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一章
救世主
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学校のオリエンテーションが一通り終わり、各々の授業が授業たるものになってきている7日目。5限目である数学は習熟度別のクラスになっているらしくクラス移動となった。黒板に張り出されていた組み分けを見て
「よっし」
一人小さくガッツポーズを取っていた。
理由はいたって簡単。出席番号の1番と2番が違うクラスだったからだ。つまり、小香花と僕は違うクラス。やっかいなやつと1時間でも別のクラスと考えると楽だな~と思う。
早く席替えすればもう少しましになるのに・・・
とはいえつかの間の休息を味わっておこうかな、ということで足早に数学の教室へと移動した。
教室に入るとまだそこには数人しかおらず、友達同士じゃないのか携帯をいじったり、ぼけっとしたりと虚しい静けさが広がっていた。
僕は前の1番端の席に座った。僕の後ろの席の子はすでに座っていて、肘をつきながら暇そうにしていた。
僕は軽く椅子を動かしその子が視界に入るくらいの角度で座り直した。
「名前なんだったっけ?」
あの騒がしいのがいないことだし話しかけるのには躊躇しなかった。
「江川照亜紀だよ。石波日南汰くんだよね」
「日南汰でいいよ。よろしく」
「じゃあ僕のことも照亜紀で。日南汰って逢沢さんと仲良いよね」
「おうふっ」
いきなりそんなことを聞かれるのか。そうなるとクラスのみんなからはすでに近寄りがたい存在扱いされてるのだろうか。
「仲良いというか、なんというか」
うやむやな解答をしてしまった。きっぱり否定できないところが甘いんだろうな~きっと。
「まぁ見てれば分かるよ。最近は恒坂さんもよくいるみたいだけど。」
「おうふっ」
あ~~。そうなんだよな。あの2人息があってるんだよな。変人同士で。クラスの人たちがあの2人を変人だと認識してない今は僕の評価はまだ下がってないはず。
「大変だね。いろいろ。」
とどめの一撃だった。
「僕、恒坂さんと同じクラスだったからね。察しはつくよ。」
「そうなんだよ、もう大変なんだ。小香花のやつの相手をするのは骨が折れる。」
「そっか~。でもなんだかんだ楽しそうじゃん」
「そうか?」
「うん。まぁなんかあったら相談してね。」
「ありがとう。照亜紀」
こうして親友と呼ぶべき、頼れる友達ができた。相談できる人がいることはとても大きい。
良かった~。
この後に控えていた数学の授業はとても真面目に受けました。
「よっし」
一人小さくガッツポーズを取っていた。
理由はいたって簡単。出席番号の1番と2番が違うクラスだったからだ。つまり、小香花と僕は違うクラス。やっかいなやつと1時間でも別のクラスと考えると楽だな~と思う。
早く席替えすればもう少しましになるのに・・・
とはいえつかの間の休息を味わっておこうかな、ということで足早に数学の教室へと移動した。
教室に入るとまだそこには数人しかおらず、友達同士じゃないのか携帯をいじったり、ぼけっとしたりと虚しい静けさが広がっていた。
僕は前の1番端の席に座った。僕の後ろの席の子はすでに座っていて、肘をつきながら暇そうにしていた。
僕は軽く椅子を動かしその子が視界に入るくらいの角度で座り直した。
「名前なんだったっけ?」
あの騒がしいのがいないことだし話しかけるのには躊躇しなかった。
「江川照亜紀だよ。石波日南汰くんだよね」
「日南汰でいいよ。よろしく」
「じゃあ僕のことも照亜紀で。日南汰って逢沢さんと仲良いよね」
「おうふっ」
いきなりそんなことを聞かれるのか。そうなるとクラスのみんなからはすでに近寄りがたい存在扱いされてるのだろうか。
「仲良いというか、なんというか」
うやむやな解答をしてしまった。きっぱり否定できないところが甘いんだろうな~きっと。
「まぁ見てれば分かるよ。最近は恒坂さんもよくいるみたいだけど。」
「おうふっ」
あ~~。そうなんだよな。あの2人息があってるんだよな。変人同士で。クラスの人たちがあの2人を変人だと認識してない今は僕の評価はまだ下がってないはず。
「大変だね。いろいろ。」
とどめの一撃だった。
「僕、恒坂さんと同じクラスだったからね。察しはつくよ。」
「そうなんだよ、もう大変なんだ。小香花のやつの相手をするのは骨が折れる。」
「そっか~。でもなんだかんだ楽しそうじゃん」
「そうか?」
「うん。まぁなんかあったら相談してね。」
「ありがとう。照亜紀」
こうして親友と呼ぶべき、頼れる友達ができた。相談できる人がいることはとても大きい。
良かった~。
この後に控えていた数学の授業はとても真面目に受けました。
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