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2章
ギルド『アルモニカ本店』
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「赤ちゃんの『おしゃぶり』から、世界を手に入る事の出来る『支配の王錫』まで、何でも取り揃えております、ギルド『アルモニカ本店』へようこそ、お客さ・・・・チッ!なんだ、あんたか・・」
キャサリンの営業スマイルと鈴が鳴るような声は、金になりそうな男、専用だった。
キャサリンは、立ち上がり、「こっちよ、お客じゃないんだから、裏口から入ってきてよね」と言って、相手を3階の執務室に案内した。
「これが、頼まれてた『精霊の果実』と『アンチドーテ』だ、数は、希望通り出来るだけ多くという事だから、持てるだけ持ってきた依頼は、これで完了だろ?そろそろ俺の依頼の」
「あなたに依頼したい案件があるのよ!本当は、ミルディンに頼みたいけど、今、彼も手が離せない用事でね、こちらも困っているのよ・・・」
「その、ミルディンは何をしているんだ」
「…まあ、あんたならいいわ、ミルディンは今、一人の男の尋問をしている所なの・・・」
「尋問て、やけに物騒な話だな」
「ええ、今回は、うちのギルドの何人か、死人が出ているからね・・それによって、まだ・・・も危険な状態だし・・・」
話の途中で、コンコンとノックがあり、キャサリンは「何?」と、話を中断した。
「ギルマス、一階の受付に、これを持ってきた男が」と言って、金印の書状を、キャサリンに見せた。
「これを持ってきた男って、名前は?」
「はい、グレンだと、ギルマスに言えばわかると言っていますが」
「・・・・・」
キャサリンはちらっと、ジェリドに視線を向けて、すぐに視線を、戻して「後でこちらから伺うと言って」といった。
「俺には聞かれたくない要件のようだな?それに、名前はグレンだってな?」
ジェリドは、あからさまに嫌な顔をした。
「仕方ないでしょう、本当に、今は猫の手でも借りたいのよ・・・」
「それなら、俺がその案件を聞きに行ってやるよ」
「それはダメよ、あなたには、違うのを用意するわ!ねっ!だから!」
「俺は、あの男に会いに行く!文句はないな」
「ダメだって、グレンの所には私が行くから、あんたは、ミルディンの尋問を手伝ってよ。それに尋問は、ミズキをさらった、男たちの一人よ!ね、そっちの方が、近道じゃない?ミズキの事を知りたいんでしょ?」
「・・・・わかった、騙されてる感があるが、ミルディンを手伝おう」
キャサリンは、露骨にホッとした。
グレンに、会って話をしたら、確実に、ミズキの今の現状がバレてしまう。それにミルディンにも、この件はもう少し経ってから、ジェリドに報告するようにと、くぎを刺されていた。
惚れた女が、生死の境目に居るなんて知ったら、ジェリドは王宮に乗り込むに決まっている。
ミズキの為に、それだけは何とか阻止しないと。
「あからさまにホッとするな」
「ハイハイ、それじゃあ、ミルディンは地下2階にいるわ」
「誰か、いない?」
キャサリンは、ドアに向かって呼んだ。
少しして「ハイ私でよければ」といって、少し大柄の太った男が入ってきた。
「この人を、ミルディンの所まで取れて行って、私もすぐ出るから、馬車の用意をして」
「畏まりました」
キャサリンに一礼をすると、そのままジェリドを連れて出て行った。
「ミズキの事に関して、俺に黙っている事は無いか?」
「ないわ」
キャサリンはまじめな顔で、きっぱりと言い切った。
「・・・・わかった、お前を信じよう」
ジェリドは部屋を出て行った。
「感が、鋭い男は嫌いよ」
ジェリドが出て行って、すぐに椅子に腰を下ろし、頭を抱えた。
少しして、キャサリンは立ち上がり、
「さて、私は、ミズキのお見舞いにでも行こうかしら」
何執務室を出た。そして出ててすぐ、息をのんだ、そこにはミルディンの所に行ったはずの、ジェリドが立っていた。
「ミズキの見舞いとは・・・どういうことだ、どうして黙っていた」
悪鬼の様なジェリドに勝てる気がしない、キャサリンでした。
キャサリンの営業スマイルと鈴が鳴るような声は、金になりそうな男、専用だった。
キャサリンは、立ち上がり、「こっちよ、お客じゃないんだから、裏口から入ってきてよね」と言って、相手を3階の執務室に案内した。
「これが、頼まれてた『精霊の果実』と『アンチドーテ』だ、数は、希望通り出来るだけ多くという事だから、持てるだけ持ってきた依頼は、これで完了だろ?そろそろ俺の依頼の」
「あなたに依頼したい案件があるのよ!本当は、ミルディンに頼みたいけど、今、彼も手が離せない用事でね、こちらも困っているのよ・・・」
「その、ミルディンは何をしているんだ」
「…まあ、あんたならいいわ、ミルディンは今、一人の男の尋問をしている所なの・・・」
「尋問て、やけに物騒な話だな」
「ええ、今回は、うちのギルドの何人か、死人が出ているからね・・それによって、まだ・・・も危険な状態だし・・・」
話の途中で、コンコンとノックがあり、キャサリンは「何?」と、話を中断した。
「ギルマス、一階の受付に、これを持ってきた男が」と言って、金印の書状を、キャサリンに見せた。
「これを持ってきた男って、名前は?」
「はい、グレンだと、ギルマスに言えばわかると言っていますが」
「・・・・・」
キャサリンはちらっと、ジェリドに視線を向けて、すぐに視線を、戻して「後でこちらから伺うと言って」といった。
「俺には聞かれたくない要件のようだな?それに、名前はグレンだってな?」
ジェリドは、あからさまに嫌な顔をした。
「仕方ないでしょう、本当に、今は猫の手でも借りたいのよ・・・」
「それなら、俺がその案件を聞きに行ってやるよ」
「それはダメよ、あなたには、違うのを用意するわ!ねっ!だから!」
「俺は、あの男に会いに行く!文句はないな」
「ダメだって、グレンの所には私が行くから、あんたは、ミルディンの尋問を手伝ってよ。それに尋問は、ミズキをさらった、男たちの一人よ!ね、そっちの方が、近道じゃない?ミズキの事を知りたいんでしょ?」
「・・・・わかった、騙されてる感があるが、ミルディンを手伝おう」
キャサリンは、露骨にホッとした。
グレンに、会って話をしたら、確実に、ミズキの今の現状がバレてしまう。それにミルディンにも、この件はもう少し経ってから、ジェリドに報告するようにと、くぎを刺されていた。
惚れた女が、生死の境目に居るなんて知ったら、ジェリドは王宮に乗り込むに決まっている。
ミズキの為に、それだけは何とか阻止しないと。
「あからさまにホッとするな」
「ハイハイ、それじゃあ、ミルディンは地下2階にいるわ」
「誰か、いない?」
キャサリンは、ドアに向かって呼んだ。
少しして「ハイ私でよければ」といって、少し大柄の太った男が入ってきた。
「この人を、ミルディンの所まで取れて行って、私もすぐ出るから、馬車の用意をして」
「畏まりました」
キャサリンに一礼をすると、そのままジェリドを連れて出て行った。
「ミズキの事に関して、俺に黙っている事は無いか?」
「ないわ」
キャサリンはまじめな顔で、きっぱりと言い切った。
「・・・・わかった、お前を信じよう」
ジェリドは部屋を出て行った。
「感が、鋭い男は嫌いよ」
ジェリドが出て行って、すぐに椅子に腰を下ろし、頭を抱えた。
少しして、キャサリンは立ち上がり、
「さて、私は、ミズキのお見舞いにでも行こうかしら」
何執務室を出た。そして出ててすぐ、息をのんだ、そこにはミルディンの所に行ったはずの、ジェリドが立っていた。
「ミズキの見舞いとは・・・どういうことだ、どうして黙っていた」
悪鬼の様なジェリドに勝てる気がしない、キャサリンでした。
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