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第三章 〜発展〜
12 学年末と進路
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今日から三学期を迎えるきよみとたける。
昨日たけるが倒れた事が今も心配なきよみ。きよみは二学期の頃のようにたけるを迎えに向かっていた。
いつもたけるの事を迎えに行っているきよみだったが、たまには迎えに来て欲しいなと言う我儘な気持ちを抱いていた。
(今日、たけるに頼んでみようかな)
そんな事を考えていたきよみは、あっという間にたけるの家に着いてしまった。
「おはよー」
「あぁ、おはよ……ってあれ? 今日って……あ、学校か」
「そうだよー。行こ?」
「そうだね……じゃあ上がっていつもの部屋で待ってて」
「うん、わかった」
いつもの様にきよみはたけるを奥の部屋で待った。たけるはいつもの様に急いで着替えて来た。
「じゃ、行こっか」
「うん」
最近きよみは、いつもの様に一緒に行ける事は、本当にかけがえのない大事な思い出なんだと思い始めてきていた。二人は学校へと向かった。
「いつも来てくれてありがとな」
「ううん。良いの」
「これからは俺が迎えに行っても良いか?」
「あ……うん、良いよ。ありがとう」
(く……先に言われてしまった)
きよみが言おうと思っていたことをたけるに先駆けされてしまった。まぁ、いっか。ときよみは思った。
「……嫌だったか?」
「ううん、大丈夫。気にしないで」
「そう……か?」
「そうだよ」
気持ちが顔に出ていたのかどうなのか分からないが、たけるは勘違いをしてしまった。それに気が付いたきよみはすぐにたけるの勘違いを解いた。
そんな話をしているうちに学校に着いた。
「今日から年度最後が始まるんだな……」
「そうだね……改めて考えてみるとなんか感慨受けちゃう……」
「だよな……」
三学期について何となく感傷にひたってしまっていた二人。
キーン、コーン、カーン、コーン……
そこへ学校の予鈴がなった。
「あ! 予鈴がなっちゃった! 早く行かないと!」
「そうだな!」
予鈴の音とともに二人は急いで教室へと向かった……
━━そこから二ヶ月と半月がたった春前のある日、二人には春休みと進級が目の前になって来ていた。
そんな三学期の間に大変な事が発覚した。それは──たけるがバイトについて嘘をついていたことである。
まぁ私に心配かけたくない気持ちは分かるけど、嘘はついて欲しくはなかったな……。
……え? なんで分かったのかって?
それは三学期入って少しした頃にたけるがまた倒れたって連絡があったからだ。
その時はまたもやビックリしてしまった。
もう大丈夫だと信じていたのに、裏切られてしまったことがとにかく悲しかった。
今度は栄養失調どころの話じゃ済まなくなってしまっていた。
しばらく入院しないといけないような事態になっていた。しかも昏睡状態。
私はもうその時には、さっき言ったような感情はもう無くなってて、心配の気持ちでいっぱいだった。
昏睡状態が治るまで一週間くらい掛かった。たけるが目を覚ました時は安心で涙がボロボロと溢れてしまった。
たけるに何度も謝られたが、そんなことよりも“目を覚ませて良かった”と思っていた。
そこで、私は詳しいことを聞き、そこでたけるが嘘ついていたこと、本当はバイトの時間を多くして働いていたことを聞くことが出来た。
それから、一週間は念の為に入院を続けた後、無事に退院することが出来た。そこで私は、たけるだけに背負わせないで一緒に働くことを伝えた。
それから私は、ミセドの面接をして、私も働ける事になった。
後からバイト先の店長から聞いた話だが、たけるは相当な時間働いており、時給で計算しても、社員レベルの給料を稼いでいたそうだ。
しかし、私も入ることでシフトを調整して、普通のバイトと同じ様な給料になったそうだ。
店長自身、たけるには何回も考え直すように言っていたらしい。「無理はするなよ」と。
しかし、たけるは頑なに考えを直すことは無かった。
そして、二度も倒れてしまった事で、強制解雇にしようかと考えてしまっていたらしい。
私は、“雇用主になんて心配をかけているんだ”とたけるに思ってしまった。
──そんなことがあり、今たけるは普通としてバイトと向き合っていた。
店長ときよみからのダブル監視でたけるに無理はさせなくしたからだ。
これで、たけるはもう倒れることはもうないだろう。きっと。
きよみはそう心底から思いつつ、三学期そして高校一年生として最後の一日を過ごした。
そして二人は高校二年生というひとつのステップを踏む。そろそろ進路を考え始めないかという話が度々聞こえてくるようになった。
担任の先生との二者面接では進路については、アイドルになる事で決まっていた。
きよみはアイドルを諦める気は一切無かった。
チャンスを逃すほどきよみは馬鹿じゃない。その為バイトをしている傍ら、アイドルについての計画を立てていた。
そして彼女は明日からの春休みでアイドルの計画を完全に完成させるつもりだ。
そうしてきよみは夢への道を一歩、また一歩と歩むのであった。
昨日たけるが倒れた事が今も心配なきよみ。きよみは二学期の頃のようにたけるを迎えに向かっていた。
いつもたけるの事を迎えに行っているきよみだったが、たまには迎えに来て欲しいなと言う我儘な気持ちを抱いていた。
(今日、たけるに頼んでみようかな)
そんな事を考えていたきよみは、あっという間にたけるの家に着いてしまった。
「おはよー」
「あぁ、おはよ……ってあれ? 今日って……あ、学校か」
「そうだよー。行こ?」
「そうだね……じゃあ上がっていつもの部屋で待ってて」
「うん、わかった」
いつもの様にきよみはたけるを奥の部屋で待った。たけるはいつもの様に急いで着替えて来た。
「じゃ、行こっか」
「うん」
最近きよみは、いつもの様に一緒に行ける事は、本当にかけがえのない大事な思い出なんだと思い始めてきていた。二人は学校へと向かった。
「いつも来てくれてありがとな」
「ううん。良いの」
「これからは俺が迎えに行っても良いか?」
「あ……うん、良いよ。ありがとう」
(く……先に言われてしまった)
きよみが言おうと思っていたことをたけるに先駆けされてしまった。まぁ、いっか。ときよみは思った。
「……嫌だったか?」
「ううん、大丈夫。気にしないで」
「そう……か?」
「そうだよ」
気持ちが顔に出ていたのかどうなのか分からないが、たけるは勘違いをしてしまった。それに気が付いたきよみはすぐにたけるの勘違いを解いた。
そんな話をしているうちに学校に着いた。
「今日から年度最後が始まるんだな……」
「そうだね……改めて考えてみるとなんか感慨受けちゃう……」
「だよな……」
三学期について何となく感傷にひたってしまっていた二人。
キーン、コーン、カーン、コーン……
そこへ学校の予鈴がなった。
「あ! 予鈴がなっちゃった! 早く行かないと!」
「そうだな!」
予鈴の音とともに二人は急いで教室へと向かった……
━━そこから二ヶ月と半月がたった春前のある日、二人には春休みと進級が目の前になって来ていた。
そんな三学期の間に大変な事が発覚した。それは──たけるがバイトについて嘘をついていたことである。
まぁ私に心配かけたくない気持ちは分かるけど、嘘はついて欲しくはなかったな……。
……え? なんで分かったのかって?
それは三学期入って少しした頃にたけるがまた倒れたって連絡があったからだ。
その時はまたもやビックリしてしまった。
もう大丈夫だと信じていたのに、裏切られてしまったことがとにかく悲しかった。
今度は栄養失調どころの話じゃ済まなくなってしまっていた。
しばらく入院しないといけないような事態になっていた。しかも昏睡状態。
私はもうその時には、さっき言ったような感情はもう無くなってて、心配の気持ちでいっぱいだった。
昏睡状態が治るまで一週間くらい掛かった。たけるが目を覚ました時は安心で涙がボロボロと溢れてしまった。
たけるに何度も謝られたが、そんなことよりも“目を覚ませて良かった”と思っていた。
そこで、私は詳しいことを聞き、そこでたけるが嘘ついていたこと、本当はバイトの時間を多くして働いていたことを聞くことが出来た。
それから、一週間は念の為に入院を続けた後、無事に退院することが出来た。そこで私は、たけるだけに背負わせないで一緒に働くことを伝えた。
それから私は、ミセドの面接をして、私も働ける事になった。
後からバイト先の店長から聞いた話だが、たけるは相当な時間働いており、時給で計算しても、社員レベルの給料を稼いでいたそうだ。
しかし、私も入ることでシフトを調整して、普通のバイトと同じ様な給料になったそうだ。
店長自身、たけるには何回も考え直すように言っていたらしい。「無理はするなよ」と。
しかし、たけるは頑なに考えを直すことは無かった。
そして、二度も倒れてしまった事で、強制解雇にしようかと考えてしまっていたらしい。
私は、“雇用主になんて心配をかけているんだ”とたけるに思ってしまった。
──そんなことがあり、今たけるは普通としてバイトと向き合っていた。
店長ときよみからのダブル監視でたけるに無理はさせなくしたからだ。
これで、たけるはもう倒れることはもうないだろう。きっと。
きよみはそう心底から思いつつ、三学期そして高校一年生として最後の一日を過ごした。
そして二人は高校二年生というひとつのステップを踏む。そろそろ進路を考え始めないかという話が度々聞こえてくるようになった。
担任の先生との二者面接では進路については、アイドルになる事で決まっていた。
きよみはアイドルを諦める気は一切無かった。
チャンスを逃すほどきよみは馬鹿じゃない。その為バイトをしている傍ら、アイドルについての計画を立てていた。
そして彼女は明日からの春休みでアイドルの計画を完全に完成させるつもりだ。
そうしてきよみは夢への道を一歩、また一歩と歩むのであった。
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