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顧問2年目07月
顧問2年目07月 31
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「いやぁ、やっぱ旅館の風呂っつったら、露天だよなぁ!」
立成と清野は浴場にいた。
タオルの貸し出しもあるからという清野に誘われるまま、宴会場の廊下から直接大浴場へとやって来たのだった。
恥部を晒し後にまたも裸になるのは気が引けるのもあったが、あの場所で清野に騒ぎ立てられるのも都合が悪かった立成は、その誘いに乗ったのだった。
「湯も源泉かけ流しだし、足も伸ばせるから本当に気持ちいいなぁ!」
「そうですね・・・」
この大浴場は1年前も来た場所ではあるのだが、やはり広い浴場だった。この時間帯だからか、それとも平日だからか、入浴客はまばらで、広さと見合っていなかった。立成と清野はそんな閑散とした大浴場にて隣り合った鏡台にて各々身体を洗い、そして露天風呂へとやって来たのだった。
「見ろよ立成先生!すげぇ星だぞ!吸い込まれちまいそうだ!・・・ん、どした?」
「いえ、何でもないです」
「それに肩まで浸からないと流石に冷えちまうぜ?」
清野のその言葉は、善意の言葉のはずだった。
外に出るや否やザブンと湯気が広がる露天風呂の湯へとザブンと身を沈めた清野とは正反対に、露天風呂に来たというのにその入り口の岩場にて立ちっぱなしの立成を見れば、それは誰でも疑問に思うことだったのだ。
しかし、立成にはそれにも理由があった。
ほんの数十分前に、数々の男たちに詰られ甚振られたこの身体。
自分の身体を視られ、嘲笑された。それ自体は・・・・まぁ、構わない。納得もできないし怒りだって湧いてくるが、そうじゃない。
問題は、その尻だった。
散々、もう数も数えられないほどに親父たちの太く丸い掌にて平手されてしまった立成の尻は、肉厚な脂肪では庇いきれないほどに赤く腫れあがっていたのだった。なんとか自然に見えるように立成には尻を見せないようにしていたが、自分の尻を直視していないが、きっととんでもない状態になっているのだろう。
これまでの経験で、そんなことをされた日にはとてもではないが湯船に浸かるのは大変なことはわかっていた。
できるのならば、このまま部屋に戻ってしまいたい、そんな思いがあった。
それでも、風呂に来て経っているだけというのはあまりにも不自然であるため、立成は意を決してその身を熱い熱い湯に沈めた。
「ぐっ・・・うっ・・・ふっ・・・」
否が応にも尻の腫れを分からされる痛みが身体に響く。
尻から響くジンジンとした鳴動をなんとか気にしないように、ミネラル豊富な源泉かけ流しの湯に身を任せたように体を伸ばした。
「は~ぁ、気持ちいいなぁ!」
「そ、そっすね・・・」
清野が吐息を吐き出しながら感嘆する。瞼を閉じて唸るように漏れ出るその声は世間一般にいう『親父』の姿そのものだった。
子どもが2人はいると聞いてはいるが、たしか40歳にはなっていないはずの清野がそのような老けたおっさんそのもののようなことを語るのは、それは体に染み渡るたるような温泉の効能、無限に広がる漆黒の星空、日常と切り離された澄み切った空気、そういったものを噛み締めていたからだと思っていた。そうだと思っていた。
「で、何があったんだ・・・?」
「えっ・・・?」
「さっきのことだよ。便所って言って飯を抜け出して何してたんだよ?便所のはず無えだろ?あんだけの時間かけてんだからよ」
ズキン。清野の言葉を聞いて胸が軋む音がした。
いつのまにか隣で湯船に浸かっている清野の顔が、こちらを向いているようだった。
「いやぁ探したんだぜぇ?全然見見つからないから、森田たちを部屋に返してまたあちこち見回ってさぁ。ようやく見つけたと思ったら、なんか知らない爺さんとなんか話してたしなぁ。さすがによくわからんぞ?」
立成は湯面を見つめていた目を上げて清野の顔を見る。彼の表情はいつもと変わらないような、おどけた感じではある。だが、その眼は決して立成のことを見下したようなものではなかった。その表情は、決していつものように立成を子馬鹿にして揶揄うことを楽しんでいるあの悪ガキのような顔とは、全く異なるものだった。
きっと、最初からそうだったのかもしれない。
あの廊下で風呂に誘ったのも。こうやって人の少ない露天に連れて来たのも。いつものように湯船ではしゃいだりしていたのも。
立成に何かがあることを悟った清野なりの気づかいだったのかもしれない。
そんな清野から、ここまでストレートに聞かれてしまってはどうしようもなかった。
自分勝手な妄想かもしれないそんな思いが湧き上がったら、立成は本当は言いたくないことであるというのに、離してしまっても良いように思ってしまった。それは、立成も本当はそう願っていたからなのかもしれない。
立成は唾をのみ、太い喉仏を鳴らして一呼吸をおいた。そして。
「じ、実は、実はですね・・・・その・・・」
・・・・・
洗ざらい、全てを話した。
親父たちから受けた、凄惨な扱い。
純朴な男へのからかいとしてはやり過ぎな、凌辱と言っていいほどの仕打ち。その言葉にするのも臆するような出来事を、立成は湯船の中だとういうのに体が震えそうになりながらも清野に打ち明けた。清野はそれを黙って聞いていた。だからこそ、立成は話すことをやめずに打ち明けることができたのかもしれない。
だが、最後の沼田・・・あの、言葉だけは清野には言わないでおいた。それを話すと、それだけでは済まないような気がしたからだ。いくら清野とはいえど、さすがにそのあたりの例えば、自分と筒井がどんな関係にあるか、など・・・
「なーんだ!!」
立成が一通り話し終えると、清野は素っ頓狂な声を上げて笑った。ずっと抱えていたものが解決したかのような、そんな晴れたような顔をしていた。
「なんだ、って・・・いや、なんだってなんですか!」
「え、だってな、そんくらいのことかぁ、って」
「なっ、何がそんくらいって!お、俺は」
立成は清野にその広い背を向けるが、その短髪頭に分厚い掌が乗せられわしゃわしゃとされた。まるでガキ扱いというか、犬扱いされているように感じたが、そこまで悪い気はしなかった。
宴会場で受けた仕打ちは許すことはできないものの、それでも、どこか気が楽になっていた。話したことで心のどこかでつっかえていたものが解消された、そんな気分だった。
「まぁまぁ、すまんすまん、思わず本音が出ちまっただけだから、さ。よしよし」
「ちょっ」
「俺はてっきり、もっとやべえ出来事があったんだと思ったんだがなぁ」
「なっ、何を言って・・・」
湯の中で近づく清野のその身を感じた。
グイグイと、立成に負けず劣らず逞しい身体をゼロ距離になるほどに近づけた。
「こっちとしてはもうずいぶんやばいことなんですよ!もっとやばいことなんて・・・」
「そうだな。例えば・・・立成先生のここのこととかかだな」
「・・・んなっ・・・!!」
声をあげてしまう。いきなり尻の割れ目に清野の指が入って来たのだ。
突然すぎるスキンシップに立成は湯の中で身体が硬直させたままだ。清野は反対の腕で立成の腕を押さえつける。
「え、ちょ、ま、え、な、何を・・・」
「ここ、さっき何されたんだっけ?」
「だから、それは・・・」
「言えって」
「なっ」
「言えよ」
「・・・無理やりケツを見られましたよ・・・」
「それで?」
「ヒィッ!!」
充てがわれた指が肛門の皺をなぞった。
あまりにもストレート過ぎるその愛撫に、立成はたまらず声をあげてしまった。洗いざらい白状したことにより気持ちが昂っていたのもあるかもしれない。とにかく、立成はただ、自分の敏感な部分に武骨な男の指が触れたただそれだけで、スイッチが入ってしまったのだった。
「で?ケツを見られれだけか?」
「うっ・・・け、ケツを無理矢理広げられて、ケツの穴も・・・・」
「見られたのか?」
「は、はい」
「見られて、それで?」
「あ、あとは・・・」
そんな聴取が続く中でも、皺の全てを撫でるかのように指が動かされ続ける。臀部の割れ目と浴槽の床のわずかな隙間から、清野の手が入り込んでくるのを感じる。
なぜそんなことをするのか?
そんな当然の疑問ですら思い浮かばないほどに、立成は焦燥していた。こんな公衆の露天風呂で、こんなことって・・・?
それでも、そんな清野の取り調べを受ければ受けるほど、立成は自分の下の穴がムズムズとしてくるのを抑えきれなかった。額に汗が浮かぶのは温泉の効能だけによるものではなかったのだ。
「ケツを・・・ケツを、叩かれました」
「何度も、か?」
「はい、何度も、です」
「そうか。そりゃ痛かったろうな?」
「はい」
「それ、今はどんな感じだ?」
「えっ、どんなって」
「見せてみなって?な?」
「はぁ?」
「さっき言ったような事されたんだろ?見せてみろって?」
断ることだってできたはずだった。
それなのに、この時の立成にはなぜかその選択肢は無いように思えた。
ぼーっとする頭のまま立成は立ち上がる。
なぜこんなことを?そう思っているというのに。
立成は身体を揺らしながら、湯船に足をつけたまま、壁面の岩に手を置き、その尻を突き出した。黒い毛が湯船によって尻タブに纏わりついている、そんなデカ尻をしっかりと清野に晒していた。
「おうおう、ずいぶん赤くなってんな?」
「そ、そうですか?」
その言葉には応えず、清野の視線を尻に受け続けていた。
今でもジンジンとひりつく尻タブを見られている。そう思うと胸がキュッと締め付けられそうだった。
「真っ赤っかだなぁ」
「ひっ!け、ケツ触らな・・・」
「おうおう、やっぱ痛いのかぁ、そうだよなぁ」
弄るように尻を撫でられていた。
立成のデカ尻に負けないほどに大きい清野の掌。指は親父らしく太く短い。そんな手が、今、自分の尻を・・・
「あ、そんな、ちょ・・・」
「いいから、大人くしくしてろ」
「あっ・・・」
赤く染められた尻タブを鷲掴みにされ、拡げられてたことで立成はうめき声を上げる。
上体は湯船から出て涼しい夜風に晒されているというのに、立成は汗がダクダクと止まらなかった。
「・・・前よりも・・・・」
「えっ・・・?」
清野が何かを口にしたが、よく聞き取れなかった。何げなく口にしたことなど丸で無かったかのように清野は語りかけた。
「可哀そうになぁ。親父たちに好きにされたんだっけ?」
「はい・・・」
「そういや、どうしてケツ叩かれたんだっけ?」
「それは・・・」
改めて口にすると、またも羞恥の地獄にに堕とされてしまう。
「で、なんて言われたんだ?」
「・・・」
「言ってみな?」
立成は壁に手をついたまま、顔だけを後ろへ振り返らせる。自分と同じく全裸の清野が、真剣な眼差しで自分を見返してきた。その間も、清野の左手は自分の赤く腫れた臀部を弄っていた。
「ケツがデカいって言われて叩かれて・・・」
「後は?」
「ケツが、き、汚いって・・・け、毛だらけだからって・・」
「そうか。後は?」
「・・・あ、あの・・・その、ど、童貞だからって・・・」
「そんなことまで言われたのか!?っつーか白状したのか!?」
「は、はい・・・」
清野が驚きの声を上げるのを背後から感じながらも、その間中、ずっと尻を撫でられていた。
どうしてこんなことをしている?
自分に問いかけるも、その答えをしっかりと探す気などなかった。考える余裕もなくなっていた。
「で、その後はどんな格好させられたんだ?」
「えっ?」
「さっき、親父たちに拘束されたって言ったよな?そのとき、どんな格好だったんだ?やってみろ?」
「・・・・っ・・・」
身体が火照っていた。
すでに湯船から身体を上げているというのに。7月とはいえ夜の空気は冷えているはずであるというのに。そんな夜風の中に裸体を晒しているというのに。
どうしても身体が、心が、熱く、熱く・・・・
言うことを聞かなかった。いや、身体は自然と動いていた。
立成は呼吸を荒らげながらも無骨な岩の床に上体を預け、仰向けとなった。そのままゆっくりと己の太股を上げ、両手で持ち上げる。
つい数十分ほど前まで、あの親父たちに晒していた己の無様な格好を再現してしまっていた。その格好は、男なら決してしないはずの恰好なのだ。ケツの穴から睾丸、そして何より、しっかりと包皮に包まれている己の一物まで、自分の恥ずかしすぎる部分の全てを、眼前にいる清野に披露しているのだ。
「・・・」
「うぅっ・・・」
ギュッと目を瞑る。
とてもではないが清野の顔を見れなかった。こんな、こんなにも破廉恥な格好をしている自分が信じられなかった。そしてそんな自分の姿を清野に見られているのも耐えられなかった。
しかし・・・
なぜだ、どうしてだ。
ただ、視られている。ただそれだけだというのに。
いつの間にか立成の股間の竿は、大樹のように天を向いてしまっていた。
ほんの一時間も経っていない前に射精したことも忘れたかのようだった。
(あぁぁ・・・俺、俺・・・もう・・・なんで・・・)
遠くで引き戸の音がしたことも聞こえなかった。
「おい、いつまでそんな格好してんだよ?」
「えっ?」
「もうすぐ人が来るぞ、よその人だ」
「はっ、なっ・・・!」
「ま、立成先生が、どうしてもケツ穴を見られたいってんなら話は別だがな!」
ニヤニヤとした笑みを浮かべて、あられのない格好の自分を見下ろしながらも、焦る立成の耳元で清野が囁いた。
「俺は先に上がるぞ」
「えっ、ちょっ・・・」
「おい、しっかり綺麗にしておくんだぞ・・・・」
「えっ・・・?」
立成と清野は浴場にいた。
タオルの貸し出しもあるからという清野に誘われるまま、宴会場の廊下から直接大浴場へとやって来たのだった。
恥部を晒し後にまたも裸になるのは気が引けるのもあったが、あの場所で清野に騒ぎ立てられるのも都合が悪かった立成は、その誘いに乗ったのだった。
「湯も源泉かけ流しだし、足も伸ばせるから本当に気持ちいいなぁ!」
「そうですね・・・」
この大浴場は1年前も来た場所ではあるのだが、やはり広い浴場だった。この時間帯だからか、それとも平日だからか、入浴客はまばらで、広さと見合っていなかった。立成と清野はそんな閑散とした大浴場にて隣り合った鏡台にて各々身体を洗い、そして露天風呂へとやって来たのだった。
「見ろよ立成先生!すげぇ星だぞ!吸い込まれちまいそうだ!・・・ん、どした?」
「いえ、何でもないです」
「それに肩まで浸からないと流石に冷えちまうぜ?」
清野のその言葉は、善意の言葉のはずだった。
外に出るや否やザブンと湯気が広がる露天風呂の湯へとザブンと身を沈めた清野とは正反対に、露天風呂に来たというのにその入り口の岩場にて立ちっぱなしの立成を見れば、それは誰でも疑問に思うことだったのだ。
しかし、立成にはそれにも理由があった。
ほんの数十分前に、数々の男たちに詰られ甚振られたこの身体。
自分の身体を視られ、嘲笑された。それ自体は・・・・まぁ、構わない。納得もできないし怒りだって湧いてくるが、そうじゃない。
問題は、その尻だった。
散々、もう数も数えられないほどに親父たちの太く丸い掌にて平手されてしまった立成の尻は、肉厚な脂肪では庇いきれないほどに赤く腫れあがっていたのだった。なんとか自然に見えるように立成には尻を見せないようにしていたが、自分の尻を直視していないが、きっととんでもない状態になっているのだろう。
これまでの経験で、そんなことをされた日にはとてもではないが湯船に浸かるのは大変なことはわかっていた。
できるのならば、このまま部屋に戻ってしまいたい、そんな思いがあった。
それでも、風呂に来て経っているだけというのはあまりにも不自然であるため、立成は意を決してその身を熱い熱い湯に沈めた。
「ぐっ・・・うっ・・・ふっ・・・」
否が応にも尻の腫れを分からされる痛みが身体に響く。
尻から響くジンジンとした鳴動をなんとか気にしないように、ミネラル豊富な源泉かけ流しの湯に身を任せたように体を伸ばした。
「は~ぁ、気持ちいいなぁ!」
「そ、そっすね・・・」
清野が吐息を吐き出しながら感嘆する。瞼を閉じて唸るように漏れ出るその声は世間一般にいう『親父』の姿そのものだった。
子どもが2人はいると聞いてはいるが、たしか40歳にはなっていないはずの清野がそのような老けたおっさんそのもののようなことを語るのは、それは体に染み渡るたるような温泉の効能、無限に広がる漆黒の星空、日常と切り離された澄み切った空気、そういったものを噛み締めていたからだと思っていた。そうだと思っていた。
「で、何があったんだ・・・?」
「えっ・・・?」
「さっきのことだよ。便所って言って飯を抜け出して何してたんだよ?便所のはず無えだろ?あんだけの時間かけてんだからよ」
ズキン。清野の言葉を聞いて胸が軋む音がした。
いつのまにか隣で湯船に浸かっている清野の顔が、こちらを向いているようだった。
「いやぁ探したんだぜぇ?全然見見つからないから、森田たちを部屋に返してまたあちこち見回ってさぁ。ようやく見つけたと思ったら、なんか知らない爺さんとなんか話してたしなぁ。さすがによくわからんぞ?」
立成は湯面を見つめていた目を上げて清野の顔を見る。彼の表情はいつもと変わらないような、おどけた感じではある。だが、その眼は決して立成のことを見下したようなものではなかった。その表情は、決していつものように立成を子馬鹿にして揶揄うことを楽しんでいるあの悪ガキのような顔とは、全く異なるものだった。
きっと、最初からそうだったのかもしれない。
あの廊下で風呂に誘ったのも。こうやって人の少ない露天に連れて来たのも。いつものように湯船ではしゃいだりしていたのも。
立成に何かがあることを悟った清野なりの気づかいだったのかもしれない。
そんな清野から、ここまでストレートに聞かれてしまってはどうしようもなかった。
自分勝手な妄想かもしれないそんな思いが湧き上がったら、立成は本当は言いたくないことであるというのに、離してしまっても良いように思ってしまった。それは、立成も本当はそう願っていたからなのかもしれない。
立成は唾をのみ、太い喉仏を鳴らして一呼吸をおいた。そして。
「じ、実は、実はですね・・・・その・・・」
・・・・・
洗ざらい、全てを話した。
親父たちから受けた、凄惨な扱い。
純朴な男へのからかいとしてはやり過ぎな、凌辱と言っていいほどの仕打ち。その言葉にするのも臆するような出来事を、立成は湯船の中だとういうのに体が震えそうになりながらも清野に打ち明けた。清野はそれを黙って聞いていた。だからこそ、立成は話すことをやめずに打ち明けることができたのかもしれない。
だが、最後の沼田・・・あの、言葉だけは清野には言わないでおいた。それを話すと、それだけでは済まないような気がしたからだ。いくら清野とはいえど、さすがにそのあたりの例えば、自分と筒井がどんな関係にあるか、など・・・
「なーんだ!!」
立成が一通り話し終えると、清野は素っ頓狂な声を上げて笑った。ずっと抱えていたものが解決したかのような、そんな晴れたような顔をしていた。
「なんだ、って・・・いや、なんだってなんですか!」
「え、だってな、そんくらいのことかぁ、って」
「なっ、何がそんくらいって!お、俺は」
立成は清野にその広い背を向けるが、その短髪頭に分厚い掌が乗せられわしゃわしゃとされた。まるでガキ扱いというか、犬扱いされているように感じたが、そこまで悪い気はしなかった。
宴会場で受けた仕打ちは許すことはできないものの、それでも、どこか気が楽になっていた。話したことで心のどこかでつっかえていたものが解消された、そんな気分だった。
「まぁまぁ、すまんすまん、思わず本音が出ちまっただけだから、さ。よしよし」
「ちょっ」
「俺はてっきり、もっとやべえ出来事があったんだと思ったんだがなぁ」
「なっ、何を言って・・・」
湯の中で近づく清野のその身を感じた。
グイグイと、立成に負けず劣らず逞しい身体をゼロ距離になるほどに近づけた。
「こっちとしてはもうずいぶんやばいことなんですよ!もっとやばいことなんて・・・」
「そうだな。例えば・・・立成先生のここのこととかかだな」
「・・・んなっ・・・!!」
声をあげてしまう。いきなり尻の割れ目に清野の指が入って来たのだ。
突然すぎるスキンシップに立成は湯の中で身体が硬直させたままだ。清野は反対の腕で立成の腕を押さえつける。
「え、ちょ、ま、え、な、何を・・・」
「ここ、さっき何されたんだっけ?」
「だから、それは・・・」
「言えって」
「なっ」
「言えよ」
「・・・無理やりケツを見られましたよ・・・」
「それで?」
「ヒィッ!!」
充てがわれた指が肛門の皺をなぞった。
あまりにもストレート過ぎるその愛撫に、立成はたまらず声をあげてしまった。洗いざらい白状したことにより気持ちが昂っていたのもあるかもしれない。とにかく、立成はただ、自分の敏感な部分に武骨な男の指が触れたただそれだけで、スイッチが入ってしまったのだった。
「で?ケツを見られれだけか?」
「うっ・・・け、ケツを無理矢理広げられて、ケツの穴も・・・・」
「見られたのか?」
「は、はい」
「見られて、それで?」
「あ、あとは・・・」
そんな聴取が続く中でも、皺の全てを撫でるかのように指が動かされ続ける。臀部の割れ目と浴槽の床のわずかな隙間から、清野の手が入り込んでくるのを感じる。
なぜそんなことをするのか?
そんな当然の疑問ですら思い浮かばないほどに、立成は焦燥していた。こんな公衆の露天風呂で、こんなことって・・・?
それでも、そんな清野の取り調べを受ければ受けるほど、立成は自分の下の穴がムズムズとしてくるのを抑えきれなかった。額に汗が浮かぶのは温泉の効能だけによるものではなかったのだ。
「ケツを・・・ケツを、叩かれました」
「何度も、か?」
「はい、何度も、です」
「そうか。そりゃ痛かったろうな?」
「はい」
「それ、今はどんな感じだ?」
「えっ、どんなって」
「見せてみなって?な?」
「はぁ?」
「さっき言ったような事されたんだろ?見せてみろって?」
断ることだってできたはずだった。
それなのに、この時の立成にはなぜかその選択肢は無いように思えた。
ぼーっとする頭のまま立成は立ち上がる。
なぜこんなことを?そう思っているというのに。
立成は身体を揺らしながら、湯船に足をつけたまま、壁面の岩に手を置き、その尻を突き出した。黒い毛が湯船によって尻タブに纏わりついている、そんなデカ尻をしっかりと清野に晒していた。
「おうおう、ずいぶん赤くなってんな?」
「そ、そうですか?」
その言葉には応えず、清野の視線を尻に受け続けていた。
今でもジンジンとひりつく尻タブを見られている。そう思うと胸がキュッと締め付けられそうだった。
「真っ赤っかだなぁ」
「ひっ!け、ケツ触らな・・・」
「おうおう、やっぱ痛いのかぁ、そうだよなぁ」
弄るように尻を撫でられていた。
立成のデカ尻に負けないほどに大きい清野の掌。指は親父らしく太く短い。そんな手が、今、自分の尻を・・・
「あ、そんな、ちょ・・・」
「いいから、大人くしくしてろ」
「あっ・・・」
赤く染められた尻タブを鷲掴みにされ、拡げられてたことで立成はうめき声を上げる。
上体は湯船から出て涼しい夜風に晒されているというのに、立成は汗がダクダクと止まらなかった。
「・・・前よりも・・・・」
「えっ・・・?」
清野が何かを口にしたが、よく聞き取れなかった。何げなく口にしたことなど丸で無かったかのように清野は語りかけた。
「可哀そうになぁ。親父たちに好きにされたんだっけ?」
「はい・・・」
「そういや、どうしてケツ叩かれたんだっけ?」
「それは・・・」
改めて口にすると、またも羞恥の地獄にに堕とされてしまう。
「で、なんて言われたんだ?」
「・・・」
「言ってみな?」
立成は壁に手をついたまま、顔だけを後ろへ振り返らせる。自分と同じく全裸の清野が、真剣な眼差しで自分を見返してきた。その間も、清野の左手は自分の赤く腫れた臀部を弄っていた。
「ケツがデカいって言われて叩かれて・・・」
「後は?」
「ケツが、き、汚いって・・・け、毛だらけだからって・・」
「そうか。後は?」
「・・・あ、あの・・・その、ど、童貞だからって・・・」
「そんなことまで言われたのか!?っつーか白状したのか!?」
「は、はい・・・」
清野が驚きの声を上げるのを背後から感じながらも、その間中、ずっと尻を撫でられていた。
どうしてこんなことをしている?
自分に問いかけるも、その答えをしっかりと探す気などなかった。考える余裕もなくなっていた。
「で、その後はどんな格好させられたんだ?」
「えっ?」
「さっき、親父たちに拘束されたって言ったよな?そのとき、どんな格好だったんだ?やってみろ?」
「・・・・っ・・・」
身体が火照っていた。
すでに湯船から身体を上げているというのに。7月とはいえ夜の空気は冷えているはずであるというのに。そんな夜風の中に裸体を晒しているというのに。
どうしても身体が、心が、熱く、熱く・・・・
言うことを聞かなかった。いや、身体は自然と動いていた。
立成は呼吸を荒らげながらも無骨な岩の床に上体を預け、仰向けとなった。そのままゆっくりと己の太股を上げ、両手で持ち上げる。
つい数十分ほど前まで、あの親父たちに晒していた己の無様な格好を再現してしまっていた。その格好は、男なら決してしないはずの恰好なのだ。ケツの穴から睾丸、そして何より、しっかりと包皮に包まれている己の一物まで、自分の恥ずかしすぎる部分の全てを、眼前にいる清野に披露しているのだ。
「・・・」
「うぅっ・・・」
ギュッと目を瞑る。
とてもではないが清野の顔を見れなかった。こんな、こんなにも破廉恥な格好をしている自分が信じられなかった。そしてそんな自分の姿を清野に見られているのも耐えられなかった。
しかし・・・
なぜだ、どうしてだ。
ただ、視られている。ただそれだけだというのに。
いつの間にか立成の股間の竿は、大樹のように天を向いてしまっていた。
ほんの一時間も経っていない前に射精したことも忘れたかのようだった。
(あぁぁ・・・俺、俺・・・もう・・・なんで・・・)
遠くで引き戸の音がしたことも聞こえなかった。
「おい、いつまでそんな格好してんだよ?」
「えっ?」
「もうすぐ人が来るぞ、よその人だ」
「はっ、なっ・・・!」
「ま、立成先生が、どうしてもケツ穴を見られたいってんなら話は別だがな!」
ニヤニヤとした笑みを浮かべて、あられのない格好の自分を見下ろしながらも、焦る立成の耳元で清野が囁いた。
「俺は先に上がるぞ」
「えっ、ちょっ・・・」
「おい、しっかり綺麗にしておくんだぞ・・・・」
「えっ・・・?」
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だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
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真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
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