18 / 22
異世界で魔王覚醒
しおりを挟む
グラフィオは喝を入れてくれたが、目の前にいる【竜種】は見ただけでもその危険性が見えていた。
「グラフィオ、そんな事言われなくても、あいつの危険度は見ただけでわかるよ。」
「これってぇ、死んじゃうんじゃぁ?」
「弱音は勝ってからにしようぜ?」
『我等が同胞が世話になったようだな。同胞のため、主らを同胞が待つ冥府に送ってやろう!』
「ふん!送られるのはどっちかな?」
『主らを殺すことなど、たわいのなきことよ。それとて、ただ殺すのでは同胞の無念を晴らせないであろう、そうだな……………出来る限り苦しめて殺すとしよう。』
「あーあー、言ってくれるぜ。クソ蜥蜴如きが!」
『死にたがりがいるようだな。喰らえ!【龍華砲】!!』
「「な!?」」
『【蓮華帰郷ー黄泉送り】!!ふぅ、なんとこれを食らっても耐えるか。』
「なるほどな、【龍華砲】は溜めなしの能力ではなく、ストック型の能力に近い何かかもな、じゃ無いとこの威力は出ない。【蓮華帰郷ー黄泉送り】は龍華砲を放った衝撃で散った竜種の竜力を蓮華の形にし、相手を拘束、攻撃、奈落への引き摺り込みを可能にするものだな。これは領域能力に近いな。」
『ほう、そこまで分析出来るとは………少々みくびっておったわ。しかし……』
「ルカーノや、その推測は危険じゃのう。」
「ん?どう言うことだ、グラフィオ?」
『ククッ、【全知者】には隠せなかったか。まぁ、良い。隠せなくとも、お主には突破できまい。』
「おやおや、本当に大丈夫なのかのう。」
『む?どう言うことだ。』
「いやはや、わしが突破できぬ事は火を見るよりも明らかよ。しかし、まだわしらの全ての能力は把握しておらぬのであろう?」
『さぁ、それはどうかな?把握していないかもしれないし、把握しているのかもしれない。なぜなら、我の仕えるお方はそう言うお方だからなぁ。』
「なるほどのう、そこで【龍王】以外が出てくるとは意外じゃのう。」
『な!?』
【竜種】が初めて、驚きを隠せないほどまでに、顔に出てしまった。これが、この戦いのターニングポイントになるのかもしれない。
「わしの知る【龍王】は頭は悪くなかったが、ここまで非道の事をして名を広げる事を嫌っておったしのう、悪く言うと馬鹿。よく言うと純粋ってところじゃ。それに、奴は《我の仕えるお方》といった。」
「それがどうしたの?ただ【龍王】と言うことが不敬だから言わなかっただけじゃ無いの?」
『………』
「それじゃと、不自然なのじゃよ。つい先ほど来た【知蛇種】は最初に《我は龍王様の使い》と言い放っておった、これは不敬じゃ無いのになぜ、奴は龍王という名を口に出さなかった?」
「もしかして……」
『はぁ、マジかよ。なんでそこまで分かっちゃうわけ?マジできもいんだけど。』
「ふんっ、お主如きがわしから隠し事をするなど片腹痛しよ。それに、お主の仕えるお方というのは、【龍王の円卓第ニ席・智龍 サピエンティア】じゃろう?」
『あーあー、やだやだ、なんで分かっちゃうかなぁ。これだから知恵あるジジイどもは。はぁ、そうだよ、そうだよ。我は智龍様の配下だよ。どう?これで満足?』
「やはりのう。あの老いぼれジジイが策略したとなると、ルカーノ殿。すこし、いや、かなり奴の行動に警戒してくだされな。何をして来るか分かった者じゃないからのう。」
「了解だ。それでグラフィオ、俺の推測の何処が危ないって?」
「それはじゃな、【龍華砲】と【蓮華帰郷ー黄泉送り】はどちらとも、【竜種】ではなく、【龍種】の能力だからじゃ。」
「ん?【竜種】ではなく、【龍種】の能力?という事は、こいつは【龍種】ってこと?」
「【龍種】とは幾年もの月日を重ねた【竜種】が存在進化したものなのじゃ。しかし、奴の能力は【竜種】の能力ではなく【龍種】の能力であった。」
「突然変異?」
「いや、この場合は【転生器】じゃろう。」
「【転生器】?何なのそれは…?」
「ふむ、教えてやりたいのじゃが、まずは彼奴を倒さないとだめみたいじゃのう。」
『死ね!死ね!死ね!全部全部、壊してしまえ!【奈落蓮華】!【龍華砲ー死楽】』
これは、やばい!
咄嗟に俺は大幅な右飛びをし回避した。俺の周りには光を吸収するほど黒い暗黒の蓮華が咲いており、背後はすべての生物という生物の生命が消え失せていた。
幸い、みんなも回避していて大丈夫だったが、少し死楽が掠ったアースドラゴンの死骸を見ると、腐れ落ちていくというよりも、触れたところから漆黒に侵食されて、完全に黒くなったその時その巨体が跡形もなく消滅した。周りの知蛇の死骸の上には暗黒の蓮華が咲き徐々に、何処につづいているか分からない漆黒に呑まれて行った。
「これは、奈落系統と終焉系統じゃのう。」
「奈落系統と終焉系統って、何なの?カミヨにも教えてもらってない系統だけど。」
「奈落系統は地獄系統の先に存在する系統での、終焉系統は奈落系統の更に先に存在するとされている系統じゃ。」
「されている?」
「うむ、終焉系統はその性質上、戦った者全てを消し去り、最後には自らも消し去る可能性を最も含んでおる危険な系統じゃ。それゆえ、あまり知られておらぬ系統じゃのう。」
『やっぱり、分かっちまうか。』
「それにしても、これでお主の正体がわかったぞい。」
『ほう、なんだ。言ってみろ。』
「お主の正体は竜種の中でも最古参であり、龍種すらも殺しくらう。世界最強の竜《神級迷宮・終焉の花園・蓮花の間・最後の守護者》【蓮華竜 終焉種】(ロータスドラグーン ザ・エンド)」
『ククッ、正解だ。迷宮が五百年前に龍王がなにかと戦った時に壊れてしまってなぁ。だから、こっち側についたのさ。さぁ、おしゃべりは終わりだ。死合おうぜ!まずはお前からだ!蟲魔王!!』
音速を超える速さで動く蓮華竜は、真っ直ぐではなく若干づつ体制を変え、進んできた。
「【大地の守護にて我が友への悪意を障壁にて受け止めろ…。大地の障壁】!」
俺の目の前に高さ8メートルになる障壁ができた。
『邪魔だぁ!【咲き誇れ奈落の蓮華】!』
しかし、その障壁も何処か分からぬ奈落へと落ちて行った。でも、障壁が出て俺を見失う時間凡そ、3秒。十分すぎる時間だ。
『これで終わりダァ!【竜撃ー華撃道】!【竜装ー奈落之蓮華】!!』
蓮華竜が纏うは竜力を大量に使った大技【竜撃】それを固有能力で強化した華撃道。さらに勢い、破壊力、防御力、素早さ全てを底上げする竜のみが作れる生体装備【竜装】これも竜撃と同様、固有能力で強化したもの【奈落之蓮華】。破壊力で言えば小島一つが軽々吹き飛ぶレベルの攻撃である。
「喰らえばお前も吹き飛ぶ威力だろうが!」
『ククッ、自分の技をどうやって食らうって言うんだぁ!』
「こうやってやれば、食らうだろうが!」
俺がなにもしていないと思ったら大間違いだ。俺はみんなが訓練している間も、寝ている間も休まず自分の天啓でなにができてなにができないのか試していたんだよ。そしたらこれができた。天啓【装甲】を相手の周りに纏わせるこれだけじゃ相手のサポートをしているだけだ。でも、装甲の向きを外側から内側に変更そうすれば、外から攻撃可能、中からは攻撃不可能な状態に持って来ることが出来る。まぁ、この場合装甲の許容範囲は小さくなってしまうがそれを越えなければ、これは完全なる牢獄となる。
『な!?』
「アハッハッハッ!もう止められねぇだろうが!」
そして奴が地面に接着する。その時激しい爆発音がなり、その次に衝撃で地面が抉れてこちらにも飛んでくる。
「ハハッ、マジで勘弁してくれよ。装甲を破壊しやがった。」
『はぁはぁ、グハッ。もろで自分の攻撃を喰らうなんて初めてだ。くそ、威力が高すぎるのも考えものだな。』
「おいおいおい、マジかよ。彼奴の自己再生能力バグってやがるぜ。」
『ふぅ、多少内部の回復は遅れているが、もうじき回復するか。まぁ、これぐらいなら、彼奴らは殺せるだろうな。』
あの威力の攻撃をモロに食らって生きてるだなんて。馬鹿げてるぜ彼奴。
『さぁ、もっと足掻け!足掻いて足掻いて足掻いてぇ!…………そして…………死ね』
「ルカっちゃん!俺とメジェちゃんが囮になるその間に逃げろ!」
「ルカ!お前だけでも早く逃げろ。彼奴はバケモンだ。」
「いやはや、ルカーノ殿。此処はわしらに任せてもらっても良いかのう。彼奴はわしらで食い止めるでの。」
「おい、ちょっと待ってくれよ。俺は俺は俺は!…………みんながいないと。駄目なんだよ!何をしたって…………だから、行かないでくれよ……頼む…………。」
『ククククッ、馬鹿だなぁ!お前ら。お前らが逆立ちした所で我には勝てないんだよぉ!全部無駄死にだぁ!』
「それを決めるのはお前じゃねぇ!」
「ちょっとぉ。癇に障りますよねぇ。」
「俺たちで叩き潰してやる!」
「わしらの力。見せてやりましょう。」
『来い!雑魚どもぉ!』
モール、メジェド、カミヨ、グラフィオが蓮華竜に向かって行って、2時間が経過した。
『はぁ、やっと死にましたかね。流石は蟲ですねぇ。生命力だけは龍種を超えますねぇ。でもぉ、無駄だったようですね!』
俺は、みんなをおいて、逃げられなかった。逃げるのがみんなの思いに応えられる道だと知りながらも、俺はその場に無駄に居座っていた…………。
俺がいなければモールは蟷螂種の里長になっていただろうに。メジェドは何事もなく里で暮らせていたのに。グラフィオだって、俺と出会わなければ里長を最後の時までやっていられたのに。カミヨも、魔羅に必要に狙われることをしなくてもよかったのに。全部、全部。俺がいたから……………
『おいおいおい、何馬鹿なこと言ってやがるんだ!?』
「え!?」
『はぁ、次会うときは魔王だって言ってのによぉ~。なんで、お前ら、死にそうになってんの?』
「それは、俺が居たから。」
『はぁ、マジで馬鹿だろお前。』
「でも……事実だし…………」
『お前なぁ…………ちゃんと考えろって。カミヨは、お前が居たから行動に移せたんだ。じゃなきゃあんな、クソみたいなところにずっといられるかって話だ。メジェドは、お前らが居なきゃ、里ごと滅ぼされてた。グラフィオは、あのまま、帝国と戦ってたら戦死してたかも知れねぇ。モールは、お前と出会えて、この世界で初めて。心が落ち着いたんだ。そんなことも分からねぇ、たまじゃねぇだろ!』
「それはそうだけど…………」
『いじいじ、気色悪りぃんだよ!お前はそんな事で友の信頼を裏切るほど、腐ってねぇはずだろうが!』
「!!」
『ならよぉ!立てよ!!そして彼奴らを信じて、あのクソ蜥蜴をぶっ殺そうぜ!』
「嗚呼、俺の辞書に逃げるなんて文字はねぇ!ぶっ殺してやる!!」
『よしゃあ!行ってこい!』
俺は目の前にいた蓮華竜に向かって走り出した。
「ハァァァァァァァァ!死に晒せぇ!!」
『最後はお前を消し炭にして、終わりダァ!!』
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
対象《甲虫種 【蟲魔王候補】ルカーノ・カンタロス》が蟲魔王覚醒条件をクリアしました。ただいま戦闘中であるため、プランAからプランBに変更。瞬間魔王覚醒を行います。戦闘が終わり次第、プランAに移ります。
成功しました。
対象《甲虫種 【蟲魔王候補】ルカーノ・カンタロス》の強制存在進化を開始します。
成功しました。
蟲魔獣から蟲魔人への進化も開始します。
成功しました。
進化したことにより、種族が進化します。
成功しました。
種族が【甲虫種】から【装甲種 魔王種】(アルマトューラ・インペラトーレ種)に進化しました。
続いて、ルカーノが所持していた天啓【装甲】が、天啓【蟲王之装甲】へと進化しました。
【??(封)】の解放を開始します。
成功しました。
【??(封)】は【神殺し&神喰い】へと姿を変えました。
さらに、魔王種への進化を開始します。
成功しました。
続いて、魔王種へと進化をしたため、魔王固有能力を取得しました。
【魔王覇気】【魔王之威圧】【蟲之王】【蟲之支配者】【蟲之救王】
ルカーノが特異固有能力に目覚めました。
【純愛者】【復讐者】【龍殺者・竜殺者】【???(封)】
※蟲魔獣形態と蟲魔人形態の二つを使い分けることができる。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
「死ねぇ!」
『なに!?まさか、嘘だろう!!』
俺の拳?が彼奴にめり込んだと思った瞬間には彼奴の体は遥か遠くの山まで吹き飛ばされ、山を大きく抉りながら減速して飛んでいった。
「ふぅ、スッキリした…………拳?…………え?え?えぇ!?」
『はぁ、気づくの遅すぎるだろうが。』
「え?あ、ちょっと待ってくれ…………なるほどな、俺がやっと【魔王種】へと進化したのか。でも、あんなに派手に吹っ飛ぶのか?」
『いや、あれはお前の特異固有能力の【復讐者】【龍殺者・竜殺者】が影響してるだろうな。』
「嗚呼、なるほど。どうりで、今はあれほど力が漲ってないのか。」
しっかし、マジで彼奴タフやなぁ。
『死ねぇ!糞虫ガァ!!』
「よっと……この身体だったら。出来るよな?【古武術ー首刈り蟲】!」
俺の鋭利な手刀が奴の首元に迫る。普通であったのなら、俺の手刀は奴の首を切るほどの威力はない。でも、この古武術の技の特性を活かせれば、奴の首も切り落とせる力を出す。
『ぬ!?なん…………だ…と?』
こうしてあっけなく、俺は奴の首を落とし、戦いは終結した。
《称号【竜殺者】を獲得しました。》
「グラフィオ、そんな事言われなくても、あいつの危険度は見ただけでわかるよ。」
「これってぇ、死んじゃうんじゃぁ?」
「弱音は勝ってからにしようぜ?」
『我等が同胞が世話になったようだな。同胞のため、主らを同胞が待つ冥府に送ってやろう!』
「ふん!送られるのはどっちかな?」
『主らを殺すことなど、たわいのなきことよ。それとて、ただ殺すのでは同胞の無念を晴らせないであろう、そうだな……………出来る限り苦しめて殺すとしよう。』
「あーあー、言ってくれるぜ。クソ蜥蜴如きが!」
『死にたがりがいるようだな。喰らえ!【龍華砲】!!』
「「な!?」」
『【蓮華帰郷ー黄泉送り】!!ふぅ、なんとこれを食らっても耐えるか。』
「なるほどな、【龍華砲】は溜めなしの能力ではなく、ストック型の能力に近い何かかもな、じゃ無いとこの威力は出ない。【蓮華帰郷ー黄泉送り】は龍華砲を放った衝撃で散った竜種の竜力を蓮華の形にし、相手を拘束、攻撃、奈落への引き摺り込みを可能にするものだな。これは領域能力に近いな。」
『ほう、そこまで分析出来るとは………少々みくびっておったわ。しかし……』
「ルカーノや、その推測は危険じゃのう。」
「ん?どう言うことだ、グラフィオ?」
『ククッ、【全知者】には隠せなかったか。まぁ、良い。隠せなくとも、お主には突破できまい。』
「おやおや、本当に大丈夫なのかのう。」
『む?どう言うことだ。』
「いやはや、わしが突破できぬ事は火を見るよりも明らかよ。しかし、まだわしらの全ての能力は把握しておらぬのであろう?」
『さぁ、それはどうかな?把握していないかもしれないし、把握しているのかもしれない。なぜなら、我の仕えるお方はそう言うお方だからなぁ。』
「なるほどのう、そこで【龍王】以外が出てくるとは意外じゃのう。」
『な!?』
【竜種】が初めて、驚きを隠せないほどまでに、顔に出てしまった。これが、この戦いのターニングポイントになるのかもしれない。
「わしの知る【龍王】は頭は悪くなかったが、ここまで非道の事をして名を広げる事を嫌っておったしのう、悪く言うと馬鹿。よく言うと純粋ってところじゃ。それに、奴は《我の仕えるお方》といった。」
「それがどうしたの?ただ【龍王】と言うことが不敬だから言わなかっただけじゃ無いの?」
『………』
「それじゃと、不自然なのじゃよ。つい先ほど来た【知蛇種】は最初に《我は龍王様の使い》と言い放っておった、これは不敬じゃ無いのになぜ、奴は龍王という名を口に出さなかった?」
「もしかして……」
『はぁ、マジかよ。なんでそこまで分かっちゃうわけ?マジできもいんだけど。』
「ふんっ、お主如きがわしから隠し事をするなど片腹痛しよ。それに、お主の仕えるお方というのは、【龍王の円卓第ニ席・智龍 サピエンティア】じゃろう?」
『あーあー、やだやだ、なんで分かっちゃうかなぁ。これだから知恵あるジジイどもは。はぁ、そうだよ、そうだよ。我は智龍様の配下だよ。どう?これで満足?』
「やはりのう。あの老いぼれジジイが策略したとなると、ルカーノ殿。すこし、いや、かなり奴の行動に警戒してくだされな。何をして来るか分かった者じゃないからのう。」
「了解だ。それでグラフィオ、俺の推測の何処が危ないって?」
「それはじゃな、【龍華砲】と【蓮華帰郷ー黄泉送り】はどちらとも、【竜種】ではなく、【龍種】の能力だからじゃ。」
「ん?【竜種】ではなく、【龍種】の能力?という事は、こいつは【龍種】ってこと?」
「【龍種】とは幾年もの月日を重ねた【竜種】が存在進化したものなのじゃ。しかし、奴の能力は【竜種】の能力ではなく【龍種】の能力であった。」
「突然変異?」
「いや、この場合は【転生器】じゃろう。」
「【転生器】?何なのそれは…?」
「ふむ、教えてやりたいのじゃが、まずは彼奴を倒さないとだめみたいじゃのう。」
『死ね!死ね!死ね!全部全部、壊してしまえ!【奈落蓮華】!【龍華砲ー死楽】』
これは、やばい!
咄嗟に俺は大幅な右飛びをし回避した。俺の周りには光を吸収するほど黒い暗黒の蓮華が咲いており、背後はすべての生物という生物の生命が消え失せていた。
幸い、みんなも回避していて大丈夫だったが、少し死楽が掠ったアースドラゴンの死骸を見ると、腐れ落ちていくというよりも、触れたところから漆黒に侵食されて、完全に黒くなったその時その巨体が跡形もなく消滅した。周りの知蛇の死骸の上には暗黒の蓮華が咲き徐々に、何処につづいているか分からない漆黒に呑まれて行った。
「これは、奈落系統と終焉系統じゃのう。」
「奈落系統と終焉系統って、何なの?カミヨにも教えてもらってない系統だけど。」
「奈落系統は地獄系統の先に存在する系統での、終焉系統は奈落系統の更に先に存在するとされている系統じゃ。」
「されている?」
「うむ、終焉系統はその性質上、戦った者全てを消し去り、最後には自らも消し去る可能性を最も含んでおる危険な系統じゃ。それゆえ、あまり知られておらぬ系統じゃのう。」
『やっぱり、分かっちまうか。』
「それにしても、これでお主の正体がわかったぞい。」
『ほう、なんだ。言ってみろ。』
「お主の正体は竜種の中でも最古参であり、龍種すらも殺しくらう。世界最強の竜《神級迷宮・終焉の花園・蓮花の間・最後の守護者》【蓮華竜 終焉種】(ロータスドラグーン ザ・エンド)」
『ククッ、正解だ。迷宮が五百年前に龍王がなにかと戦った時に壊れてしまってなぁ。だから、こっち側についたのさ。さぁ、おしゃべりは終わりだ。死合おうぜ!まずはお前からだ!蟲魔王!!』
音速を超える速さで動く蓮華竜は、真っ直ぐではなく若干づつ体制を変え、進んできた。
「【大地の守護にて我が友への悪意を障壁にて受け止めろ…。大地の障壁】!」
俺の目の前に高さ8メートルになる障壁ができた。
『邪魔だぁ!【咲き誇れ奈落の蓮華】!』
しかし、その障壁も何処か分からぬ奈落へと落ちて行った。でも、障壁が出て俺を見失う時間凡そ、3秒。十分すぎる時間だ。
『これで終わりダァ!【竜撃ー華撃道】!【竜装ー奈落之蓮華】!!』
蓮華竜が纏うは竜力を大量に使った大技【竜撃】それを固有能力で強化した華撃道。さらに勢い、破壊力、防御力、素早さ全てを底上げする竜のみが作れる生体装備【竜装】これも竜撃と同様、固有能力で強化したもの【奈落之蓮華】。破壊力で言えば小島一つが軽々吹き飛ぶレベルの攻撃である。
「喰らえばお前も吹き飛ぶ威力だろうが!」
『ククッ、自分の技をどうやって食らうって言うんだぁ!』
「こうやってやれば、食らうだろうが!」
俺がなにもしていないと思ったら大間違いだ。俺はみんなが訓練している間も、寝ている間も休まず自分の天啓でなにができてなにができないのか試していたんだよ。そしたらこれができた。天啓【装甲】を相手の周りに纏わせるこれだけじゃ相手のサポートをしているだけだ。でも、装甲の向きを外側から内側に変更そうすれば、外から攻撃可能、中からは攻撃不可能な状態に持って来ることが出来る。まぁ、この場合装甲の許容範囲は小さくなってしまうがそれを越えなければ、これは完全なる牢獄となる。
『な!?』
「アハッハッハッ!もう止められねぇだろうが!」
そして奴が地面に接着する。その時激しい爆発音がなり、その次に衝撃で地面が抉れてこちらにも飛んでくる。
「ハハッ、マジで勘弁してくれよ。装甲を破壊しやがった。」
『はぁはぁ、グハッ。もろで自分の攻撃を喰らうなんて初めてだ。くそ、威力が高すぎるのも考えものだな。』
「おいおいおい、マジかよ。彼奴の自己再生能力バグってやがるぜ。」
『ふぅ、多少内部の回復は遅れているが、もうじき回復するか。まぁ、これぐらいなら、彼奴らは殺せるだろうな。』
あの威力の攻撃をモロに食らって生きてるだなんて。馬鹿げてるぜ彼奴。
『さぁ、もっと足掻け!足掻いて足掻いて足掻いてぇ!…………そして…………死ね』
「ルカっちゃん!俺とメジェちゃんが囮になるその間に逃げろ!」
「ルカ!お前だけでも早く逃げろ。彼奴はバケモンだ。」
「いやはや、ルカーノ殿。此処はわしらに任せてもらっても良いかのう。彼奴はわしらで食い止めるでの。」
「おい、ちょっと待ってくれよ。俺は俺は俺は!…………みんながいないと。駄目なんだよ!何をしたって…………だから、行かないでくれよ……頼む…………。」
『ククククッ、馬鹿だなぁ!お前ら。お前らが逆立ちした所で我には勝てないんだよぉ!全部無駄死にだぁ!』
「それを決めるのはお前じゃねぇ!」
「ちょっとぉ。癇に障りますよねぇ。」
「俺たちで叩き潰してやる!」
「わしらの力。見せてやりましょう。」
『来い!雑魚どもぉ!』
モール、メジェド、カミヨ、グラフィオが蓮華竜に向かって行って、2時間が経過した。
『はぁ、やっと死にましたかね。流石は蟲ですねぇ。生命力だけは龍種を超えますねぇ。でもぉ、無駄だったようですね!』
俺は、みんなをおいて、逃げられなかった。逃げるのがみんなの思いに応えられる道だと知りながらも、俺はその場に無駄に居座っていた…………。
俺がいなければモールは蟷螂種の里長になっていただろうに。メジェドは何事もなく里で暮らせていたのに。グラフィオだって、俺と出会わなければ里長を最後の時までやっていられたのに。カミヨも、魔羅に必要に狙われることをしなくてもよかったのに。全部、全部。俺がいたから……………
『おいおいおい、何馬鹿なこと言ってやがるんだ!?』
「え!?」
『はぁ、次会うときは魔王だって言ってのによぉ~。なんで、お前ら、死にそうになってんの?』
「それは、俺が居たから。」
『はぁ、マジで馬鹿だろお前。』
「でも……事実だし…………」
『お前なぁ…………ちゃんと考えろって。カミヨは、お前が居たから行動に移せたんだ。じゃなきゃあんな、クソみたいなところにずっといられるかって話だ。メジェドは、お前らが居なきゃ、里ごと滅ぼされてた。グラフィオは、あのまま、帝国と戦ってたら戦死してたかも知れねぇ。モールは、お前と出会えて、この世界で初めて。心が落ち着いたんだ。そんなことも分からねぇ、たまじゃねぇだろ!』
「それはそうだけど…………」
『いじいじ、気色悪りぃんだよ!お前はそんな事で友の信頼を裏切るほど、腐ってねぇはずだろうが!』
「!!」
『ならよぉ!立てよ!!そして彼奴らを信じて、あのクソ蜥蜴をぶっ殺そうぜ!』
「嗚呼、俺の辞書に逃げるなんて文字はねぇ!ぶっ殺してやる!!」
『よしゃあ!行ってこい!』
俺は目の前にいた蓮華竜に向かって走り出した。
「ハァァァァァァァァ!死に晒せぇ!!」
『最後はお前を消し炭にして、終わりダァ!!』
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
対象《甲虫種 【蟲魔王候補】ルカーノ・カンタロス》が蟲魔王覚醒条件をクリアしました。ただいま戦闘中であるため、プランAからプランBに変更。瞬間魔王覚醒を行います。戦闘が終わり次第、プランAに移ります。
成功しました。
対象《甲虫種 【蟲魔王候補】ルカーノ・カンタロス》の強制存在進化を開始します。
成功しました。
蟲魔獣から蟲魔人への進化も開始します。
成功しました。
進化したことにより、種族が進化します。
成功しました。
種族が【甲虫種】から【装甲種 魔王種】(アルマトューラ・インペラトーレ種)に進化しました。
続いて、ルカーノが所持していた天啓【装甲】が、天啓【蟲王之装甲】へと進化しました。
【??(封)】の解放を開始します。
成功しました。
【??(封)】は【神殺し&神喰い】へと姿を変えました。
さらに、魔王種への進化を開始します。
成功しました。
続いて、魔王種へと進化をしたため、魔王固有能力を取得しました。
【魔王覇気】【魔王之威圧】【蟲之王】【蟲之支配者】【蟲之救王】
ルカーノが特異固有能力に目覚めました。
【純愛者】【復讐者】【龍殺者・竜殺者】【???(封)】
※蟲魔獣形態と蟲魔人形態の二つを使い分けることができる。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
「死ねぇ!」
『なに!?まさか、嘘だろう!!』
俺の拳?が彼奴にめり込んだと思った瞬間には彼奴の体は遥か遠くの山まで吹き飛ばされ、山を大きく抉りながら減速して飛んでいった。
「ふぅ、スッキリした…………拳?…………え?え?えぇ!?」
『はぁ、気づくの遅すぎるだろうが。』
「え?あ、ちょっと待ってくれ…………なるほどな、俺がやっと【魔王種】へと進化したのか。でも、あんなに派手に吹っ飛ぶのか?」
『いや、あれはお前の特異固有能力の【復讐者】【龍殺者・竜殺者】が影響してるだろうな。』
「嗚呼、なるほど。どうりで、今はあれほど力が漲ってないのか。」
しっかし、マジで彼奴タフやなぁ。
『死ねぇ!糞虫ガァ!!』
「よっと……この身体だったら。出来るよな?【古武術ー首刈り蟲】!」
俺の鋭利な手刀が奴の首元に迫る。普通であったのなら、俺の手刀は奴の首を切るほどの威力はない。でも、この古武術の技の特性を活かせれば、奴の首も切り落とせる力を出す。
『ぬ!?なん…………だ…と?』
こうしてあっけなく、俺は奴の首を落とし、戦いは終結した。
《称号【竜殺者】を獲得しました。》
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる