勇者さまは私の愚弟です。

ホタル

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私の彼は、愚弟でした

まあ~なんていうことでしょう?(ビフォアアフターの口調で)

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「セドリックさん、ラヴィニスはどうしちゃったんですか?」
夕食の後にセドリックを問い詰めます。

流石の私もラヴィニスがおかしい事に気付き!真剣にラヴィニスの症状!を問いただします。

残念な事に、私は情け無い格好でセドリックさんの目の前にいます。
こんな格好、無様ぶざま以外何があるのでしょうか?

そう私はソファーに座っているラヴィニスの膝の上に借りてきた猫のようにおとなしく、ラヴィニスに、されるがままになっています。
たまに、ラヴィニスの不埒な手が私を困らせます。
その都度、ラヴィニスの手を叩きます、つねります。
痛いはずなのに、ラヴィニスは嬉しそうにするだけで、こっちが根負けしてしまいます。


ダメだこりゃ~~!

セドリックさんは微笑み嬉しそうに私とラヴィニスを見ています。

そこ微笑むところじゃ無いからね!セドリックさん!

それでも私は、セドリックさんの話だけは真剣に聞きますよ。
事と次第によっては、ラヴィニスを私達の世界に連れて行き病院で治療をするかもしれませんから!

そして判った事が1つ。

ーーーー記憶が無い。

「・・・・・」
「・・・・・」


まあなんていうことでしょう。
ラヴィニスの記憶が無くなっていました。

私が原因ですよね!

ふふふ、重くなる沈黙に耐えかねた私は現実逃避を図ろうと、脳内の花畑を増殖させています。

私の目の前に花畑よ!現われろ!!
いくら念じても!お花畑は現れません!

無理ですよね。知っていますよ。だた、この沈黙が嫌なだけです。

「奥様!茶化しても無駄です。今の旦那様は奥様の想いだけで行動しております。」
そんな私の脳内を見たかの様にセドリックは、ため息まじりに、私が居なくなってからのラヴィニス
の事を教えてくれました。

どうして記憶を失っても私を求めるのか?と疑問が頭をよぎります。

そんな事をするから、記憶を失うのです。

ラヴィニスは私の居場所を探すために、悠馬を見つけ少年騎士団の寮で、足を滑らせて頭を打ち・・・記憶喪失になりました・・・・・て!おい!!

やっぱり、私が悪いのでしょうか?


べつに良いんですけどね!
怒ってなんかいませんよ。私!
気にしていません!スッポリと、私の事だけ記憶が無いっんですって・・・・・。

オォーーーーーホホホホホホホホホ。

本当にこの男は・・・。

ワザとですか?ラヴィニス!ワザと私の事だけ記憶を消したんですか?

突然!ラヴィニスの前から黙って消えたのがそんなに気に入りませんか?

『god damn you!』は、だいぶ気に入ってくれたようですね、私だけの記憶を消すくらいに!

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