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マリヤの思想
マリヤの思想ー①
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「シャリング、なんであんな所で寝てたの」
「君が調合室で寝てたから見守ってたんだよ。そしたら寝ちゃってた」
「なによ、見守るって。気持ち悪」
「はぁ?!君の安全を配慮してやったんじゃないか!」
「誰がいつ安全を配慮しろと言った!あんたの勝手な行動でしょ?!」
朝からカナリヤとシャリングの言い合いが始まっていた。
昨日の夜シャリングはカナリヤに毛布を被せたあとまたカナリヤの命が狙われないように近くの椅子に座っていた。
しかしついウトウトしてしまいそのまま寝てしまったのだ。
朝起きてシャリングはギリギリ倒れないくらいの体制で寝ていてそれを見たカナリヤがドン引きしているということだ。
カナリヤを守るためにやっていたことなのに逆にカナリヤに怒られた。
「だったらこれから気を使わないようにするよ!」
「そうしろ!」
フンといいカナリヤはそっぽを向いた。まるで子供と喧嘩しているようだった。
カナリヤも確か十五歳。そんな風には見えない。もっと子供っぽい。やっていることは大人だけれど。
コンコン
ドアを誰かがノックした。シャリングが慌てて開けるとそこにはマリヤがいた。
マリヤを見た瞬間シャリングは一瞬で真顔になった。昨日こいつがカナリヤに毒を盛った犯人の可能性が高いからだ。
カナリヤもきっと恨んでいる。そう思いながらカナリヤの方を見るとさっきまでの怒りは消えニコニコと微笑んでいた。
「おはよう。マリヤ。朝からどうしたの?」
「お、おはようございます。カナリヤ様。朝っぱらからすみません」
「いいえ、大丈夫よ」
「ちょっと頼み事が合って…今お時間よろしいでしょうか…?」
「ええ、いいわよ」
(ったくよくそんなにすぐ表情変えられるよな)
「どうぞ、こちらへ。シャリング。台所からコーヒーお持ちして」
「あ、はい」
今までのカナリヤとは口調が全然違うのでどう接すればいいのか焦った。いつも通りに接したらマリヤに怪しまれる。
シャリングは台所へいき、コーヒーを注いで持ってきた。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「それで、マリヤさん。頼み事って?」
「あ、えっと……変に思われるかもしれないんですけど……私に毒の作り方を教えてください!」
シャリングはその言葉に目をパチクリさせた。
(普通毒の作り方を教えてほしいなんて言うのか?そしたら余計怪しまれるじゃないか)
「それはまたどうして?」
「私…この世界に来る前毒について色々と調べていたんです。毒って面白いじゃないですか。なので、毒に詳しいカナリヤ様に毒のことを教えて教えてもらいたいと思いまして……」
マリヤは照れくさそうに言った。
(この世界に来る前毒のことについて知っていたからカナリヤに毒を盛れたのか。てことは、ここでカナリヤが毒の作り方を教えたら……またカナリヤは狙われるかもしれない)
シャリングはそう予測した。カナリヤもそれは分かっているはず、なのに
「ええ、喜んで教えますよ」
微笑みながらカナリヤは承知した。マリヤの顔はパァーっと明るくなった。
「ありがとうございます!それではまた今日こちらに伺いますね。準備するので!」
マリヤは嬉しさそうに言った。
「はい、待ってますね」
マリヤはそのまま喜びながら部屋を出ていった。シャリングはマリヤが出ていったのを見てカナリヤに問い詰めた。
「おい!なんで教えるんだ?また命狙われるかもしれないんだぞ!」
「だから何?」
カナリヤは心配してなさそうだった。いつも通り冷たい口調でシャリングに接した。
「だから何って……はぁ、君はほんと何を考えているのやら」
シャリングは呆れてカナリヤを見た。
カナリヤの部屋から出ていったあとマリヤから笑顔が消えた。
「フフ、意外とあの薬師簡単に倒せるわね……だけど、前に毒を盛ったのになんで生きているのかしら。もしかしてバレたんじゃ……まあいいわ。次は絶対に仕留めてみせる」
マリヤは満面の笑みを浮かべた。
「君が調合室で寝てたから見守ってたんだよ。そしたら寝ちゃってた」
「なによ、見守るって。気持ち悪」
「はぁ?!君の安全を配慮してやったんじゃないか!」
「誰がいつ安全を配慮しろと言った!あんたの勝手な行動でしょ?!」
朝からカナリヤとシャリングの言い合いが始まっていた。
昨日の夜シャリングはカナリヤに毛布を被せたあとまたカナリヤの命が狙われないように近くの椅子に座っていた。
しかしついウトウトしてしまいそのまま寝てしまったのだ。
朝起きてシャリングはギリギリ倒れないくらいの体制で寝ていてそれを見たカナリヤがドン引きしているということだ。
カナリヤを守るためにやっていたことなのに逆にカナリヤに怒られた。
「だったらこれから気を使わないようにするよ!」
「そうしろ!」
フンといいカナリヤはそっぽを向いた。まるで子供と喧嘩しているようだった。
カナリヤも確か十五歳。そんな風には見えない。もっと子供っぽい。やっていることは大人だけれど。
コンコン
ドアを誰かがノックした。シャリングが慌てて開けるとそこにはマリヤがいた。
マリヤを見た瞬間シャリングは一瞬で真顔になった。昨日こいつがカナリヤに毒を盛った犯人の可能性が高いからだ。
カナリヤもきっと恨んでいる。そう思いながらカナリヤの方を見るとさっきまでの怒りは消えニコニコと微笑んでいた。
「おはよう。マリヤ。朝からどうしたの?」
「お、おはようございます。カナリヤ様。朝っぱらからすみません」
「いいえ、大丈夫よ」
「ちょっと頼み事が合って…今お時間よろしいでしょうか…?」
「ええ、いいわよ」
(ったくよくそんなにすぐ表情変えられるよな)
「どうぞ、こちらへ。シャリング。台所からコーヒーお持ちして」
「あ、はい」
今までのカナリヤとは口調が全然違うのでどう接すればいいのか焦った。いつも通りに接したらマリヤに怪しまれる。
シャリングは台所へいき、コーヒーを注いで持ってきた。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「それで、マリヤさん。頼み事って?」
「あ、えっと……変に思われるかもしれないんですけど……私に毒の作り方を教えてください!」
シャリングはその言葉に目をパチクリさせた。
(普通毒の作り方を教えてほしいなんて言うのか?そしたら余計怪しまれるじゃないか)
「それはまたどうして?」
「私…この世界に来る前毒について色々と調べていたんです。毒って面白いじゃないですか。なので、毒に詳しいカナリヤ様に毒のことを教えて教えてもらいたいと思いまして……」
マリヤは照れくさそうに言った。
(この世界に来る前毒のことについて知っていたからカナリヤに毒を盛れたのか。てことは、ここでカナリヤが毒の作り方を教えたら……またカナリヤは狙われるかもしれない)
シャリングはそう予測した。カナリヤもそれは分かっているはず、なのに
「ええ、喜んで教えますよ」
微笑みながらカナリヤは承知した。マリヤの顔はパァーっと明るくなった。
「ありがとうございます!それではまた今日こちらに伺いますね。準備するので!」
マリヤは嬉しさそうに言った。
「はい、待ってますね」
マリヤはそのまま喜びながら部屋を出ていった。シャリングはマリヤが出ていったのを見てカナリヤに問い詰めた。
「おい!なんで教えるんだ?また命狙われるかもしれないんだぞ!」
「だから何?」
カナリヤは心配してなさそうだった。いつも通り冷たい口調でシャリングに接した。
「だから何って……はぁ、君はほんと何を考えているのやら」
シャリングは呆れてカナリヤを見た。
カナリヤの部屋から出ていったあとマリヤから笑顔が消えた。
「フフ、意外とあの薬師簡単に倒せるわね……だけど、前に毒を盛ったのになんで生きているのかしら。もしかしてバレたんじゃ……まあいいわ。次は絶対に仕留めてみせる」
マリヤは満面の笑みを浮かべた。
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