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【 さらば!アオハル 1989 】
【不安~怠惰~無情】③
しおりを挟む弘人が誰かに話さないだろうか?
心配していた。
18時の夕飯を皆で食べ、勉強時間に入った。
弘人は明るく陽気なタイプで
それは変わらなかった。
しかし二人になると
ヤリたかったようで襲いかかってきた。
二人ベッドでジャレていて
先生が見廻りに来て見つかっても
弘「俺らホモってまーす!」と元気に応え、先生も冗談だと思い、帰ってしまう。
トイレの個室に二人で入り
ザーメンだらけの個室で抜かれた事もあった。
気が付けば、慣れてきていた。
ある日、部屋のベッドで
弘人のジャージが盛り上がって
勃起しているのに気付く。
弘人はジャージ越しに勃起したナニを見せ
弘「見せたら、しゃぶってくれる?」
宗「嫌だよ!」と断った。
今、思えば
駄目な、可哀想な対応だったと思う。
楽しい時は長くは続かなかった。
ある勉強時間に俺は仲の良い友だちと団欒(ダンラン)しているとどこからか小石が飛んできた。
弘人が砂利を俺に投げてきていた。
俺はそれに気付き、弘人に対し
怒った。
友だちの手前もあったし。
弘人はフテ腐れて、砂利を投げるのを止めた。口を聞くのも。
この日から
回りに「*オワッタ」と言われるようになり、同じ部屋なのに口さえ利かなくなった。*友人関係が終わった
俺は本気で怒ったんじゃない。と伝えたかったが、無情にも時が過ぎていった。
1日、また1日と。
二年の後半に俺は怪我をして
自宅静養になってしまい
そのまま三年生になり
部屋も変わってしまった。
つづく~
三年になり、新しいルームメイトと新しいクラス。
しかし、弘人はいない。
近くには存在してるのだが居なかった。
今、思えば、可愛い焼きもちだったのだろう。
気付いていたのに…。
なんとも思っていなかった弘人。
今では常に弘人を目で追う立場になってしまった。
そう言えば、弘人はれっきとしたノンケ。
ノンケに喰われた隠れゲイ。
いつも毎日いつも毎日、
弘人に話しかけるチャンスを伺っていた。
弘人との短い思い出を考えながら。
結果、卒業を迎えた。
高校、寮からの卒業。
それはそれで喜ばしい事ではあった。
つづく~
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