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19 雪山その6
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俺は思わず、皆の顔をうかがった。
すると皆、こんなことを言いたそうな顔をした。
こんなやつの言う事、信用できません。
「マスター。さっさとこの女を里まで送り届けて、すぐ移動しましょう」
カナタがそう、代表して言った。皆もうなずいている。
けれど俺は、皆とは反対にこう考えた。
「いいや、ここでウサット族の協力を得られれば、危険はいくらか少なくなるはずだ。雪山は彼女達の方が詳しいはずだし、それにまたウサット族と遭遇した時、ジャナカが対応してくれるなら、無駄な戦闘も回避できるだろう。だから、本当に力になってくれるなら、俺はジャナカがついてくることを許そうと思う」
俺がそう言うと、ジャナカがうなずいた。
「心から協力しよう」
「ありがとう、ジャナカ。それで、皆はどう思う?」
「イエスマスター。全てはマスターのお心のままに!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
良かった。皆わかってくれて、助かる。
「それとウッドルフ、傷は大丈夫か?」
「ワン!」
今ウッドルフは何か木の実を食べていて、俺が見ている前であっという間に体の傷を治してしまった。良かった。うちの仲間達は頼もしすぎて、安心感が凄い。
「そして、ジャナカ。君達の里に行ったはずの俺の仲間は、酷いことされてないか?」
「ああ。今は一つのカマクラに押し込んで、起きている間は延々と果物や鉄を生み出させ続けている。特にこちらが何かをしているわけではない」
そうか、良かった。
「それより、早くレベル上げに行こう。私も移動するから、この拘束をとってほしい」
「わかった。でもその後すぐ、こちらに武器を渡してくれ」
「わかった。いいだろう」
ジャナカはうなずいた。これでジャナカがふいうちをしかけてくるようなことがあっても、危険は少なくなるだろう。
「ジュレイドラゴン、ツルの拘束をとってあげて」
「グオオーン!」
ジュレイドラゴンは簡単にジャナカを開放する。するとジャナカは、長刀を鞘にしまい、近づいたカナタに渡した。
「なるほど。良い刀ですね」
「くれてやったわけではない。協力関係が終われば、返してほしい」
「むうう」
「カ、カナタ。その刀は俺が持ってよう」
「イエスマスター」
カナタが惜しそうにジャナカの物を持っているので、なんとなく俺が持っておくことにした。
「よし、それじゃあ移動だ。ジャナカ、ネツウルフの背に乗って。きっとその方が良い。俺はウッドルフに乗る。それでいいか、ネツウルフ、ウッドルフ?」
「ワン!」
「ワン!」
良い返事だ。良かった。ウッドルフは、ジャナカに斬られた後だからな。できれば距離をおいてあげたい。
「うむ。ところで、男。お前の名前はなんというのだ?」
「沙漠。札瓜沙漠。よろしくね」
こうして、俺達のレベル上げにジャナカが加わることになった。
早速俺達は、再び吹雪地帯へと移動する。
「迷わず上に行くようだが、バリピスノを倒しに行くのか?」
ネツウルフの背に乗るジャナカにそう言われる。
「うん。けど、バリピスノが相手でもなかなかレベルが上がりづらくなってきたんだ。ジャナカは、何か良い考えがある?」
「ああ、あるぞ。これだけ強いのなら、ドラウグドルを相手にしても勝てるだろう」
「ドラウグドルか。聞いたことがある。けど、強さはこの雪山のナンバー3なんだろう。本当に倒せるのか?」
「私は一人でドラウグドルを倒せる」
なんと。
「その私を倒したんだ。必ずやれるさ」
「そうであることを祈ろう」
ということで、これからドラウグドルを狙うことになった。
このジャナカの案が上手くいけば、俺達のレベルアップはうんと捗るはず。成功を祈ろう。
吹雪地帯に入ると同時に、夜も戦い組と合流できた。
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
「よしよし、皆。今までご苦労。休憩は必要か?」
「ガオオオーン!」
「マスター、どうやら休む必要はないそうです」
「通訳ありがとう、カナタ。それじゃあ、行こうか」
「一つ訊いていいか、サバク。この全てが、お前の召喚モンスターなのか?」
ジャナカが訊いてきたので、俺はうなずいた。
「ああ。皆俺の仲間だ」
「一体何体召喚できるんだ。里にも数体来ているし、いくらなんでも、多すぎる」
「ああ、まあ、これだけ召喚できるんだよ。といっても、召喚数は無限じゃない。だから、慎重にいかないとな」
「なるほど。レベルが上がるのが早いわけだ。これだけ凄まじい戦力なら、この山でも生き残れる」
「けど、これでもまだ二体のドラゴンにはかなわないだろ?」
「コースノールとクリスタラオルか。どうだろう。私は会ったことがないからな。だが、ドラゴンはこの山の頂点だ。彼らに戦いを挑むには、勇者でなければならない」
「そう、だね」
ウサット族でさえも、そうそうドラゴンとは会わないのか。
やっぱり、容易に近づいてはいけないんだな。
雪山を移動すると、すぐにバリピスノと遭遇する。
昨日は右側へ行ったから、今日は左方向だ。
「ギイイイア!」
最後まで抵抗するバリピスノを、油断なく皆で倒す。
レベルはまだ、上がらないか。90レベルまでの道のりは遠い。
「もう少し上に行ってみよう。ドラウグドルがいるかもしれない」
ジャナカはそう言うが、少し心配だ。
「そんなにのぼって、ドラゴンとは会わないか?」
「吹雪地帯はかなり広い。この高さ程度ではドラゴンとは会わない。安心しろ」
「キューキュー!」
イルフィンも問題なしと言っているか。なら、進むか。
「わかった。それじゃあもう少し上に行こう」
ジャナカの言う通りに進むと、ある時ジャナカが言った。
「あそこにドラウグドルがいる」
ジャナカが指をさしたところを見るが、俺にはわからない。
「キュー?」
どうやらイルフィンもわからないようだ。
「ドラウグドルは普段、雪の中に隠れていて見えにくい。探知魔法も無効化してしまう。見つけるには、ドラウグドルが潜る時に掘り返した雪が積もった後を見抜く必要がある」
「キュー」
イルフィンはその先をじっと見つけたが、やがて言った。
「キュー、キューキュー」
「マスター。イルフィンは確かに岩のようなものを確認したと言っていますが、しかし生体反応は無いそうです」
「そうか。だがもし本当にドラウグドルがいるとするなら、これはチャンスだ。皆、離れてドラウグドルがいると思われる場所を、魔法で集中攻撃だ。やれるか?」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
「よし、それじゃあ」
「む。用心しろ。どうやらドラウグドルが出てくるぞ」
「えっ」
咄嗟に目を凝らすと、確かに積もった雪の一部が不自然に動き出して、何かがとびでてくるような気がした。
「み、皆。まず敵を囲めー!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
も、もしかして、皆が叫ぶから、また気づかれた?
なんでもいい。とにかく戦闘だ!
「グドロオオーン!」
吠えながら現れたドラウグドルは、大きなワニだった。
黒い体、大岩のような胴体。太くて短い四肢、全身の三分の一はある大きさの口。
モグネーとほぼ同じくらいの高さだが、頭から尻尾までの長さはその三倍。素早い動きを見て察するに、接近戦も得意とするのだろう。
「皆、かかれー!」
仲間達は全方位から一斉に、魔法を浴びせた。俺を乗せているウッドルフも、ジャナカを乗せているネツウルフも、魔法攻撃をとばす。
「グドロオオーン!」
しかしドラウグドルは俺達の攻撃をものともせず、アースジャイアントに突っ込んだ。
アースジャイアントはドラウグドルに一口で食べられてしまう。が、かろうじて口の中でこらえているようだ。グラウグドルの口は、半開きのまま閉じない。
「ドラウグドルは強力な防御魔法で身を守っている。生半可な攻撃ではダメージは通らないぞ」
ジャナカの言うことは、嘘じゃないようだ。ドラウグドルはダメージを負っている様子がない。まあ、黒い体と吹雪のせいで、見えづらいだけかもしれないけど。
「皆、もっと強力な攻撃を叩きこむんだ。アースジャイアントを助けろ!」
俺がそう言うと、ドラゴン達が近づき、相手の全身をひっかき、くらいついた。ジャイアント達も殴りかかりにいく。イルフィンはドラウグドルの口に近付いて、口内に向けて水をとばした。
「グドロオオーン!」
するとドラウグドルは、アースジャイアントを吐き出しながら暴れ、ドラゴン達を一旦下がらせた。ドラゴン達は無事だが、肝心のアースジャイアントはボロボロで、片腕もちぎれてしまっていた。
「グドロオオーン!」
次の瞬間、ドラウグドルが氷塊混じりの竜巻を生み出して、周囲のもの全てを吹き飛ばそうとする。これを即座に察知したイルフィン、ウルフ達は、一生懸命足元を掘り返して、自分の体を雪の中に埋めた。俺とジャナカの体も、一緒に埋めてもらう。
一拍遅れて、無数の氷塊が暴れ回る暴風域にこの身が入った。
「くっ」
なんて強力な攻撃だ。これはひょっとしたら、こちらの誰かがやられることもありえるぞ。
一分近く竜巻が続いて、やっと顔を出せるようになる。そこですかさず、俺は言った。
「ヒロードラゴン召喚!」
俺はドラウグドルより一回り大きいサイズを意識して、ヒロードラゴンを召喚する。
そのサイズでの召喚は成功し、目の前にヒロードラゴンが現れる。
「ヒロードラゴン、あいつを全力で倒せ。他の皆も、捨て身で攻撃。相手に攻撃の隙を与えるな!」
「ガオオオーン!」
周囲の皆の様子はわからないが、目の前のヒロードラゴンは一直線に前進する。
ドラウグドルは魔法でひし形の氷塊をいくつもとばしてきたが、ヒロードラゴンは気にしなかった。2、3個前足や口で弾いただけで、後は全部体で受け止める。氷塊の一部が刺さり、少なくない血しぶきが舞う。
だがそれでもヒロードラゴンの勢いは失われず、とうとうドラウグドルに接近した。更に俺達を乗せていないウルフ達も接近に成功し、爪や牙で攻撃する。
ドラウグドルは暴れるが、こちらも果敢に攻める。接戦を繰り広げている内に、他のジャイアント達、ドラゴン達、カナタも加わって、戦況はこちらの一方的なリンチとなった。
いや、それでもドラウグドルは劣勢に陥っていない。
「グドロオオーン!」
ここでドラウグドルが大口を開けると、その中に白い光を生み出し始めた。白い光は不気味に膨張し、眩しい程の光の玉となる。
「いかん。ドラウグドルの必殺技だ。あれをくらえば、文字通り誰もが消し飛ぶぞ」
ジャナカの言葉を聞いて、焦る。
「皆、気をつけろ。とどめを刺しきれないなら、逃げてもいい。避けろー!」
俺が叫ぶと、皆は一度に動き始める。
「ゴロオーン!」
「ワオーン!」
サガンドラゴン、アースジャイアント、ジウルフの魔法で、ドラウグドルの足元が盛り上がり、高い位置に押し上げた。
次にゴールドラゴン、メタルギアジャイアント、ギンウルフ、カナタの魔法で、鉄の柱が生み出され、更にドラウグドルが高い位置に押し上げられた。
次はスプラッシュドラゴン、スイボツジャイアント、ナミウルフが氷柱を生み出して、更にドラウグドルを押し上げる。
更にジュレイドラゴン、フォレストジャイアントが太く大きい木を生み出して、またまたドラウグドルを押し上げる。
最後にヒロードラゴン、フレイムピラージャイアントが炎による爆発を生み出して、ドラウグドルの口をかち上げた!
すると、次の瞬間轟く爆音。
俺が見ている前で、ドラウグドルの口から膨大な量の白い光があふれ出して、頭上に向けて強力な爆発を起こした。その余波がここまで押し寄せる。
一度見ただけでわかる。とても強力な一撃だ。
でも、皆が力を合わせて、敵の攻撃をしのいだぞ!
ドラウグドルは木の幹に逆さでしがみつくと、そのまま皆に狙いを定めて氷の魔法を放とうとした。
しかしそれより先にドラゴン達がドラウグドルより上をとり、集中攻撃を浴びせる!
するとドラウグドルは氷の魔法をドラゴン達へととばしたが、そうすると今度は地上のジャイアント達への対処ができなくなる。
ジャイアント達は集まって、地上から怒涛の魔法攻撃を開始。更にドラゴン達も敵の魔法をなんとか避けて、ドラゴンに近づく。
と、ここで大きなヒロードラゴンが木をへし折って、ドラウグドルごとジャイアント達の真上へと落とした。
ジャイアント達は拳を握りしめ、ドラウグドルの落下に合わせてアッパーを放つ。すると、五人のアッパーがドラウグドルに刺さり、更に上空からもドラゴン達が飛来し、木の幹を上手にかわしながらドラゴンの体に傷を与える。
「グドロオオーン!」
ここで初めて、ドラウグドルが痛そうな声をあげた。
それからもう少しして、ドラウグドルは力尽きた。
「レベルが上がりました」
や、やったあああ。良かったあああ。
この声を聞くと落ち着く。
ありがとう、とっ君。これで今の俺のレベルは、88か。
よし、レベルが上がった。できればもう1レベル一気に上がってほしかったが、それは欲の出しすぎか。ひとまず今は、皆が勝ったことを喜ぼう。
「皆、よくやった。よくぞ全員無事で勝ってくれた!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
おっと、また叫ばれるのも考えものだな。
「イルフィン、周囲を警戒!」
「キュー!」
「皆、ケガはないか。特にアースジャイアント。やられた傷はどうだ?」
アースジャイアントは両手を上げて応えた。凄い、もう完治している。他の皆も、目立った外傷はなさそうだ。俺の仲間達は皆タフすぎる。
「敵が見つからないようなら、このまま移動だ。次のドラウグドルを探そう。あいつが今、一番経験値を多く持っているぞ!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
「む。倒したドラウグドルは放置か」
ここで呟かれたジャナカの言葉が気になる。
「ん、もったいない?」
「いや、いや。まあ、そうだ。あまりにもあっさりしすぎている。本当にお前達は、ただレベル上げのためだけに来ているんだな」
「うん。早く戻らないといけないからね」
「そうか」
それっきり、ジャナカとの会話も終わる。
できればジャナカともっと仲良くなりたいが、今はレベル上げが先決。移動を優先する。
こうして、俺のレベルが上がる目途がたち、新たな獲物、ドラウグドルを求めて移動し始める。
上手くいけば、今日か明日の内には90レベルになれるかもしれない。
結局その日は、更に2体のドラウグドル、その他たくさんのバリピスノを倒して経験値稼ぎを終えた。
今の俺のレベルは89。90レベルまであと1レベル。そこまで上げられれば、バウコン帝国に勝てるかも。
けど油断は禁物だ。今日で雪山に来て三日。まだ一週間も経っていない。場合によっては、更に高いレベルを目指すのもありだろう。
とにかく、今日はもう既に、周囲がはっきりと暗くなってしまった。正に一寸先は闇状態だ。今日はもう、休むのみ。また明日頑張ろう。
夜も戦闘組と野営組に分かれようかという話も出たが、そうすると必然的に戦力は分かれるし、今はジャナカという協力者もいる。ここは俺とジャナカの安全を優先させて、戦力を集中。皆で夜を過ごそう。
皆にカマクラを二つ作ってもらい、一つに俺、もう一つにジャナカが入る。これはジャナカに配慮した結果だ。流石に知らない男と一緒に眠りたいとは思わないだろう。
ジャナカのカマクラには、ネツウルフ、フォレストジャイアント、スプラッシュドラゴンも入る。これでジャナカも火、食料、飲み水には困らない。俺のカマクラにはウッドルフ、ナミウルフ、フレイムピラージャイアント、カナタが入る。他の皆は外で警戒。ありがたいことだ。
俺はジャナカ達と一度分かれて、夜を過ごすことにした。後は軽い食事と睡眠のみ。明日のためにも、しっかりと体力を回復しよう。
私はジャナカ。里一番の女剣士。私を超える里の剣士は二人しかいない。故に私は、里を守る要。そう自負している。
ある日狩りから戻ってきた直後、妹のルンナに衝撃の事実を告げられた。
「お帰りお姉ちゃん。今日ね、敵の屋敷に人が来てたの!」
最初はまさかと思ったが、すぐに里の様子がいつもと違うことに気づく。早速里長の家まで呼ばれた。そこで私は、他の里の実力者達と共に、里長の決定を聞いた。
「例の屋敷に現れた者達については、警戒のみとする。変わらず屋敷は破壊できぬうえに、現れた男は奇妙な召喚術を使うという。我らへの備えをもっているかもしれん。里の防備だけ高めよ」
その意見にいくらか反対の声もあがったが、結局里長は全ての者を黙らせた。私は、最初から里長の決定に従うのみ。
その後、敵の召喚モンスターとやらが里に来ていると聞いたので身に行ったり、家に帰ってルンナから詳しい話を聞いたりしていると、どうも今回現れた敵は大して脅威ではないように感じられた。
召喚モンスターは皆危険な姿をしておらず、黙って看守に言われるがままに、果物と鉄を何もないところから生み出し続けていて、見るからに危険なイメージはなかった。鉄はこの山では採れない貴重な品だったし、そこで渡された果物は美味しかった。こいつらが本当に害のないやつらなのだとしたら、正に里に有益な資源といえた。
更にルンナの話によると、召喚モンスターは一人二体くらいまでなら、子供の力でも倒せそうだったらしい。
今回、敵の召喚モンスターと戦ったのは、ルンナとズンタの二人のみ。二人のレベルは68。まだ一人前の戦士という程のレベルではない。この里内では最弱といっていいだろう。
そんな二人に勝ったとはいえ、質より量頼みの戦いで勝ち得たというのなら、その力量は決して高くはないだろう。召喚モンスターも3体こちらの捕虜となっているし、今相手の戦力は減少している。おそらく相手はこちらに対して打つ手を無くしているはずだ。
だから、心配はしなかった。むしろ欲望に負けて、里一番の女剣士という地位を使って、たくさん果物をもらって食べた。
それでも一応は里の守りを固めないといけないだろうが、既に私は狩りを続けよと言われているので、守りのことは他の者に任せ、私は再び吹雪地帯へ行く。
果物や鉄も貴重だが、私レベルでしか倒せないドラウグドルの素材もまた貴重だ。今日は運悪く狩れなかったが、明日こそは手に入れてくるとしよう。
翌日。狩りから帰ると、悪い報告があった。
なんと今日の朝早くに、七人の男達が屋敷の敵を倒しに行ったそうだ。結果は完敗。
全員ケガはないそうだが、誰もが戦いになっても活躍できず、手も足も出なかったそうだ。こちらの詳しい戦力は、ズンタ含め子供が三人、大人が四人。
この話を聞いて、私は気分が重くなった。
子供はともかく、大人のレベルは76前後。その彼らが全く相手にならなかったというのなら、それはもう十分脅威といえる。
一応その7人をこの里へと送るために、一体のドラゴンが移動手段として使われ、それも今は新たに作ったカマクラの中で大人しくしているそうだが。やられた男の話を聞くと、敵はまだたくさんの強力なモンスターを引き連れていたらしい。
私はこれらの情報を合わせた結果、現れた敵はかなり危険であるという結論に至った。
大人を4人程相手にして勝っただけとはいえ、そのような力を持つ者がこの里を攻めてきたら、出る被害は少なくないだろう。その中に私の家族が入ったりでもしたら、後で悔やむことは間違いない。
里長に話をしに行ったら、里長は昨日と変わらず、様子見の一点張り。
これではらちがあかない。なので、私は敵と戦うことを決意した。
私のレベルは89レベル。並みの相手に負ける気はない。万が一勝てなかったとしても、なんとか相手の隙をつき、その首とってみせよう。
そして私はサバクに負けた。
あんなのズルい。反則だ。ドラウグドル程ではないが、それよりちょっと弱い程度のモンスターがたくさんいた。あれでは皆がやられたというのもうなずける。
唯一倒せそうだったのは、ウルフ系モンスターと、その召喚主のサバクのみ。特に召喚主さえ倒せれば、その他の召喚モンスターも一緒に消える可能性があったので、私はそれに賭けた。
だが、失敗し、拘束された。
里一の女剣士としてあるまじき失敗だ。だが私は家族のため、里のため、ここで自身の敗北を受け入れることはしなかった。
かくなる上は、上手く取り入り、隙をつく。
我が愛刀、グイルチャッツィエも奪われる。だがそれと引き換えに、なんとか信用を得た。
私はそのまま、サバクの協力者のふりをする。
一瞬、ドラウグドルと戦いになった時、ここで私がサバクをおそえばどうだろう。とも考えた。
だが、それは無謀な賭けだった。グイルチャッツィエは今サバクが持っているし、例えここでサバクを倒せても、次はドラウグドルとの連戦になる。
今は再び牙をむく時ではないと、私は事態を静観した。
そして、満を持して最大のチャンスがやってきた。
夜。サバクは二つのカマクラを作り、一つに自分、もう一つに私を入れた。
私のカマクラの中にも見張りが何体かいたが、その数は少ない。そして私には、ここでサバクを狙える奥の手をもっていた。
それは、グイルチャッツィエには盗難防止用に、今ある場所が私にだけわかるという探知魔法がかけられているということ。
これで、私にはグイルチャッツィエを持っているサバクの位置が丸わかりなのだ。
後はただ、奇襲実行の時を待つのみ。
時刻はおそらく深夜。同じカマクラ内にいるポカポカ温かいウルフと青いドラゴンは眠っているが、木人形だけはじっと私を見て立ったままでいる。どうもこいつは眠る気配が無さそうだ。なら、そろそろしかけるか。
私は自分の体で右手を隠し、そこに氷の剣を魔法で生み出した。
武器の性能としては低い出来栄えだが、何もないよりはいい。それに、私の剣の腕と奇襲という要素が合わされば、これでも十分に寝首をかけるはずだ。
さあ、失敗は許されない。一度で決めてやる。
「雪隠れ!」
私は一瞬で雪の中へ戻った。
後はグイルチャッツィエの反応がある、サバクの元まで即移動。今頃寝ているであろうサバクを殺し、その後モンスターが残っていれば、私は再度の雪隠れで逃げきる。
そういう算段を、実行した。
しかし私の移動は、冷たく暗い雪の中で何かに阻まれた。
そして私の体がつかまれ、更に何かで拘束されると、強制的に地上に出された。
「っ、なんだ!」
夜のため視界はよく見えないが、状況から察するに、こいつはサバクの召喚モンスター?
それからしばらくすると、人の声が聞こえてきた。
「くっくっく。本性を現しましたね、メギツネさん」
「そ、その声は、カナタ、か?」
「イグザクトリー。ジャナカ、あなたは動くと信じていましたよ。そしてマスターを狙う手段も、私達に一度見せた、雪隠れであるとも。そこでアースジャイアントとスイボツジャイアントに雪の中を見張ってもらい、サバク様への雪隠れ奇襲を未然に防いでもらったというわけです。これで、あなたの完全敗北です。ジャナカ」
「くっ。殺すなら殺せ!」
「そういうわけにはいきません。私達の親愛なるマスターは、ウサット族を害するのに否定的ですから。あなたはこのまま大人しくマスターのお目覚めを待つのです。その時に今後の処遇を判断していただきます。というわけで、おやすみ。ジャナカ。朝が来るまでの間、よく眠っていてください」
終わった。これで私は、万策尽きた。
すまない、ルンナ。もう、里に帰れそうにない。だが、どうか強く育ってほしい。私のことは忘れて、幸せになってほしい。
私はスイボツジャイアントの水の縄と、アースジャイアントの土の縄で全身を拘束されて、再び元のカマクラ内に転がされる。
これが絶望というものか。
今まで何度か味わってきたが、今回はその比ではない。そして乗り越えられる試練でもない。
里長の判断は、正しかったか。
だが、自分の判断も間違いだったとは思えない。ただ一つ悔やむのは、このままもう家族とは再会できないだろうということ。
ええい。メソメソ気分になっていても仕方ない。大人しく、最後の時を待とう。
私はこれまでの人生を振り返りながら、今回の敗北と自分の死の運命を受け入れようとした。
それくらいしか、することがなかった。
すると皆、こんなことを言いたそうな顔をした。
こんなやつの言う事、信用できません。
「マスター。さっさとこの女を里まで送り届けて、すぐ移動しましょう」
カナタがそう、代表して言った。皆もうなずいている。
けれど俺は、皆とは反対にこう考えた。
「いいや、ここでウサット族の協力を得られれば、危険はいくらか少なくなるはずだ。雪山は彼女達の方が詳しいはずだし、それにまたウサット族と遭遇した時、ジャナカが対応してくれるなら、無駄な戦闘も回避できるだろう。だから、本当に力になってくれるなら、俺はジャナカがついてくることを許そうと思う」
俺がそう言うと、ジャナカがうなずいた。
「心から協力しよう」
「ありがとう、ジャナカ。それで、皆はどう思う?」
「イエスマスター。全てはマスターのお心のままに!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
良かった。皆わかってくれて、助かる。
「それとウッドルフ、傷は大丈夫か?」
「ワン!」
今ウッドルフは何か木の実を食べていて、俺が見ている前であっという間に体の傷を治してしまった。良かった。うちの仲間達は頼もしすぎて、安心感が凄い。
「そして、ジャナカ。君達の里に行ったはずの俺の仲間は、酷いことされてないか?」
「ああ。今は一つのカマクラに押し込んで、起きている間は延々と果物や鉄を生み出させ続けている。特にこちらが何かをしているわけではない」
そうか、良かった。
「それより、早くレベル上げに行こう。私も移動するから、この拘束をとってほしい」
「わかった。でもその後すぐ、こちらに武器を渡してくれ」
「わかった。いいだろう」
ジャナカはうなずいた。これでジャナカがふいうちをしかけてくるようなことがあっても、危険は少なくなるだろう。
「ジュレイドラゴン、ツルの拘束をとってあげて」
「グオオーン!」
ジュレイドラゴンは簡単にジャナカを開放する。するとジャナカは、長刀を鞘にしまい、近づいたカナタに渡した。
「なるほど。良い刀ですね」
「くれてやったわけではない。協力関係が終われば、返してほしい」
「むうう」
「カ、カナタ。その刀は俺が持ってよう」
「イエスマスター」
カナタが惜しそうにジャナカの物を持っているので、なんとなく俺が持っておくことにした。
「よし、それじゃあ移動だ。ジャナカ、ネツウルフの背に乗って。きっとその方が良い。俺はウッドルフに乗る。それでいいか、ネツウルフ、ウッドルフ?」
「ワン!」
「ワン!」
良い返事だ。良かった。ウッドルフは、ジャナカに斬られた後だからな。できれば距離をおいてあげたい。
「うむ。ところで、男。お前の名前はなんというのだ?」
「沙漠。札瓜沙漠。よろしくね」
こうして、俺達のレベル上げにジャナカが加わることになった。
早速俺達は、再び吹雪地帯へと移動する。
「迷わず上に行くようだが、バリピスノを倒しに行くのか?」
ネツウルフの背に乗るジャナカにそう言われる。
「うん。けど、バリピスノが相手でもなかなかレベルが上がりづらくなってきたんだ。ジャナカは、何か良い考えがある?」
「ああ、あるぞ。これだけ強いのなら、ドラウグドルを相手にしても勝てるだろう」
「ドラウグドルか。聞いたことがある。けど、強さはこの雪山のナンバー3なんだろう。本当に倒せるのか?」
「私は一人でドラウグドルを倒せる」
なんと。
「その私を倒したんだ。必ずやれるさ」
「そうであることを祈ろう」
ということで、これからドラウグドルを狙うことになった。
このジャナカの案が上手くいけば、俺達のレベルアップはうんと捗るはず。成功を祈ろう。
吹雪地帯に入ると同時に、夜も戦い組と合流できた。
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
「よしよし、皆。今までご苦労。休憩は必要か?」
「ガオオオーン!」
「マスター、どうやら休む必要はないそうです」
「通訳ありがとう、カナタ。それじゃあ、行こうか」
「一つ訊いていいか、サバク。この全てが、お前の召喚モンスターなのか?」
ジャナカが訊いてきたので、俺はうなずいた。
「ああ。皆俺の仲間だ」
「一体何体召喚できるんだ。里にも数体来ているし、いくらなんでも、多すぎる」
「ああ、まあ、これだけ召喚できるんだよ。といっても、召喚数は無限じゃない。だから、慎重にいかないとな」
「なるほど。レベルが上がるのが早いわけだ。これだけ凄まじい戦力なら、この山でも生き残れる」
「けど、これでもまだ二体のドラゴンにはかなわないだろ?」
「コースノールとクリスタラオルか。どうだろう。私は会ったことがないからな。だが、ドラゴンはこの山の頂点だ。彼らに戦いを挑むには、勇者でなければならない」
「そう、だね」
ウサット族でさえも、そうそうドラゴンとは会わないのか。
やっぱり、容易に近づいてはいけないんだな。
雪山を移動すると、すぐにバリピスノと遭遇する。
昨日は右側へ行ったから、今日は左方向だ。
「ギイイイア!」
最後まで抵抗するバリピスノを、油断なく皆で倒す。
レベルはまだ、上がらないか。90レベルまでの道のりは遠い。
「もう少し上に行ってみよう。ドラウグドルがいるかもしれない」
ジャナカはそう言うが、少し心配だ。
「そんなにのぼって、ドラゴンとは会わないか?」
「吹雪地帯はかなり広い。この高さ程度ではドラゴンとは会わない。安心しろ」
「キューキュー!」
イルフィンも問題なしと言っているか。なら、進むか。
「わかった。それじゃあもう少し上に行こう」
ジャナカの言う通りに進むと、ある時ジャナカが言った。
「あそこにドラウグドルがいる」
ジャナカが指をさしたところを見るが、俺にはわからない。
「キュー?」
どうやらイルフィンもわからないようだ。
「ドラウグドルは普段、雪の中に隠れていて見えにくい。探知魔法も無効化してしまう。見つけるには、ドラウグドルが潜る時に掘り返した雪が積もった後を見抜く必要がある」
「キュー」
イルフィンはその先をじっと見つけたが、やがて言った。
「キュー、キューキュー」
「マスター。イルフィンは確かに岩のようなものを確認したと言っていますが、しかし生体反応は無いそうです」
「そうか。だがもし本当にドラウグドルがいるとするなら、これはチャンスだ。皆、離れてドラウグドルがいると思われる場所を、魔法で集中攻撃だ。やれるか?」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
「よし、それじゃあ」
「む。用心しろ。どうやらドラウグドルが出てくるぞ」
「えっ」
咄嗟に目を凝らすと、確かに積もった雪の一部が不自然に動き出して、何かがとびでてくるような気がした。
「み、皆。まず敵を囲めー!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
も、もしかして、皆が叫ぶから、また気づかれた?
なんでもいい。とにかく戦闘だ!
「グドロオオーン!」
吠えながら現れたドラウグドルは、大きなワニだった。
黒い体、大岩のような胴体。太くて短い四肢、全身の三分の一はある大きさの口。
モグネーとほぼ同じくらいの高さだが、頭から尻尾までの長さはその三倍。素早い動きを見て察するに、接近戦も得意とするのだろう。
「皆、かかれー!」
仲間達は全方位から一斉に、魔法を浴びせた。俺を乗せているウッドルフも、ジャナカを乗せているネツウルフも、魔法攻撃をとばす。
「グドロオオーン!」
しかしドラウグドルは俺達の攻撃をものともせず、アースジャイアントに突っ込んだ。
アースジャイアントはドラウグドルに一口で食べられてしまう。が、かろうじて口の中でこらえているようだ。グラウグドルの口は、半開きのまま閉じない。
「ドラウグドルは強力な防御魔法で身を守っている。生半可な攻撃ではダメージは通らないぞ」
ジャナカの言うことは、嘘じゃないようだ。ドラウグドルはダメージを負っている様子がない。まあ、黒い体と吹雪のせいで、見えづらいだけかもしれないけど。
「皆、もっと強力な攻撃を叩きこむんだ。アースジャイアントを助けろ!」
俺がそう言うと、ドラゴン達が近づき、相手の全身をひっかき、くらいついた。ジャイアント達も殴りかかりにいく。イルフィンはドラウグドルの口に近付いて、口内に向けて水をとばした。
「グドロオオーン!」
するとドラウグドルは、アースジャイアントを吐き出しながら暴れ、ドラゴン達を一旦下がらせた。ドラゴン達は無事だが、肝心のアースジャイアントはボロボロで、片腕もちぎれてしまっていた。
「グドロオオーン!」
次の瞬間、ドラウグドルが氷塊混じりの竜巻を生み出して、周囲のもの全てを吹き飛ばそうとする。これを即座に察知したイルフィン、ウルフ達は、一生懸命足元を掘り返して、自分の体を雪の中に埋めた。俺とジャナカの体も、一緒に埋めてもらう。
一拍遅れて、無数の氷塊が暴れ回る暴風域にこの身が入った。
「くっ」
なんて強力な攻撃だ。これはひょっとしたら、こちらの誰かがやられることもありえるぞ。
一分近く竜巻が続いて、やっと顔を出せるようになる。そこですかさず、俺は言った。
「ヒロードラゴン召喚!」
俺はドラウグドルより一回り大きいサイズを意識して、ヒロードラゴンを召喚する。
そのサイズでの召喚は成功し、目の前にヒロードラゴンが現れる。
「ヒロードラゴン、あいつを全力で倒せ。他の皆も、捨て身で攻撃。相手に攻撃の隙を与えるな!」
「ガオオオーン!」
周囲の皆の様子はわからないが、目の前のヒロードラゴンは一直線に前進する。
ドラウグドルは魔法でひし形の氷塊をいくつもとばしてきたが、ヒロードラゴンは気にしなかった。2、3個前足や口で弾いただけで、後は全部体で受け止める。氷塊の一部が刺さり、少なくない血しぶきが舞う。
だがそれでもヒロードラゴンの勢いは失われず、とうとうドラウグドルに接近した。更に俺達を乗せていないウルフ達も接近に成功し、爪や牙で攻撃する。
ドラウグドルは暴れるが、こちらも果敢に攻める。接戦を繰り広げている内に、他のジャイアント達、ドラゴン達、カナタも加わって、戦況はこちらの一方的なリンチとなった。
いや、それでもドラウグドルは劣勢に陥っていない。
「グドロオオーン!」
ここでドラウグドルが大口を開けると、その中に白い光を生み出し始めた。白い光は不気味に膨張し、眩しい程の光の玉となる。
「いかん。ドラウグドルの必殺技だ。あれをくらえば、文字通り誰もが消し飛ぶぞ」
ジャナカの言葉を聞いて、焦る。
「皆、気をつけろ。とどめを刺しきれないなら、逃げてもいい。避けろー!」
俺が叫ぶと、皆は一度に動き始める。
「ゴロオーン!」
「ワオーン!」
サガンドラゴン、アースジャイアント、ジウルフの魔法で、ドラウグドルの足元が盛り上がり、高い位置に押し上げた。
次にゴールドラゴン、メタルギアジャイアント、ギンウルフ、カナタの魔法で、鉄の柱が生み出され、更にドラウグドルが高い位置に押し上げられた。
次はスプラッシュドラゴン、スイボツジャイアント、ナミウルフが氷柱を生み出して、更にドラウグドルを押し上げる。
更にジュレイドラゴン、フォレストジャイアントが太く大きい木を生み出して、またまたドラウグドルを押し上げる。
最後にヒロードラゴン、フレイムピラージャイアントが炎による爆発を生み出して、ドラウグドルの口をかち上げた!
すると、次の瞬間轟く爆音。
俺が見ている前で、ドラウグドルの口から膨大な量の白い光があふれ出して、頭上に向けて強力な爆発を起こした。その余波がここまで押し寄せる。
一度見ただけでわかる。とても強力な一撃だ。
でも、皆が力を合わせて、敵の攻撃をしのいだぞ!
ドラウグドルは木の幹に逆さでしがみつくと、そのまま皆に狙いを定めて氷の魔法を放とうとした。
しかしそれより先にドラゴン達がドラウグドルより上をとり、集中攻撃を浴びせる!
するとドラウグドルは氷の魔法をドラゴン達へととばしたが、そうすると今度は地上のジャイアント達への対処ができなくなる。
ジャイアント達は集まって、地上から怒涛の魔法攻撃を開始。更にドラゴン達も敵の魔法をなんとか避けて、ドラゴンに近づく。
と、ここで大きなヒロードラゴンが木をへし折って、ドラウグドルごとジャイアント達の真上へと落とした。
ジャイアント達は拳を握りしめ、ドラウグドルの落下に合わせてアッパーを放つ。すると、五人のアッパーがドラウグドルに刺さり、更に上空からもドラゴン達が飛来し、木の幹を上手にかわしながらドラゴンの体に傷を与える。
「グドロオオーン!」
ここで初めて、ドラウグドルが痛そうな声をあげた。
それからもう少しして、ドラウグドルは力尽きた。
「レベルが上がりました」
や、やったあああ。良かったあああ。
この声を聞くと落ち着く。
ありがとう、とっ君。これで今の俺のレベルは、88か。
よし、レベルが上がった。できればもう1レベル一気に上がってほしかったが、それは欲の出しすぎか。ひとまず今は、皆が勝ったことを喜ぼう。
「皆、よくやった。よくぞ全員無事で勝ってくれた!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
おっと、また叫ばれるのも考えものだな。
「イルフィン、周囲を警戒!」
「キュー!」
「皆、ケガはないか。特にアースジャイアント。やられた傷はどうだ?」
アースジャイアントは両手を上げて応えた。凄い、もう完治している。他の皆も、目立った外傷はなさそうだ。俺の仲間達は皆タフすぎる。
「敵が見つからないようなら、このまま移動だ。次のドラウグドルを探そう。あいつが今、一番経験値を多く持っているぞ!」
「ガオオオーン!」
「ワオーン!」
「む。倒したドラウグドルは放置か」
ここで呟かれたジャナカの言葉が気になる。
「ん、もったいない?」
「いや、いや。まあ、そうだ。あまりにもあっさりしすぎている。本当にお前達は、ただレベル上げのためだけに来ているんだな」
「うん。早く戻らないといけないからね」
「そうか」
それっきり、ジャナカとの会話も終わる。
できればジャナカともっと仲良くなりたいが、今はレベル上げが先決。移動を優先する。
こうして、俺のレベルが上がる目途がたち、新たな獲物、ドラウグドルを求めて移動し始める。
上手くいけば、今日か明日の内には90レベルになれるかもしれない。
結局その日は、更に2体のドラウグドル、その他たくさんのバリピスノを倒して経験値稼ぎを終えた。
今の俺のレベルは89。90レベルまであと1レベル。そこまで上げられれば、バウコン帝国に勝てるかも。
けど油断は禁物だ。今日で雪山に来て三日。まだ一週間も経っていない。場合によっては、更に高いレベルを目指すのもありだろう。
とにかく、今日はもう既に、周囲がはっきりと暗くなってしまった。正に一寸先は闇状態だ。今日はもう、休むのみ。また明日頑張ろう。
夜も戦闘組と野営組に分かれようかという話も出たが、そうすると必然的に戦力は分かれるし、今はジャナカという協力者もいる。ここは俺とジャナカの安全を優先させて、戦力を集中。皆で夜を過ごそう。
皆にカマクラを二つ作ってもらい、一つに俺、もう一つにジャナカが入る。これはジャナカに配慮した結果だ。流石に知らない男と一緒に眠りたいとは思わないだろう。
ジャナカのカマクラには、ネツウルフ、フォレストジャイアント、スプラッシュドラゴンも入る。これでジャナカも火、食料、飲み水には困らない。俺のカマクラにはウッドルフ、ナミウルフ、フレイムピラージャイアント、カナタが入る。他の皆は外で警戒。ありがたいことだ。
俺はジャナカ達と一度分かれて、夜を過ごすことにした。後は軽い食事と睡眠のみ。明日のためにも、しっかりと体力を回復しよう。
私はジャナカ。里一番の女剣士。私を超える里の剣士は二人しかいない。故に私は、里を守る要。そう自負している。
ある日狩りから戻ってきた直後、妹のルンナに衝撃の事実を告げられた。
「お帰りお姉ちゃん。今日ね、敵の屋敷に人が来てたの!」
最初はまさかと思ったが、すぐに里の様子がいつもと違うことに気づく。早速里長の家まで呼ばれた。そこで私は、他の里の実力者達と共に、里長の決定を聞いた。
「例の屋敷に現れた者達については、警戒のみとする。変わらず屋敷は破壊できぬうえに、現れた男は奇妙な召喚術を使うという。我らへの備えをもっているかもしれん。里の防備だけ高めよ」
その意見にいくらか反対の声もあがったが、結局里長は全ての者を黙らせた。私は、最初から里長の決定に従うのみ。
その後、敵の召喚モンスターとやらが里に来ていると聞いたので身に行ったり、家に帰ってルンナから詳しい話を聞いたりしていると、どうも今回現れた敵は大して脅威ではないように感じられた。
召喚モンスターは皆危険な姿をしておらず、黙って看守に言われるがままに、果物と鉄を何もないところから生み出し続けていて、見るからに危険なイメージはなかった。鉄はこの山では採れない貴重な品だったし、そこで渡された果物は美味しかった。こいつらが本当に害のないやつらなのだとしたら、正に里に有益な資源といえた。
更にルンナの話によると、召喚モンスターは一人二体くらいまでなら、子供の力でも倒せそうだったらしい。
今回、敵の召喚モンスターと戦ったのは、ルンナとズンタの二人のみ。二人のレベルは68。まだ一人前の戦士という程のレベルではない。この里内では最弱といっていいだろう。
そんな二人に勝ったとはいえ、質より量頼みの戦いで勝ち得たというのなら、その力量は決して高くはないだろう。召喚モンスターも3体こちらの捕虜となっているし、今相手の戦力は減少している。おそらく相手はこちらに対して打つ手を無くしているはずだ。
だから、心配はしなかった。むしろ欲望に負けて、里一番の女剣士という地位を使って、たくさん果物をもらって食べた。
それでも一応は里の守りを固めないといけないだろうが、既に私は狩りを続けよと言われているので、守りのことは他の者に任せ、私は再び吹雪地帯へ行く。
果物や鉄も貴重だが、私レベルでしか倒せないドラウグドルの素材もまた貴重だ。今日は運悪く狩れなかったが、明日こそは手に入れてくるとしよう。
翌日。狩りから帰ると、悪い報告があった。
なんと今日の朝早くに、七人の男達が屋敷の敵を倒しに行ったそうだ。結果は完敗。
全員ケガはないそうだが、誰もが戦いになっても活躍できず、手も足も出なかったそうだ。こちらの詳しい戦力は、ズンタ含め子供が三人、大人が四人。
この話を聞いて、私は気分が重くなった。
子供はともかく、大人のレベルは76前後。その彼らが全く相手にならなかったというのなら、それはもう十分脅威といえる。
一応その7人をこの里へと送るために、一体のドラゴンが移動手段として使われ、それも今は新たに作ったカマクラの中で大人しくしているそうだが。やられた男の話を聞くと、敵はまだたくさんの強力なモンスターを引き連れていたらしい。
私はこれらの情報を合わせた結果、現れた敵はかなり危険であるという結論に至った。
大人を4人程相手にして勝っただけとはいえ、そのような力を持つ者がこの里を攻めてきたら、出る被害は少なくないだろう。その中に私の家族が入ったりでもしたら、後で悔やむことは間違いない。
里長に話をしに行ったら、里長は昨日と変わらず、様子見の一点張り。
これではらちがあかない。なので、私は敵と戦うことを決意した。
私のレベルは89レベル。並みの相手に負ける気はない。万が一勝てなかったとしても、なんとか相手の隙をつき、その首とってみせよう。
そして私はサバクに負けた。
あんなのズルい。反則だ。ドラウグドル程ではないが、それよりちょっと弱い程度のモンスターがたくさんいた。あれでは皆がやられたというのもうなずける。
唯一倒せそうだったのは、ウルフ系モンスターと、その召喚主のサバクのみ。特に召喚主さえ倒せれば、その他の召喚モンスターも一緒に消える可能性があったので、私はそれに賭けた。
だが、失敗し、拘束された。
里一の女剣士としてあるまじき失敗だ。だが私は家族のため、里のため、ここで自身の敗北を受け入れることはしなかった。
かくなる上は、上手く取り入り、隙をつく。
我が愛刀、グイルチャッツィエも奪われる。だがそれと引き換えに、なんとか信用を得た。
私はそのまま、サバクの協力者のふりをする。
一瞬、ドラウグドルと戦いになった時、ここで私がサバクをおそえばどうだろう。とも考えた。
だが、それは無謀な賭けだった。グイルチャッツィエは今サバクが持っているし、例えここでサバクを倒せても、次はドラウグドルとの連戦になる。
今は再び牙をむく時ではないと、私は事態を静観した。
そして、満を持して最大のチャンスがやってきた。
夜。サバクは二つのカマクラを作り、一つに自分、もう一つに私を入れた。
私のカマクラの中にも見張りが何体かいたが、その数は少ない。そして私には、ここでサバクを狙える奥の手をもっていた。
それは、グイルチャッツィエには盗難防止用に、今ある場所が私にだけわかるという探知魔法がかけられているということ。
これで、私にはグイルチャッツィエを持っているサバクの位置が丸わかりなのだ。
後はただ、奇襲実行の時を待つのみ。
時刻はおそらく深夜。同じカマクラ内にいるポカポカ温かいウルフと青いドラゴンは眠っているが、木人形だけはじっと私を見て立ったままでいる。どうもこいつは眠る気配が無さそうだ。なら、そろそろしかけるか。
私は自分の体で右手を隠し、そこに氷の剣を魔法で生み出した。
武器の性能としては低い出来栄えだが、何もないよりはいい。それに、私の剣の腕と奇襲という要素が合わされば、これでも十分に寝首をかけるはずだ。
さあ、失敗は許されない。一度で決めてやる。
「雪隠れ!」
私は一瞬で雪の中へ戻った。
後はグイルチャッツィエの反応がある、サバクの元まで即移動。今頃寝ているであろうサバクを殺し、その後モンスターが残っていれば、私は再度の雪隠れで逃げきる。
そういう算段を、実行した。
しかし私の移動は、冷たく暗い雪の中で何かに阻まれた。
そして私の体がつかまれ、更に何かで拘束されると、強制的に地上に出された。
「っ、なんだ!」
夜のため視界はよく見えないが、状況から察するに、こいつはサバクの召喚モンスター?
それからしばらくすると、人の声が聞こえてきた。
「くっくっく。本性を現しましたね、メギツネさん」
「そ、その声は、カナタ、か?」
「イグザクトリー。ジャナカ、あなたは動くと信じていましたよ。そしてマスターを狙う手段も、私達に一度見せた、雪隠れであるとも。そこでアースジャイアントとスイボツジャイアントに雪の中を見張ってもらい、サバク様への雪隠れ奇襲を未然に防いでもらったというわけです。これで、あなたの完全敗北です。ジャナカ」
「くっ。殺すなら殺せ!」
「そういうわけにはいきません。私達の親愛なるマスターは、ウサット族を害するのに否定的ですから。あなたはこのまま大人しくマスターのお目覚めを待つのです。その時に今後の処遇を判断していただきます。というわけで、おやすみ。ジャナカ。朝が来るまでの間、よく眠っていてください」
終わった。これで私は、万策尽きた。
すまない、ルンナ。もう、里に帰れそうにない。だが、どうか強く育ってほしい。私のことは忘れて、幸せになってほしい。
私はスイボツジャイアントの水の縄と、アースジャイアントの土の縄で全身を拘束されて、再び元のカマクラ内に転がされる。
これが絶望というものか。
今まで何度か味わってきたが、今回はその比ではない。そして乗り越えられる試練でもない。
里長の判断は、正しかったか。
だが、自分の判断も間違いだったとは思えない。ただ一つ悔やむのは、このままもう家族とは再会できないだろうということ。
ええい。メソメソ気分になっていても仕方ない。大人しく、最後の時を待とう。
私はこれまでの人生を振り返りながら、今回の敗北と自分の死の運命を受け入れようとした。
それくらいしか、することがなかった。
0
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彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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