勇者さまは私の愚弟です。

ホタル

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異世界ライフ2

満天の東屋で

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薔薇の園の先に、初めて会った一花との思い出の大迷路の東屋を似せて造らせた場所がある。


一花に好きと言われてから、深夜になると、毎日この場所に通っている。


ーーーーーーーそうせざるおえない!


一花の姿を見ただけで、腕の中に閉じ込めて、一花に触れたい。キスをしたい。抱きしめたい。押し倒したい。一花の中で果てたい。


そんな俺が、あのまま、一花の隣の部屋に居たら、鍵のかかっていないドアを開けて、一花を襲って、貪っているだろう。

ーーーー確実に!



そんな事をしたら、一花は俺を許さないだろう、一花の事だから、一生、口を聞いいてくれないか?それとも、この前みたいに、家出でもするだろうか?


それだけなら、まだ可愛いものだ。

もし、報告通りに一花に魔力が有ったなら、その魔力で、元いた世界に帰ってしまう。
ちょっとした魔法使いにでも、魔法陣を書かせれば、迷う事なく、一花は俺から、逃げるのだろう。

それだけは・・・・ダメだ・・・・・阻止しないと。




あの時、一花のは、知られたくなくて、誤魔化したが、これが、最近の眠れない原因だった。


一番の気がかりは、一花が勘違いをしている事だ!俺の気持ちは、小さい一花を見つけた、あの時から決まっていた。早く!早く!俺の気持ちを伝えて・・・俺だけを見て欲しい。


東屋でそんな事を考えていたら、「くしゅん」とくクシャミが聞こえて、クシャミの方に目を向けると、そには一花が立っていた。


俺の思考が停止する。


今は夜で、しかも、真夜中と言いって良い時間だ。いくら、敷地の中とはいっても、何があるか分からない、それにこの前は、誘拐までされたのに、何を考えてるんだ、一花は、しかも、あんな薄着でこんなとこまで来て、風邪をひいたらどうするんだ。

俺は、一花に駆け寄り、自分の羽織っていた、ガウンを一花にかけて、冷え切っていた一花の体を、服の上から温めるようにさすった。

一花は、しかめっ面で、されるがままだった。いつもなら、罵声の一つも一花の口から、びっくり箱のように飛び出て来るのに。大人しい・・・・大人しすぎる・・・・・。

「一・・・花・・・?」

「・・・・・・・」

「一花?どうしたのこんな夜更けに・・・それに、いくら敷地内だからと言っても、こんなところまで一人で来る場所ではないよ、分ってる?一花は一度誘拐にあっているんだよ。あの時は、うちの密偵が、潜伏させていたから、大事には至らなかったけど・・・・」

「・・・・えっ?・・密偵?・・どこに居たの?あのゴンドラに居たのは、私と、マリアンヌちゃんと、セバスという、執事だけだったわ・・・・まさか、セバス?の事?」

「そうだよ、そのセバスが、うちの密偵の、ギルタスだよ」

「だから、すぐに手首の拘束が、取れたのね・・・」
一花は、心底驚いたようだ。

そんな一花を、見て俺は、「ああ、そうだよ、普通はあんな簡単に、抜け出せないと思うよ、一花」と言って、ここではなんだからと言って、東屋のベンチに一花を座らせて、俺も隣の座った。

珍しい、あのヤマネコの様な一花が素直に俺の結う事に従っている。
珍しい事もあるものだ。


「・・・ねえ、どうして、ラヴィニスは、知っているの?」
すぐに分った、一花が聞きたいことを「報告書を、読んだ。最後に、『沖10キロで、一花に、オールで海に叩き落とされたって、帰ってくるのが大変だったって書いてあったよ』クスクスと笑うと、一花は顔を真っ青にして、「そのギルタスさんは、大丈夫なの?オールで殴っちゃったし、頭にけがとかしてた?」

「怪我はしてないけど、額に大きなこぶを、つけていたよ。今思えばあれは一花がつけたんだね、凄く痛そうだったよ」

「ラヴィニス・・・・謝ったら、許してくれるかな?」
ベンチに座っても、一花と俺の身長の差は縮まらないせいか、上目遣いに、見上げて来る一花の不安な、顔をしている。
こんな弱弱しい、一花は久しぶりだ。守りたくなる、そして、構いたくなる。
「う~ん、たぶん大丈夫だと思うよ、でも怒りだしたら、一緒の謝ってあげるよ」と言って、一花を見ると、一花は、やっぱり俺の言葉を聞いていなかった。
下を見ながら、「やっぱり、怒るよね・・・」なんて、ぶつぶつ言っていた。

『そんな事、俺がさせないよ』と俺は心の中で思っていたが、口には出さなかった。もう少し一花を構いたかった。

「ねえ、ラヴィニス、ギルタスさんの、家ってどこにあるの?」
「聞いて、どうするの?」
「どうするのって、謝りに行くんでしょう?」
「これから?」
「今夜はさすがに、深夜だし、行かないわよ、明日、謝りに行こうかと思ったのよ、それに、聞きたい事があって・・」

「一花、聞きたい事って何?」
俺は一瞬、頬が引きつった。俺以外の男に、何の用がある。


「・・・ラヴィニスでもいいや、お願いが、あるのだけど・・・」


一花のお願い、発言!

これは驚きというか、衝撃だった。さっきまでの、憤りが消えていく。

今の今まで、お願いなんて、されたことが無かったから、話を聞く前に二つ返事をしてしましそうになる。

「一花、お願いって、何?聞かないと、判断できないよ」出来りだけ冷静に言うと。

「ラヴィニスなら、何とかしてくれそうだからいうけど、マリアンヌちゃんの事なんだけど」

「マリアンヌ?・・・ああ。あの子?あの子に何かされたの?一花?」

「違うの、ラヴィニス違うの、あの、今マリアンヌちゃんの家が大変な時期じゃない?それに、ラヴィニスは、マリアンヌちゃんの婚約者でしょう?マリアンヌちゃんの保護を、お願いしたいの、そして、マリアンヌちゃんがこの屋敷に来たら・・不味いでしょう?貴方の隣に、私が居るなんて、やっぱり私、家に帰ろうと思って・・・明日にでも出ていこうかと」

相変わらず、一花はすごいね、俺を天国にも地獄にも連れて行く事が出来る。

今の俺の心はどん底を這いずり回っている。
どうして、俺が、あんなケツの青い小娘の為に、一花の部屋を開けて、招き入れなければいけないんだ?



「一花が、そんなに、殊勝な子だったとは、驚きだ・・・・でも、一花が出て行く事は無いよ」

「だって、やっぱり、婚約者でしょう?その・・色々と、不味いんじゃないの?」

「五月蠅い!!それは国王が勝手に決めた婚約者だ、それに、俺の欲しい女じゃない・・・俺が、欲しい女は、一花だ!!・・・どれだけ我慢してきたか分かる?一花?」

俺の言葉に驚いているのか、一花は小刻みに震えていた。もう我慢はしたくない、一花の腕をとり、
そのまま一花を抱きしめた。
一花の首元に顔をうずめて、小さくつぶやいた。
「そろそろ気付いてくれてもいいよね、一花?」
「・・・・・」
「一花に告白されたとき、ものすごく嬉しかった、だってそうだろう?ずっと、好きだったんだ、好きで、好きで、一花に告白された時は、息が止まるかと思ったよ。嬉しくて、この気持ちを一花にわかってもらいたくて、ほかの女たちとは、違うんだ、一花しか要らないんだ」

「だって・・・あっ」
一花の弁解なんて聞きたくない、誤解もさせたくない、一花の頭を抑え込んで、無理やり唇を貪る様な口づけをし、やっと、俺が、一花から唇を放したときは、二人はお互いに荒く息を切らしていた。

それでも一花の表情は、まだ、信じられないといった風な顔していた。



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