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撫でたココ

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準々決勝

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『バトルスタート』
 準々決勝が幕をあける。
 具体的にすることがない僕は身を潜め、動くことができないでいた。
「どうしたものか」
 相手はガンマンのみ。動かなければ遠方からの射撃でやられるだろうし、でもだからと言ってむやみに動けば狙われやすくなる。
「まじでどうすればいいんだ」
 ただただ苛立ちだけが積もっていくなか、戦闘開始の音が聞こえた。
 ドォーン
 銃声のする方へ駆ける。今の場所からはそう遠くはない。
 ダッ
 二発目。さっきの苛立ちは焦りとなり、心臓の鼓動を速めていた。
 宵風さんは大丈夫だろうか。二対一だと劣勢なんじゃ…
 銃声が聞こえた建物に着き、階段を上がる。
 ダッ、スパァ
 再び二発。しかも片方は着弾した音。
 急いで階段を駆け上がり、戦闘へと参加する。
 そこにいたのは三人。焦りは心配へと変わる。宵風さんは大丈夫か。重症じゃないか。負けてないか。死んでないか。
「宵風さんっ」
「まだなんとか、それより加勢はやくっ」
「りょうかいっ」
 まだ無事だった。目立った怪我もない。
「おい、はやく一人仕留めるぞ」
「わかってますって」
 二対二。今までの戦局とはガラリと変わる。
「風車くんっ」
「はい」
 宵風さんの意図を汲み取り、疾風の如く駆け回り戦場をかき乱す。 
「ほっとけ、それより銃持ちだ」
「はいっ」
 僕には構わず宵風さんをねらう。ちょうどいい。やってやろうか。
 急停止し、体勢を斜めにする。体を軸にして二対の刃で回転斬り。体、ではなく武器を斬り落とす。
「やばい、助けろ」
「宵風さんっ」
「ほいよっ」
 もう一人に向き直し、一気に距離を詰める。その間宵風さんは武器を失った敵に向かって一発。
 スパァ。
 銃口を向け打ち出そうとしている敵に向かって、回転斬り。銃口をめがけ切っ先を放つ。
 出てきた銃弾もろとも斬りあげ銃を破壊。そのままの勢いで敵を真っ二つに斬り落とす。
「でかしたぞ風車くん」
「うまくいきましたね」

『フィニッシュ。勝者チーム風車』
 戦闘が終わった。

「完璧だったね」
「よかったです」
「なんか、気があっちゃって何考えてるかわかっちゃったよ」
「僕もです。息ぴったりでしたね」
「このままならいけちゃうかもね」
「ですね」

 この時の僕は調子に乗りすぎていた。後々あんなことになるとも知らずに。
 残りあと二回戦。
 僕と宵風さんは危機に陥ることになる。
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