アダルトショップごと異世界転移 〜現地人が大人のおもちゃを拾い、間違った使い方をしています〜

フーツラ

文字の大きさ
5 / 7

5話 謁見

しおりを挟む
 王城からやってきた迎えの馬車は流石に豪華なものだった。客室のベンチは柔らかく、壁や天井には美しい彫刻が施されている。

「凄いですね。行商人の馬車とは全然違いますよ」

「私、馬車に乗るの初めてです! ちょっとテンション上がっちゃってます!」

 三田さんは瞳を輝かせる。

「しかし、どんなグッズが国王に献上されたんでしょうね?」

「……かなりの数が献上されたらしいんです。一通り説明することになるかも。森宮さん……! 頼みますよ!!」

「えっ、だって三田さんは店員でしょ? 僕より詳しいのでは……!?」

「私はお父さんがインフルエンザになったから、たまたま手伝いでレジ打ちしてただけなんです! だからアダルトグッズのことは全然分かりません!」

 三田さん。あのヒゲのオッサン店員の娘なのか……。きっと奥さんが美人なんだろうなぁ。

「まぁ、大体のものは説明出来ると思いますけど」

「よろしくお願いしますね!」

 三田さんと会話していると時間の経過はあっという間で、馬車はすぐに王城に到着した。そして、いよいよ国王との謁見である。


#


 煌びやかな調度品に囲まれた貴賓室に僕達は通された。重厚な長テーブルの上には神の品──アダルトグッズが所狭しと並べられている。

 これを説明するのかぁ……。ちょっと気が重くなって来たぞ。

 二人で緊張しながら立っていると、通訳らしい男性が「どうぞお座りください」と綺麗な日本語を発した。とても真面目そうな人で、性玩具に対する理解は無さそうだ。

 しばし無言の時間。静謐な空気が流れた。そろそろ国王が来る。緊張を抑えるために深く息を吸った。

 カツン。カツン。カツン。

 重厚な足音が響く。二人して立ち上がった。そして、いよいよ扉が開かれ、国王が入って──。

「「スクール水着!?」」

 そんな馬鹿な……。王冠をかぶった偉丈夫がスクール水着で現れるなんて。確かに、アダルトショップには衣装も売ってるけど! まさか着用して現れるとは思わなかったよ!!

「ウンダベエラ、ダドビブロ、マンマン」
「本日はよくぞお越し下さいました」

 二人揃ってお辞儀をする。やはり我々は日本人だ。なんとか吹き出しそうになるのを耐える。

「ノンシリコン、バブルパーマハゲ」
「どうぞ、お座りください」

 長テーブルの長辺に二人して腰を下ろした。

 国王は椅子に付かず、アダルトグッズを物色するように眺めている。そしてテーブルに近づき、その内の一つを手に取った。

「ペロペロペ、クンクン?」
「これは何に使うモノですか?」

 国王が手にしているのはケモノの尻尾が付いたアナルプラグだ。しかし、なんと説明したらいいのか……? チラリと三田さんを見ると、「私は無理!」と顔を振っている。

「それは神々が狩を行う時に使う道具です。自らのお尻に尻尾を生やすことにより獣に成り切り、獣の行動を予測出来るようになるのです」

 通訳が説明すると、国王はなるほどと頷く。

「ペロペロペ、クンクン?」
「これは何に使うモノですか?」

 次に国王が手にしたのはリスの形を模した、吸引するタイプのローターだった。クリ吸引を行いながら震える優れものである。念の為に三田さんを見ると、すっと顔を逸らされた。

「それは傷口から毒を吸い出す神器です。神々の世界では常に争いがあるのです」

 通訳が説明すると、国王はなるほどなるほどと深く頷く。

「ペロペロペ、クンクン?」
「これは何に使うモノですか?」

 三つ目。国王が手にしたのはリモート操作出来るローターだった。そろそろ答えてくれるのでは? と三田さんを見ると、足を踏まれた。

「それは遠隔地に合図を送る道具です。このコントローラーを使って操作します」

 通訳が説明すると、国王の目の色が変わった。

「マズヌレヌ、ゴンブブト、ペログリリナ?」
「それを使って戦争中に指示を送れますか?」

「まぁ、大丈夫だと思いますが」

 通訳が説明すると、国王は立ち上がってスク水姿でこちらに来た。そして僕達の前に膝を折る。

「ダチワワフ。ドルナラ、バリバリバチナナヲガジテバラモン」
「神の使いよ。どうか、私達に力を貸してください」

 国王は顔を伏したまま動かない。

 三田さんと顔を見合わせる。ここで断るのは気まずい。三田さんも同じ意見のようだ。コクコクと頷いている。

「いいですけど……」

 国王はパッと顔を上げ、嬉しそうにするのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...