62 / 68
私の彼は、愚弟でした
不穏な足音
しおりを挟む
昨日の出来事が嘘の様に思えて成らない、初めて一花に求められ、愛し合った。
「この腐れ外道」の言葉で、主導権を握っていたはずなのに簡単に形成逆転した。
更に一花の背後から見える筈の無い憤怒の炎が見えるのは俺の見間違いなのだろうか?
顔が引きつりそうになったが、一花と手を繋いでいる事実に意識が集中すると、言い訳より愛おしさが増していった。
「一花愛してる」
ラヴィニスの口から溢れた真実は一花の表情を崩すのには充分だった。
一花は見る見る顔を夕日の様に赤く染め上げ、驚いたままラヴィニスを見た。
「ほんとう?」
小さな声でやっと絞り出した言葉で、恐る恐る聞いてくる一花にシッカリと頷いたラヴィニスは一花を優しく両腕に一花を包み込んだ。
「ずっと、好きだった・・・一花が好き過ぎてどうにかなりそうだった」
壊れ物を扱うみたいに一花に触れたい想いと、今までの想いをぶつける勢いで力一杯抱きしめたい衝動に駆られる。
それ以上に一花を壊したく無い。
ラヴィニスが二つの思いに悩んでいると一花から思いもよらない言葉が聞こえた。
「ラッ、ラヴィニス・・・キスしてくれる?」
夕日より真っ赤に染まった一花を今度は、ラヴィニスが驚いて見下ろした。
そして一花が次の言葉を発する前に一花の唇を貪った。
一花が途中から俺の舌に絡める様に応え始めると、一気に理性が弾け飛んだ。
「一花・・・ゴメン・・・我慢出来無い・・・抱くよ」
「・・・うん・・・ラヴィニス怖いからその・・・痛くしないで・・・ほしい」
「大丈夫だよ一花!もう、痛くしない魔力で痛みを取り除くことが出来るから」
「・・・えっ、だってこの前は、痛かった」
「ゴメンね一花どうしても一花の初めての男になりたくて、魔力で痛みを取らなかったんだ」
「・・・ラヴィニス酷い」
「・・・ゴメン一花嫌いになった?」
一花は首を横に振った。
「・・・今度は痛みを取ってくれるのでしょう?」
「勿論、気持ち良くするだけだよ一花」
「うん」
一花の返事と同時に一花をベッドまで運んで朝方まで一花を眠らせなかった。
ラヴィニスは部屋を出る時に体力回復の魔法と治癒魔法で一花の体を清めてから城の執務室に向かった。
少しグリーンかかった壁の色の部屋には机と椅子だけがあり、更に広い部屋に机と椅子だけでは殺風景の様だが、豪華な作りの机と椅子のおかげで部屋を調和の取れた空間に変えていた。
ラヴィニス付きの文官プローシャは書類の山を持ってドアの前で立ち尽くした。
鼻歌がその部屋から聞こえてくるからだ。
幻聴だろうか?
いいや確かに聞こえる。確かに彼の声だ。
初めての経験にプローシャの手がドアノブで一瞬固まって、直ぐにドアを開けた。
普段のラヴィニスでは考えられないほどに上機嫌なのはいうまでも無くプローシャは驚いていた。
こないだまでは目が窪む程に痩せこけ声をかける者なら目で射殺されそうな殺気まで放っていたからだ。
魔王を倒して帰って来た時ですらこんな機嫌の良いラヴィニスは見たことが無い。
奥様という異世界の女が帰って来ただけでこの変わりよう!
それに!奥様だって?結婚もしてないのに?なんて図々しい女なんだ。
怒りが女に対して湧いてくる。
ラヴィニス様は何を考えている?
そこまで骨抜きにされているのか?
そんな女の我儘を許しているラヴィニス様の噂は嘘なのだろうか?
『この人は女を弄んでは紙屑同然に捨てる』と言われている敬愛すべき主人。
だが今はどうだ?
女に追い縋っている?
悪女に入れあげている?
ラヴィニスの考えを正さなければ成らない!
私が崇拝するラヴィニス様には早く目を覚ましてもらわないと。
そして早く女を屑扱いするラヴィニス様に戻って貰わなければ。
まずは、そうですね~女をどうにかしないと。
プローシャはニッコリと微笑んだ。
「ラヴィニス様この書類にサインをお願いします。
机の上にまた書類の束が増えていく。
「ああ直ぐにサインをする少し待って貰えれば直ぐに渡せる」
「今日のラヴィニス様はかなり機嫌が良い様で、何か良いことでもあったにでしょうか?」
「分かるか?プローシャ」
「・・・ハイ機嫌が良いのはわかります。よほど良い事でもあったのですね」
「まぁ、一花にやっと気持ちが通じたって、とこかな」
男でも惚れ惚れする笑顔のラヴィニスがプローシャを見る。
「・・・そうですか奥様の名前は一花様と言うのですか」
プローシャの目が鈍く光った事を一花の事を考えているラヴィニスは気がつかなかった。
「この腐れ外道」の言葉で、主導権を握っていたはずなのに簡単に形成逆転した。
更に一花の背後から見える筈の無い憤怒の炎が見えるのは俺の見間違いなのだろうか?
顔が引きつりそうになったが、一花と手を繋いでいる事実に意識が集中すると、言い訳より愛おしさが増していった。
「一花愛してる」
ラヴィニスの口から溢れた真実は一花の表情を崩すのには充分だった。
一花は見る見る顔を夕日の様に赤く染め上げ、驚いたままラヴィニスを見た。
「ほんとう?」
小さな声でやっと絞り出した言葉で、恐る恐る聞いてくる一花にシッカリと頷いたラヴィニスは一花を優しく両腕に一花を包み込んだ。
「ずっと、好きだった・・・一花が好き過ぎてどうにかなりそうだった」
壊れ物を扱うみたいに一花に触れたい想いと、今までの想いをぶつける勢いで力一杯抱きしめたい衝動に駆られる。
それ以上に一花を壊したく無い。
ラヴィニスが二つの思いに悩んでいると一花から思いもよらない言葉が聞こえた。
「ラッ、ラヴィニス・・・キスしてくれる?」
夕日より真っ赤に染まった一花を今度は、ラヴィニスが驚いて見下ろした。
そして一花が次の言葉を発する前に一花の唇を貪った。
一花が途中から俺の舌に絡める様に応え始めると、一気に理性が弾け飛んだ。
「一花・・・ゴメン・・・我慢出来無い・・・抱くよ」
「・・・うん・・・ラヴィニス怖いからその・・・痛くしないで・・・ほしい」
「大丈夫だよ一花!もう、痛くしない魔力で痛みを取り除くことが出来るから」
「・・・えっ、だってこの前は、痛かった」
「ゴメンね一花どうしても一花の初めての男になりたくて、魔力で痛みを取らなかったんだ」
「・・・ラヴィニス酷い」
「・・・ゴメン一花嫌いになった?」
一花は首を横に振った。
「・・・今度は痛みを取ってくれるのでしょう?」
「勿論、気持ち良くするだけだよ一花」
「うん」
一花の返事と同時に一花をベッドまで運んで朝方まで一花を眠らせなかった。
ラヴィニスは部屋を出る時に体力回復の魔法と治癒魔法で一花の体を清めてから城の執務室に向かった。
少しグリーンかかった壁の色の部屋には机と椅子だけがあり、更に広い部屋に机と椅子だけでは殺風景の様だが、豪華な作りの机と椅子のおかげで部屋を調和の取れた空間に変えていた。
ラヴィニス付きの文官プローシャは書類の山を持ってドアの前で立ち尽くした。
鼻歌がその部屋から聞こえてくるからだ。
幻聴だろうか?
いいや確かに聞こえる。確かに彼の声だ。
初めての経験にプローシャの手がドアノブで一瞬固まって、直ぐにドアを開けた。
普段のラヴィニスでは考えられないほどに上機嫌なのはいうまでも無くプローシャは驚いていた。
こないだまでは目が窪む程に痩せこけ声をかける者なら目で射殺されそうな殺気まで放っていたからだ。
魔王を倒して帰って来た時ですらこんな機嫌の良いラヴィニスは見たことが無い。
奥様という異世界の女が帰って来ただけでこの変わりよう!
それに!奥様だって?結婚もしてないのに?なんて図々しい女なんだ。
怒りが女に対して湧いてくる。
ラヴィニス様は何を考えている?
そこまで骨抜きにされているのか?
そんな女の我儘を許しているラヴィニス様の噂は嘘なのだろうか?
『この人は女を弄んでは紙屑同然に捨てる』と言われている敬愛すべき主人。
だが今はどうだ?
女に追い縋っている?
悪女に入れあげている?
ラヴィニスの考えを正さなければ成らない!
私が崇拝するラヴィニス様には早く目を覚ましてもらわないと。
そして早く女を屑扱いするラヴィニス様に戻って貰わなければ。
まずは、そうですね~女をどうにかしないと。
プローシャはニッコリと微笑んだ。
「ラヴィニス様この書類にサインをお願いします。
机の上にまた書類の束が増えていく。
「ああ直ぐにサインをする少し待って貰えれば直ぐに渡せる」
「今日のラヴィニス様はかなり機嫌が良い様で、何か良いことでもあったにでしょうか?」
「分かるか?プローシャ」
「・・・ハイ機嫌が良いのはわかります。よほど良い事でもあったのですね」
「まぁ、一花にやっと気持ちが通じたって、とこかな」
男でも惚れ惚れする笑顔のラヴィニスがプローシャを見る。
「・・・そうですか奥様の名前は一花様と言うのですか」
プローシャの目が鈍く光った事を一花の事を考えているラヴィニスは気がつかなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
392
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる