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青バラの花言葉
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花壇の花に水をやりながら隣にいる男である幼馴染に何気なく問いかけた。しゃがみこんでいた彼はいきなり質問にキョトンとした顔をしながら俺のほうを見上げてきた。
「ねぇ、青いバラの花言葉って知ってる?」
「あ?しらねぇ。」
「そっかぁ、残念。」
彼の言葉に残念そうに顔をすくめてそのまま花壇のほうに目を向けた。俺の言葉が気になったのか立ち上がって方をつかんでくる。
「話を途中で終わらせんなよ。気になんだろ。つか、青いバラなんてまだできてないだろ?」
「ちゃんと出来てるよ。」
「マジで!」
今から数年前に日本と海外の企業が共同で開発したというのは当時大いに賑わせたニュースだった。子供の頃にそのニュースを始めて知った時は心底驚いたのを覚えている。親に何度も青いバラの話をしていたのは懐かしい記憶だ。
「数年前に遺伝子組み換えで出来たみたい。」
「へぇ~すっげ。」
花の前にかがむと葉についていた虫を手で取り払う。嫌そうにしながらも大人しく土へ帰っていく虫を眺めていた。言葉は独り言のように口から漏れ出していく。
「バラの遺伝子には青色の色素が存在しないんだって、だからバラ愛好者にとって念願の夢だったんだ。青いバラが出来るまで花言葉は『不可能』といわれていたくらいなんだよ。」
「はぁ、お前物知りだなぁ。」
「ふふ、花に関することだけね。」
「それでも俺よりすごいって。」
彼が感心したように目を見開いている。なんどもすごいと繰り返している姿は幼く見えて可愛らしくみえる。つい微笑ましくてフッと息を漏らしてしまった。
「ありがとう。」
「そんで?」
「え?」
先ほどまで笑顔ではしゃいでいた彼が真面目そうな顔でこちらに顔を向けてきた。不思議そうに顔を近づけて花言葉の続きをせがんでいる。急に近づかれてしまい驚いて顔を赤らめてしまう。すぐに赤くなった顔を見られないように顔を背ける。幸いにも彼に俺の変化は気づかれなかったらしく、訝ることなく話を続けていた。
「だから、青いバラの花言葉。今は違うんだろ?」
「あぁ、うん、今はね『夢叶う』って言われてるよ。」
「はあ~、『不可能』から『夢叶う』かぁ。なんつうかすごい話だな。」
何か思うことがあるのだろう。顎に手を当てて考え込んでいる。それもそのはずだ。彼にはいま、叶えたい夢がある。
「・・・・・・来週にはアメリカへ行くんだっけ?」
「そうだな。」
声が震えてしまわないか一瞬声を出すのを躊躇してしまう。言葉にしただけで胸が痛くなるほどに悲鳴を上げたくなる。目が震え雫が零れてしまわないようにぐっと力を入れて我慢をする。彼の視線から映らない位置に置いておいた花束を手にする。
「応援してる。夢が叶うように、ずっと。」
「え、これって。」
「青いバラにはね、本数によっても花言葉が変わってくるの9本の青いバラの花言葉は『夢がかなうようにいつも応援している。』・・・・・・だから、頑張って!」
真っ直ぐ彼を見つめ精一杯の下手くそな笑みを浮かべる。差し出された花束を受け取った彼は驚いた顔をして俺と花を交互に見ていた。
「おう!ありがとうな。花束貰うなんて初めてだけど嬉しいな。」
「うん。良かった。」
嬉しそうに花を見つめたり、匂いをかいでいたりしている彼を見ているとちくりと胸が痛んだ。彼に伝えていない9本のバラのもう一つの花言葉。
『あなたを想っています』
花束へのせて俺の想いをあなたに告げる。
「ねぇ、青いバラの花言葉って知ってる?」
「あ?しらねぇ。」
「そっかぁ、残念。」
彼の言葉に残念そうに顔をすくめてそのまま花壇のほうに目を向けた。俺の言葉が気になったのか立ち上がって方をつかんでくる。
「話を途中で終わらせんなよ。気になんだろ。つか、青いバラなんてまだできてないだろ?」
「ちゃんと出来てるよ。」
「マジで!」
今から数年前に日本と海外の企業が共同で開発したというのは当時大いに賑わせたニュースだった。子供の頃にそのニュースを始めて知った時は心底驚いたのを覚えている。親に何度も青いバラの話をしていたのは懐かしい記憶だ。
「数年前に遺伝子組み換えで出来たみたい。」
「へぇ~すっげ。」
花の前にかがむと葉についていた虫を手で取り払う。嫌そうにしながらも大人しく土へ帰っていく虫を眺めていた。言葉は独り言のように口から漏れ出していく。
「バラの遺伝子には青色の色素が存在しないんだって、だからバラ愛好者にとって念願の夢だったんだ。青いバラが出来るまで花言葉は『不可能』といわれていたくらいなんだよ。」
「はぁ、お前物知りだなぁ。」
「ふふ、花に関することだけね。」
「それでも俺よりすごいって。」
彼が感心したように目を見開いている。なんどもすごいと繰り返している姿は幼く見えて可愛らしくみえる。つい微笑ましくてフッと息を漏らしてしまった。
「ありがとう。」
「そんで?」
「え?」
先ほどまで笑顔ではしゃいでいた彼が真面目そうな顔でこちらに顔を向けてきた。不思議そうに顔を近づけて花言葉の続きをせがんでいる。急に近づかれてしまい驚いて顔を赤らめてしまう。すぐに赤くなった顔を見られないように顔を背ける。幸いにも彼に俺の変化は気づかれなかったらしく、訝ることなく話を続けていた。
「だから、青いバラの花言葉。今は違うんだろ?」
「あぁ、うん、今はね『夢叶う』って言われてるよ。」
「はあ~、『不可能』から『夢叶う』かぁ。なんつうかすごい話だな。」
何か思うことがあるのだろう。顎に手を当てて考え込んでいる。それもそのはずだ。彼にはいま、叶えたい夢がある。
「・・・・・・来週にはアメリカへ行くんだっけ?」
「そうだな。」
声が震えてしまわないか一瞬声を出すのを躊躇してしまう。言葉にしただけで胸が痛くなるほどに悲鳴を上げたくなる。目が震え雫が零れてしまわないようにぐっと力を入れて我慢をする。彼の視線から映らない位置に置いておいた花束を手にする。
「応援してる。夢が叶うように、ずっと。」
「え、これって。」
「青いバラにはね、本数によっても花言葉が変わってくるの9本の青いバラの花言葉は『夢がかなうようにいつも応援している。』・・・・・・だから、頑張って!」
真っ直ぐ彼を見つめ精一杯の下手くそな笑みを浮かべる。差し出された花束を受け取った彼は驚いた顔をして俺と花を交互に見ていた。
「おう!ありがとうな。花束貰うなんて初めてだけど嬉しいな。」
「うん。良かった。」
嬉しそうに花を見つめたり、匂いをかいでいたりしている彼を見ているとちくりと胸が痛んだ。彼に伝えていない9本のバラのもう一つの花言葉。
『あなたを想っています』
花束へのせて俺の想いをあなたに告げる。
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