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私の彼は、愚弟でした
ふざけるな
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朝からラヴィニスは一花の胸元や背中足の付け根にまで、赤い花びらを散らして、一花を翻弄していった!
最初は柔らかな刺激が、だんだんと強くなっていき、そのたびに背中がそり、腰を揺らしてしまいラヴィニスを受け入れて何度も絶頂を味わっていた。
しつこいラヴィニスにほとほと一花は困っていたが何故かラヴィニスを受け入れないと言う選択肢は一花に浮かんでは来なかった。
おかげで、うららかな午後のひと時、一花は寝台から起き上がれてはいなかった・・・。
ふざけるな!!
ジルは声を大にして叫びたい!!
今日は、園庭の虹のバラ園でジルお手製の果実のジャムを紅茶とマフィンと一緒に頂く予定だったが、一花が起き上がれないほど、疲れ切っていたので泣く泣く、断腸の思いでテーブルのお菓子たちを片づけていた。
最近のジルはすこぶる機嫌が悪かった。
パン!ケーキ!!!
この名の下に日がな一日あくせく働いて来たというのに!この仕打ち!
・・・旦那様の一言でパンケーキの夢は無残にも消え去ってしまった・・・・。
が!!!
しかし、わたくしは諦めません。
「あの腐れ外道!!奥様に捨てられてしまえ!!」
叫ぶと、少しだけ溜飲が下がりました。
私は決してあきらめません!
奥様とマリアンヌ様との楽しい女子会に命を懸ける所存です!
奥様の旦那様を容赦無く屑のように見る冷たい眼差しがとても恋しいです。
でも今は、頭がお花畑に様になっている奥様に毒を吐きたい衝動に駆られております。
誓って言いますが、腑抜けになった奥様に対してです。
早く冷静になって旦那様をこき下ろして下さい。
出来るだけ早いほうがいいです。ストレスで胃に穴があきそうです。
精神安定の為に毒を吐く所存んです!奥様に!!
「ようございましたねぇ~奥様?朝から旦那様の暑い抱擁が長々と続いて・・・見ていて胸の奥が腐りそうでしたよ!へっ!!」
その言葉に一花の顔は真っ赤になったってモジモジと小さな声で言い訳を言っていますが、私には全然!サッパリ聞こえません!!
それもこれも全てあいつが悪い!
そして、更にラヴィニスが王宮へと行くときも玄関前でも、一花をなかなか手放さなかった。
それを見てジルが嫌味を言っている事を流石の一花も気がついている。
セドリックは長年の思いがやっと通じたのだからここは暖かい目で見ようと、涙目に言っていましたが、あんたはラヴィニスの父親かとジルは叫びたくなった。
ジルは朝のラヴィニスと一花の朝のひと時を冷めた、いいえ冷え切った目で見ていました。
全てが面白くない!!
「ジルさん?もし時間があったら、ジルさんオススメのカフェにでも行きません?今日はマリアンナちゃんも時間が取れるみたいだから、いかがかしら?」
「・・・奥様!わたくしそのお言葉をお待ちしていましたわ!今行きましょう!すぐ行きましょ!さぁあ行きましょう!!」
「えっ?でもジルさん?メイド服のままですよ!着替えましょうか?私も着替えたいし・・・」
「それも、そうですわね奥様」
「ジルさん?もし良かったら外では奥様では無く一花と呼んで欲しいの?ダメかな?仕事以外では友達として、付き合って欲しいだけど」
やっぱりダメかな?と一花は自分の思いをジルに話した。
「・・・奥様!いいえ、一花様・・・もちろん私たちは、おっ、お友達としてお付き合いしますわ」
殺伐の中で生きてきたジルの心に『きゅん』とえもいわれぬ思いが宿った。
とっても暖かいものがジルの心を満たした。
孤児だったジルはセドリックに拾われて以来剣術から体術を、時には瀕死の状態になり、手を抜くときは抜いて、逞しく生きていた。
今ではセドリックの片腕とまでなったジルだが、人とのコミュニケーションがうまく取れず、何時も一人で行動していた。
セドリックの悩みのタネでもある。
別に今までは一人でも平気だったが、年の近い一花が何かと問題を起こしてはジルの手を煩わせていた事も手伝って、今までは一花から目を離さなくなっていた。
そんな時に一花からパンケーキの誘いがジルの殺伐とした感情を揺り動かし!今に至っていた。
『お友達!』なんて甘美な響きだろう。
自然と身体中が高揚してくる。
さっきまでのイライラが溶けて行く様だった。
メイド服を、尾行用の黒くて地味な服に着替えながらジル物思いにふけていた。
もう少しマシな服を買っておけば良かった。と。
ジルとしても今日は友達記念日なので、もう少し華やかまではいかなくても、ふんわりとした洋服を選びたかったが、持っていないものはしょうがない。
これで良いか?
気を取り直して着替えを終えると自室のドアを開け、一歩部屋を出ると袋を抱えていた一花が待ち構えていた。
「ふふふ、やっぱりジルさんは黒い服を選んだわね!セドリックさんが嘆いていたわよ!年頃なんだから少しはオシャレをして欲しいって!」
一花の瞳がキラリと光ると、ジルの手を取って直ぐにジルの自室へと入っていった。
一花はぐるっと時の部屋を見渡すとため息をついた。
それもそのはず!部屋の中は最低限のテーブルとイスとベッド!テーブルの上には小さな鏡しか無かったからだ。
「・・・ジルさん、ここは女の子の部屋では無いわ!一緒に買い物もしましょう!大丈夫!セドリックさんにお金は貰っているから!買い物ついでにパンケーキもたべれるでしょ?それにラヴィニスとの約束は破っていないわ!少し疲れたからカフェで一休みをしただけ!ねっ?良いでしょう?」
悪魔の様な笑顔と悪戯好きのグレムリンの目を持つ一花を見た。
「それでも・・・旦那様は納得しませんよ一花様」
「だって・・・女子会を潰すラヴィニスが悪いのよ!知ってる?私達がラヴィニスの言う事を聞かなかったら、例のカフェを潰す計画まで練っていたのよ!ホント信じられないわ!あの腐れ外道」
腕を組んでフンと鼻息を荒げる一花の頼もしい事!
勇者!
勇者がここにいるとジルは思った。
ラヴィニスを相手にここまで傍若無人でいられるのはきっと一花だけだと。
それを許されるのも一花だけ。
やっぱり一花様は旦那様を翻弄させる天才なんだわ!
「一花様!ついて行きます」
ーーーーー人生も!!
最初は柔らかな刺激が、だんだんと強くなっていき、そのたびに背中がそり、腰を揺らしてしまいラヴィニスを受け入れて何度も絶頂を味わっていた。
しつこいラヴィニスにほとほと一花は困っていたが何故かラヴィニスを受け入れないと言う選択肢は一花に浮かんでは来なかった。
おかげで、うららかな午後のひと時、一花は寝台から起き上がれてはいなかった・・・。
ふざけるな!!
ジルは声を大にして叫びたい!!
今日は、園庭の虹のバラ園でジルお手製の果実のジャムを紅茶とマフィンと一緒に頂く予定だったが、一花が起き上がれないほど、疲れ切っていたので泣く泣く、断腸の思いでテーブルのお菓子たちを片づけていた。
最近のジルはすこぶる機嫌が悪かった。
パン!ケーキ!!!
この名の下に日がな一日あくせく働いて来たというのに!この仕打ち!
・・・旦那様の一言でパンケーキの夢は無残にも消え去ってしまった・・・・。
が!!!
しかし、わたくしは諦めません。
「あの腐れ外道!!奥様に捨てられてしまえ!!」
叫ぶと、少しだけ溜飲が下がりました。
私は決してあきらめません!
奥様とマリアンヌ様との楽しい女子会に命を懸ける所存です!
奥様の旦那様を容赦無く屑のように見る冷たい眼差しがとても恋しいです。
でも今は、頭がお花畑に様になっている奥様に毒を吐きたい衝動に駆られております。
誓って言いますが、腑抜けになった奥様に対してです。
早く冷静になって旦那様をこき下ろして下さい。
出来るだけ早いほうがいいです。ストレスで胃に穴があきそうです。
精神安定の為に毒を吐く所存んです!奥様に!!
「ようございましたねぇ~奥様?朝から旦那様の暑い抱擁が長々と続いて・・・見ていて胸の奥が腐りそうでしたよ!へっ!!」
その言葉に一花の顔は真っ赤になったってモジモジと小さな声で言い訳を言っていますが、私には全然!サッパリ聞こえません!!
それもこれも全てあいつが悪い!
そして、更にラヴィニスが王宮へと行くときも玄関前でも、一花をなかなか手放さなかった。
それを見てジルが嫌味を言っている事を流石の一花も気がついている。
セドリックは長年の思いがやっと通じたのだからここは暖かい目で見ようと、涙目に言っていましたが、あんたはラヴィニスの父親かとジルは叫びたくなった。
ジルは朝のラヴィニスと一花の朝のひと時を冷めた、いいえ冷え切った目で見ていました。
全てが面白くない!!
「ジルさん?もし時間があったら、ジルさんオススメのカフェにでも行きません?今日はマリアンナちゃんも時間が取れるみたいだから、いかがかしら?」
「・・・奥様!わたくしそのお言葉をお待ちしていましたわ!今行きましょう!すぐ行きましょ!さぁあ行きましょう!!」
「えっ?でもジルさん?メイド服のままですよ!着替えましょうか?私も着替えたいし・・・」
「それも、そうですわね奥様」
「ジルさん?もし良かったら外では奥様では無く一花と呼んで欲しいの?ダメかな?仕事以外では友達として、付き合って欲しいだけど」
やっぱりダメかな?と一花は自分の思いをジルに話した。
「・・・奥様!いいえ、一花様・・・もちろん私たちは、おっ、お友達としてお付き合いしますわ」
殺伐の中で生きてきたジルの心に『きゅん』とえもいわれぬ思いが宿った。
とっても暖かいものがジルの心を満たした。
孤児だったジルはセドリックに拾われて以来剣術から体術を、時には瀕死の状態になり、手を抜くときは抜いて、逞しく生きていた。
今ではセドリックの片腕とまでなったジルだが、人とのコミュニケーションがうまく取れず、何時も一人で行動していた。
セドリックの悩みのタネでもある。
別に今までは一人でも平気だったが、年の近い一花が何かと問題を起こしてはジルの手を煩わせていた事も手伝って、今までは一花から目を離さなくなっていた。
そんな時に一花からパンケーキの誘いがジルの殺伐とした感情を揺り動かし!今に至っていた。
『お友達!』なんて甘美な響きだろう。
自然と身体中が高揚してくる。
さっきまでのイライラが溶けて行く様だった。
メイド服を、尾行用の黒くて地味な服に着替えながらジル物思いにふけていた。
もう少しマシな服を買っておけば良かった。と。
ジルとしても今日は友達記念日なので、もう少し華やかまではいかなくても、ふんわりとした洋服を選びたかったが、持っていないものはしょうがない。
これで良いか?
気を取り直して着替えを終えると自室のドアを開け、一歩部屋を出ると袋を抱えていた一花が待ち構えていた。
「ふふふ、やっぱりジルさんは黒い服を選んだわね!セドリックさんが嘆いていたわよ!年頃なんだから少しはオシャレをして欲しいって!」
一花の瞳がキラリと光ると、ジルの手を取って直ぐにジルの自室へと入っていった。
一花はぐるっと時の部屋を見渡すとため息をついた。
それもそのはず!部屋の中は最低限のテーブルとイスとベッド!テーブルの上には小さな鏡しか無かったからだ。
「・・・ジルさん、ここは女の子の部屋では無いわ!一緒に買い物もしましょう!大丈夫!セドリックさんにお金は貰っているから!買い物ついでにパンケーキもたべれるでしょ?それにラヴィニスとの約束は破っていないわ!少し疲れたからカフェで一休みをしただけ!ねっ?良いでしょう?」
悪魔の様な笑顔と悪戯好きのグレムリンの目を持つ一花を見た。
「それでも・・・旦那様は納得しませんよ一花様」
「だって・・・女子会を潰すラヴィニスが悪いのよ!知ってる?私達がラヴィニスの言う事を聞かなかったら、例のカフェを潰す計画まで練っていたのよ!ホント信じられないわ!あの腐れ外道」
腕を組んでフンと鼻息を荒げる一花の頼もしい事!
勇者!
勇者がここにいるとジルは思った。
ラヴィニスを相手にここまで傍若無人でいられるのはきっと一花だけだと。
それを許されるのも一花だけ。
やっぱり一花様は旦那様を翻弄させる天才なんだわ!
「一花様!ついて行きます」
ーーーーー人生も!!
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