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契約
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庭園での一件の後から、ノア様は驚くべきスピードで、私に懐いてくれた。原作でも、誰にも愛されない孤独さで闇堕ちしてしまう人だから、きっとずっと愛に飢えていたのだろう。
「ミカ!ミカエル!こっちに来て!」
「はい。ノア様」
最近では、「ミカ」という渾名で呼んでくれるほどになった。部屋の中に閉じ込められ、ろくな食事も与えられていなかったノア様は、健康な生活を始めた途端に、顔色も良くなり、よく喋るようになった。庭に行きたいとせがまれることも多くなった。
「魔法、おしえて!」
「はい。ノア様。」
ノア様は、魔法が使えるようになりたいらしい。私の使える魔法は、ノア様のクソ親父から与えられた魔力の限りでしかないのだが、それでもノアの使える魔法はどんどん増えていった。本人の努力と才能の賜物だ。元々ゲームでは「真の魔王」とか言う渾名で呼ばれるくらいのお人なのだから、当然だ。さすがノア様。
「……」
「どうしたの、ミカエル?」
「いえ…」
言いながら、私はノア様のすぐ傍の、生い茂る薔薇の花壇の後ろを見た。
「あっ…」
そこに居たのは、子供だった。透けるような金髪、ローズピンクの瞳、子供ながら端正な顔立ち。その容姿に、どこか既視感を覚えた。
「おにいさま」
ノア様が、びっくりしたように、呆然とした声で言った。私はハッとする。そうだ。この人は、ノア様の実の兄上だ。
乙女ゲーム「白薔薇姫」にて確固たる人気を誇る、正統派イケメン、セオドール・アダムス。長い金髪とちょっと垂れたローズピンクの瞳の端正なハニーフェイスが特徴の、原作ではアダムス公爵として出てくるキャラだ。確か、ノア様との年齢差は四歳。では今のセオドールは九歳か。
ノア様が、戸惑うように私の腰にしがみついた。そこで意識は現実に戻る。ノア様を守れ。今私のするべきことをしなければ。
「セオドール・アダムス様と存じ上げますが、この離れに何のご用でしょうか。」
びくっと、セオドールの肩が震えた。そこに少しノア様の面影を感じる。かなり無礼な問いかけをしているのは分かっている。でも、彼がこの場所に隠れていた理由が分からない限り、私は警戒を緩めることは出来ない。
「あ、お、俺は、ノアの様子を見に…」
まさか。原作にそんな描写は無かったはずだ。だからこそノア様は孤独を深めたのだ。ならば真の理由は?
「ごめん。嘘…本当はお人形を見にきたんだ。」
「ミカエルを…?」
「取り敢えず、お茶の用意を致します。お二方、少しお下がりください。」
地面に埋め込んであるボタンに、魔力を込めると、すぐに白く丸いテーブルと、椅子が現れた。テーブルの上には、お茶やお菓子も載っている。
「お話ししましょう。」
私が言うと、二人は恐る恐る椅子に着いた。
「セオドール様、とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「うん。俺もミカエルって呼んで良い?」
「勿論に御座います。」
幸いなことに、セオドールは初対面の相手でも緊張しないタイプのようで、私にも普通に話してくれた。ただ若干、実の弟君であるノア様とは気まずそうにしているが。
そのノア様も、私の左腕にしがみついて離れない。まるで小動物が警戒するような仕草に、ほわん、と微笑ましいものを感じた。
「それで、私を見に来られたと言うのは…」
「そのままの意味だよ。ノアのために、お父様が絡繰人形を買うって言うから、ずっと気になってたんだ。」
正確にはノア様のため、ではなく、自分がノア様と関わらないため、だと思うが。
「それで…どう?ノアは元気?」
目の前に本人が居るのだから、直接聞けばいいのに。そう思ったが、まだこの兄弟には難しいことだろう。
「最近では、庭園を散歩されたり、魔法を練習されたりしております。」
「よかった、元気なんだね」
セオドールが強張った表情で頷く。ノア様はますます私の腕をきつく抱き締める。
「セオドール様」
「なに?」
「ここへ来ることは、お父上様に禁止されていたのでは?」
「…抜け出してきちゃった」
おっとアウト。これは運とタイミングによっては詰む。もしこの場がクソ親父に知られたら、とか考えたくもない。
「セオドール!!!!!」
男の怒声に、二人の子供の肩がガタガタ震え出した。ああ、神様。このタイミングは無いでしょう。
クソ親父こと現公爵は、セオドールの腕を捻りあげると、彼が痛いと言うのも聞かずに、逆の手で私の頬を殴った。
ドゴッ
私は人形だから、痛覚は無い。むしろ殴った方が痛いと思う。材質的に。
「絡繰人形が!何をしている!!セオドールをここに近付けるなと言っただろう!!!!」
「…申し訳ありません。」
私は地に伏して、彼に声だけで謝った。
「お前がこうも使えないとは!!魔力を断ち切ってもいいんだぞ!!!」
「…申し訳ありません。」
私は魔力で動く絡繰人形。主人たるこのクソ親父の魔力の供給が無ければ、ただの動かない人形と化す。
私は背後のノア様を伺う。ああ、完全に怯えてる。そりゃ、いきなり人が殴られたら怖いよな。ごめんな。セオドールも同じ様子だった。さっきまでの飄々とした雰囲気が嘘のように、顔を青くしている。
「"申し訳ありません"以外に何か言えないのか、お前は!!!」
今度は腹を蹴る。痛くは無い。だが派手な音が鳴った。後で調節しよう。
そこで、ふと気付いた。
「(あれ…?)」
先程まで私を押さえつけていた、あの怒気が感じられない。何故。
「っ、ノア様!!」
ノア様が、公爵の足にしがみつき、私を蹴るのを妨害していた。だが五歳児の力など、成人男性からすれば屁のようなもの。すぐに振り払われた。だけど。もう一度、何度も。ノア様はしがみついた。
私は素早く立ち上がり、ノア様を抱き上げると、公爵と距離を取った。体の何処かが軋むような音がしたが、今は気にしないことにする。
「ミカエル!!け、怪我が!!!」
「私は大丈夫です。人形ですから。」
それよりも、だ。私はノア様に手を伸ばした。ノア様は叱られると思ったのか、ぎゅっと目を瞑った。私がそんなこと、するわけ無いのに。私は彼の、擦りむいた膝の傷に触れた。
「申し訳ありません…」
「いい。ミカエルは、僕のために耐えてくれたんでしょう」
ノア様はいつか私がしたように、私の頭を撫でていた。怒り狂う公爵を、セオドールが止めてくれているのが見えた。
「ミカエルは、魔力がないと動けないの?」
「はい。そして現在の私の主人はお父上です。命令に背くことは出来ません。」
「なら、僕があげる」
「は、」
「僕が魔力をあげるから、ミカエルは僕の命令にだけ従って」
魅了の力を含んだ紫の瞳が、私を見ていた。そんな状況では無いと言うのに、私は暫く見惚れていた。
「はい。仰せのままに」
ノア様が触れた私の肩から、彼の魔力が巡る。この圧倒的な魔力量と、濃い闇の気配。これが彼の魔力か。
「主人の変更を了解致しました。今より、私ミカエルの主人はノア・アダムス様です。」
「お、おい!!何を勝手に!!!」
「父様!もうやめてください!!」
「五月蝿い!!」
公爵が振り上げた拳がセオドールに触れる寸前で、私はセオドールに覆い被さった。硬い音。そして背中に彼を庇いながら言う。
「主人、いえ、公爵様。」
私は真っ直ぐに、公爵の目を見据えて話す。たじろぐ公爵の目は似合わないピンク色。こんな所だけ同じなんだな。
「たった今、主人の変更が成立しました。」
「だから何だ!!」
「私が貴方を害する前に、ここを立ち去ることをお勧めしますが。」
私の言葉にさあっと血の気が引いた公爵は、重そうな体を引き摺って、走り去っていった。
「「ミカエル!!」」
どんっと背中に軽い衝撃。ノア様とセオドールは、お互い涙やら怒りやら悲しみやらを含んだ、ぐちゃぐちゃな顔で私を見上げた。
「っふふ。お二人とも、お顔がそっくりですよ。」
二人は顔を見合わせ、少し固まってから、くすくすと笑い合った。
「ミカ!ミカエル!こっちに来て!」
「はい。ノア様」
最近では、「ミカ」という渾名で呼んでくれるほどになった。部屋の中に閉じ込められ、ろくな食事も与えられていなかったノア様は、健康な生活を始めた途端に、顔色も良くなり、よく喋るようになった。庭に行きたいとせがまれることも多くなった。
「魔法、おしえて!」
「はい。ノア様。」
ノア様は、魔法が使えるようになりたいらしい。私の使える魔法は、ノア様のクソ親父から与えられた魔力の限りでしかないのだが、それでもノアの使える魔法はどんどん増えていった。本人の努力と才能の賜物だ。元々ゲームでは「真の魔王」とか言う渾名で呼ばれるくらいのお人なのだから、当然だ。さすがノア様。
「……」
「どうしたの、ミカエル?」
「いえ…」
言いながら、私はノア様のすぐ傍の、生い茂る薔薇の花壇の後ろを見た。
「あっ…」
そこに居たのは、子供だった。透けるような金髪、ローズピンクの瞳、子供ながら端正な顔立ち。その容姿に、どこか既視感を覚えた。
「おにいさま」
ノア様が、びっくりしたように、呆然とした声で言った。私はハッとする。そうだ。この人は、ノア様の実の兄上だ。
乙女ゲーム「白薔薇姫」にて確固たる人気を誇る、正統派イケメン、セオドール・アダムス。長い金髪とちょっと垂れたローズピンクの瞳の端正なハニーフェイスが特徴の、原作ではアダムス公爵として出てくるキャラだ。確か、ノア様との年齢差は四歳。では今のセオドールは九歳か。
ノア様が、戸惑うように私の腰にしがみついた。そこで意識は現実に戻る。ノア様を守れ。今私のするべきことをしなければ。
「セオドール・アダムス様と存じ上げますが、この離れに何のご用でしょうか。」
びくっと、セオドールの肩が震えた。そこに少しノア様の面影を感じる。かなり無礼な問いかけをしているのは分かっている。でも、彼がこの場所に隠れていた理由が分からない限り、私は警戒を緩めることは出来ない。
「あ、お、俺は、ノアの様子を見に…」
まさか。原作にそんな描写は無かったはずだ。だからこそノア様は孤独を深めたのだ。ならば真の理由は?
「ごめん。嘘…本当はお人形を見にきたんだ。」
「ミカエルを…?」
「取り敢えず、お茶の用意を致します。お二方、少しお下がりください。」
地面に埋め込んであるボタンに、魔力を込めると、すぐに白く丸いテーブルと、椅子が現れた。テーブルの上には、お茶やお菓子も載っている。
「お話ししましょう。」
私が言うと、二人は恐る恐る椅子に着いた。
「セオドール様、とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「うん。俺もミカエルって呼んで良い?」
「勿論に御座います。」
幸いなことに、セオドールは初対面の相手でも緊張しないタイプのようで、私にも普通に話してくれた。ただ若干、実の弟君であるノア様とは気まずそうにしているが。
そのノア様も、私の左腕にしがみついて離れない。まるで小動物が警戒するような仕草に、ほわん、と微笑ましいものを感じた。
「それで、私を見に来られたと言うのは…」
「そのままの意味だよ。ノアのために、お父様が絡繰人形を買うって言うから、ずっと気になってたんだ。」
正確にはノア様のため、ではなく、自分がノア様と関わらないため、だと思うが。
「それで…どう?ノアは元気?」
目の前に本人が居るのだから、直接聞けばいいのに。そう思ったが、まだこの兄弟には難しいことだろう。
「最近では、庭園を散歩されたり、魔法を練習されたりしております。」
「よかった、元気なんだね」
セオドールが強張った表情で頷く。ノア様はますます私の腕をきつく抱き締める。
「セオドール様」
「なに?」
「ここへ来ることは、お父上様に禁止されていたのでは?」
「…抜け出してきちゃった」
おっとアウト。これは運とタイミングによっては詰む。もしこの場がクソ親父に知られたら、とか考えたくもない。
「セオドール!!!!!」
男の怒声に、二人の子供の肩がガタガタ震え出した。ああ、神様。このタイミングは無いでしょう。
クソ親父こと現公爵は、セオドールの腕を捻りあげると、彼が痛いと言うのも聞かずに、逆の手で私の頬を殴った。
ドゴッ
私は人形だから、痛覚は無い。むしろ殴った方が痛いと思う。材質的に。
「絡繰人形が!何をしている!!セオドールをここに近付けるなと言っただろう!!!!」
「…申し訳ありません。」
私は地に伏して、彼に声だけで謝った。
「お前がこうも使えないとは!!魔力を断ち切ってもいいんだぞ!!!」
「…申し訳ありません。」
私は魔力で動く絡繰人形。主人たるこのクソ親父の魔力の供給が無ければ、ただの動かない人形と化す。
私は背後のノア様を伺う。ああ、完全に怯えてる。そりゃ、いきなり人が殴られたら怖いよな。ごめんな。セオドールも同じ様子だった。さっきまでの飄々とした雰囲気が嘘のように、顔を青くしている。
「"申し訳ありません"以外に何か言えないのか、お前は!!!」
今度は腹を蹴る。痛くは無い。だが派手な音が鳴った。後で調節しよう。
そこで、ふと気付いた。
「(あれ…?)」
先程まで私を押さえつけていた、あの怒気が感じられない。何故。
「っ、ノア様!!」
ノア様が、公爵の足にしがみつき、私を蹴るのを妨害していた。だが五歳児の力など、成人男性からすれば屁のようなもの。すぐに振り払われた。だけど。もう一度、何度も。ノア様はしがみついた。
私は素早く立ち上がり、ノア様を抱き上げると、公爵と距離を取った。体の何処かが軋むような音がしたが、今は気にしないことにする。
「ミカエル!!け、怪我が!!!」
「私は大丈夫です。人形ですから。」
それよりも、だ。私はノア様に手を伸ばした。ノア様は叱られると思ったのか、ぎゅっと目を瞑った。私がそんなこと、するわけ無いのに。私は彼の、擦りむいた膝の傷に触れた。
「申し訳ありません…」
「いい。ミカエルは、僕のために耐えてくれたんでしょう」
ノア様はいつか私がしたように、私の頭を撫でていた。怒り狂う公爵を、セオドールが止めてくれているのが見えた。
「ミカエルは、魔力がないと動けないの?」
「はい。そして現在の私の主人はお父上です。命令に背くことは出来ません。」
「なら、僕があげる」
「は、」
「僕が魔力をあげるから、ミカエルは僕の命令にだけ従って」
魅了の力を含んだ紫の瞳が、私を見ていた。そんな状況では無いと言うのに、私は暫く見惚れていた。
「はい。仰せのままに」
ノア様が触れた私の肩から、彼の魔力が巡る。この圧倒的な魔力量と、濃い闇の気配。これが彼の魔力か。
「主人の変更を了解致しました。今より、私ミカエルの主人はノア・アダムス様です。」
「お、おい!!何を勝手に!!!」
「父様!もうやめてください!!」
「五月蝿い!!」
公爵が振り上げた拳がセオドールに触れる寸前で、私はセオドールに覆い被さった。硬い音。そして背中に彼を庇いながら言う。
「主人、いえ、公爵様。」
私は真っ直ぐに、公爵の目を見据えて話す。たじろぐ公爵の目は似合わないピンク色。こんな所だけ同じなんだな。
「たった今、主人の変更が成立しました。」
「だから何だ!!」
「私が貴方を害する前に、ここを立ち去ることをお勧めしますが。」
私の言葉にさあっと血の気が引いた公爵は、重そうな体を引き摺って、走り去っていった。
「「ミカエル!!」」
どんっと背中に軽い衝撃。ノア様とセオドールは、お互い涙やら怒りやら悲しみやらを含んだ、ぐちゃぐちゃな顔で私を見上げた。
「っふふ。お二人とも、お顔がそっくりですよ。」
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