少年兵士の逆異世界転生物語

そして誰も居なくなった

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決戦前夜

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陽も落ち野営準備が進む中、少年兵士は焚き木を拾いながらも時々一方向を睨みつけている

「そんなに睨んでも魔王城は壊せないぞ?」


ドキリと後ろを振り返ると勇者が焚き木を持ちながら話しかけてきた


「魔王は俺が必ず倒してみせるさ!だから休める時には早目に休まないとね」


「勇者様!?雑用は私達がしますので勇者様こそゆっくりと休まれて下さい!」


勇者はこそばゆい様な何とも言えない顔になり、まあまあと宥めながら一緒に焚き木を拾い集め始めた


「こんな時に勇者も何もないよ。それに俺1人ではここまで来れなかった。王国軍が・・君達がいたからここまで来ることが出来たんだ!後、誰も俺の事名前で呼んでくれないんだよね。・・・ね!もし良かったら今度から俺の事名前で呼んでくれないかな?」


「いえいえ!?勇者様を名前で呼ぶなど、そんな畏れ多いです!」

慌てて首を横に振りながら否定する

ダメかーー!と肩を落としながら地面に不思議な文字を書いている勇者を見つめると

「名前が駄目ならあだ名なんてどうだろう?こうなったら勇者を文字ってユウタンでもいいよ?」

「ちょっと何言ってるのか分からないです」

自身を指差してお願いした事が不発となりまた落ち込み始めた

クスリと笑い出し勇者の心遣いに感謝する

多分この人は明日の緊張を和らげる為にこうしてしがない一般兵にも気をかけてくれているのだと

暫く話しながら2人で薪拾いを続けていると声が聞こえてきた


「クローーー!」


聞き覚えのある声は姿が見えなくても誰であるか容易に理解できた。

呼ばれた方へ振り向くとテントの準備をしていたはずの少年が此方へ向かってくる

「クロ、焚き木は拾い終わったのか?ちょっと遅かったから心配したぞ!って勇者様ーーー!?」

「そんなに時間経って無いと思う、後、ヴァン!ちょっと五月蝿いよ」

「って、そりゃ敵地のど真ん中で居なくなったら心配するだろうが!」

「あー、それはゴメン」

「2人は仲が良いんだね!親友なのかい?」

2人のやり取りを見ていた勇者が優しく微笑んで聞いてきた

「あっ、お騒がせして申し訳ありません。このヴァンとは家が隣の腐れ縁なのです。一緒に志願して勇者様の部隊の後方支援に配属されました。」


「そっか・・うん、2人とも明日は宜しくね!」


「「はいっ!」」


「じゃあそろそろ野営地に戻ろうか?」


3人は焚き木を拾い集め野営地へと戻っていった

前を歩くクロとヴァンを見つめる勇者は何処か懐かしく悲しい表情をしていた
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