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第二章 〜情動〜
10 新学期と冬休み
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──二学期始業式の日
さて、今日から新学期だ。気を引き締めていこう。
たけるさん、学校で元気に過ごしてくれたらいいな。
きよみはそう思いながら二学期最初の登校をしていた。
学校に向かう前にたけるの住んでいるマンションへと向かった。
「おはようございます!」
「あ、おはよ……あ、学校か。ちょっと待ってて」
「はーい!」
たけるはそう言い奥へと入っていった。
「あ、中入って待ってて良いよ」
「分かりました……お邪魔しまーす」
たけるはひょっこりと出てきてそういうとまた奥へ入っていった。
きよみは、たけるの指さした先へと向かった。
しばらく待っていると、たけるが戻って来た。
「お待たせ。じゃあ行こうか」
「はい!」
そして私達は学校へと向かい始めた。
「あのさ、きよみ……」
「はい?」
「そろそろな、名前にさん付けで呼ぶのやめて行かないか?」
「そうですね」
「そうそう、敬語もやめて行こう 」
「は……うん」
「まだぎこちないな……」
「ごめんなさ……ごめん」
「………やっぱ無理してまでやめなくてもいいよ」
「ごめんなさい……」
「いや、無理を言った俺の方こそごめん」
という他愛のない会話をしながら。
そこから二人は一学期の頃と同じような……いや、互いの絆が深まった上の関係でまた過ごし始めた……
──それから三ヶ月後、十二月の末頃……
きよみ達はもうすぐ二学期が終わる頃になりつつある。
そんな中彼女は二学期の中での出来事を思い出しながら、二学期最後の登校をするため、たけるの家へと向かっていた。
二学期の間、たけるときよみは楽しい日々を送っていた。
ある日は放課後にゲーセンに行って遊んだり、またある日は放課後にケーキ屋に行ってケーキを食べたりしていた。
そんな中、彼女はある計画を立てていた。
それは……
〈クリスマスにサプライズで二度目のサイターマランドに行く計画〉だ。
たけるは、サイターマランドに未だ告白した時の一回以外に行ったことがないらしい。ならば!
デートでどこかに行くのかを黙って、サイターマランドに行けばいい話だ!
そうと決まれば……どう言って、たけるを誘うのかを考えなければ……
そんな楽しい考えをしていたら、たけるの家に着いてしまった。
「おはよう!」
「あぁ、おはよう。もう行くのか、上がってから待っててね」
「うん、分かった!」
そして、私はいつも通りにたけるを待っていた。
しばらくするとたけるが戻ってきた。
「お待たせ。さあ行こうか」
「うん」
そして私達は二学期最後の登校を始めた。
「あのね、たける」
「なに? きよみ、まさか別れ話? ……嘘だよ、真に受けんなよな……」
「もう! たける酷い!」
「ごめんって、所でなんだよ」
冗談でも別れ話なんてシャレにならない事を言われちゃ睨むしかないでしょ……?
最近冗談ばかり言ってくるたけるが嫌いになりそう。
「はぁ……あのね、たける。いつもクリスマスってどんな感じで過ごしてるの?」
「あぁ、いつもは叔父さんとかが来て一緒に過ごすけど、今年は忙しいらしくて来れないらしい」
「そうなんだ、じゃあ今年はボチクリ?」
「そうなんだよー? 誰か来てくれないかなぁ……なんてね」
チラチラとこっちを見ながら言われてもねぇ……あ、そうだ。
「そんな目で見ても行かないよー」
「なんでぇ。ひでぇ……」
「うっそー」
「なんだよー。信じちゃったじゃねーか」
「さっきの仕返し」
「だからごめんってば」
「じゃあわたしの嘘でチャラってことで」
「分かった」
これでスカッとした。
よし。じゃあ誘おうかな……
「たける、あのね……」
「きよみおはよー!」
「あ、ゆな。おはよぉ」
「今日も仲良しだねー」
「うん……ごめん、この話は後で」
「うん……? 分かった」
きよみは本題に入ろうかと思っていたが、ゆなの言葉でかき消されてしまった……
しょうがないので、放課後に続きを話すことにした。
二人は一学期のように終業式や掃除をした後に二学期の振り返りをした。
そしてその後、放課後となった。
「これで二学期終わりかぁ……なんか寂しいよな」
「そうだね……なんかあっという間に冬休みだね……」
「だな……」
そして、私達は家に帰り始めた。
「あのね、たける」
「ん、なになに、別ればな……」
パシ!
「もう……もういい加減にしてよ!」
「……ごめん」
感極まったきよみはついたけるを平手打ちしてしまった。
でも、しょうがないよね、シャレにならない話なんだから。
でも今日はなんで別れ話なんて言い出すんだろう……? 私が嫌いになったのかな?
……まさか、そんな訳ないよね。
ただ、からかってるだけ……だよね……?
そう、信じよう。
「冗談でもそんなこと言わないでよ、傷付くじゃん」
「本当にごめん……」
「あのね、クリスマスだけどさ。どっか行かない?」
「どっかってどこよ」
「今はまだ決めてない」
「んー……じゃあ行くとしたらどこで落ち合うの?」
「私が迎えに行くよ」
「そうか、分かった。行く」
「オッケー。じゃあ、またクリスマスに」
「あぁ」
ちょうどたけるの家の前で話が終わったため、二人は別れた。
よし、クリスマスが楽しみだな……
──クリスマスは、きよみにとってもたけるにとっても忘れられない一日となる……かも?
さて、今日から新学期だ。気を引き締めていこう。
たけるさん、学校で元気に過ごしてくれたらいいな。
きよみはそう思いながら二学期最初の登校をしていた。
学校に向かう前にたけるの住んでいるマンションへと向かった。
「おはようございます!」
「あ、おはよ……あ、学校か。ちょっと待ってて」
「はーい!」
たけるはそう言い奥へと入っていった。
「あ、中入って待ってて良いよ」
「分かりました……お邪魔しまーす」
たけるはひょっこりと出てきてそういうとまた奥へ入っていった。
きよみは、たけるの指さした先へと向かった。
しばらく待っていると、たけるが戻って来た。
「お待たせ。じゃあ行こうか」
「はい!」
そして私達は学校へと向かい始めた。
「あのさ、きよみ……」
「はい?」
「そろそろな、名前にさん付けで呼ぶのやめて行かないか?」
「そうですね」
「そうそう、敬語もやめて行こう 」
「は……うん」
「まだぎこちないな……」
「ごめんなさ……ごめん」
「………やっぱ無理してまでやめなくてもいいよ」
「ごめんなさい……」
「いや、無理を言った俺の方こそごめん」
という他愛のない会話をしながら。
そこから二人は一学期の頃と同じような……いや、互いの絆が深まった上の関係でまた過ごし始めた……
──それから三ヶ月後、十二月の末頃……
きよみ達はもうすぐ二学期が終わる頃になりつつある。
そんな中彼女は二学期の中での出来事を思い出しながら、二学期最後の登校をするため、たけるの家へと向かっていた。
二学期の間、たけるときよみは楽しい日々を送っていた。
ある日は放課後にゲーセンに行って遊んだり、またある日は放課後にケーキ屋に行ってケーキを食べたりしていた。
そんな中、彼女はある計画を立てていた。
それは……
〈クリスマスにサプライズで二度目のサイターマランドに行く計画〉だ。
たけるは、サイターマランドに未だ告白した時の一回以外に行ったことがないらしい。ならば!
デートでどこかに行くのかを黙って、サイターマランドに行けばいい話だ!
そうと決まれば……どう言って、たけるを誘うのかを考えなければ……
そんな楽しい考えをしていたら、たけるの家に着いてしまった。
「おはよう!」
「あぁ、おはよう。もう行くのか、上がってから待っててね」
「うん、分かった!」
そして、私はいつも通りにたけるを待っていた。
しばらくするとたけるが戻ってきた。
「お待たせ。さあ行こうか」
「うん」
そして私達は二学期最後の登校を始めた。
「あのね、たける」
「なに? きよみ、まさか別れ話? ……嘘だよ、真に受けんなよな……」
「もう! たける酷い!」
「ごめんって、所でなんだよ」
冗談でも別れ話なんてシャレにならない事を言われちゃ睨むしかないでしょ……?
最近冗談ばかり言ってくるたけるが嫌いになりそう。
「はぁ……あのね、たける。いつもクリスマスってどんな感じで過ごしてるの?」
「あぁ、いつもは叔父さんとかが来て一緒に過ごすけど、今年は忙しいらしくて来れないらしい」
「そうなんだ、じゃあ今年はボチクリ?」
「そうなんだよー? 誰か来てくれないかなぁ……なんてね」
チラチラとこっちを見ながら言われてもねぇ……あ、そうだ。
「そんな目で見ても行かないよー」
「なんでぇ。ひでぇ……」
「うっそー」
「なんだよー。信じちゃったじゃねーか」
「さっきの仕返し」
「だからごめんってば」
「じゃあわたしの嘘でチャラってことで」
「分かった」
これでスカッとした。
よし。じゃあ誘おうかな……
「たける、あのね……」
「きよみおはよー!」
「あ、ゆな。おはよぉ」
「今日も仲良しだねー」
「うん……ごめん、この話は後で」
「うん……? 分かった」
きよみは本題に入ろうかと思っていたが、ゆなの言葉でかき消されてしまった……
しょうがないので、放課後に続きを話すことにした。
二人は一学期のように終業式や掃除をした後に二学期の振り返りをした。
そしてその後、放課後となった。
「これで二学期終わりかぁ……なんか寂しいよな」
「そうだね……なんかあっという間に冬休みだね……」
「だな……」
そして、私達は家に帰り始めた。
「あのね、たける」
「ん、なになに、別ればな……」
パシ!
「もう……もういい加減にしてよ!」
「……ごめん」
感極まったきよみはついたけるを平手打ちしてしまった。
でも、しょうがないよね、シャレにならない話なんだから。
でも今日はなんで別れ話なんて言い出すんだろう……? 私が嫌いになったのかな?
……まさか、そんな訳ないよね。
ただ、からかってるだけ……だよね……?
そう、信じよう。
「冗談でもそんなこと言わないでよ、傷付くじゃん」
「本当にごめん……」
「あのね、クリスマスだけどさ。どっか行かない?」
「どっかってどこよ」
「今はまだ決めてない」
「んー……じゃあ行くとしたらどこで落ち合うの?」
「私が迎えに行くよ」
「そうか、分かった。行く」
「オッケー。じゃあ、またクリスマスに」
「あぁ」
ちょうどたけるの家の前で話が終わったため、二人は別れた。
よし、クリスマスが楽しみだな……
──クリスマスは、きよみにとってもたけるにとっても忘れられない一日となる……かも?
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