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2章
約束
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「ランスロット、この前に聞いたグレンの件だけど、私は異論は無いわ、そのまま進めて」
「・・・・本当にそれで良いんだね、ミズキ」
「ええ、何の問題も無いわ」
分ったと言って、ランスロットは、書類に印璽をおした。
「これで、君の望むようになったよ、ミズキ」
「ありがと、ランスロット」
「そして、君を護衛する者が、居なくなったわけだ・・・どうするつもり?それに代わった格好だね」
ミズキは、ランスロットの側近の格好をしていた。
「どうって?どうもしないわよ?この服、動きやすくて良いのよね~」
「あのね~君は自分の事になるとどうして、そうも鈍感なの?」
「えっ?そこまで鈍感だとは思っていないけど?」
ランスロットとテーブルを挟んで、対峙する様に座っていたミズキは、ユックリと紅茶を啜った。
ミズキの意識はこの紅茶の事で頭がいっぱいだった。
ヤッパリ、ランスロットの所にる侍女の腕は確かです。
紅茶を最大限美味しく淹れられる!これは、才能なのか?
それとも、技でもあるのか?
今度紅茶の入れ方をレクチャーして貰いたいです。
「それにしても、背中の傷はどう?」
「おかげさまで大分いいわ」
「高い魔石を使っただけあって、直りは早いようだね、普通ならあと1ヶ月は寝たきりの状態だったよ!」
「ほんと、ランスロットにはお世話を掛けました」
ぺこりと、ミズキはランスロットに頭を下げた。
「ところで、私を切り付けた、リカルドはどこに居るの?」
「・・・ああ。彼ね、彼ならただ今尋問中だよ」
「恨み言をいいたいから、明日は尋問止めてそのまま牢屋に入れといて」
「君ね~そんなこと簡単に出来るわけないの知っているでしょう?」
「そう?それじゃ仕方ないから今から、彼に合いに行って来るわ」それじゃと言ってミズキはランスロットの部屋を出ようとした。
「分った、分ったよ、明日のリカルドの尋問は中止にする、それでいいねミズキ」
「ありがとうランスロット、持つべきものは権力を持った友達ね」
呼び鈴を鳴らして外で待機していた衛士に、リカルドの剣を話した。
衛士は一礼をして、すぐに部屋を出て行った。
「・・・ほんと、君には敵わないよ」
「それじゃあ、私はこれでお暇するわね、明日の為にユックリ休養をしないと」といって、今度こそ出て行った。
そしてミズキは部屋には戻らず、薬師のイオルの実験室&部屋へと向かった。
歩くたびに、背中の傷が痛む。
本当は背中が痛くない訳が無い、ジンジンとする痛みが、背中を通して、ミズキに襲い掛かって来ていた。
痛い背中を押してでも、やらなければいけない事があった。
今回の一連の事件は、なぜ、ミズキを誘拐しようとしたのだろうか?たかだかランスロットの愛人と噂された女を、南の海賊が何の用なのだろうか?
そこが一番腑に落ちなかった。
それに南の港の砦には、今度グレンが上級大将として、赴任する場所だ。グレンの為に少しでも、力になりたかった。
女装趣味の噂を作った張本人として!!
ある意味これはミズキの謝罪の様な物だった。
本当にあれは悪い事をしたわ、熱があったとしても、グレンには本当に申し訳ない事をしたわ!
一人、ごちるミズキだった。
そして、もう一つ急がなければいけない理由があった。
それは、ジェリドが王宮のミズキの仮の部屋まで来てしまった事だった。
助けてもらった直後は全く思い出せなかった。
思い出す切っ掛けは、ミズキを抱きしめていた時に、ジェリドの胸元に光るペンダントを見た。
あれはミズキの贈った物。ミズキの両親の結婚指輪のペンダントを見て思い出した。
あの後、ミズキは、この事は、一切外に漏らさないように、薬師のイオルとその弟子オルバに口止めをした。
勿論、少しの脅しと研究費増額と甘い言葉で、言いくるめて。2人は、二つ返事でこれを了承した。
そして、ジェリドにはひたすら思い出せない振りをして、ジェリドとは接点を持たないようにした。
そして、キャサリンだけを残して、薬師イオルとその弟子オルバそしてジェリドを、部屋から追い出し、キャサリンにこれ以上、ジェリドを巻き込まない様に念を押した。
キャサリンは最初、ジェリドの事も考えて欲しいと言って反対したが、最後は「本当にいいの?」と聞いて、私がうなずくと「分った」と、一言呟いた。
これ以上ジェリドを危険な目にあわせてどうするの?ミズキ!
ジェリドとダリルを守るために、ここまで、我慢をしてきたんじゃないの!
そして、元の世界に戻るんだ!
それだけを心の支えにこの5年を生きて来たんだ。
あともう少しの辛抱のはず。
ーーーーーーただ、本当にランスロットは、約束を守ってくれるのだろうか?
ふと、ミズキの心に不安がよぎった。
ーーーーーーーーきっと大丈夫。ランスロットは約束を守ってくれる。
「・・・・本当にそれで良いんだね、ミズキ」
「ええ、何の問題も無いわ」
分ったと言って、ランスロットは、書類に印璽をおした。
「これで、君の望むようになったよ、ミズキ」
「ありがと、ランスロット」
「そして、君を護衛する者が、居なくなったわけだ・・・どうするつもり?それに代わった格好だね」
ミズキは、ランスロットの側近の格好をしていた。
「どうって?どうもしないわよ?この服、動きやすくて良いのよね~」
「あのね~君は自分の事になるとどうして、そうも鈍感なの?」
「えっ?そこまで鈍感だとは思っていないけど?」
ランスロットとテーブルを挟んで、対峙する様に座っていたミズキは、ユックリと紅茶を啜った。
ミズキの意識はこの紅茶の事で頭がいっぱいだった。
ヤッパリ、ランスロットの所にる侍女の腕は確かです。
紅茶を最大限美味しく淹れられる!これは、才能なのか?
それとも、技でもあるのか?
今度紅茶の入れ方をレクチャーして貰いたいです。
「それにしても、背中の傷はどう?」
「おかげさまで大分いいわ」
「高い魔石を使っただけあって、直りは早いようだね、普通ならあと1ヶ月は寝たきりの状態だったよ!」
「ほんと、ランスロットにはお世話を掛けました」
ぺこりと、ミズキはランスロットに頭を下げた。
「ところで、私を切り付けた、リカルドはどこに居るの?」
「・・・ああ。彼ね、彼ならただ今尋問中だよ」
「恨み言をいいたいから、明日は尋問止めてそのまま牢屋に入れといて」
「君ね~そんなこと簡単に出来るわけないの知っているでしょう?」
「そう?それじゃ仕方ないから今から、彼に合いに行って来るわ」それじゃと言ってミズキはランスロットの部屋を出ようとした。
「分った、分ったよ、明日のリカルドの尋問は中止にする、それでいいねミズキ」
「ありがとうランスロット、持つべきものは権力を持った友達ね」
呼び鈴を鳴らして外で待機していた衛士に、リカルドの剣を話した。
衛士は一礼をして、すぐに部屋を出て行った。
「・・・ほんと、君には敵わないよ」
「それじゃあ、私はこれでお暇するわね、明日の為にユックリ休養をしないと」といって、今度こそ出て行った。
そしてミズキは部屋には戻らず、薬師のイオルの実験室&部屋へと向かった。
歩くたびに、背中の傷が痛む。
本当は背中が痛くない訳が無い、ジンジンとする痛みが、背中を通して、ミズキに襲い掛かって来ていた。
痛い背中を押してでも、やらなければいけない事があった。
今回の一連の事件は、なぜ、ミズキを誘拐しようとしたのだろうか?たかだかランスロットの愛人と噂された女を、南の海賊が何の用なのだろうか?
そこが一番腑に落ちなかった。
それに南の港の砦には、今度グレンが上級大将として、赴任する場所だ。グレンの為に少しでも、力になりたかった。
女装趣味の噂を作った張本人として!!
ある意味これはミズキの謝罪の様な物だった。
本当にあれは悪い事をしたわ、熱があったとしても、グレンには本当に申し訳ない事をしたわ!
一人、ごちるミズキだった。
そして、もう一つ急がなければいけない理由があった。
それは、ジェリドが王宮のミズキの仮の部屋まで来てしまった事だった。
助けてもらった直後は全く思い出せなかった。
思い出す切っ掛けは、ミズキを抱きしめていた時に、ジェリドの胸元に光るペンダントを見た。
あれはミズキの贈った物。ミズキの両親の結婚指輪のペンダントを見て思い出した。
あの後、ミズキは、この事は、一切外に漏らさないように、薬師のイオルとその弟子オルバに口止めをした。
勿論、少しの脅しと研究費増額と甘い言葉で、言いくるめて。2人は、二つ返事でこれを了承した。
そして、ジェリドにはひたすら思い出せない振りをして、ジェリドとは接点を持たないようにした。
そして、キャサリンだけを残して、薬師イオルとその弟子オルバそしてジェリドを、部屋から追い出し、キャサリンにこれ以上、ジェリドを巻き込まない様に念を押した。
キャサリンは最初、ジェリドの事も考えて欲しいと言って反対したが、最後は「本当にいいの?」と聞いて、私がうなずくと「分った」と、一言呟いた。
これ以上ジェリドを危険な目にあわせてどうするの?ミズキ!
ジェリドとダリルを守るために、ここまで、我慢をしてきたんじゃないの!
そして、元の世界に戻るんだ!
それだけを心の支えにこの5年を生きて来たんだ。
あともう少しの辛抱のはず。
ーーーーーーただ、本当にランスロットは、約束を守ってくれるのだろうか?
ふと、ミズキの心に不安がよぎった。
ーーーーーーーーきっと大丈夫。ランスロットは約束を守ってくれる。
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