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俺の目の前には、強大な敵がいた。
ちょっとした家と同じくらい大きい巨人。そいつと一対一で戦うが、一向に勝機が見えない。
「(エレキ射出、痺れエレキ、エレキアタック、エレキ拡散ー!)ゴロッキュ、ゴロッキュ、ゴロッキュ、ゴロッキュー!」
「ぬははは。そんな攻撃、全然効かないわ。お前では俺は倒せん!」
痛がる様子もなく、豪快に笑う巨人。そいつに対して俺は、まだ不敵に笑う余力を残していた。
「(ふっ。こうなったら、奥の手を使うしかないか!)ゴローキュー!」
俺は最後の手段とばかりに、体の奥に電気を溜め始める。そして勝利を見据えて、叫ぶ。
「(はあーっ、いくぜー!)ゴローキュウウウー!」
そこで、俺の夢が覚めた。
「(はっ)ロッキュ」
目の前には、カップが寝ている。
近くには、トルクヤもいる。
「(すやー。すやー)イモー、イモー」
「(ぐごー、ぐがー)ユバー、ユバー」
「(なんだ、夢か)ゴロッキュー」
俺はすぐに安心し、けれど直後に、閃く。
俺が夢の中で最後に使おうとしていた技。あれは、ギルドの試験で偶然できた、電気溜めなんじゃないか?
「(もしかしたら、俺にはまだ、すぐに強くなれる可能性が残っている?)ゴローキュー?」
そう思うと、体がうずうずしてくる。でも、今はダメだ。
ここは宿屋、集いの屋根のモンスター用個室だ。
そんなところで技を使うなんて、とんでもない。リシェスにまで迷惑がかかったら、俺はいたたまれなくなる。
だから、新技、奥の手の開発は、宿屋を出た後、いや、町を出てからだな。
正直、昨日のハヤイダーの時のような場合は、まあまた何もできなくなるんだろうが、それでも戦法が多いにこしたことはない。何より、あの電気溜めが使える技だと判明したら、俺は更に強くなれる。
もしかしたら、更にリシェスや皆を守れる力になるかもしれない。
俺はカップとトルクヤを見る。またこいつらがピンチになった時、少しでも力になりたい。そしてそれ以上に、誰も失いたくない。
俺達はまだ弱い。昨日そう実感させられたから、なおさらそう思う。
ふう。なんだか、目が覚めてしまったな。それじゃあもう、起きてるか。
そうだな。暇つぶしに、カップとトルクヤが起きない程度に、二人の匂いでも嗅いでるか。
くんくん。俺は今モンスターだからか、人だった時よりも鼻が利く。
カップは、ほのかに甘い香りがする。飴の香り、みたいな?
トルクヤは、少し鉄臭い。けど嫌な臭いじゃない。なんだか頼もしい匂いだ。
さあて、二人は何時まで俺に嗅がれ続けているかな?
「(くんくん、すうすう)ゴロッキュ、ゴロッキュ」
ゆっくりと二人の周りを嗅ぎまわる。
どうせだから、何周回れるかも数えてみるか。暇だし。
「ポット、カップ、トルクヤ。今日も張り切って依頼をこなそうー!」
「(おー!)ゴロキュー!」
「(おー!)イモー!」
「(おー!)フユバー!」
今日も快晴。俺達は冒険者ギルドへ行く。
そしてリシェスは掲示板を見ると、やがて一枚の依頼書を手に取った。
「モンスターテイマーに依頼がある。けど、森での護衛?」
リシェスは取った依頼書を少しの間見つめてから、やがて元気に言った。
「ま、いいか。折角頼まれてるんだし、受けてみよう!」
「(おー!)ゴロキュー!」
「(おー!)イモー!」
「(おー!)フユバー!」
そして俺達は、受付嬢から道を尋ねて、今日の依頼をこなしに行く。
どうやら今日の依頼主は、木工ギルドというところにいるらしい。
木工ギルド館は木材建築の、大きな建物だった。
冒険者ギルドよりも大きな造りだ。まあ、活気の方はイマイチらしいが。
リシェスは木工ギルドに入り、受付嬢に声をかける。
「ごめんください。依頼を受けにきました」
「はい。ありがとうございます。モンスターテイマーということは、ひょっとして護衛の依頼かしら?」
「はい。早速護衛が必要ですか?」
「はい。ぜひお願いします。今、護衛対象の一団をお呼びします。少々お待ちください」
受付嬢がそう言ってベルを鳴らす。駆けつけた新たな受付嬢に要件を伝えると、その子はすぐに奥へと戻った。
「皆、テーブル席の方に行ってよ」
「(ああ)ゴロッキュ」
「(ああ!)イモ!」
「(ああ)フユーバ」
俺達が受付カウンターから離れると、丁度新しいお客がギルド館に入って来た。俺達はそのまま黙って、テーブルの近くでじっとしている。
そうしていると、館内奥から何人もの男達がやって来た。
「よし、モンスターをつれているな。お前がモンスターテイマーか」
一人の男に、そう声をかけられる。
「はい。リシェスです。それで、こっちからポット、カップ、トルクヤ。よろしくお願いします!」
「(よろしく!)ゴロッキュ!」
「(よろしく!)イモ!」
「(お前達、なんか用か!)フユーバー!」
フユーバだけ、護衛対象とはりあおうとしている。ちょっとやめてほしい。
「回復師の格好もしているが、回復魔法も使えるのか?」
「はい。元は回復師だったんです。一応今でもそのつもりですけど。テイマーと、兼任っていうか」
「まあ、そっちの素性はなんでもいい。それじゃあ早速東門から出て、北東の森へ行ってもらう。その間、こいつらと連携して俺達を守ってほしい」
「よろしく」
そう言って、一人の男が前に出てきた。よく見ると、四人の男がちゃんと戦闘用の装備をしている。
そして後は、話しかけてきた男含め、六人。ということは、護衛対象は六人か?
「はい。よろしくお願いします。ですが、モンスターテイマーが募集されていたと思いますが、その、何か理由があるんでしょうか?」
「ああ? 依頼主に口をきくのか?」
今まで話をしていた男がそう言った。リシェスは慌てる。
「い、いえ、そんな気はないです。ただ、なぜモンスターテイマーを指名していたのかが気になって」
「気にするな。お前は言われた通りに護衛をすればいい。ちゃんとテイムモンスターの数だけ報酬も払う。それでいいだろ?」
「は、はい」
なんかこいつ、嫌なやつだな。
「(なんかこいつ、感じ悪い!)イモー!」
「(そうだそうだー。まさか、リシェスをいじめる気かー!)フユーバー!」
「あああん?」
相手の一睨みで、俺達モンスター勢はたじろぐ。
「(うぐ、こ、こわ!)ゴロッキュ!」
「(ひいー!)イモー!」
「(な、なんだ、やんのかこらー!)フユーバー!」
「あ、あの、せめて、お名前をお聞かせください。護衛対象なのですし」
リシェスがそう言うと、彼は言った。
「俺はキラーゼだ。一応言っておくが、俺達は皆戦える。護衛対象ではあるが、何かあっても問題ない。あまり心配はするな」
「は、はい」
なんか、ただの護衛依頼というわけじゃなさそうだ。
この依頼、上手くいくかなあ?
ちょっと、心配になってきた。
男達と俺達は、まっすぐ東門を通り、森の中の道を進む。
その時俺は、折角なので新技開発を試した。やるなら今だと思ったのだ。
「(エレキ射出をー、溜める!)ゴロゴロゴロッキュー!」
バチバチッ。俺の体内に、すぐに使えるエレキが溜まる。
よしよし。どうやら第一段階はクリアといったところか。それに俺はここで、新技としてエレキチャージを覚えたようだ。
「な、ポット、急にどうしたの?」
リシェスが驚く。だから、一応ここで言っておく。
「(新技の開発だ。もしかしたら俺は、今までよりも強くなれる。昨日は後れをとったから、今回はそうはいかないぜ!)ゴロゴロゴロッキュ、ゴロッキュー!」
「(新技、凄い、ポット!)イモイモ!」
「(おお、頼もしいぜ、ポット!)フユーバー!」
「なんだか知らねえが、暴走だけはするなよ。俺達の護衛が敵になるなんてことがあったら、目も当てられねえ」
キラーゼにそう言われる。よし。だったら技の試しを、早く終わらせよう。そうすればただの奇行だって思われて、ひと段落するはずだ。
「(まずは、エレキ射出!)ゴロッキュー!」
試しに脇の茂みに向けて放ってみると、予想通り、エレキ射出は見るからに強化されて発射された。
やはり、エレキ射出を強化することができるのか。これと二回エレキ射出を使ったダメージ量の比較は今できないが、場合によっては使えるだろう。
そしてきっと、エレキアタックも痺れエレキも強化される。それを念頭においておこう。
「(続いて、エレキチャージ!)ゴロゴロッキュ!」
俺はもう一度体内にエレキを溜めて、その電力を口に集中させた。
そして、技を放つ。
「(鳴き声!)ゴロッキュー!」
鳴き声は、ダメか。強化されないか。
でも、エレキはまだ体内に残っている。ならば、次は、ええと!
そうだ、口にエレキを集中させられたんだから、他のところにも集中させられるはずだ。
例えば、頭、とか、尻尾、とか、足!
「(ここだあ!)ゴロッキュー!」
俺は四肢にエレキを集めた。
そして、ええと、キックとか!
そう思って一歩踏み出すと、次の瞬間、頭の中が真っ白になった。
というか、急に体が速く動いて、俺が茂みに突っ込んだのだ。
「(うわあ!)ゴロキュー!」
「(は、速い!)イモー!」
「(目、目で追えなかった!)フ、フユーバ!」
「ポット、大丈夫?」
リシェスが俺の方へ駆け寄る音がする。俺は慌ててリシェスの方へ戻った。
「(だ、大丈夫だ)ゴロキュー」
「ポット、まさか、敵?」
「(ううん、そうじゃない)ゴロキュー」
俺は顔を横に振る。その間も、キラーゼ達は先へ進んでいた。
「おい。何遊んでやがる。さっさと行くぞ」
「はーい!」
リシェスはすぐにキラーゼの近くへ戻る。俺も駆け寄る。
「ちっ。やっぱ冒険者は冒険者か」
キラーゼがそう呟くのが聞こえた。そしてすぐに、俺達以外の護衛の四人が、うなだれたり顔を横に振ったりする。
なんだろう。ひょっとして、俺達快く思われてない?
わざわざモンスターテイマーを指名したってのに、どういうことだ?
いや、今は新技、エレキチャージの力のことの方が優先か。
エレキチャージ。こいつはひょっとしたら、かなり使える。
おそらく、今の俺に起こった現象はこういうことだ。
エレキチャージによって俺の移動速度が強化され、雷のスピードで前方へ突っ込んだ。
これを上手く戦いで使えたら、きっと凄く有利な状況が簡単に作り出せる。
その練習を、したい。けど、もう俺の身勝手な行動は見られたばかりだしな。
これ以上リシェスが何か言われないように、今は大人しくしておくか。
きっとすぐに戦いの機会は訪れる。それまでガマンだ。
「(ポット今、すっごく速かった。ボクより速かった!)イモ、イモ!」
「(ああ、そうかもな。たぶんまっすぐしか進めないが、俺の新しい技だ)ゴロッキュー」
「(使えるのか、それ?)フユーバ?」
「(まだわからない。けど、すぐ実戦で試す。二人共、できれば俺に多くの練習チャンスをくれ)ゴロッキュゴロッキュゴロッキュ」
「(わかった!)イモ!」
「(カップがわかったんなら、俺もわかった)フユバ」
「(ありがとう、二人共)ゴロキュー」
さあ、出てこい。敵共!
それからすぐに、モンスターが出てきた。
葉っぱを額に乗せたキツネが三体、俺達の集団を側面から襲うようにして現れる。
だがそこには、俺達がいる。俺達は早速敵と相対する!
「コンー!(コンー!)」
「皆、ハギツネが出たわ。倒して!」
「(よし。早速試すぞ、エレキチャージ!)ゴロゴロゴロッキュー!」
俺はその場でエレキを溜める。その間にカップとトルクヤが相手に近づいた。
「(右のはボクがやるー!)イモー!」
「(俺は左だー!)フユーバー!」
「(じゃあ、俺は真ん中、いくぜ。エレキチャージ!)ゴロッキュ、ゴロキュー!」
エレキを足に蓄えて、思いっきり一歩を踏み出す。
すると次の瞬間、俺は真ん中のハギツネとぶつかっていた。
「(いたーい!)コーン!」
「(いってて。くそ、加減が難しいな)ゴロッキュー」
確かに接近するために移動したが、もっと直前で止まり、頭突きをくらわせるつもりだった。
それが結果は、正面衝突。攻撃にはなっているが、制御はまるで出来ていない。
「(このお、木の葉手裏剣!)コーン!」
俺とぶつかったハギツネは怒りをあらわにして、周囲に木の葉を出現。その葉っぱが一斉に俺に向かっておそってきた。
あれに当たれば、ダメージを受けてしまうだろう。俺はまたエレキチャージを使う。
「(エレキチャージ!)ゴロキュー!」
エレキを足にためて、斜め後ろへステップ。すると、軽く跳んだつもりなのに、一瞬でかなりハギツネから離れた。自然と、木の葉手裏剣も避ける。
「(な、速い!)コーン!」
「(今度はこっちからだ。エレキチャージ!)ゴローキュ、ゴロキュー!」
またもエレキ移動。今回はハギツネのすぐ横で止まろうとしたが、勢いがつきすぎてまたかなり離れてしまう。
「(き、消えた!)コ、コーン!」
けれど、ハギツネが俺を見失った。ええい、これはチャンスだ。ここでエレキ射出!
「(エレキ射出!)ゴーローキュー!」
「(ぎゃあー!)コーン!」
ハギツネは倒れる。練習相手としては、まあまあだった。
「(ポットも倒したね!)イモー!」
「(やったな。しかも、すげえ戦いだったぜ!)フユーバー!」
皆ももう倒し終えたみたいだ。俺達はリシェスの元へ戻る。
「皆、お疲れ様。怪我はない?」
「(ああ、平気だ)ゴロッキュー」
リシェスが俺達の様子を確かめた後、倒したハギツネを回収して、またキラーゼ達と共に歩き出す。
その後も何度かモンスターが出て来て、もう一組の護衛達と共闘しながら、俺は更にエレキチャージの練習をした。
エレキチャージを足に溜めての移動方法を、雷速と呼ぶことにした。
雷速はまだまだ制御が効かないが、防御型の俺が高速戦闘を行える強力な技だ。役に立つ機会は多いだろう。
そしてキラーゼ達は森の中で移動をやめ、皆で木を切り倒し始めた。
倒している木は普通の木より若干赤くて、ちょっと良い香りがする気がした。
そして俺達は周囲に散開して、敵が来ないか警戒中。護衛の仕事を続ける。
そんな時、リシェスのところに護衛の一人がやって来て、軽く挨拶してきた。
「よう、モンスターテイマー」
「あ、どうも。こっちは私達の持ち場ですよ?」
「ああ、気にしないでくれ。ちょっと君と話がしたかったんだ」
なんだ、ナンパなら追い返すぞ?
ちょっと警戒すると、男はすぐ言葉を続けた。
「俺の名前はナルフラ。元は冒険者だ。今は木工ギルド専属の護衛をやっている。ていっても、安月給だがな」
「え、木工ギルドには専属の護衛がいるんですか?」
「ああ。だが、この前一組やめたんだ。護衛中の油断が原因なんだが、ちょっとしたミスでケガをしてしまってな。そして木工ギルドの護衛対象が、あんな敵俺達なら簡単に倒せたって言い始めて、喧嘩になって、そのまま護衛が一組去っていったんだ。森に入るには護衛が必要っていうギルドの方針があって、一人二人までなら俺達一組でも護衛できるんだけど、それ以上の人数で行くとなると、必ず二、三組のパーティかやり手の護衛を雇うことになっているんだ。それで、新しい専属契約の護衛が見つかるまで、冒険者ギルドで護衛の依頼を募集していたっていうことなんだ」
なんだ、ナンパじゃなかったか。まだまだ気は抜けないけど、ちょっと安心。
「そうだったんですか。あれ、でも、依頼はモンスターテイマーにだけしてありましたよ?」
「キラーゼがそう決めたんだ。元々木工ギルドの連中は、冒険者は荒くれものばかりで、そもそも戦力として必要ないって考えが固定化してて、皆悪く思ってる。でも、モンスターテイマーはテイムモンスターに好かれてるだろ。そういう、性格が良いやつを期待して、募集をかけたんだろう。実際、モンスターが俺達を守っているのを見るのは奇妙だけど、安心するよ。テイムモンスターは大体大人しいみたいだし、俺達も護衛仲間として気楽に接することができる」
「それは、ありがとうございます」
「でも、キラーゼ達はやっぱりモンスターテイマーも見くびっているみたいだ。だから、キラーゼ達のことは気にしないでくれ。護衛はこれっきりでいい。俺達はまたゆっくり新しい専属護衛が来るのを待つさ」
「はい。では、それまでの間、私達がしっかり護衛を努めます。私が未熟なのは承知していますが、ポット達の頑張りは凄いって、思ってるし思われたいですから。この護衛依頼は今日だけかもしれないけど、きっちり最後まで果たしてみせます!」
「ああ、その気でいてくれ。それじゃあ俺は、もう持ち場に戻る。何か現れたら、すぐに呼んでくれよ」
「はい。ありがとうございます。ナルフラ!」
ふうむ。そういうことだったのか。冒険者嫌いの木工ギルド、か。
護衛対象が護衛を頼ってくれないんなら、そりゃやりづらくもなるだろう。次の専属護衛が見つかっても、彼らが上手くやれるかどうか。疑問だ。
まあ、それは俺達の考えることじゃないか。木工ギルドが考えることだ。
リシェスの言う通り、今は護衛依頼をちゃんとこなそう。そしてきっと、キラーゼ達とはこれっきりだ。
木工ギルドの職員が、何個かの木を切り倒した時のことだった。
「モンスターが出た。動きが速すぎる、とてもじゃないが太刀打ちできない!」
ナルフラ達が警戒している方から、そんな声が聞こえた。俺はすぐにそちらへと走る。
「皆、敵だよ。駆けつけて!」
リシェスが遅れて走り出す。この中で一番足が速いのはカップだ。頼む、先に飛んでいって敵の相手をしてくれ!
「(カップ、先に戦っていてくれ!)ゴロッキュ、ゴロッキュー!」
「(わかってる、敵、倒すー!)イモー!」
「(うおお、敵どこだー!)フユーバー!」
「こっちだ、敵はこっちだー!」
伐採を中断している木工ギルド職員達を通り越す。するとその時丁度、高速移動する白い物体が、俺にかすりながら通り過ぎた。
「(きりさく!)イター!」
「(ぐわあ!)ゴロッキュー!」
「ポットー!」
ダメージは、あまりない。けど、今のはなんだ。まさかあれが、今回の敵か?
「(ぐああ!)フユーバー!」
「ぎゃー!」
後ろを振り向けば、トルクヤと木工ギルド職員の一人がダメージを受けていた。そして俺達から離れたところで、白いイタチのモンスターが一体、立ち止まって獰猛に笑っている。
「(へへ。今日はごちそうだぜ。獲物がいっぱいだあ)イター」
「あれはカゼイタチ。コイタチの速度特化変態モンスター!」
どうやらリシェスは相手のことを知っていたようだ。なるほど、速度特化か。あの速さ、確かに脅威だ。
「まずい。カゼイタチは速すぎる。普通に戦っても勝てない。ここは逃げるしかない!」
キラーゼが言う。すると、木工ギルド職員達が一斉に走り去ろうとする。
「皆さん、ダメ、落ち着いて、固まって!」
リシェスがそう叫ぶと同時に、立ち止まっていたカゼイタチが動き出した。
「(きりさき、きりさき、きりさきー!)イタ、イタ、イター!」
「うわー!」
「ぎゃー!」
「いてー!」
逃げようとした木工ギルド職員達が、皆カゼイタチの攻撃を受ける。
どうやら、足を狙われたらしい。皆傷の痛みによってか、立ち止まってしまった。
しかもこの場には、なぜかカゼイタチが二体もいた。
「(へっ。獲物は全部逃がさないぜ)イタイター」
「(そうだね、兄さん)イーター」
二体のカゼイタチが、仲良く並んで俺達を見ている。
「(それじゃあ、ゆっくり仕留めようか)イター」
「(そうだね。遊びには丁度いいや)イーター」
「く、これじゃあ、逃げられない」
キラーゼが傷口を押さえながら、口を歪ませる。
「(ポットー、あいつ、ボクより速いー!)イモー!」
遅れてカップが戻ってきた。そして、少し離れたところからナルフラ達も駆けつけてくる。
「(ああ、そうだな。けど、カップ。幸い今の俺には雷速がある。カップは俺をサポートしてくれ。まず一体、なんとかする。やるぞ!)ゴロッキュ、ゴロゴロッキュ、ゴロキュー!」
「(うん、わかった。まず一体、ポットと一緒に倒すー!)イッモイモー!」
カップはやる気だ。よし、そうでなきゃ。後は、俺がしっかりやるだけだ。
「(へっ。兄さん。あいつら俺達に挑む気だよ)イタイーター」
「(トロいやつらが束になっても、俺達の敵じゃないんだよ。まだわかんないのかねえ?)イーター」
確かに、カゼイタチは速い。そして護衛対象は皆負傷してしまった。これはまずい展開だ。
でも、俺達には仲間がいる。だから、これくらいのことでは負けない!
「小回復!」
リシェスが手近なギルド職員を回復した。傷がいえていく。
「あ、ありがとう」
「それが私の役目です。それより、次の方を!」
「(あ、あいつ、俺達が折角作った傷を消してるよ!)イタ、イタイタッチ!」
「(面倒だな。あいつから先にやるぞ)イタイーター」
カゼイタチ共が、そう言った。
野郎、リシェスに目をつけるとはいい度胸じゃねえか。
それじゃあ今度はこっちからいかせてもらうぜ!
「(エレキチャージ、雷速!)ゴロッキュー、ゴロキュー!」
足に思い切りエレキを溜めて、とびだす!
そしたら次の瞬間、カゼイタチ兄とぶつかっていた。
「(ぐあー!)イーター!」
「(え?)イタ?」
地面に転がるカゼイタチ兄。よし。俺はまたエレキチャージをして!
「(エレキチャージ!)ゴロッキュー!」
「(ボクはポットに合わせる、スタンプー!)イーモー!」
そして、立ち上がる前のカゼイタチ兄を、カップが攻撃してくれる!
「(連続、スタンプー!)イイイモー!」
「(ぐあー、ぎゃー!)イーター!」
よし。このタイミングで俺は、狙いを済ませて、エレキ射出だー!
「(エレキ射出ー!)ゴーローキュー!」
「(ぎゃああああ!)イタチー!」
この攻撃を受けたカゼイタチ兄は、動かなくなった。
よし、やれた。カップと俺が組めば、これくらい朝飯前だ!
「(兄さん、兄さんっ、うおー、兄さんー!)イータアアー!」
次の瞬間、カゼイタチ弟は超高速移動をしながら、俺とカップを交互に攻撃した。
「(よくも、よくも、よくも、よくもー!)
「(うわー!)イモー!」
「(エレキ拡散!)ゴロキュー!」
「(ギャー!)イター!」
哀れ、激高するイタチは急に止まれず、俺のエレキ拡散にぶちあたった。
俺はダメージにひるんで動けないでいるカゼイタチ弟を、ふみつけて動けないようにする。
素早さに特化したモンスターは、こうして油断と過信で、敗北した。
どれだけ自分に自信があっても、時と場合によっては負けるということだ。そのことは俺も、胸の内に留めておこう。
「(よくも、よくも、よくも、よくも、死ね死ね死ね、死ね!)イタ、イタイタイタ、イタイタイタイタ、イーター!」
カゼイタチ、ごめんな。
でも、生きるのは俺達だ!
「(エレキ射出、エレキ射出、エレキ射出!)ゴロキュ、ゴロキュ、ゴローキュー!」
「(ぎゃー!)イター!」
カゼイタチ弟も、こうして倒せた。
なんとかなった。
俺は一安心しつつも、新たに覚えた力、雷速に感謝した。
「ありがとう、リシェス。君とモンスター達のおかげで助かった。君達がいなければ、俺達はカゼイタチに殺されていただろう」
キラーゼがそう言って、握手を求めてくる。
リシェスはそれに応じた。
「はい。ですが、私達は護衛として、当然のことをしたまでです。それに、お礼ならこの子達に言ってください。私も、ただ見ているだけでしたから」
「そうか。ありがとう、モンスター達」
俺達に頭を下げるキラーゼ。それを見て俺は、思わずむずがゆくなった。
「(俺達は俺達のできることをやった。だから、それを評価してくれるなら、ありがとう)ゴロッキュ、ゴロキュー」
「(ポット、凄かった。だからボク達、凄い!)イモ、イーモー!」
「(俺、今回何もできなかった。ちくしょう)フユーバー」
「(トルクヤは昨日活躍してくれただろ。これでお互い様だな)ゴロッキュー」
「(そうだよ。ボク達皆、頑張った!)イーモー!」
「(そうか。そうだな。そうだー!)フユーバー!」
「君達さえよければ、これからも俺達の護衛をしてほしい。頼めるか?」
お、キラーゼがデレた。
「いいえ、私達はいずれ、村に帰ります。ですから、これでさよならにしましょう。じゃないときっと、未練になります」
けれどリシェスは、断った。
確かに。それが良いだろう。
「そうか。だが、これからは態度を改めよう。冒険者は頼りになる。いや、それは君がモンスターテイマーだからか」
「ありがとうございます。でも、私達よりも凄い冒険者は、まだまだいっぱいいますよ。それに、護衛はまだ終わっていません。帰るまでしっかり守りますからね。ポット達が!」
「ああ、任せよう」
そして、ナルフラ達からもお礼を言われた俺達は、その後も無事に護衛の依頼をやりとげた。
こうして俺達は、また少し強くなったのだった。
ちょっとした家と同じくらい大きい巨人。そいつと一対一で戦うが、一向に勝機が見えない。
「(エレキ射出、痺れエレキ、エレキアタック、エレキ拡散ー!)ゴロッキュ、ゴロッキュ、ゴロッキュ、ゴロッキュー!」
「ぬははは。そんな攻撃、全然効かないわ。お前では俺は倒せん!」
痛がる様子もなく、豪快に笑う巨人。そいつに対して俺は、まだ不敵に笑う余力を残していた。
「(ふっ。こうなったら、奥の手を使うしかないか!)ゴローキュー!」
俺は最後の手段とばかりに、体の奥に電気を溜め始める。そして勝利を見据えて、叫ぶ。
「(はあーっ、いくぜー!)ゴローキュウウウー!」
そこで、俺の夢が覚めた。
「(はっ)ロッキュ」
目の前には、カップが寝ている。
近くには、トルクヤもいる。
「(すやー。すやー)イモー、イモー」
「(ぐごー、ぐがー)ユバー、ユバー」
「(なんだ、夢か)ゴロッキュー」
俺はすぐに安心し、けれど直後に、閃く。
俺が夢の中で最後に使おうとしていた技。あれは、ギルドの試験で偶然できた、電気溜めなんじゃないか?
「(もしかしたら、俺にはまだ、すぐに強くなれる可能性が残っている?)ゴローキュー?」
そう思うと、体がうずうずしてくる。でも、今はダメだ。
ここは宿屋、集いの屋根のモンスター用個室だ。
そんなところで技を使うなんて、とんでもない。リシェスにまで迷惑がかかったら、俺はいたたまれなくなる。
だから、新技、奥の手の開発は、宿屋を出た後、いや、町を出てからだな。
正直、昨日のハヤイダーの時のような場合は、まあまた何もできなくなるんだろうが、それでも戦法が多いにこしたことはない。何より、あの電気溜めが使える技だと判明したら、俺は更に強くなれる。
もしかしたら、更にリシェスや皆を守れる力になるかもしれない。
俺はカップとトルクヤを見る。またこいつらがピンチになった時、少しでも力になりたい。そしてそれ以上に、誰も失いたくない。
俺達はまだ弱い。昨日そう実感させられたから、なおさらそう思う。
ふう。なんだか、目が覚めてしまったな。それじゃあもう、起きてるか。
そうだな。暇つぶしに、カップとトルクヤが起きない程度に、二人の匂いでも嗅いでるか。
くんくん。俺は今モンスターだからか、人だった時よりも鼻が利く。
カップは、ほのかに甘い香りがする。飴の香り、みたいな?
トルクヤは、少し鉄臭い。けど嫌な臭いじゃない。なんだか頼もしい匂いだ。
さあて、二人は何時まで俺に嗅がれ続けているかな?
「(くんくん、すうすう)ゴロッキュ、ゴロッキュ」
ゆっくりと二人の周りを嗅ぎまわる。
どうせだから、何周回れるかも数えてみるか。暇だし。
「ポット、カップ、トルクヤ。今日も張り切って依頼をこなそうー!」
「(おー!)ゴロキュー!」
「(おー!)イモー!」
「(おー!)フユバー!」
今日も快晴。俺達は冒険者ギルドへ行く。
そしてリシェスは掲示板を見ると、やがて一枚の依頼書を手に取った。
「モンスターテイマーに依頼がある。けど、森での護衛?」
リシェスは取った依頼書を少しの間見つめてから、やがて元気に言った。
「ま、いいか。折角頼まれてるんだし、受けてみよう!」
「(おー!)ゴロキュー!」
「(おー!)イモー!」
「(おー!)フユバー!」
そして俺達は、受付嬢から道を尋ねて、今日の依頼をこなしに行く。
どうやら今日の依頼主は、木工ギルドというところにいるらしい。
木工ギルド館は木材建築の、大きな建物だった。
冒険者ギルドよりも大きな造りだ。まあ、活気の方はイマイチらしいが。
リシェスは木工ギルドに入り、受付嬢に声をかける。
「ごめんください。依頼を受けにきました」
「はい。ありがとうございます。モンスターテイマーということは、ひょっとして護衛の依頼かしら?」
「はい。早速護衛が必要ですか?」
「はい。ぜひお願いします。今、護衛対象の一団をお呼びします。少々お待ちください」
受付嬢がそう言ってベルを鳴らす。駆けつけた新たな受付嬢に要件を伝えると、その子はすぐに奥へと戻った。
「皆、テーブル席の方に行ってよ」
「(ああ)ゴロッキュ」
「(ああ!)イモ!」
「(ああ)フユーバ」
俺達が受付カウンターから離れると、丁度新しいお客がギルド館に入って来た。俺達はそのまま黙って、テーブルの近くでじっとしている。
そうしていると、館内奥から何人もの男達がやって来た。
「よし、モンスターをつれているな。お前がモンスターテイマーか」
一人の男に、そう声をかけられる。
「はい。リシェスです。それで、こっちからポット、カップ、トルクヤ。よろしくお願いします!」
「(よろしく!)ゴロッキュ!」
「(よろしく!)イモ!」
「(お前達、なんか用か!)フユーバー!」
フユーバだけ、護衛対象とはりあおうとしている。ちょっとやめてほしい。
「回復師の格好もしているが、回復魔法も使えるのか?」
「はい。元は回復師だったんです。一応今でもそのつもりですけど。テイマーと、兼任っていうか」
「まあ、そっちの素性はなんでもいい。それじゃあ早速東門から出て、北東の森へ行ってもらう。その間、こいつらと連携して俺達を守ってほしい」
「よろしく」
そう言って、一人の男が前に出てきた。よく見ると、四人の男がちゃんと戦闘用の装備をしている。
そして後は、話しかけてきた男含め、六人。ということは、護衛対象は六人か?
「はい。よろしくお願いします。ですが、モンスターテイマーが募集されていたと思いますが、その、何か理由があるんでしょうか?」
「ああ? 依頼主に口をきくのか?」
今まで話をしていた男がそう言った。リシェスは慌てる。
「い、いえ、そんな気はないです。ただ、なぜモンスターテイマーを指名していたのかが気になって」
「気にするな。お前は言われた通りに護衛をすればいい。ちゃんとテイムモンスターの数だけ報酬も払う。それでいいだろ?」
「は、はい」
なんかこいつ、嫌なやつだな。
「(なんかこいつ、感じ悪い!)イモー!」
「(そうだそうだー。まさか、リシェスをいじめる気かー!)フユーバー!」
「あああん?」
相手の一睨みで、俺達モンスター勢はたじろぐ。
「(うぐ、こ、こわ!)ゴロッキュ!」
「(ひいー!)イモー!」
「(な、なんだ、やんのかこらー!)フユーバー!」
「あ、あの、せめて、お名前をお聞かせください。護衛対象なのですし」
リシェスがそう言うと、彼は言った。
「俺はキラーゼだ。一応言っておくが、俺達は皆戦える。護衛対象ではあるが、何かあっても問題ない。あまり心配はするな」
「は、はい」
なんか、ただの護衛依頼というわけじゃなさそうだ。
この依頼、上手くいくかなあ?
ちょっと、心配になってきた。
男達と俺達は、まっすぐ東門を通り、森の中の道を進む。
その時俺は、折角なので新技開発を試した。やるなら今だと思ったのだ。
「(エレキ射出をー、溜める!)ゴロゴロゴロッキュー!」
バチバチッ。俺の体内に、すぐに使えるエレキが溜まる。
よしよし。どうやら第一段階はクリアといったところか。それに俺はここで、新技としてエレキチャージを覚えたようだ。
「な、ポット、急にどうしたの?」
リシェスが驚く。だから、一応ここで言っておく。
「(新技の開発だ。もしかしたら俺は、今までよりも強くなれる。昨日は後れをとったから、今回はそうはいかないぜ!)ゴロゴロゴロッキュ、ゴロッキュー!」
「(新技、凄い、ポット!)イモイモ!」
「(おお、頼もしいぜ、ポット!)フユーバー!」
「なんだか知らねえが、暴走だけはするなよ。俺達の護衛が敵になるなんてことがあったら、目も当てられねえ」
キラーゼにそう言われる。よし。だったら技の試しを、早く終わらせよう。そうすればただの奇行だって思われて、ひと段落するはずだ。
「(まずは、エレキ射出!)ゴロッキュー!」
試しに脇の茂みに向けて放ってみると、予想通り、エレキ射出は見るからに強化されて発射された。
やはり、エレキ射出を強化することができるのか。これと二回エレキ射出を使ったダメージ量の比較は今できないが、場合によっては使えるだろう。
そしてきっと、エレキアタックも痺れエレキも強化される。それを念頭においておこう。
「(続いて、エレキチャージ!)ゴロゴロッキュ!」
俺はもう一度体内にエレキを溜めて、その電力を口に集中させた。
そして、技を放つ。
「(鳴き声!)ゴロッキュー!」
鳴き声は、ダメか。強化されないか。
でも、エレキはまだ体内に残っている。ならば、次は、ええと!
そうだ、口にエレキを集中させられたんだから、他のところにも集中させられるはずだ。
例えば、頭、とか、尻尾、とか、足!
「(ここだあ!)ゴロッキュー!」
俺は四肢にエレキを集めた。
そして、ええと、キックとか!
そう思って一歩踏み出すと、次の瞬間、頭の中が真っ白になった。
というか、急に体が速く動いて、俺が茂みに突っ込んだのだ。
「(うわあ!)ゴロキュー!」
「(は、速い!)イモー!」
「(目、目で追えなかった!)フ、フユーバ!」
「ポット、大丈夫?」
リシェスが俺の方へ駆け寄る音がする。俺は慌ててリシェスの方へ戻った。
「(だ、大丈夫だ)ゴロキュー」
「ポット、まさか、敵?」
「(ううん、そうじゃない)ゴロキュー」
俺は顔を横に振る。その間も、キラーゼ達は先へ進んでいた。
「おい。何遊んでやがる。さっさと行くぞ」
「はーい!」
リシェスはすぐにキラーゼの近くへ戻る。俺も駆け寄る。
「ちっ。やっぱ冒険者は冒険者か」
キラーゼがそう呟くのが聞こえた。そしてすぐに、俺達以外の護衛の四人が、うなだれたり顔を横に振ったりする。
なんだろう。ひょっとして、俺達快く思われてない?
わざわざモンスターテイマーを指名したってのに、どういうことだ?
いや、今は新技、エレキチャージの力のことの方が優先か。
エレキチャージ。こいつはひょっとしたら、かなり使える。
おそらく、今の俺に起こった現象はこういうことだ。
エレキチャージによって俺の移動速度が強化され、雷のスピードで前方へ突っ込んだ。
これを上手く戦いで使えたら、きっと凄く有利な状況が簡単に作り出せる。
その練習を、したい。けど、もう俺の身勝手な行動は見られたばかりだしな。
これ以上リシェスが何か言われないように、今は大人しくしておくか。
きっとすぐに戦いの機会は訪れる。それまでガマンだ。
「(ポット今、すっごく速かった。ボクより速かった!)イモ、イモ!」
「(ああ、そうかもな。たぶんまっすぐしか進めないが、俺の新しい技だ)ゴロッキュー」
「(使えるのか、それ?)フユーバ?」
「(まだわからない。けど、すぐ実戦で試す。二人共、できれば俺に多くの練習チャンスをくれ)ゴロッキュゴロッキュゴロッキュ」
「(わかった!)イモ!」
「(カップがわかったんなら、俺もわかった)フユバ」
「(ありがとう、二人共)ゴロキュー」
さあ、出てこい。敵共!
それからすぐに、モンスターが出てきた。
葉っぱを額に乗せたキツネが三体、俺達の集団を側面から襲うようにして現れる。
だがそこには、俺達がいる。俺達は早速敵と相対する!
「コンー!(コンー!)」
「皆、ハギツネが出たわ。倒して!」
「(よし。早速試すぞ、エレキチャージ!)ゴロゴロゴロッキュー!」
俺はその場でエレキを溜める。その間にカップとトルクヤが相手に近づいた。
「(右のはボクがやるー!)イモー!」
「(俺は左だー!)フユーバー!」
「(じゃあ、俺は真ん中、いくぜ。エレキチャージ!)ゴロッキュ、ゴロキュー!」
エレキを足に蓄えて、思いっきり一歩を踏み出す。
すると次の瞬間、俺は真ん中のハギツネとぶつかっていた。
「(いたーい!)コーン!」
「(いってて。くそ、加減が難しいな)ゴロッキュー」
確かに接近するために移動したが、もっと直前で止まり、頭突きをくらわせるつもりだった。
それが結果は、正面衝突。攻撃にはなっているが、制御はまるで出来ていない。
「(このお、木の葉手裏剣!)コーン!」
俺とぶつかったハギツネは怒りをあらわにして、周囲に木の葉を出現。その葉っぱが一斉に俺に向かっておそってきた。
あれに当たれば、ダメージを受けてしまうだろう。俺はまたエレキチャージを使う。
「(エレキチャージ!)ゴロキュー!」
エレキを足にためて、斜め後ろへステップ。すると、軽く跳んだつもりなのに、一瞬でかなりハギツネから離れた。自然と、木の葉手裏剣も避ける。
「(な、速い!)コーン!」
「(今度はこっちからだ。エレキチャージ!)ゴローキュ、ゴロキュー!」
またもエレキ移動。今回はハギツネのすぐ横で止まろうとしたが、勢いがつきすぎてまたかなり離れてしまう。
「(き、消えた!)コ、コーン!」
けれど、ハギツネが俺を見失った。ええい、これはチャンスだ。ここでエレキ射出!
「(エレキ射出!)ゴーローキュー!」
「(ぎゃあー!)コーン!」
ハギツネは倒れる。練習相手としては、まあまあだった。
「(ポットも倒したね!)イモー!」
「(やったな。しかも、すげえ戦いだったぜ!)フユーバー!」
皆ももう倒し終えたみたいだ。俺達はリシェスの元へ戻る。
「皆、お疲れ様。怪我はない?」
「(ああ、平気だ)ゴロッキュー」
リシェスが俺達の様子を確かめた後、倒したハギツネを回収して、またキラーゼ達と共に歩き出す。
その後も何度かモンスターが出て来て、もう一組の護衛達と共闘しながら、俺は更にエレキチャージの練習をした。
エレキチャージを足に溜めての移動方法を、雷速と呼ぶことにした。
雷速はまだまだ制御が効かないが、防御型の俺が高速戦闘を行える強力な技だ。役に立つ機会は多いだろう。
そしてキラーゼ達は森の中で移動をやめ、皆で木を切り倒し始めた。
倒している木は普通の木より若干赤くて、ちょっと良い香りがする気がした。
そして俺達は周囲に散開して、敵が来ないか警戒中。護衛の仕事を続ける。
そんな時、リシェスのところに護衛の一人がやって来て、軽く挨拶してきた。
「よう、モンスターテイマー」
「あ、どうも。こっちは私達の持ち場ですよ?」
「ああ、気にしないでくれ。ちょっと君と話がしたかったんだ」
なんだ、ナンパなら追い返すぞ?
ちょっと警戒すると、男はすぐ言葉を続けた。
「俺の名前はナルフラ。元は冒険者だ。今は木工ギルド専属の護衛をやっている。ていっても、安月給だがな」
「え、木工ギルドには専属の護衛がいるんですか?」
「ああ。だが、この前一組やめたんだ。護衛中の油断が原因なんだが、ちょっとしたミスでケガをしてしまってな。そして木工ギルドの護衛対象が、あんな敵俺達なら簡単に倒せたって言い始めて、喧嘩になって、そのまま護衛が一組去っていったんだ。森に入るには護衛が必要っていうギルドの方針があって、一人二人までなら俺達一組でも護衛できるんだけど、それ以上の人数で行くとなると、必ず二、三組のパーティかやり手の護衛を雇うことになっているんだ。それで、新しい専属契約の護衛が見つかるまで、冒険者ギルドで護衛の依頼を募集していたっていうことなんだ」
なんだ、ナンパじゃなかったか。まだまだ気は抜けないけど、ちょっと安心。
「そうだったんですか。あれ、でも、依頼はモンスターテイマーにだけしてありましたよ?」
「キラーゼがそう決めたんだ。元々木工ギルドの連中は、冒険者は荒くれものばかりで、そもそも戦力として必要ないって考えが固定化してて、皆悪く思ってる。でも、モンスターテイマーはテイムモンスターに好かれてるだろ。そういう、性格が良いやつを期待して、募集をかけたんだろう。実際、モンスターが俺達を守っているのを見るのは奇妙だけど、安心するよ。テイムモンスターは大体大人しいみたいだし、俺達も護衛仲間として気楽に接することができる」
「それは、ありがとうございます」
「でも、キラーゼ達はやっぱりモンスターテイマーも見くびっているみたいだ。だから、キラーゼ達のことは気にしないでくれ。護衛はこれっきりでいい。俺達はまたゆっくり新しい専属護衛が来るのを待つさ」
「はい。では、それまでの間、私達がしっかり護衛を努めます。私が未熟なのは承知していますが、ポット達の頑張りは凄いって、思ってるし思われたいですから。この護衛依頼は今日だけかもしれないけど、きっちり最後まで果たしてみせます!」
「ああ、その気でいてくれ。それじゃあ俺は、もう持ち場に戻る。何か現れたら、すぐに呼んでくれよ」
「はい。ありがとうございます。ナルフラ!」
ふうむ。そういうことだったのか。冒険者嫌いの木工ギルド、か。
護衛対象が護衛を頼ってくれないんなら、そりゃやりづらくもなるだろう。次の専属護衛が見つかっても、彼らが上手くやれるかどうか。疑問だ。
まあ、それは俺達の考えることじゃないか。木工ギルドが考えることだ。
リシェスの言う通り、今は護衛依頼をちゃんとこなそう。そしてきっと、キラーゼ達とはこれっきりだ。
木工ギルドの職員が、何個かの木を切り倒した時のことだった。
「モンスターが出た。動きが速すぎる、とてもじゃないが太刀打ちできない!」
ナルフラ達が警戒している方から、そんな声が聞こえた。俺はすぐにそちらへと走る。
「皆、敵だよ。駆けつけて!」
リシェスが遅れて走り出す。この中で一番足が速いのはカップだ。頼む、先に飛んでいって敵の相手をしてくれ!
「(カップ、先に戦っていてくれ!)ゴロッキュ、ゴロッキュー!」
「(わかってる、敵、倒すー!)イモー!」
「(うおお、敵どこだー!)フユーバー!」
「こっちだ、敵はこっちだー!」
伐採を中断している木工ギルド職員達を通り越す。するとその時丁度、高速移動する白い物体が、俺にかすりながら通り過ぎた。
「(きりさく!)イター!」
「(ぐわあ!)ゴロッキュー!」
「ポットー!」
ダメージは、あまりない。けど、今のはなんだ。まさかあれが、今回の敵か?
「(ぐああ!)フユーバー!」
「ぎゃー!」
後ろを振り向けば、トルクヤと木工ギルド職員の一人がダメージを受けていた。そして俺達から離れたところで、白いイタチのモンスターが一体、立ち止まって獰猛に笑っている。
「(へへ。今日はごちそうだぜ。獲物がいっぱいだあ)イター」
「あれはカゼイタチ。コイタチの速度特化変態モンスター!」
どうやらリシェスは相手のことを知っていたようだ。なるほど、速度特化か。あの速さ、確かに脅威だ。
「まずい。カゼイタチは速すぎる。普通に戦っても勝てない。ここは逃げるしかない!」
キラーゼが言う。すると、木工ギルド職員達が一斉に走り去ろうとする。
「皆さん、ダメ、落ち着いて、固まって!」
リシェスがそう叫ぶと同時に、立ち止まっていたカゼイタチが動き出した。
「(きりさき、きりさき、きりさきー!)イタ、イタ、イター!」
「うわー!」
「ぎゃー!」
「いてー!」
逃げようとした木工ギルド職員達が、皆カゼイタチの攻撃を受ける。
どうやら、足を狙われたらしい。皆傷の痛みによってか、立ち止まってしまった。
しかもこの場には、なぜかカゼイタチが二体もいた。
「(へっ。獲物は全部逃がさないぜ)イタイター」
「(そうだね、兄さん)イーター」
二体のカゼイタチが、仲良く並んで俺達を見ている。
「(それじゃあ、ゆっくり仕留めようか)イター」
「(そうだね。遊びには丁度いいや)イーター」
「く、これじゃあ、逃げられない」
キラーゼが傷口を押さえながら、口を歪ませる。
「(ポットー、あいつ、ボクより速いー!)イモー!」
遅れてカップが戻ってきた。そして、少し離れたところからナルフラ達も駆けつけてくる。
「(ああ、そうだな。けど、カップ。幸い今の俺には雷速がある。カップは俺をサポートしてくれ。まず一体、なんとかする。やるぞ!)ゴロッキュ、ゴロゴロッキュ、ゴロキュー!」
「(うん、わかった。まず一体、ポットと一緒に倒すー!)イッモイモー!」
カップはやる気だ。よし、そうでなきゃ。後は、俺がしっかりやるだけだ。
「(へっ。兄さん。あいつら俺達に挑む気だよ)イタイーター」
「(トロいやつらが束になっても、俺達の敵じゃないんだよ。まだわかんないのかねえ?)イーター」
確かに、カゼイタチは速い。そして護衛対象は皆負傷してしまった。これはまずい展開だ。
でも、俺達には仲間がいる。だから、これくらいのことでは負けない!
「小回復!」
リシェスが手近なギルド職員を回復した。傷がいえていく。
「あ、ありがとう」
「それが私の役目です。それより、次の方を!」
「(あ、あいつ、俺達が折角作った傷を消してるよ!)イタ、イタイタッチ!」
「(面倒だな。あいつから先にやるぞ)イタイーター」
カゼイタチ共が、そう言った。
野郎、リシェスに目をつけるとはいい度胸じゃねえか。
それじゃあ今度はこっちからいかせてもらうぜ!
「(エレキチャージ、雷速!)ゴロッキュー、ゴロキュー!」
足に思い切りエレキを溜めて、とびだす!
そしたら次の瞬間、カゼイタチ兄とぶつかっていた。
「(ぐあー!)イーター!」
「(え?)イタ?」
地面に転がるカゼイタチ兄。よし。俺はまたエレキチャージをして!
「(エレキチャージ!)ゴロッキュー!」
「(ボクはポットに合わせる、スタンプー!)イーモー!」
そして、立ち上がる前のカゼイタチ兄を、カップが攻撃してくれる!
「(連続、スタンプー!)イイイモー!」
「(ぐあー、ぎゃー!)イーター!」
よし。このタイミングで俺は、狙いを済ませて、エレキ射出だー!
「(エレキ射出ー!)ゴーローキュー!」
「(ぎゃああああ!)イタチー!」
この攻撃を受けたカゼイタチ兄は、動かなくなった。
よし、やれた。カップと俺が組めば、これくらい朝飯前だ!
「(兄さん、兄さんっ、うおー、兄さんー!)イータアアー!」
次の瞬間、カゼイタチ弟は超高速移動をしながら、俺とカップを交互に攻撃した。
「(よくも、よくも、よくも、よくもー!)
「(うわー!)イモー!」
「(エレキ拡散!)ゴロキュー!」
「(ギャー!)イター!」
哀れ、激高するイタチは急に止まれず、俺のエレキ拡散にぶちあたった。
俺はダメージにひるんで動けないでいるカゼイタチ弟を、ふみつけて動けないようにする。
素早さに特化したモンスターは、こうして油断と過信で、敗北した。
どれだけ自分に自信があっても、時と場合によっては負けるということだ。そのことは俺も、胸の内に留めておこう。
「(よくも、よくも、よくも、よくも、死ね死ね死ね、死ね!)イタ、イタイタイタ、イタイタイタイタ、イーター!」
カゼイタチ、ごめんな。
でも、生きるのは俺達だ!
「(エレキ射出、エレキ射出、エレキ射出!)ゴロキュ、ゴロキュ、ゴローキュー!」
「(ぎゃー!)イター!」
カゼイタチ弟も、こうして倒せた。
なんとかなった。
俺は一安心しつつも、新たに覚えた力、雷速に感謝した。
「ありがとう、リシェス。君とモンスター達のおかげで助かった。君達がいなければ、俺達はカゼイタチに殺されていただろう」
キラーゼがそう言って、握手を求めてくる。
リシェスはそれに応じた。
「はい。ですが、私達は護衛として、当然のことをしたまでです。それに、お礼ならこの子達に言ってください。私も、ただ見ているだけでしたから」
「そうか。ありがとう、モンスター達」
俺達に頭を下げるキラーゼ。それを見て俺は、思わずむずがゆくなった。
「(俺達は俺達のできることをやった。だから、それを評価してくれるなら、ありがとう)ゴロッキュ、ゴロキュー」
「(ポット、凄かった。だからボク達、凄い!)イモ、イーモー!」
「(俺、今回何もできなかった。ちくしょう)フユーバー」
「(トルクヤは昨日活躍してくれただろ。これでお互い様だな)ゴロッキュー」
「(そうだよ。ボク達皆、頑張った!)イーモー!」
「(そうか。そうだな。そうだー!)フユーバー!」
「君達さえよければ、これからも俺達の護衛をしてほしい。頼めるか?」
お、キラーゼがデレた。
「いいえ、私達はいずれ、村に帰ります。ですから、これでさよならにしましょう。じゃないときっと、未練になります」
けれどリシェスは、断った。
確かに。それが良いだろう。
「そうか。だが、これからは態度を改めよう。冒険者は頼りになる。いや、それは君がモンスターテイマーだからか」
「ありがとうございます。でも、私達よりも凄い冒険者は、まだまだいっぱいいますよ。それに、護衛はまだ終わっていません。帰るまでしっかり守りますからね。ポット達が!」
「ああ、任せよう」
そして、ナルフラ達からもお礼を言われた俺達は、その後も無事に護衛の依頼をやりとげた。
こうして俺達は、また少し強くなったのだった。
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---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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