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無人島にて
東京へ
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石と石をぶつけて割り、それを更に石で磨く。そうやって作った石ナイフで今度は木を削る。最初はただの丸太だったものが、だんだん流線形といえるぐらいにはなってきた。
何を作っているかって? 見りゃわかるだろ。丸木舟だよ。最近は毎日ずっと舟を作っているせいで、チャンネル登録者数の伸びが鈍化している。が、仕方ない。これは必要なことなのだ。
この島にはもう、俺が求めるものはない。いや、俺達が求めるものはない。さっさと海を渡り、東京に辿り着くことが当面の目標だ。
今が西暦何年かは知らない。しかし、俺が拠点として使っている建物を見る限り、何万年も未来と言うことはないだろう。日本列島はきっとあるはずだ。この近くに。
根拠だってある。それは漂着物だ。
この島の海岸線を丹念に探索すると、結構な量の漂着物があることが分かった。それはタイヤだったり酒瓶だったりバケツだったり。中には日本語が書かれているものもある。そしてそれらの漂着物は島の海岸線に均一に流れ着いているわけではない。ある方面に集中的に存在していたのだ。きっとその先に東京があるはずだ。
「はぁ、疲れた」
俺は乾燥させたハチノコを取り出し、三口ほどで食べ終える。先ほどまでの疲れが嘘のように消え失せ、色々と元気になった。食べ過ぎると収まりがつかなくなるので、ハチノコは一日一匹までだ。
「よーし、お前ら、昨日あったことを教えてくれ!」
棒切れで砂浜に書いた「昨日のニュースは?」の文字に反応してコメント欄が流れ始める。
コメント:パンダの赤ちゃんうまれた。
コメント:あぁ、生まれたねえ。
コメント:名前はパンパン!
コメント:嘘つくなよ!
コメント:嘘よくない。本当はチンパン
コメント:猿www
コメント:衆議院が解散したよ
コメント:これは本当
コメント:ヒロセのスパイス新商品でた
コメント:ああ、柚子ミックスね
コメント:俺、買ったよ。柚子ミックス
コメント:何にでも合うよねー
なんだと! ヒロセのスパイスに新味!? 俺がヒロスパの残量を気にしてケチりながら使っているというのに……。許せねえ。
砂浜に「許せねえ!」と書くと、コメント欄が加速した。俺の視聴者は皆いいやつなので、ここぞとばかりに煽ってくる。ある意味お約束。煽り煽られ、こいつらと育ててきたのがルーメンチャンネルなのだから。
一通り視聴者と戯れあったあと、俺は丸木舟の作成に戻る。
俺は視聴者に未来の東京を見せてやらなくてはならない。そう思うと石ナイフを持つ手には力がこもり、丸太はみるみる削れていく。あと数日、遅くても一週間後にはこの島を離れる準備が整うだろう。
海を渡ったらどんな世界が広がり、どんなゲテモノが俺を待っているのか? 俺はまだ見ぬ食糧達に胸を高鳴らせるのだった。
何を作っているかって? 見りゃわかるだろ。丸木舟だよ。最近は毎日ずっと舟を作っているせいで、チャンネル登録者数の伸びが鈍化している。が、仕方ない。これは必要なことなのだ。
この島にはもう、俺が求めるものはない。いや、俺達が求めるものはない。さっさと海を渡り、東京に辿り着くことが当面の目標だ。
今が西暦何年かは知らない。しかし、俺が拠点として使っている建物を見る限り、何万年も未来と言うことはないだろう。日本列島はきっとあるはずだ。この近くに。
根拠だってある。それは漂着物だ。
この島の海岸線を丹念に探索すると、結構な量の漂着物があることが分かった。それはタイヤだったり酒瓶だったりバケツだったり。中には日本語が書かれているものもある。そしてそれらの漂着物は島の海岸線に均一に流れ着いているわけではない。ある方面に集中的に存在していたのだ。きっとその先に東京があるはずだ。
「はぁ、疲れた」
俺は乾燥させたハチノコを取り出し、三口ほどで食べ終える。先ほどまでの疲れが嘘のように消え失せ、色々と元気になった。食べ過ぎると収まりがつかなくなるので、ハチノコは一日一匹までだ。
「よーし、お前ら、昨日あったことを教えてくれ!」
棒切れで砂浜に書いた「昨日のニュースは?」の文字に反応してコメント欄が流れ始める。
コメント:パンダの赤ちゃんうまれた。
コメント:あぁ、生まれたねえ。
コメント:名前はパンパン!
コメント:嘘つくなよ!
コメント:嘘よくない。本当はチンパン
コメント:猿www
コメント:衆議院が解散したよ
コメント:これは本当
コメント:ヒロセのスパイス新商品でた
コメント:ああ、柚子ミックスね
コメント:俺、買ったよ。柚子ミックス
コメント:何にでも合うよねー
なんだと! ヒロセのスパイスに新味!? 俺がヒロスパの残量を気にしてケチりながら使っているというのに……。許せねえ。
砂浜に「許せねえ!」と書くと、コメント欄が加速した。俺の視聴者は皆いいやつなので、ここぞとばかりに煽ってくる。ある意味お約束。煽り煽られ、こいつらと育ててきたのがルーメンチャンネルなのだから。
一通り視聴者と戯れあったあと、俺は丸木舟の作成に戻る。
俺は視聴者に未来の東京を見せてやらなくてはならない。そう思うと石ナイフを持つ手には力がこもり、丸太はみるみる削れていく。あと数日、遅くても一週間後にはこの島を離れる準備が整うだろう。
海を渡ったらどんな世界が広がり、どんなゲテモノが俺を待っているのか? 俺はまだ見ぬ食糧達に胸を高鳴らせるのだった。
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