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第二章
冤罪
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すぐ後ろに立つアサバはリーラの首を掴んだまま、そのまま話し続ける。
「モクレンより先にお前を見つけられるなんて、本当に俺は運がいい。」
「・・・モクレンさんも、この町にいるの?」
「俺は嫌だったんだけどさ、モクレンはお前のことをどうしても見捨てられないらしいんだ。」
アサバの指先に力が込められるのが分かる。
爪が食い込んで痛い。
後ろからだから締まってはいないけど、首に指の跡がつくことは想定できる。
「なぁ、モクレンにとって何が一番いいと思う?」
アサバの問いには、リーラの答えを望んでいないような気がした。
「このまま俺がお前を殺してさ、遺体も残さなければ誰にも知られることはないよな。つまり、モクレンはお前がもしかしたらどこかで生きているかもしれないっていう希望を抱きながら生きていくことになるわけだ。でも、それだとモクレンの中にお前は残り続けるよな。今、どこで暮らしてるんだろうとか考えちまうよな。それって、最悪だよな。」
絶対に今、食い込んだ爪のせいで首から血が出てる。
パッポがフードの中にいるから、どうか見つからないで欲しい。
「じゃあさ、このままモクレンの目の前で警備隊につきだしてさ。そのまま処刑されたとするじゃん。そうすると、モクレンはリーラが確実に死んだことを知ることになる。そうなればモクレンは、ずっと後悔することになるのか?俺が助けられなかった、救えなかったと、ずっと悔やむことになるのか?そうなったら、モクレンは死んだお前のことを忘れられないのかな。どちらにせよ最悪になるなんて、本当に厄介な化け物だよな。」
アサバが強く突き飛ばしたことで、リーラは建物の壁に顔をぶつけた。
おでこから血が流れてくるが、それどころではない。
やっと顔を見れたアサバは、明らかに殺意があった。
魔法が当たらないとはいえ、アサバがどのように殺そうとしているのか分からない。
もともと用心棒の仕事をしているアサバに敵うはずもなく、リーラは壁に背をつけた。
何かを話さなければ。
リーラは時間稼ぎのつもりで口を開く。
「私が冤罪なのはアサバさんも知ってるでしょ。私は火をつけてないし、人を殺していたのは奥様だったって説明したじゃない。」
「お前まだそんなこと言ってるんだな。」
アサバは呆れたようにため息をつくと、懐から刃物を取り出した。
「お前が警備隊に追われてるのは、ザザクラ氏とその妻を殺したからだよ。」
「え?」
リーラの思考が止まる。
ザザクラは祖父の名前だ。
どうして、その名前がここで出てくるの。
「警備隊に昔の知り合いがいて話を聞いた。お前は暮らしていた農村で祖父母に育てられていたらしいな。魔法を使えないことも、村の皆に嫌われていたことも全部もう把握してる。お前はそのことに鬱憤がたまり、家に火をつけて育ててくれた夫婦を殺害した。」
「違う!!私は殺してない!!」
「風呂場にある火を調整する魔道具を触らなかったか?それが壊れていたせいで、火が加減できず家に燃え移ったそうだ。お前が壊したんじゃないのか?」
「そんなことしてな・・・。」
リーラは言葉に詰まった。
火災が起きた日。
いつものように川を往復して水を汲み、風呂桶に水をためた。
魔道具を使うのはいつも祖母で、私は使えないから触るはずもなくて。
でもあの日は。
魔道具の位置がいつもと違った。
水を運ぶ動線に置かれていて、私は魔道具に、触れた。
もしも。
もしも、私が魔道具に触れたことで壊したのだとしたら。
モクレンさんがかけてくれた認識阻害の魔法ははずれてた。
移動用の魔法具もすぐに壊れてしまった。
魔法が当たらない体質が、そもそも魔道具さえも壊してしまうのだとしたら。
私が、祖父母を殺した。
「ああ良かった、罪を認めるんだな。いくら俺でも、無罪の奴を殺すのは躊躇うんだ。だから、良かった。お前が人殺しで。」
アサバはそう言って、刃物を振り上げる。
「俺はこれまでもこれからも人殺しにはならない。だって、お前は人じゃないからな。」
振り上げられた刃物の切っ先が心臓目掛けて振り下ろされる。
リーラはそれをただ、眺めていた。
「ポポッ!!!」
目の前にふわふわの姿が見え、リーラはようやく体が動く。
パッポの尻尾を引っ張って、刃物を避けようとした。
避けられない!!!
それを悟るのと同時。
その刃物を受け止めたのは、黒い影だった。
「なんだ、これ!!」
屋根の上から飛び降りてきたアジュガがリーラの腕を掴んで走りだしていた。
「なんで・・・。」
「いいから走って、ロサ・ルゴサ行きの船を見つけた。このまま乗り込む。」
「待って・・・。」
リーラは足を止めようとするのに、アジュガは無理やりに引っ張る。
「私、行けない。」
「今更何言ってるの。故郷で自分のこと調べるんでしょ、それにオレも知りたいこともある。」
「行けないの、止まって。」
アジュガはリーラの言葉通りにはしてくれない。
だから、リーラは思いっきり足を止めて手を振り払った。
「リーラちゃん、はやく」
「私、本当に人殺しだった。」
静かな町ではないはずなのに、二人の周りには音が聞こえない。
だから、リーラの声はその場に響いた。
「殺すつもりなんてなかったけど、私は家族を殺してた。放火で、殺人犯だった。だからもう、逃げたら駄目なの。」
震える声。
だけど、それはリーラの覚悟の声だった。
リーラはパッポをアジュガに差し出す。
「暮らしやすい森に連れて行ってあげて。私はこのまま、警備隊のところに」
差し出した腕をアジュガは掴む。
「きみが明確に殺した証拠は?」
「え」
「あの男は風呂場にある火を調整する魔道具と言ったね。きみは、自分がそれに触れたことで壊したと思ってる。だけど、きみの体質に関することはまだ不確定要素が多い。現段階できみが壊して、さらにそれが原因で火がついたと仮定するのは早計だ。それに、そんなに広い家なの?小さな火にも気づけないほど、夫婦は逃げ出すことも出来ない状況だったの?そもそも、魔力をこめないと使えない魔道具の異変に夫婦は気付けなかったと思う?」
矢継ぎ早される問いかけにリーラは首を振る。
「分からない、分からない!!!」
強く引かれた手によって、アジュガの顔が目の前に来た。
「疑わしきは罰せず。あんな化け物呼ばわりする男より、今はオレのことだけを信じてくれない?」
その真剣な瞳に、息を飲む。
「でも、もしも私が殺していたら・・・?」
リーラの言葉に、アジュガは最高に美しく微笑んだ。
「そのときは、一緒に地獄に堕ちてあげるよ。」
ロサ・ルゴサ行きの船に乗り込む瞬間。
小さく名前を呼ばれた気がした。
その声は絶対にモクレンで、振り向きたかったけど振り向けない。
貨物倉庫の箱の間をすり抜けて、リーラとアジュガは船に乗る。
アジュガが気配を消す魔法を使い、リーラは息を止める。
そうして船は汽笛を鳴らし、出航した。
リーラたちが無事に出航できたのはモクレンが警備隊を攪乱したおかげでもあったが、それをリーラたちが知ることはない。
モクレンは船に乗り込むリーラの後ろ姿を見て呟いた。
「リーラ、生きてくれ。」
その言葉が届いても届かなくてもどちらでも良かった。
このまま船が無事に出てくれさえすれば良かった。
見知らぬ男に手を引かれ、前へと進むその姿を目に焼き付ける。
誰がなんと言おうとも、リーラは優しい普通の女の子だ。
そんな女の子が普通に生きられないこの世界が間違っている。
そうしてモクレンは船とは反対の方へ向き、警備隊を攪乱すべく走り出した。
「モクレンより先にお前を見つけられるなんて、本当に俺は運がいい。」
「・・・モクレンさんも、この町にいるの?」
「俺は嫌だったんだけどさ、モクレンはお前のことをどうしても見捨てられないらしいんだ。」
アサバの指先に力が込められるのが分かる。
爪が食い込んで痛い。
後ろからだから締まってはいないけど、首に指の跡がつくことは想定できる。
「なぁ、モクレンにとって何が一番いいと思う?」
アサバの問いには、リーラの答えを望んでいないような気がした。
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絶対に今、食い込んだ爪のせいで首から血が出てる。
パッポがフードの中にいるから、どうか見つからないで欲しい。
「じゃあさ、このままモクレンの目の前で警備隊につきだしてさ。そのまま処刑されたとするじゃん。そうすると、モクレンはリーラが確実に死んだことを知ることになる。そうなればモクレンは、ずっと後悔することになるのか?俺が助けられなかった、救えなかったと、ずっと悔やむことになるのか?そうなったら、モクレンは死んだお前のことを忘れられないのかな。どちらにせよ最悪になるなんて、本当に厄介な化け物だよな。」
アサバが強く突き飛ばしたことで、リーラは建物の壁に顔をぶつけた。
おでこから血が流れてくるが、それどころではない。
やっと顔を見れたアサバは、明らかに殺意があった。
魔法が当たらないとはいえ、アサバがどのように殺そうとしているのか分からない。
もともと用心棒の仕事をしているアサバに敵うはずもなく、リーラは壁に背をつけた。
何かを話さなければ。
リーラは時間稼ぎのつもりで口を開く。
「私が冤罪なのはアサバさんも知ってるでしょ。私は火をつけてないし、人を殺していたのは奥様だったって説明したじゃない。」
「お前まだそんなこと言ってるんだな。」
アサバは呆れたようにため息をつくと、懐から刃物を取り出した。
「お前が警備隊に追われてるのは、ザザクラ氏とその妻を殺したからだよ。」
「え?」
リーラの思考が止まる。
ザザクラは祖父の名前だ。
どうして、その名前がここで出てくるの。
「警備隊に昔の知り合いがいて話を聞いた。お前は暮らしていた農村で祖父母に育てられていたらしいな。魔法を使えないことも、村の皆に嫌われていたことも全部もう把握してる。お前はそのことに鬱憤がたまり、家に火をつけて育ててくれた夫婦を殺害した。」
「違う!!私は殺してない!!」
「風呂場にある火を調整する魔道具を触らなかったか?それが壊れていたせいで、火が加減できず家に燃え移ったそうだ。お前が壊したんじゃないのか?」
「そんなことしてな・・・。」
リーラは言葉に詰まった。
火災が起きた日。
いつものように川を往復して水を汲み、風呂桶に水をためた。
魔道具を使うのはいつも祖母で、私は使えないから触るはずもなくて。
でもあの日は。
魔道具の位置がいつもと違った。
水を運ぶ動線に置かれていて、私は魔道具に、触れた。
もしも。
もしも、私が魔道具に触れたことで壊したのだとしたら。
モクレンさんがかけてくれた認識阻害の魔法ははずれてた。
移動用の魔法具もすぐに壊れてしまった。
魔法が当たらない体質が、そもそも魔道具さえも壊してしまうのだとしたら。
私が、祖父母を殺した。
「ああ良かった、罪を認めるんだな。いくら俺でも、無罪の奴を殺すのは躊躇うんだ。だから、良かった。お前が人殺しで。」
アサバはそう言って、刃物を振り上げる。
「俺はこれまでもこれからも人殺しにはならない。だって、お前は人じゃないからな。」
振り上げられた刃物の切っ先が心臓目掛けて振り下ろされる。
リーラはそれをただ、眺めていた。
「ポポッ!!!」
目の前にふわふわの姿が見え、リーラはようやく体が動く。
パッポの尻尾を引っ張って、刃物を避けようとした。
避けられない!!!
それを悟るのと同時。
その刃物を受け止めたのは、黒い影だった。
「なんだ、これ!!」
屋根の上から飛び降りてきたアジュガがリーラの腕を掴んで走りだしていた。
「なんで・・・。」
「いいから走って、ロサ・ルゴサ行きの船を見つけた。このまま乗り込む。」
「待って・・・。」
リーラは足を止めようとするのに、アジュガは無理やりに引っ張る。
「私、行けない。」
「今更何言ってるの。故郷で自分のこと調べるんでしょ、それにオレも知りたいこともある。」
「行けないの、止まって。」
アジュガはリーラの言葉通りにはしてくれない。
だから、リーラは思いっきり足を止めて手を振り払った。
「リーラちゃん、はやく」
「私、本当に人殺しだった。」
静かな町ではないはずなのに、二人の周りには音が聞こえない。
だから、リーラの声はその場に響いた。
「殺すつもりなんてなかったけど、私は家族を殺してた。放火で、殺人犯だった。だからもう、逃げたら駄目なの。」
震える声。
だけど、それはリーラの覚悟の声だった。
リーラはパッポをアジュガに差し出す。
「暮らしやすい森に連れて行ってあげて。私はこのまま、警備隊のところに」
差し出した腕をアジュガは掴む。
「きみが明確に殺した証拠は?」
「え」
「あの男は風呂場にある火を調整する魔道具と言ったね。きみは、自分がそれに触れたことで壊したと思ってる。だけど、きみの体質に関することはまだ不確定要素が多い。現段階できみが壊して、さらにそれが原因で火がついたと仮定するのは早計だ。それに、そんなに広い家なの?小さな火にも気づけないほど、夫婦は逃げ出すことも出来ない状況だったの?そもそも、魔力をこめないと使えない魔道具の異変に夫婦は気付けなかったと思う?」
矢継ぎ早される問いかけにリーラは首を振る。
「分からない、分からない!!!」
強く引かれた手によって、アジュガの顔が目の前に来た。
「疑わしきは罰せず。あんな化け物呼ばわりする男より、今はオレのことだけを信じてくれない?」
その真剣な瞳に、息を飲む。
「でも、もしも私が殺していたら・・・?」
リーラの言葉に、アジュガは最高に美しく微笑んだ。
「そのときは、一緒に地獄に堕ちてあげるよ。」
ロサ・ルゴサ行きの船に乗り込む瞬間。
小さく名前を呼ばれた気がした。
その声は絶対にモクレンで、振り向きたかったけど振り向けない。
貨物倉庫の箱の間をすり抜けて、リーラとアジュガは船に乗る。
アジュガが気配を消す魔法を使い、リーラは息を止める。
そうして船は汽笛を鳴らし、出航した。
リーラたちが無事に出航できたのはモクレンが警備隊を攪乱したおかげでもあったが、それをリーラたちが知ることはない。
モクレンは船に乗り込むリーラの後ろ姿を見て呟いた。
「リーラ、生きてくれ。」
その言葉が届いても届かなくてもどちらでも良かった。
このまま船が無事に出てくれさえすれば良かった。
見知らぬ男に手を引かれ、前へと進むその姿を目に焼き付ける。
誰がなんと言おうとも、リーラは優しい普通の女の子だ。
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