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ダンジョン

夕食はファミレスで

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「と、いう訳でエクスプローラーの先輩である2人に意見を聞きたい」

俺の目の前には気まずそうに座る和久津と五条がいる。ファミレスに呼び出したのは俺だ。

「いや、根岸パイセンは充分稼いでますから!1日30万も稼ぎがあればもう上級者並みですよ!」

「違うな。和久津。それはただの停滞だ。いや、周りは常に進んでいることを考えれば退化しているといってもいい。もっと意地の悪いモンスターの倒し方がある筈なんだ」

「かっこいいこと言ってるようで全然言ってないっす!」

「……あ、あの、私、もう帰ってもいいですか?」

「何を言っているんだ?五条。案も出さずに。君はずっとエクスプローラーをやるつもりか?」

「……いえ、普通に就職するつもりですが、、」

「会社に勤めるとクソみたいな会議がわんさかあるんだ。君はそんな会議に出て、気まずかったら帰るのか?」

「ええっと、、」

「今出来ないことが数年たったら自然と出来るようになるのか?いや、ならない!今、変わらないと!」

「パイセン!無茶苦茶っす」

「大学卒業してフリーターから惰性でエクスプローラーになった和久津は黙っとけ!五条、こいつのようになりたいのか?」

五条はチラッと和久津の方を見てすぐ、視線を自分のコーヒーに戻す。

「……いえ、なりたくありません、、」

「そうだな。俺もなりたくない」

「ちょっと!なんですかこの流れ!五条さんも初対面なのに酷すぎっしょ」

「悔しかったら血塗れゴバ頭巾ちゃんを超える提案をしてみろ!」

「ぐぬぬ!もう第3階層にこだわる必要ないっしょ!さっさと第4階層に行けばいいじゃないですか!」

「第4階層に行けば何が変わる?」

「まぁ、コボルトが武器を持つようになるのと後はモンスターハウスがあるぐらいですかね?」

和久津がスマホを取り出して「冒険しよう!」アプリで第4階層のマップを指差す。

「ほら、この部屋になっているところですよ。注意書きがあるでしょう?モンスターハウスなんですよ。ここ」

「モンスターハウスってのはどれぐらいモンスターが現れるんだ?」

「入った人数×10体ですね」

ふむ。これは使えるかも知れない。

「パイセン!顔!悪くなってますよ!」

「そんなにか?」

五条に尋ねるもリアクションがない。

「よし、五条にはメシを奢ってやろう。好きなものを頼むといい」

「沈黙は金!」

よし、方針は決まった。後は実行だ。
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