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協力
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「すみません。苦しかったですよね」
呼吸が楽になって、咽る。目の前が暗くなったのは意識が途切れたせいだと思ったが、どうやらエリアを移動したかららしい。
目の前に整った顔が現れ、さらに動悸が速くなる。多少幼いし無表情ではあるが、造形的に見ればかなり精巧だ。
「そういえば名前を教えてもらっていませんでしたね。何というお名前でしょう?」
「ゲホッ、ぅぐ..、え、っと、ルイです。ルイ・セビナーン、君の名前は...?」
「? サトリですよ。言いましたよね?」
こてんと首を傾げられたが、こちらもその状況である。
確か「サトリ」とは個体名と言っていたはず。名前でもない、個体名。
「呼び捨てで構いません。敬語もいらないです。見た目通りの年齢なので。まぁそれは置いておきまして。ボスモンスターについてですが、サトリたち二人でも倒せます。先ほど諦めた顔つきになっていましたが問題なくやれます」
「いや、無理でしょ....。だってボスモンスターだよ?」
「はい。そうですね」
「だから、僕たち二人じゃ無理だって、」
「死んでから無理って思ってください。というか、引き返せないんで実質二択なんですよ。諦めて死ぬか、勝って生きるかです。死に方・生き方は色々ありますが結果はその二つなんで選んでください」
言ってることが無茶苦茶だ。でも理解はできる。
「僕は、」
「けどサトリは死にたくないのでルイさんにも手伝ってもらいます。いいですか?」
疑問になっていない疑問だ。けれど。自分で堂々巡りするよりは良いかもしれない。
「この先進めば、ボス部屋です。引けません。時間は山ほどありますが、食料少ないので早めに出たいです。ルイさんの協力が必要不可欠なのです。どうです?」
「...どうですも何も僕が嫌って言ったら、君も死んじゃうじゃないか.......」
「そうですよ。心中希望なら嫌ですので首をはねてあげますが」
「それは、嫌だなぁ…」
諦観から来た笑いが口から漏れ出る。「死ぬ」とか「首をはねる」とか、無表情で言うものだから少し面白い。けれど本気であることは何となく分かった。
「..行くよ。どうすればいい?」
「サトリは後方攻撃ですので、エリア全体を把握できます。攻撃の予兆があれば知らせます。
例えば「11 1」と言ったら十一時の方向に大股で一歩移動してください。十二方向で指定します。理解できました?」
「な、何となく?」
「回避不可能な攻撃はこちらで撃ち落とします。ただ、このダンジョンのボスモンスターは地下攻撃も多用します。弓だけではどうにもならないので頑張って避けてくださいね。
攻撃タイミングもこちらで指示します。名前を呼び捨てで呼ぶので聞こえたら攻撃してください。縦切りでも横切りでもいいです」
こうして今度は自身の足でボス部屋へと向かうのであった。
呼吸が楽になって、咽る。目の前が暗くなったのは意識が途切れたせいだと思ったが、どうやらエリアを移動したかららしい。
目の前に整った顔が現れ、さらに動悸が速くなる。多少幼いし無表情ではあるが、造形的に見ればかなり精巧だ。
「そういえば名前を教えてもらっていませんでしたね。何というお名前でしょう?」
「ゲホッ、ぅぐ..、え、っと、ルイです。ルイ・セビナーン、君の名前は...?」
「? サトリですよ。言いましたよね?」
こてんと首を傾げられたが、こちらもその状況である。
確か「サトリ」とは個体名と言っていたはず。名前でもない、個体名。
「呼び捨てで構いません。敬語もいらないです。見た目通りの年齢なので。まぁそれは置いておきまして。ボスモンスターについてですが、サトリたち二人でも倒せます。先ほど諦めた顔つきになっていましたが問題なくやれます」
「いや、無理でしょ....。だってボスモンスターだよ?」
「はい。そうですね」
「だから、僕たち二人じゃ無理だって、」
「死んでから無理って思ってください。というか、引き返せないんで実質二択なんですよ。諦めて死ぬか、勝って生きるかです。死に方・生き方は色々ありますが結果はその二つなんで選んでください」
言ってることが無茶苦茶だ。でも理解はできる。
「僕は、」
「けどサトリは死にたくないのでルイさんにも手伝ってもらいます。いいですか?」
疑問になっていない疑問だ。けれど。自分で堂々巡りするよりは良いかもしれない。
「この先進めば、ボス部屋です。引けません。時間は山ほどありますが、食料少ないので早めに出たいです。ルイさんの協力が必要不可欠なのです。どうです?」
「...どうですも何も僕が嫌って言ったら、君も死んじゃうじゃないか.......」
「そうですよ。心中希望なら嫌ですので首をはねてあげますが」
「それは、嫌だなぁ…」
諦観から来た笑いが口から漏れ出る。「死ぬ」とか「首をはねる」とか、無表情で言うものだから少し面白い。けれど本気であることは何となく分かった。
「..行くよ。どうすればいい?」
「サトリは後方攻撃ですので、エリア全体を把握できます。攻撃の予兆があれば知らせます。
例えば「11 1」と言ったら十一時の方向に大股で一歩移動してください。十二方向で指定します。理解できました?」
「な、何となく?」
「回避不可能な攻撃はこちらで撃ち落とします。ただ、このダンジョンのボスモンスターは地下攻撃も多用します。弓だけではどうにもならないので頑張って避けてくださいね。
攻撃タイミングもこちらで指示します。名前を呼び捨てで呼ぶので聞こえたら攻撃してください。縦切りでも横切りでもいいです」
こうして今度は自身の足でボス部屋へと向かうのであった。
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