62 / 69
another story ~あの彼の小話~
恋を教えてくれてありがとう
しおりを挟む
「あれ?有岡さん?」
仕事が休みで、燿くんと出かけようと駅前て待ち合わせをしていたので、待っていると同じ部署の笹沼さんに声をかけられた。
「笹沼さん、こんにちは」
「なんか、有岡さん雰囲気違うね」
「そうですか?笹沼さんも違いますよ」
会社では、常に制服でいるので私服姿を初めて見たからそう思うのであろう。
笹沼さんたち男性社員も普段はスーツしかみていないので、新鮮だ。
あたし達が付き合って、半年が経とうとしていたがいままで誰にもバレてこなかった。
きっと、いろんな人に知れ渡って、騒がれるのは燿くんは嫌だろうから燿くんがまだ来ないことを祈る。
こんなことなら、燿くんの言う通りマンションの前で待ち合わせをしておけばよかった。
でも、たまにはきちんと待ち合わせをしてみたくて、駅前を提案したのはあたしだ。
「だから言わんこっちゃない」って呆れられる。
「あれ、霧島さんだ」
笹沼さんが、呟いた一言に顔をあげると、信号からこちらに向かって歩いてくる彼が見える。
来てしまった。
でも、偶然を装えばいいのか、と頭の中でシュミレーションをする。
「やぁ、霧島さん」
「あれ、笹沼さん?」
燿くんがあたしの顔をちらっとみる。
「さっき、偶然会って.......」
「へぇー、そうなんだ」
燿くんは、どのようにしようとしているのかわからなくて、それ以上の言葉がでない。
「有岡さん、良かったらご飯でも行かない?」
「.......え?」
こともあろうか、笹沼さんがあたしをお昼ご飯に誘ってきた。
こんなことはあたしのシュミレーションにはなかった。
「有岡さんと一度色々話してみたかったんだよね」
「いやぁ.......」
燿くんと約束をしているのだから、言いたいのに、頭で思い描いていた展開ではなくて、うまくことを進められない。
「笹沼さん」
そんな笹沼さんに声をかけるのは燿くん。
「俺ら今日約束してんですけど」
燿くんの言葉にバッと彼の顔を見上げる。
「へ?そうなの?え?君たちって.......」
休みの日に一緒に出かける関係。
そんな疑惑を持ちながら、あたしたちを交互に見る。
「もう、付き合って半年になりますよ」
「ええー、全然しらなかったー。邪魔しちゃ悪いね。じゃ!」
燿くんの言葉を聞いて、颯爽と走っていった笹沼さん。
「え、燿くん.......よかったの?」
「なにが?」
「あたしとの事言っちゃって」
「なに、ダメだったの?」
燿くんの言葉にあたしは思い切り首を横に振る。
「でも、笹沼さん口が軽いから明日には噂になってるかもよ?」
部署内の情報通は笹沼さんだ。
きっと、彼に伝わればもう瞬く間に広がる。
「べつに嘘じゃないんだし」
「そりゃそうだけど」
「菜津と一緒に半年もいて、菜津以外となんてもう考えられなくなってるから別れるつもりないんだけど。菜津は違うの?」
「え、違わない!」
燿くんとあたしの気持ちの大きさは全然違うから。
だから、燿くんがそんなふうに考えてくれているなんて思わなかった。
「じゃあ、知られて困ることなんてなんもないでしょ?」
「う、うん!」
「はは、嬉しそう」
そんなの嬉しいに決まってる。
別れるつもりがない、ずっと一緒にいる。
結婚を視野にいれてくれるってことだ。
話が飛躍してしまってるかもしれないけど、いつかはって考えてくれているってことだ。
いままでも彼氏がいたけど、どう考えてもいままで好きな人のなかで燿くんのことが一番好きだと思う。
だから、このままずっと燿くんといられたら嬉しい。
「嬉しいよ、嬉しいに決まってるよ」
「てかさ、笹沼さんに何狙われてんの?」
燿くんがあたしの手を握って歩き出す。
「え、べつにそんなこと.......」
「あれは、あわよくばって顔してただろ。俺的には牽制のつもりもあったんだよ」
「ソウナンデスカ」
「はは、なんでカタコト」
あたしの返事に爆笑している燿くん。
最近は、コロコロと表情を変えるようきなった。
会社の彼しか知らない頃は無表情で、何を考えているかわからない人だと思っていた。
でも、いまはあたしに心を開いてくれていることがわかる。
「燿くん、全然会社の中と表情違うよね」
「そりゃね、オンとオフは切り替えてますので?」
あたしのことは、くつろげる相手だと思って貰えることがものすごく嬉しい。
「本当は、オシャレなとこでとか考えたんだけどさ」
運河沿いを歩いていると、燿くんが立ち止まるので、彼をみあげる。
「もう、菜津以外に俺を全部さらけ出せる人はいないと思うんだよね」
「.......うん?」
「だから、これ貰ってくれたら嬉しい。カッコよく渡せなくてごめん。これが俺だから」
照れたようにそう言って、ポケットから箱をだす。
「え、うそ.......」
どうみても、それはよくテレビや漫画出みるようなもので。
「うそがいいの?」
付き合うことになったときと同じ言葉を言われる。
「ま、まさか!嬉しいよ!燿くん」
「じゃ、素直に受け取りなよ」
「受け取る!燿くん、大好き」
「俺も、菜津が好きだよ」
あたしの手に優しく触れて、箱から出した指輪を薬指にはめてくれる。
「なに、泣いてんの」
「だって、燿くん最初あたしこと好きじゃなかったから.......こんな日来ないと思ってたもん」
「泣き虫。はじめからほかの人に対する感情とは明らかに違ったよ」
あたしの頬を流れる涙を指で拭ってくれる。
「ありがとう、燿くん」
「俺のセリフ。もう恋なんてできないって思ってた俺に恋を教えてくれてありがとう」
燿くんのセリフはまたあたしを泣かせてくれて「泣き虫だなー」って、笑う燿くんといつまでも幸せにいたいと思った。
-another story ①完~
仕事が休みで、燿くんと出かけようと駅前て待ち合わせをしていたので、待っていると同じ部署の笹沼さんに声をかけられた。
「笹沼さん、こんにちは」
「なんか、有岡さん雰囲気違うね」
「そうですか?笹沼さんも違いますよ」
会社では、常に制服でいるので私服姿を初めて見たからそう思うのであろう。
笹沼さんたち男性社員も普段はスーツしかみていないので、新鮮だ。
あたし達が付き合って、半年が経とうとしていたがいままで誰にもバレてこなかった。
きっと、いろんな人に知れ渡って、騒がれるのは燿くんは嫌だろうから燿くんがまだ来ないことを祈る。
こんなことなら、燿くんの言う通りマンションの前で待ち合わせをしておけばよかった。
でも、たまにはきちんと待ち合わせをしてみたくて、駅前を提案したのはあたしだ。
「だから言わんこっちゃない」って呆れられる。
「あれ、霧島さんだ」
笹沼さんが、呟いた一言に顔をあげると、信号からこちらに向かって歩いてくる彼が見える。
来てしまった。
でも、偶然を装えばいいのか、と頭の中でシュミレーションをする。
「やぁ、霧島さん」
「あれ、笹沼さん?」
燿くんがあたしの顔をちらっとみる。
「さっき、偶然会って.......」
「へぇー、そうなんだ」
燿くんは、どのようにしようとしているのかわからなくて、それ以上の言葉がでない。
「有岡さん、良かったらご飯でも行かない?」
「.......え?」
こともあろうか、笹沼さんがあたしをお昼ご飯に誘ってきた。
こんなことはあたしのシュミレーションにはなかった。
「有岡さんと一度色々話してみたかったんだよね」
「いやぁ.......」
燿くんと約束をしているのだから、言いたいのに、頭で思い描いていた展開ではなくて、うまくことを進められない。
「笹沼さん」
そんな笹沼さんに声をかけるのは燿くん。
「俺ら今日約束してんですけど」
燿くんの言葉にバッと彼の顔を見上げる。
「へ?そうなの?え?君たちって.......」
休みの日に一緒に出かける関係。
そんな疑惑を持ちながら、あたしたちを交互に見る。
「もう、付き合って半年になりますよ」
「ええー、全然しらなかったー。邪魔しちゃ悪いね。じゃ!」
燿くんの言葉を聞いて、颯爽と走っていった笹沼さん。
「え、燿くん.......よかったの?」
「なにが?」
「あたしとの事言っちゃって」
「なに、ダメだったの?」
燿くんの言葉にあたしは思い切り首を横に振る。
「でも、笹沼さん口が軽いから明日には噂になってるかもよ?」
部署内の情報通は笹沼さんだ。
きっと、彼に伝わればもう瞬く間に広がる。
「べつに嘘じゃないんだし」
「そりゃそうだけど」
「菜津と一緒に半年もいて、菜津以外となんてもう考えられなくなってるから別れるつもりないんだけど。菜津は違うの?」
「え、違わない!」
燿くんとあたしの気持ちの大きさは全然違うから。
だから、燿くんがそんなふうに考えてくれているなんて思わなかった。
「じゃあ、知られて困ることなんてなんもないでしょ?」
「う、うん!」
「はは、嬉しそう」
そんなの嬉しいに決まってる。
別れるつもりがない、ずっと一緒にいる。
結婚を視野にいれてくれるってことだ。
話が飛躍してしまってるかもしれないけど、いつかはって考えてくれているってことだ。
いままでも彼氏がいたけど、どう考えてもいままで好きな人のなかで燿くんのことが一番好きだと思う。
だから、このままずっと燿くんといられたら嬉しい。
「嬉しいよ、嬉しいに決まってるよ」
「てかさ、笹沼さんに何狙われてんの?」
燿くんがあたしの手を握って歩き出す。
「え、べつにそんなこと.......」
「あれは、あわよくばって顔してただろ。俺的には牽制のつもりもあったんだよ」
「ソウナンデスカ」
「はは、なんでカタコト」
あたしの返事に爆笑している燿くん。
最近は、コロコロと表情を変えるようきなった。
会社の彼しか知らない頃は無表情で、何を考えているかわからない人だと思っていた。
でも、いまはあたしに心を開いてくれていることがわかる。
「燿くん、全然会社の中と表情違うよね」
「そりゃね、オンとオフは切り替えてますので?」
あたしのことは、くつろげる相手だと思って貰えることがものすごく嬉しい。
「本当は、オシャレなとこでとか考えたんだけどさ」
運河沿いを歩いていると、燿くんが立ち止まるので、彼をみあげる。
「もう、菜津以外に俺を全部さらけ出せる人はいないと思うんだよね」
「.......うん?」
「だから、これ貰ってくれたら嬉しい。カッコよく渡せなくてごめん。これが俺だから」
照れたようにそう言って、ポケットから箱をだす。
「え、うそ.......」
どうみても、それはよくテレビや漫画出みるようなもので。
「うそがいいの?」
付き合うことになったときと同じ言葉を言われる。
「ま、まさか!嬉しいよ!燿くん」
「じゃ、素直に受け取りなよ」
「受け取る!燿くん、大好き」
「俺も、菜津が好きだよ」
あたしの手に優しく触れて、箱から出した指輪を薬指にはめてくれる。
「なに、泣いてんの」
「だって、燿くん最初あたしこと好きじゃなかったから.......こんな日来ないと思ってたもん」
「泣き虫。はじめからほかの人に対する感情とは明らかに違ったよ」
あたしの頬を流れる涙を指で拭ってくれる。
「ありがとう、燿くん」
「俺のセリフ。もう恋なんてできないって思ってた俺に恋を教えてくれてありがとう」
燿くんのセリフはまたあたしを泣かせてくれて「泣き虫だなー」って、笑う燿くんといつまでも幸せにいたいと思った。
-another story ①完~
0
あなたにおすすめの小説
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司
貴方だけが私に優しくしてくれた
バンブー竹田
恋愛
人質として隣国の皇帝に嫁がされた王女フィリアは宮殿の端っこの部屋をあてがわれ、お飾りの側妃として空虚な日々をやり過ごすことになった。
そんなフィリアを気遣い、優しくしてくれたのは年下の少年騎士アベルだけだった。
いつの間にかアベルに想いを寄せるようになっていくフィリア。
しかし、ある時、皇帝とアベルの会話を漏れ聞いたフィリアはアベルの優しさの裏の真実を知ってしまってーーー
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
☘ 注意する都度何もない考え過ぎだと言い張る夫、なのに結局薬局疚しさ満杯だったじゃんか~ Bakayarou-
設楽理沙
ライト文芸
☘ 2025.12.18 文字数 70,089 累計ポイント 677,945 pt
夫が同じ社内の女性と度々仕事絡みで一緒に外回りや
出張に行くようになって……あまりいい気はしないから
やめてほしいってお願いしたのに、何度も……。❀
気にし過ぎだと一笑に伏された。
それなのに蓋を開けてみれば、何のことはない
言わんこっちゃないという結果になっていて
私は逃走したよ……。
あぁ~あたし、どうなっちゃうのかしらン?
ぜんぜん明るい未来が見えないよ。。・゜・(ノε`)・゜・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
初回公開日時 2019.01.25 22:29
初回完結日時 2019.08.16 21:21
再連載 2024.6.26~2024.7.31 完結
❦イラストは有償画像になります。
2024.7 加筆修正(eb)したものを再掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる