に身を隠し、自然の芽吹きで傷を癒す。それも、どちらともに超広範囲という、さらに自然の芽吹きの追加効果で自動で敵と判断したものを植物を使い反撃するという。さらに大地の揺籠は大地そのものが揺れるという錯覚を引き出すことでまともに立ってもいられなくなる。並大抵の奴はこのコンボで沈む。沈まなかったら俺の番。
「やっぱりウェルはこうでなくちゃね。じゃあ、次は俺かな!」
目の前にいる大型のジィーザシィー・クティノスを狙う。
放たれるは最強の攻撃、自分の天啓【装甲】を使った攻撃である。装甲の主な能力で言えば、やはり目を引くのは防御力、しかしよく考えてほしい。防御力とは即ち硬さ、硬さと言えば即ち、攻撃力。それならば、【硬化】&【装甲】で極限まで防御力を上げる。これから行うは世界でも類を見ない圧倒的な力。
「ウェル、準備はできてる?」
『嗚呼、問題無い。飛んでこい。』
「よっしゃ、それじゃあよろしく。」
どうやって飛ぶのかわからん、でも、俺が大砲の球だったら話は別だ。土で作られた一発限りの大砲。その中に俺は入り、奴の眉間めがけて飛び出した。相手は逃げようとする、でもそんな事ウェルが許すはずはない。四方八方に分厚い土壁。前方には高速で迫る黒い飛翔体。それ即ち、起きることは貫通?違う違う、飛んでいるのは俺、相手に俺のツノが入った瞬間に新しく覚えた技、【抉り上げる】。俺の【突き上げ】の派生能力である。能力は持ち上げることができない代わりに、名前の通りにその部分を抉り取ることに特化している技だ。起こる事、そんなのは火を見るよりも明らかだった。相手の頭が吹き飛んだ。眉間に当たらず首のところにあたったのが原因だった。
これにて、無事に誰一人死なずにこの戦いは幕を下ろした。

その後、数週間この里に滞在して、里長から約束の報酬をもらう。
「お願いします。どうかこの馬鹿に世界を見せてやってください。」
「よろしくねぇ、二人ともぉ。」
「嗚呼、よろしく。」
『よし、これで準備は整った。さぁ、出発だ。』
「「おお!」」
まだまだ、俺の冒険は終われねぇ。


~???~
「可笑しいだろぉ!!何で、奴等はのうのうと生きていて、俺たちが殺されなくちゃならねぇんだ!」
「「「そうだ、そうだ!」」」
「なら、やることはひとつだけだ!我等が同胞の恨みを彼奴らの脳髄に刻み込んでやれ!」
「「「オォォォォォォォォォォォ!」」」
その夜、帝国ガンドラスは一夜にして、滅びを迎えるのだった……………
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