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私の彼は、愚弟でした
バイバイ
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ワンピースのポケットの中には、転移石が入っています。
私だけの記憶が無いのなら、私が消えても問題がありません。
私は、とっとと悠馬を連れて出て行く事にしました。
もうこれ以上付き合って入られません!
今回の記憶喪失は、ラヴィニスの側から離れるには丁度良いタイミングだったのでしょう。
悠馬と一緒にお風呂に入ると言って、悠馬を連れ出すと、そのまま転移石に意識を集中して魔方陣の場所まで一瞬でくる事が出来ました。
後は簡単です。
私、魔王に言われた事があります。
『一花は稀に見る魔力の持ち主だね』と!
それはどう言う事かと魔王に尋ねると、『何だ知らなかったのか?』と、私の中にある魔力の器がとてつもなく大きいとの事でした。
普通の人間の器はお猪口一杯分の器しか持っていないそうですが、私の器はお風呂桶分くらいあるそうです。
普通の人間だと余の魔力の量に気が触れるそうですが、私の体は特異体質の様で、何の影響もありません。
『流石は一花!相変わらず化け物じみている』と褒めてくれたのでしょうが、全然!ちっとも!全く!嬉しくありません。
当然その日の食事はパンと水だけです。
涙目で許しを乞う魔王の姿はなんとも哀れでした。
ほほほほほほほ!
そう、魔王!君がいけないんだよ、君が!!人を化け物扱いするから。
パンと水は、私からのささやかな仕返しですよ。
ふっふっふぅ~。
いけないいけない!
話が脱線してしまった。
まあ、そんなわけで、転移魔方陣さえあれば、簡単に好きな場所に行けるって事ですよ。
さぁ・・・行くか!
魔方陣の中央に立ち悠馬を抱っこして、私は祈ります。
『お母さんの元へ!神無月のおじさんの元へ!』
一心に祈ります。
腕の中の悠馬は、笑っています。
『悠馬!もう少しだからね!あとちょっと我慢してね?』
ユックリではありますが、魔方陣が輝き出し、空気が動き始めました。
それは徐々に渦を巻き始め、魔方陣も輝きを増してゆきます。
もう、私の力では止める事が出来ない状態になっています。
「さよなら」
いつの間にか私の口からこぼれました。
霞む目に突然開いた扉から、ラヴィニスが入ってきました。
「一花ーーーーーーーーー!」
ラヴィニスは捨てられた子犬の様に目には涙が溜まっています。
「行くな!一花・・・行くな」
私を呼ぶのと同時にラヴィニスの目に溜まっていた涙が、こぼれました。
その後は、ポロポロと大粒の涙が止まる事を忘れた様にラヴィニスの目からこぼれ落ちていきます。
ラヴィニス!泣いちゃったら、良い男が台無しですよ。
馬鹿だなぁ~!本当馬鹿だなぁ~ラヴィニス!
貴方は私をからかっている時の笑顔が一番お似合いですよ。
最後に見る顔が涙の顔なんて、本当に最後まで意地悪ですね!ラヴィニス。
「ラヴィニス!初恋の人に会える様に祈ってるよ!元気でね!!サヨナラ」
「・・・・一花なんだ、おデコにチューをして、俺の空っぽの心を埋めてくれた女の子は、一花なんだ・・・だから、行くな!」
「・・・・おじちゃん?」
一瞬ですが、夢の中での事が私の頭の中を駆け巡りました。
・・・でも、それは、夢の中の出来事です。
現実の出来事ではありません。
魔方陣はますます荒れ狂う嵐の様に私と悠馬を包み込み、目を瞑ります。
そして暴風が止みユックリと目を開きました。
私だけの記憶が無いのなら、私が消えても問題がありません。
私は、とっとと悠馬を連れて出て行く事にしました。
もうこれ以上付き合って入られません!
今回の記憶喪失は、ラヴィニスの側から離れるには丁度良いタイミングだったのでしょう。
悠馬と一緒にお風呂に入ると言って、悠馬を連れ出すと、そのまま転移石に意識を集中して魔方陣の場所まで一瞬でくる事が出来ました。
後は簡単です。
私、魔王に言われた事があります。
『一花は稀に見る魔力の持ち主だね』と!
それはどう言う事かと魔王に尋ねると、『何だ知らなかったのか?』と、私の中にある魔力の器がとてつもなく大きいとの事でした。
普通の人間の器はお猪口一杯分の器しか持っていないそうですが、私の器はお風呂桶分くらいあるそうです。
普通の人間だと余の魔力の量に気が触れるそうですが、私の体は特異体質の様で、何の影響もありません。
『流石は一花!相変わらず化け物じみている』と褒めてくれたのでしょうが、全然!ちっとも!全く!嬉しくありません。
当然その日の食事はパンと水だけです。
涙目で許しを乞う魔王の姿はなんとも哀れでした。
ほほほほほほほ!
そう、魔王!君がいけないんだよ、君が!!人を化け物扱いするから。
パンと水は、私からのささやかな仕返しですよ。
ふっふっふぅ~。
いけないいけない!
話が脱線してしまった。
まあ、そんなわけで、転移魔方陣さえあれば、簡単に好きな場所に行けるって事ですよ。
さぁ・・・行くか!
魔方陣の中央に立ち悠馬を抱っこして、私は祈ります。
『お母さんの元へ!神無月のおじさんの元へ!』
一心に祈ります。
腕の中の悠馬は、笑っています。
『悠馬!もう少しだからね!あとちょっと我慢してね?』
ユックリではありますが、魔方陣が輝き出し、空気が動き始めました。
それは徐々に渦を巻き始め、魔方陣も輝きを増してゆきます。
もう、私の力では止める事が出来ない状態になっています。
「さよなら」
いつの間にか私の口からこぼれました。
霞む目に突然開いた扉から、ラヴィニスが入ってきました。
「一花ーーーーーーーーー!」
ラヴィニスは捨てられた子犬の様に目には涙が溜まっています。
「行くな!一花・・・行くな」
私を呼ぶのと同時にラヴィニスの目に溜まっていた涙が、こぼれました。
その後は、ポロポロと大粒の涙が止まる事を忘れた様にラヴィニスの目からこぼれ落ちていきます。
ラヴィニス!泣いちゃったら、良い男が台無しですよ。
馬鹿だなぁ~!本当馬鹿だなぁ~ラヴィニス!
貴方は私をからかっている時の笑顔が一番お似合いですよ。
最後に見る顔が涙の顔なんて、本当に最後まで意地悪ですね!ラヴィニス。
「ラヴィニス!初恋の人に会える様に祈ってるよ!元気でね!!サヨナラ」
「・・・・一花なんだ、おデコにチューをして、俺の空っぽの心を埋めてくれた女の子は、一花なんだ・・・だから、行くな!」
「・・・・おじちゃん?」
一瞬ですが、夢の中での事が私の頭の中を駆け巡りました。
・・・でも、それは、夢の中の出来事です。
現実の出来事ではありません。
魔方陣はますます荒れ狂う嵐の様に私と悠馬を包み込み、目を瞑ります。
そして暴風が止みユックリと目を開きました。
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