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図書館と彼女
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僕と彼女
僕と彼女が出会ったのは昨日。ほんのいっときだった。普段行くことのない図書館に僕は足を運んだ。なんとなく本を読みたかったから。僕は文庫本のコーナーで面白そうな本を探した。結局、一度読んだことのある本を手に取りわずかに開いていた席に着き本を読み始める。ひらり。ひらりとページをめくる。
「その本面白いよね」
唐突に声が響いた。僕じゃないだろうと一応辺りを確認する。すると隣の女の子がこっちを見ながら
「どの辺まで読んだ?」
僕に声をかけていた。
「えっと、1回は読み終わりましたよ。2回目なんです。」
「その本すごい感動するよね。私、ヒロインが死んじゃったところで泣いちゃったよ」
「本当いい話ですよね。僕も主人公を思うと悲しくてしょうがなくて泣きそうでした」
「死んじゃう前の最後の手紙もさ切なくて切なくて」
「ありがとうってとこがやばかったです」
どれくらい話をしただろうか。こんなに本の話に夢中になれたのは久しぶりだった。周りの友達は本なんか読まないし。話ができない。そんな中出会った彼女に、名前も知らない彼女に僕は恋をしてしまった。
でもその恋は実らなかった。
あの後何回か図書館に行ってけどあの子が来ることはなく気持ちも伝えられなかった。
だけどそれでも構わない気がした。
またいつか会える気がしたから。
何事もなくそこにあるだけの空気のようにいつも隣にいてくれる気がしたから。
そんな僕の短い恋は叶うことなく終わりを告げた。
~完~
読んでいただきありがとうございます
僕と彼女が出会ったのは昨日。ほんのいっときだった。普段行くことのない図書館に僕は足を運んだ。なんとなく本を読みたかったから。僕は文庫本のコーナーで面白そうな本を探した。結局、一度読んだことのある本を手に取りわずかに開いていた席に着き本を読み始める。ひらり。ひらりとページをめくる。
「その本面白いよね」
唐突に声が響いた。僕じゃないだろうと一応辺りを確認する。すると隣の女の子がこっちを見ながら
「どの辺まで読んだ?」
僕に声をかけていた。
「えっと、1回は読み終わりましたよ。2回目なんです。」
「その本すごい感動するよね。私、ヒロインが死んじゃったところで泣いちゃったよ」
「本当いい話ですよね。僕も主人公を思うと悲しくてしょうがなくて泣きそうでした」
「死んじゃう前の最後の手紙もさ切なくて切なくて」
「ありがとうってとこがやばかったです」
どれくらい話をしただろうか。こんなに本の話に夢中になれたのは久しぶりだった。周りの友達は本なんか読まないし。話ができない。そんな中出会った彼女に、名前も知らない彼女に僕は恋をしてしまった。
でもその恋は実らなかった。
あの後何回か図書館に行ってけどあの子が来ることはなく気持ちも伝えられなかった。
だけどそれでも構わない気がした。
またいつか会える気がしたから。
何事もなくそこにあるだけの空気のようにいつも隣にいてくれる気がしたから。
そんな僕の短い恋は叶うことなく終わりを告げた。
~完~
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