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第5章 森王動乱
異次元の相克
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「やっと見つけたよ!」
遂にエルフ陣営の本隊の前に姿を見せた森王ラルフ。エルフ騎士団達が放った魔法と矢の数々を体験でもって正面から受け止める。
その直後、ラルフの背後から青い閃光が迸る。自らに迫るその存在を察知したラルフが振り向き、その大剣と閃光が激突した。
「ーーーー。」
「追いついた、お前の相手は俺だよ」
青い閃光は、ラルフの痕跡を追い向かってきていた隆人である。既に身体強化のユニークスキルを発動し、オーラを纏っている。
「らぁっ!」
激突したラルフと隆人はそのまま空中で得物をかわす。1合、2合。隆人の小剣と大剣が銀線を生み出しながらぶつかり合い火花を散らす。
本来取り回しの難いはずの大剣だが、ラルフはそんな大剣を片手で振り回し、速度に分があるはずの隆人のセロに手数で拮抗する。
「ーーーーー!」
ラルフが力一杯に大剣を振り抜き、勢いに押されるように隆人が後退する。だが隆人もすぐさま『天駆』を発動、空中で受け身を取り、さらにもう一歩踏みしめる。さらに縮地を使い0から急加速。
一瞬でラルフの背後を取る。そのまま回転しながら切り上げる。ラルフも振り向きざまに大剣を振り下ろす。
再びぶつかる両者の剣。振り抜かれる大剣と小剣、かち合う武器の衝撃に、双方が地面を擦りながら後退する。
「なんて戦いだ。これでは間に入ることもできん……」
「シルヴィア騎士団長!これは何が起こっているのですか!説明を」
「カイルク副団長。それに……里長様!?なぜここにいらっしゃるのですか」
「それはいい。それよりこの状況だ」
里長が戦線にいることにいささか驚きを見せたシルヴィアだが、理由を正す彼女を里長が制す。
「はい。我々遊撃部隊は森王ラルフーーあのオーガを探し戦場をめぐりました。しかしかの魔物は自らの気配を絶つ技術を有していたのか、中々発見は出来ず、現在に至ります」
「ラルフ……懐かしい名だ。たしかにあの魔物なれば自らの気配くらい自在に操るか」
「申し訳ありません、遊撃部隊としての任を果たすことができず」
謝罪を述べるシルヴィア、しかしカイルクが異を唱える。
「そんなことはありません団長。敵のAランク魔物の数が大幅に減っています。団長達がやってくれたのでしょう?」
「本当か、シルヴィア」
「はい。ラルフを探す道中、強い気配を持つ魔物達を狙って討伐していました」
里長の問いに答えるシルヴィア。里長がその返答に頷く。そして視線を先で行われる戦闘へ向けた。
「シルヴィア、大義であった。それで、団長としてこの戦い、我々は何を成すべきと考える」
「はっ。正直、見ている……しかできません。それほどリュート殿とラルフの力は格が違います。我々では助太刀どころか足手まといにすらなりかねないかと」
そう言って苦虫を噛むような表情を見せるシルヴィア、里長もその言葉を聞き、神妙な顔つきをより深める。
その視線の先で戦闘はさらに激化する。
「なんてパワー。それでいて速度も巨躯からは想像できないほどに早い。流石森王と謳われるだけあるね。でも……身体強化・Ⅴ、これならどうかな!」
ギュンと、隆人の速度が上がる。身体強化の段階を一気に引き上げステータスを上昇させる。そのまま潜り込むような体勢で肉薄、切り上げ。
「ーーーー」
「おっりゃぁっ」
バキィ
もちろんラルフも反応し大剣で一撃を防ぐが、隆人はその結果を読んでおり大剣を支えに跳躍。空中逆立ちをしたような体勢から更に身体を捻り、足の甲でラルフの頬を蹴り抜く。
蹴りとは言え放つのは隆人の、1500にすら届く強大なSTRであり、直撃したラルフは鈍い音を響かせながら大きく仰け反る。
肉体的ダメージで言えばごく小さな、しかし戦闘を開始してから初めての明確に手応えのある一撃である。
「ーーーーー!!」
自らが受けたダメージに激昂し、ラルフが吼える。ビリビリと空気を振動させ、周囲の木々が揺れ動く。
そのまま足をたわめて解放。爆速で前進し、力一杯に振り下ろしてくる。全てを叩き潰さんという殺意の一撃に、隆人は動じる事なくセロを構える。
「……"朧"」
ぼそりと隆人、その姿と魔力がぼんやりと揺れる。次の瞬間、その隆人を大剣が叩き斬る。轟音を響かせながら大剣が地面を陥没させ、放射状に亀裂を生み出す
だが、そんな地を割る一撃を頭から受けたはずの隆人の姿が煙のように消える。
朧、動きの中に織り交ぜた緩急でもって見るものに瞬間的に残像をみせる技術。元は隆人が武器の意思の中で戦った剣の極致とも言うべき老人が見せた動きであり、隆人も修練でその一端を習得していた。
そしてその隆人の姿はラルフのすぐ横にいた。
「ーーー!?」
「隙ありだ、『魔力剣・虹彩七閂』!」
大剣を振り切り動きの硬直したラルフ。完全に空いたその隙を突くように隆人が接近する。
そのまま剣に魔力を込める。
込められた魔力が虹色に輝き、隆人は虹色のセロを振るう。瞬く間に七色七本の斬撃がラルフに刻まれる。
そして隆人は残心。7つの斬撃が爆発する。
「ーーーーーーー!」
爆発によって吹き飛ぶラルフ。その体から始めて鮮血が飛ぶ。更に地を蹴り追撃をしかける隆人だが、ラルフも空中で体勢を戻し、大剣を握る。
「まだだよ!『魔力剣』」
「ーーーーー!」
己が速度に任せて突撃し、濃密な魔力を込めた魔力剣で追撃する隆人に、ラルフが無理やり片手に握りしめた大剣をぶつける。
2人の剣がぶつかり合う場を中心に、衝撃波がほとばしり、世界を揺らす。
一瞬拮抗した両者、本来不利な体勢であるはずのラルフだが、それでも力では分があり、大剣の振り抜きによって隆人が吹き飛ばされる。
地面に直撃した隆人だが、すぐに背後の木々に着地する。一時の静寂が生まれる。
「バケモノか…….」
「たしかに、これでは我らの力では足手まといだな」
目の前で激化の一途をたどる異次元の戦いにカイルク戦慄を露わにする。里長も格の違いを感じ取り、息を飲む。
それは周囲のエルフ達も同様であり、騎士団として戦う者たちでさえ、その戦闘の苛烈さに見ているだけしかできない。
その場にいる者たちを置き去りにして、隆人と森王ラルフによる戦闘は進んでいく。だが、そんな時だった。
「!?ぐあっ」
「リュート様!」
いきなり、横合いから放たれた魔力弾が隆人に直撃する。完全に予想外なその一撃、目の前の戦闘に、ラルフの一挙一動に意識の全てを投じて集中していた隆人は反応が遅れ、回避し損ねる。
「全く、魔物達の動きが止まったからなにかと思って見に来れば。気に入らないな、たかだか人間族1人にこの俺様の計画が邪魔されるとは」
魔力弾が放たれたその場から現れたのは、黒衣をまとった男であった。
(季節の変わり目ですね。私は完全に風邪をひいてしまいました……皆さんも体調にはお気をつけて)
遂にエルフ陣営の本隊の前に姿を見せた森王ラルフ。エルフ騎士団達が放った魔法と矢の数々を体験でもって正面から受け止める。
その直後、ラルフの背後から青い閃光が迸る。自らに迫るその存在を察知したラルフが振り向き、その大剣と閃光が激突した。
「ーーーー。」
「追いついた、お前の相手は俺だよ」
青い閃光は、ラルフの痕跡を追い向かってきていた隆人である。既に身体強化のユニークスキルを発動し、オーラを纏っている。
「らぁっ!」
激突したラルフと隆人はそのまま空中で得物をかわす。1合、2合。隆人の小剣と大剣が銀線を生み出しながらぶつかり合い火花を散らす。
本来取り回しの難いはずの大剣だが、ラルフはそんな大剣を片手で振り回し、速度に分があるはずの隆人のセロに手数で拮抗する。
「ーーーーー!」
ラルフが力一杯に大剣を振り抜き、勢いに押されるように隆人が後退する。だが隆人もすぐさま『天駆』を発動、空中で受け身を取り、さらにもう一歩踏みしめる。さらに縮地を使い0から急加速。
一瞬でラルフの背後を取る。そのまま回転しながら切り上げる。ラルフも振り向きざまに大剣を振り下ろす。
再びぶつかる両者の剣。振り抜かれる大剣と小剣、かち合う武器の衝撃に、双方が地面を擦りながら後退する。
「なんて戦いだ。これでは間に入ることもできん……」
「シルヴィア騎士団長!これは何が起こっているのですか!説明を」
「カイルク副団長。それに……里長様!?なぜここにいらっしゃるのですか」
「それはいい。それよりこの状況だ」
里長が戦線にいることにいささか驚きを見せたシルヴィアだが、理由を正す彼女を里長が制す。
「はい。我々遊撃部隊は森王ラルフーーあのオーガを探し戦場をめぐりました。しかしかの魔物は自らの気配を絶つ技術を有していたのか、中々発見は出来ず、現在に至ります」
「ラルフ……懐かしい名だ。たしかにあの魔物なれば自らの気配くらい自在に操るか」
「申し訳ありません、遊撃部隊としての任を果たすことができず」
謝罪を述べるシルヴィア、しかしカイルクが異を唱える。
「そんなことはありません団長。敵のAランク魔物の数が大幅に減っています。団長達がやってくれたのでしょう?」
「本当か、シルヴィア」
「はい。ラルフを探す道中、強い気配を持つ魔物達を狙って討伐していました」
里長の問いに答えるシルヴィア。里長がその返答に頷く。そして視線を先で行われる戦闘へ向けた。
「シルヴィア、大義であった。それで、団長としてこの戦い、我々は何を成すべきと考える」
「はっ。正直、見ている……しかできません。それほどリュート殿とラルフの力は格が違います。我々では助太刀どころか足手まといにすらなりかねないかと」
そう言って苦虫を噛むような表情を見せるシルヴィア、里長もその言葉を聞き、神妙な顔つきをより深める。
その視線の先で戦闘はさらに激化する。
「なんてパワー。それでいて速度も巨躯からは想像できないほどに早い。流石森王と謳われるだけあるね。でも……身体強化・Ⅴ、これならどうかな!」
ギュンと、隆人の速度が上がる。身体強化の段階を一気に引き上げステータスを上昇させる。そのまま潜り込むような体勢で肉薄、切り上げ。
「ーーーー」
「おっりゃぁっ」
バキィ
もちろんラルフも反応し大剣で一撃を防ぐが、隆人はその結果を読んでおり大剣を支えに跳躍。空中逆立ちをしたような体勢から更に身体を捻り、足の甲でラルフの頬を蹴り抜く。
蹴りとは言え放つのは隆人の、1500にすら届く強大なSTRであり、直撃したラルフは鈍い音を響かせながら大きく仰け反る。
肉体的ダメージで言えばごく小さな、しかし戦闘を開始してから初めての明確に手応えのある一撃である。
「ーーーーー!!」
自らが受けたダメージに激昂し、ラルフが吼える。ビリビリと空気を振動させ、周囲の木々が揺れ動く。
そのまま足をたわめて解放。爆速で前進し、力一杯に振り下ろしてくる。全てを叩き潰さんという殺意の一撃に、隆人は動じる事なくセロを構える。
「……"朧"」
ぼそりと隆人、その姿と魔力がぼんやりと揺れる。次の瞬間、その隆人を大剣が叩き斬る。轟音を響かせながら大剣が地面を陥没させ、放射状に亀裂を生み出す
だが、そんな地を割る一撃を頭から受けたはずの隆人の姿が煙のように消える。
朧、動きの中に織り交ぜた緩急でもって見るものに瞬間的に残像をみせる技術。元は隆人が武器の意思の中で戦った剣の極致とも言うべき老人が見せた動きであり、隆人も修練でその一端を習得していた。
そしてその隆人の姿はラルフのすぐ横にいた。
「ーーー!?」
「隙ありだ、『魔力剣・虹彩七閂』!」
大剣を振り切り動きの硬直したラルフ。完全に空いたその隙を突くように隆人が接近する。
そのまま剣に魔力を込める。
込められた魔力が虹色に輝き、隆人は虹色のセロを振るう。瞬く間に七色七本の斬撃がラルフに刻まれる。
そして隆人は残心。7つの斬撃が爆発する。
「ーーーーーーー!」
爆発によって吹き飛ぶラルフ。その体から始めて鮮血が飛ぶ。更に地を蹴り追撃をしかける隆人だが、ラルフも空中で体勢を戻し、大剣を握る。
「まだだよ!『魔力剣』」
「ーーーーー!」
己が速度に任せて突撃し、濃密な魔力を込めた魔力剣で追撃する隆人に、ラルフが無理やり片手に握りしめた大剣をぶつける。
2人の剣がぶつかり合う場を中心に、衝撃波がほとばしり、世界を揺らす。
一瞬拮抗した両者、本来不利な体勢であるはずのラルフだが、それでも力では分があり、大剣の振り抜きによって隆人が吹き飛ばされる。
地面に直撃した隆人だが、すぐに背後の木々に着地する。一時の静寂が生まれる。
「バケモノか…….」
「たしかに、これでは我らの力では足手まといだな」
目の前で激化の一途をたどる異次元の戦いにカイルク戦慄を露わにする。里長も格の違いを感じ取り、息を飲む。
それは周囲のエルフ達も同様であり、騎士団として戦う者たちでさえ、その戦闘の苛烈さに見ているだけしかできない。
その場にいる者たちを置き去りにして、隆人と森王ラルフによる戦闘は進んでいく。だが、そんな時だった。
「!?ぐあっ」
「リュート様!」
いきなり、横合いから放たれた魔力弾が隆人に直撃する。完全に予想外なその一撃、目の前の戦闘に、ラルフの一挙一動に意識の全てを投じて集中していた隆人は反応が遅れ、回避し損ねる。
「全く、魔物達の動きが止まったからなにかと思って見に来れば。気に入らないな、たかだか人間族1人にこの俺様の計画が邪魔されるとは」
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