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another story ~あの彼の小話~
恋を教えてくれてありがとう
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「あれ?有岡さん?」
仕事が休みで、燿くんと出かけようと駅前て待ち合わせをしていたので、待っていると同じ部署の笹沼さんに声をかけられた。
「笹沼さん、こんにちは」
「なんか、有岡さん雰囲気違うね」
「そうですか?笹沼さんも違いますよ」
会社では、常に制服でいるので私服姿を初めて見たからそう思うのであろう。
笹沼さんたち男性社員も普段はスーツしかみていないので、新鮮だ。
あたし達が付き合って、半年が経とうとしていたがいままで誰にもバレてこなかった。
きっと、いろんな人に知れ渡って、騒がれるのは燿くんは嫌だろうから燿くんがまだ来ないことを祈る。
こんなことなら、燿くんの言う通りマンションの前で待ち合わせをしておけばよかった。
でも、たまにはきちんと待ち合わせをしてみたくて、駅前を提案したのはあたしだ。
「だから言わんこっちゃない」って呆れられる。
「あれ、霧島さんだ」
笹沼さんが、呟いた一言に顔をあげると、信号からこちらに向かって歩いてくる彼が見える。
来てしまった。
でも、偶然を装えばいいのか、と頭の中でシュミレーションをする。
「やぁ、霧島さん」
「あれ、笹沼さん?」
燿くんがあたしの顔をちらっとみる。
「さっき、偶然会って.......」
「へぇー、そうなんだ」
燿くんは、どのようにしようとしているのかわからなくて、それ以上の言葉がでない。
「有岡さん、良かったらご飯でも行かない?」
「.......え?」
こともあろうか、笹沼さんがあたしをお昼ご飯に誘ってきた。
こんなことはあたしのシュミレーションにはなかった。
「有岡さんと一度色々話してみたかったんだよね」
「いやぁ.......」
燿くんと約束をしているのだから、言いたいのに、頭で思い描いていた展開ではなくて、うまくことを進められない。
「笹沼さん」
そんな笹沼さんに声をかけるのは燿くん。
「俺ら今日約束してんですけど」
燿くんの言葉にバッと彼の顔を見上げる。
「へ?そうなの?え?君たちって.......」
休みの日に一緒に出かける関係。
そんな疑惑を持ちながら、あたしたちを交互に見る。
「もう、付き合って半年になりますよ」
「ええー、全然しらなかったー。邪魔しちゃ悪いね。じゃ!」
燿くんの言葉を聞いて、颯爽と走っていった笹沼さん。
「え、燿くん.......よかったの?」
「なにが?」
「あたしとの事言っちゃって」
「なに、ダメだったの?」
燿くんの言葉にあたしは思い切り首を横に振る。
「でも、笹沼さん口が軽いから明日には噂になってるかもよ?」
部署内の情報通は笹沼さんだ。
きっと、彼に伝わればもう瞬く間に広がる。
「べつに嘘じゃないんだし」
「そりゃそうだけど」
「菜津と一緒に半年もいて、菜津以外となんてもう考えられなくなってるから別れるつもりないんだけど。菜津は違うの?」
「え、違わない!」
燿くんとあたしの気持ちの大きさは全然違うから。
だから、燿くんがそんなふうに考えてくれているなんて思わなかった。
「じゃあ、知られて困ることなんてなんもないでしょ?」
「う、うん!」
「はは、嬉しそう」
そんなの嬉しいに決まってる。
別れるつもりがない、ずっと一緒にいる。
結婚を視野にいれてくれるってことだ。
話が飛躍してしまってるかもしれないけど、いつかはって考えてくれているってことだ。
いままでも彼氏がいたけど、どう考えてもいままで好きな人のなかで燿くんのことが一番好きだと思う。
だから、このままずっと燿くんといられたら嬉しい。
「嬉しいよ、嬉しいに決まってるよ」
「てかさ、笹沼さんに何狙われてんの?」
燿くんがあたしの手を握って歩き出す。
「え、べつにそんなこと.......」
「あれは、あわよくばって顔してただろ。俺的には牽制のつもりもあったんだよ」
「ソウナンデスカ」
「はは、なんでカタコト」
あたしの返事に爆笑している燿くん。
最近は、コロコロと表情を変えるようきなった。
会社の彼しか知らない頃は無表情で、何を考えているかわからない人だと思っていた。
でも、いまはあたしに心を開いてくれていることがわかる。
「燿くん、全然会社の中と表情違うよね」
「そりゃね、オンとオフは切り替えてますので?」
あたしのことは、くつろげる相手だと思って貰えることがものすごく嬉しい。
「本当は、オシャレなとこでとか考えたんだけどさ」
運河沿いを歩いていると、燿くんが立ち止まるので、彼をみあげる。
「もう、菜津以外に俺を全部さらけ出せる人はいないと思うんだよね」
「.......うん?」
「だから、これ貰ってくれたら嬉しい。カッコよく渡せなくてごめん。これが俺だから」
照れたようにそう言って、ポケットから箱をだす。
「え、うそ.......」
どうみても、それはよくテレビや漫画出みるようなもので。
「うそがいいの?」
付き合うことになったときと同じ言葉を言われる。
「ま、まさか!嬉しいよ!燿くん」
「じゃ、素直に受け取りなよ」
「受け取る!燿くん、大好き」
「俺も、菜津が好きだよ」
あたしの手に優しく触れて、箱から出した指輪を薬指にはめてくれる。
「なに、泣いてんの」
「だって、燿くん最初あたしこと好きじゃなかったから.......こんな日来ないと思ってたもん」
「泣き虫。はじめからほかの人に対する感情とは明らかに違ったよ」
あたしの頬を流れる涙を指で拭ってくれる。
「ありがとう、燿くん」
「俺のセリフ。もう恋なんてできないって思ってた俺に恋を教えてくれてありがとう」
燿くんのセリフはまたあたしを泣かせてくれて「泣き虫だなー」って、笑う燿くんといつまでも幸せにいたいと思った。
-another story ①完~
仕事が休みで、燿くんと出かけようと駅前て待ち合わせをしていたので、待っていると同じ部署の笹沼さんに声をかけられた。
「笹沼さん、こんにちは」
「なんか、有岡さん雰囲気違うね」
「そうですか?笹沼さんも違いますよ」
会社では、常に制服でいるので私服姿を初めて見たからそう思うのであろう。
笹沼さんたち男性社員も普段はスーツしかみていないので、新鮮だ。
あたし達が付き合って、半年が経とうとしていたがいままで誰にもバレてこなかった。
きっと、いろんな人に知れ渡って、騒がれるのは燿くんは嫌だろうから燿くんがまだ来ないことを祈る。
こんなことなら、燿くんの言う通りマンションの前で待ち合わせをしておけばよかった。
でも、たまにはきちんと待ち合わせをしてみたくて、駅前を提案したのはあたしだ。
「だから言わんこっちゃない」って呆れられる。
「あれ、霧島さんだ」
笹沼さんが、呟いた一言に顔をあげると、信号からこちらに向かって歩いてくる彼が見える。
来てしまった。
でも、偶然を装えばいいのか、と頭の中でシュミレーションをする。
「やぁ、霧島さん」
「あれ、笹沼さん?」
燿くんがあたしの顔をちらっとみる。
「さっき、偶然会って.......」
「へぇー、そうなんだ」
燿くんは、どのようにしようとしているのかわからなくて、それ以上の言葉がでない。
「有岡さん、良かったらご飯でも行かない?」
「.......え?」
こともあろうか、笹沼さんがあたしをお昼ご飯に誘ってきた。
こんなことはあたしのシュミレーションにはなかった。
「有岡さんと一度色々話してみたかったんだよね」
「いやぁ.......」
燿くんと約束をしているのだから、言いたいのに、頭で思い描いていた展開ではなくて、うまくことを進められない。
「笹沼さん」
そんな笹沼さんに声をかけるのは燿くん。
「俺ら今日約束してんですけど」
燿くんの言葉にバッと彼の顔を見上げる。
「へ?そうなの?え?君たちって.......」
休みの日に一緒に出かける関係。
そんな疑惑を持ちながら、あたしたちを交互に見る。
「もう、付き合って半年になりますよ」
「ええー、全然しらなかったー。邪魔しちゃ悪いね。じゃ!」
燿くんの言葉を聞いて、颯爽と走っていった笹沼さん。
「え、燿くん.......よかったの?」
「なにが?」
「あたしとの事言っちゃって」
「なに、ダメだったの?」
燿くんの言葉にあたしは思い切り首を横に振る。
「でも、笹沼さん口が軽いから明日には噂になってるかもよ?」
部署内の情報通は笹沼さんだ。
きっと、彼に伝わればもう瞬く間に広がる。
「べつに嘘じゃないんだし」
「そりゃそうだけど」
「菜津と一緒に半年もいて、菜津以外となんてもう考えられなくなってるから別れるつもりないんだけど。菜津は違うの?」
「え、違わない!」
燿くんとあたしの気持ちの大きさは全然違うから。
だから、燿くんがそんなふうに考えてくれているなんて思わなかった。
「じゃあ、知られて困ることなんてなんもないでしょ?」
「う、うん!」
「はは、嬉しそう」
そんなの嬉しいに決まってる。
別れるつもりがない、ずっと一緒にいる。
結婚を視野にいれてくれるってことだ。
話が飛躍してしまってるかもしれないけど、いつかはって考えてくれているってことだ。
いままでも彼氏がいたけど、どう考えてもいままで好きな人のなかで燿くんのことが一番好きだと思う。
だから、このままずっと燿くんといられたら嬉しい。
「嬉しいよ、嬉しいに決まってるよ」
「てかさ、笹沼さんに何狙われてんの?」
燿くんがあたしの手を握って歩き出す。
「え、べつにそんなこと.......」
「あれは、あわよくばって顔してただろ。俺的には牽制のつもりもあったんだよ」
「ソウナンデスカ」
「はは、なんでカタコト」
あたしの返事に爆笑している燿くん。
最近は、コロコロと表情を変えるようきなった。
会社の彼しか知らない頃は無表情で、何を考えているかわからない人だと思っていた。
でも、いまはあたしに心を開いてくれていることがわかる。
「燿くん、全然会社の中と表情違うよね」
「そりゃね、オンとオフは切り替えてますので?」
あたしのことは、くつろげる相手だと思って貰えることがものすごく嬉しい。
「本当は、オシャレなとこでとか考えたんだけどさ」
運河沿いを歩いていると、燿くんが立ち止まるので、彼をみあげる。
「もう、菜津以外に俺を全部さらけ出せる人はいないと思うんだよね」
「.......うん?」
「だから、これ貰ってくれたら嬉しい。カッコよく渡せなくてごめん。これが俺だから」
照れたようにそう言って、ポケットから箱をだす。
「え、うそ.......」
どうみても、それはよくテレビや漫画出みるようなもので。
「うそがいいの?」
付き合うことになったときと同じ言葉を言われる。
「ま、まさか!嬉しいよ!燿くん」
「じゃ、素直に受け取りなよ」
「受け取る!燿くん、大好き」
「俺も、菜津が好きだよ」
あたしの手に優しく触れて、箱から出した指輪を薬指にはめてくれる。
「なに、泣いてんの」
「だって、燿くん最初あたしこと好きじゃなかったから.......こんな日来ないと思ってたもん」
「泣き虫。はじめからほかの人に対する感情とは明らかに違ったよ」
あたしの頬を流れる涙を指で拭ってくれる。
「ありがとう、燿くん」
「俺のセリフ。もう恋なんてできないって思ってた俺に恋を教えてくれてありがとう」
燿くんのセリフはまたあたしを泣かせてくれて「泣き虫だなー」って、笑う燿くんといつまでも幸せにいたいと思った。
-another story ①完~
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