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異世界

魔道具

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"これは【入換】?"

ルクハルトはスキルオーブを手に取り、くるくると回して入念に確かめた後、答え合わせをするように聞いてきた。

"ああ、正解だ。その【入換】のスキルを俺の剣に付与して欲しい"

開心剣をマジックポーチから取り出すと、ルクハルトは後退りする。

"……その剣、まともなものじゃないな"

"【開心】のスキルが付与されている"

"そんなスキル、聞いたことないぞ"

"相手の記憶や心を読み取るスキルだ"

"その【開心】と【入換】を組み合わせようというのか?"

ルクハルトは俺を睨みつけた。

"俺に協力するという約束の筈だ"

"そんな魔剣を手に入れて何をするつもりだ"

"なんだってするさ。神様が望めば"

"……"

"……"

"私はリリパット達のことを信用している。そのリリパット達はネギシ殿を慕っているように思える"

ルクハルトは観念したように大きく息を吐いた。

"引き受けよう。だが、失敗する可能性もある。強力なスキルの付与は困難を極める"

"おいおい。失敗に予防線を張るつもりか?"

"……全力を尽くす"

"それでいい"

スキルオーブと開心剣をマジックポーチにしまい、ルクハルトは集会所から出て行こうとする。危ない。忘れるところだった。

"もう一件ある"

"悪いがそんなにいくつも同時には出来ないぞ。さっきの剣への付与だって命を削る程の作業だ"

"これは俺ではなく、ルベリートからの依頼だ。もちろん、後回しにしていい"

"ルベリートが?あの女はどこで何をやっている?"

"地球、俺達の星を満喫しているところだ"

マジックポーチから依頼の品々を取り出す。

"これはなんだ?ワームか?"

"まぁ、そんなところだ。これを参考にして魔石で動く魔道具を作って欲しいそうだ"

"子供のおもちゃにしては可愛げがないな"

残念。それは大人のだ。
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