勇者さまは私の愚弟です。

ホタル

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異世界ライフ2

追跡

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夜眠れ無いなんて、心配して損した。


本当に損した。


てっきり、ラヴィニスのお母さんが原因で、眠れ無いと思っていたのに、何?理由は私が相手をし無いから?


ーーーーざけんなぁ!


勿論額に青筋が有るのは、当然でしょう?


意気揚々と、私の恋心を木っ端微塵にしてくれた。・・・まぁ、最後は、私が叩き潰したけどね。


もう、こんな所、いる義理は無いわよ。

出て行ってやる。

元々、荷物なんて無かったし!

勢いよく部屋のドアを開けたら・・・開けたら、お辞儀をしたままのセドリックさんが居ました。

いつから?もしかして、覗きが趣味?変な性癖をお持ちとか?なんて思うのは失礼でしょうか?

「ど、どうしたんですか?セドリックさん?」

「奥様にお話がございます。」
「またですか?」
「はい、またでございます」
「ここではなんですから」と言って私は一度出た部屋の中に戻った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
私と、セドリックは、何も語らず、30分間こんな状態です。
先にしびれを切らしたのは、私でした。
「お話と言うのは?」
「・・どうか、このまま、このお屋敷に留まって頂きたく」
「どうして、私なんですか?ラヴィニスには、婚約者だっていますよね?正直私の存在は、邪魔以外ないと思うのですが?」
「…婚約者の件は、直接旦那様にお尋ねください。ただ、一花様がこの屋敷に来てからの、旦那様は、とても人間らしく感じられました。」
「・・・人間らしくって・・・いつも、あんな感じでしょう?」
「いいえ、一花様にお会いするまでは、人としての感情が欠落しているというか、幼少の頃より、何処か、冷めていたと言った方が正しいかと」
「えっ?本当にそれは、ラヴィニスの事ですか?」

私の知っているラヴィニスとセドリックの話しているラヴィニスが、同一人物とは思えません.
もしかして、双子?かと思えるくらいです。


「私供も、あんなに感情が豊かな旦那様は見たことがございません」

「・・・・・・」
どうやら、双子ではないようです。

「セドリックさんは、私にどうしろと・・・」

「前にも言いましたが、ヴィニス様に優しく、そして、出来る事なら、旦那様の願いを叶えてあげてください。

セドリックは、そう言って部屋から出て行きました。

私は、ラヴィニスを見極めなければいけないようです。

夜も更けて来たので私は寝る準備をして、後は、ベッドに潜るだけ。
丁度、私の部屋からラヴィニスが薔薇の園を歩いているのが、見えました。

後を付けて、私の知らないラヴィニスを見たいと思います。

善は急げです。

ラヴィニスの後を付いて行きました。









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